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ゴブリンの巣穴

第52話 間違った選択 B

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「えっと、まずは……料金に関してですが、……情報を提供する前に、その都度、提示して下さい。────良いですか?」

「ああ、わかった」

 先ずは基本を押さえて、質問に入る。


「『ゴブリンの巣穴』の事を教えて下さい。────出入りに、制限はありますか?」

「金貨1枚になる」

 ……ということは、制限は無さそうだな。

 でも一応、ちゃんと聞いておくか。



「教えて下さい」

「出入りに制限は無い」

 予想通り、出入りは自由のようだ。


「では、ボスの出現条件は────?」

「そいつは、金貨3枚だ」


 あまり凝った条件では、無いのかな……?

「────教えて下さい」

「ボスが現れるエリアは、固定されている。……ボス部屋に冒険者が入ると、出現するようだ。──その場所から、ボスは移動しない」


 出現場所が、決まっているのか……。

 初めてのケースだ。

 
 ボス部屋が決まっているということは、その部屋を見つける難易度が高いのだろうか……?


「えっと、迷宮を攻略するうえで、一番おすすめの情報は何ですか────?」

「金貨1枚になるが────?」

 聞いておこう。

「お願いします」

「ゴブリンの巣穴の『地図』の購入を進める。地図は金貨50枚だ。────一番は地図だが、それ以外にも、聞いておいた方が良い情報もあるぞ」


 地図が金貨50枚……。

 高いが、地図にはその価値があるのだろう。

 ……となると、今回のダンジョンは、複雑な構造なのだろうか────?


 地図を購入したいが、手持ちの資金が足りない……。

 それ以外の『聞いておいた方が良い情報』というのも気になるな。


 ……まずは、資金を集めるか。



 僕が金策を考えていると────

「おいおい、さっきからよー、お前、なに無駄使いしてんの? どうでも良いような情報に、金貨5枚も払って……、そんなことに金使うより、こっちの装備に金を使えよ────てか、地図に金貨50枚ってなんだよ? そんなもん、自分たちで作ればいいだろ? ちっとは頭使えよ。中坊~~」


 寺下さんに、横やりを入れられた。

 そう言われると、そんな気もしてくる。



 ────どのみち今は、地図を購入する資金が無い。

 自分たちで地図を作成するというのも、良いかもしれないな……。


 僕は金貨5枚を支払い、情報屋を後にした。





 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 頑なに意見を曲げずに、一つの考えに固執するのは考え物だ。

 それでは、頑迷となり、思考の硬直化を招いてしまう危険がある。


 様々な意見を聞き、自分とは違う考えを取り入れるのは大切な事だろう。

 『話し合い』は素晴らしい。
 


 僕は初めてプレイヤーとパーティを組み、自分とは異なる考えを聞き、その意見を取り入れた。

 それは、素晴らしいことだ。


 だけど、後から振り返れば、だが────

 この時の僕は、判断を誤ってしまっていた。





 『皆で話し合って決めたことは、絶対に正しい』

 ────そんな訳ないのだ。
 

 誰だって失敗するし、正しい選択ばかり出来る人間なんていない。


 だから、人と話して決めたことでも、間違えることはある。



 肝心なのは、間違いに気付いた後だ。

 そこから立て直す力が、冒険者に求められるものだろう。






 *************************

 名前    タナカ ジロウ           
 
 職業      冒険者Lv39 魔法使いLv36                       
 戦闘タイプ     特質系 時空間能力者
 魔力属性        闇  
 

 最大HP       140/140
 最大MP       670/670

 膂力         51
 体力        130
 魔力        830
 俊敏         76
 命中         55

 精神力       125
 運          70
 魅力        115       



 装備
 旅人の服 戦士のブーツ 戦士のマント 戦士の鎧 戦士の兜 戦士の盾 魔導士の指輪 勇者のネックレス 戦士の短剣


 スキル
 魔力操作 魔力属性変化 魔力具現化 魔力放出

 魔法
 なし

 特技
 ダークショット スロウ ワープ 回復力上昇 ダークキャノン 渾身の一撃 ブラックアーマー

 所持金
 金貨26枚 

 ボーナスポイント
        2  

 *************************
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