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コボルトの谷
第38話 戦いの決着とその後 B
しおりを挟む僕に声をかけてきたのは、谷底で知り合ったプレイヤーだ。
あの時は三人組だったはずだが、四人に増えている。
どうやら、冒険者を新しく雇うことが出来たようだ。
……よかった。
四人組はこれから、迷宮方面へと経験値を稼ぎに行くらしい。
────暫く迷宮は無いだろうが、モンスターはまだいるはずだ。
『迷宮を攻略したから、今は無いよ』という情報は、教える必要はないな。
僕は彼らと別れて、宿屋に入る。
彼らが村を出ようとしたところに、僕がワープしてきて鉢合わせになった。
ワープ能力を使うと、そういうことも起こりうる。
────まあ、滅多にこんなことは無いだろうが……。
これからは、そう言った事態も想定して、ワープを使おう。
僕はアイテムボックスから、ドロップ品の『コボルトの毛皮』だけを取り出し、道具屋に持って行って販売した。
買取金額は、金貨21枚だった。
アイテムドロップは運なので、単純比較はできないが、『魅惑の匂い』一度分よりも、金額は低い。
約二日間、ダンジョンを探索するよりも、魅惑の匂いで誘き寄せた敵の方が、数が多いことは確実だ。
宿に戻り、コボルト・キングがドロップしたアイテムを確認する。
・貴族の服
・高貴なるブーツ
この二つだ。
両方とも防御性能も、耐久値も高くない。
戦闘用の装備ではなさそうだ。
道具屋に売れば、高値で買い取って貰えそうだが……。
僕は貴族の服と、高貴なるブーツをアイテムボックスに収納した。
売るのは何時でも出来る。
何かの役に立つかもしれないから、保管しておくことにした。
今日はもう、ログアウトしよう。
ベットに入る。
そういえば────
ログアウトする前に、考え事をする。
あの谷底で会った人たちは、僕の姿を三日間見てないと言っていたな。
…………。
……僕は彼らと別れてから探索を開始して、歩き続けて夜になり、強制的にログアウトさせられた。
それから現実世界に戻り、もう一度ログイン────
夜の続きから探索を再開し、翌朝にテントでログアウト。
回復してからログイン。
────ボスを倒して帰還した。
ゲーム世界で、二日しか経ってないよな?
……もしかして、強制ログアウトした午前零時と、次のログイン時の午前零時は地続きではなく、ゲーム世界で一日、経過していたのかもしれない。
だから僕は、ゲーム世界の三日目にボスを倒したことになる。
そんな推測をしながら、僕はゲームをログアウトした。
*************************
名前 タナカ ジロウ
職業 冒険者Lv36 魔法使いLv33
戦闘タイプ 特質系 時空間能力者
魔力属性 闇
最大HP 43/140
最大MP 109/670
膂力 38
体力 130
魔力 830
俊敏 76
命中 55
精神力 125
運 70
魅力 115
装備
旅人の服 旅人の靴 旅人のマント 冒険者の鎧 冒険者の兜 戦士の盾 魔導士の指輪 勇者のネックレス 戦士の短剣
スキル
魔力操作 魔力属性変化 魔力具現化 魔力放出
魔法
なし
特技
ダークショット スロウ ワープ 回復力上昇 ダークキャノン
所持金
金貨43枚
ボーナスポイント
9
*************************
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