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コボルトの谷
第24話 ゲッテ村に到着 B
しおりを挟む僕は反射的に、ダークショットの準備をした。
敵に照準を当てて、相手の様子を見る。
魔物は敵意剥き出しで、僕を睨みつけてきた。
コボルトがこちらを目指して、まっすぐに駆け寄ってくる。
────人型だが武器は持っていない。
鋭い爪と、大きな牙が武器の様だ。
────ドウッ!!!
僕はダークショットを放ち、コボルトを倒した。
頭を撃ち抜かれたコボルトは、地面に倒れて動かない。
暫くすると────
スライム同様にその体が塵のように、崩れて消える。
コボルトが消えた場所が、淡く光り出す。
そして、毛皮が出現した。
コボルトのドロップアイテムは、毛皮の様だ。
アイテムの回収を意識する。
『コボルトの毛皮』がオートで、アイテムボックスに収納された。
ゲッテ村周辺の出現モンスターは、コボルトになるようだ。
僕がゲッテ村に到着するまでに、コボルトは合計五匹現れた。
すべて一撃で倒したので、スライムとの比較は難しいが、爪や牙で攻撃してくるので、見た目はコボルトの方が怖い。
ゲッテ村に到着したのは、昼過ぎになった。
────取り敢えず、宿屋で部屋を取る。
この村の宿屋もブイロ村同様、三泊で金貨1枚だった。
村にある施設も、ブイロ村と変わりは無かった。
武器屋に防具屋、道具屋に冒険者ギルド────
売っている物を見て回ったが、掘り出し物は見つからなかった。
ここまでの道中で手に入れたスライムの液体と、コボルトの毛皮を道具屋で販売しておく。
────全部で、金貨5枚になった。
鍛冶屋の前を通った時に、ガタイの良いおじさんから声をかけられた。
「おい、坊主────!!」
「は、はいっ……何でしょうか?」
僕は『ビクッ!』となりながらも、何とか返事を返す。
以前のブイロ村でのことが、僕のトラウマになっているようだ。
────話しかけただけで胸ぐらを掴まれたのが、まだ尾を引いている。
「────お前の装備、随分とガタが来てるじゃないか。ここで直していかないか?」
……どうやら、親切なNPCのようだ。
僕の装備を心配して、声をかけてくれたらしい。
僕は二つ返事で『お願いします』と言おうとして、思いとどまった。
「あの、……お値段は、御幾らになりますか────?」
ブイロ村の情報屋での失敗は、繰り返さない。
先にちゃんと、値段を聞いておこう。
親切に声をかけてくれた人が、詐欺師の可能性だってある。
「値段か────? 装備一式の修繕で、金貨1枚だ。どこの村でも、大体こんなもんだぞ?」
どうやら、鍛冶屋の利用料金の相場は、決まっているらしい。
そういえば武器屋や防具屋の商品も、値段は一緒だった。
僕は装備の修繕を、お願いすることにした。
装備は定期的に修繕しておかないと、耐久度が下がり、突然、壊れることがあるらしい────
なにそれ、こわっ!!
────僕は戦慄する。
このゲームは、ちゃんと村人と接触して、情報を集めておかないと、分からないような落とし穴が多い。
コミュ障には、難易度の高いゲームだ。
*************************
名前 タナカ ジロウ
職業 冒険者Lv20 魔法使いLv17
戦闘タイプ 特質系 時空間能力者
魔力属性 闇
最大HP 125/140
最大MP 480/670
膂力 28
体力 130
魔力 830
俊敏 62
命中 55
精神力 125
運 70
魅力 115
装備
旅人の服 旅人の靴 旅人のマント 冒険者の鎧 冒険者の兜 冒険者の盾 魔導士の指輪 勇者のネックレス 冒険者のナイフ
スキル
魔力操作 魔力属性変化 魔力具現化 魔力放出
魔法
なし
特技
ダークショット スロウ ワープ
所持金
金貨47枚
ボーナスポイント
1
*************************
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