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外伝 ロブドの戦い
第45話 戦いの始まり A
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俺は自分の生まれた村へと、帰ってきている。
今日の朝に、村に入った。
どんな顔で皆に会えばいいのか解らない俺は、広場でぼうっとして突っ立ていた。
暫くそうしていると、村人に発見される。
俺の姿を見つけた奴が、村中に知らせて回り――
俺は村人たちによる、熱烈な歓迎を受けることになった。
そして村の共用倉庫に、閉じ込められている。
俺の身体は、リンチされてボロボロで――
逃げられない様に、縛られている。
「ロブドッ!! テメーとレイミーが逃げたせいで、村長が責任を取らされて……殺されたんだぞ!!」
そう言って、殴られた。
…………そうか、村長が――
胸が痛んだ。
その資格が俺にあるのかは、解らないが……
俺が村に帰ってきたことは、すでにこの村を管轄する貴族に報告されている。
明日にでもそいつが、直々にやって来るそうだ。
俺の処刑を、見届けるために――
俺はそのために、ここに帰ってきた。
深夜になった。
今日は、月も出ていない。
真っ暗な夜――
扉が開けられる。
それまで真っ暗だった倉庫の中に、ロウソクの灯りが漏れ入る。
「ロブド……生きてる?」
緊張と、心配をはらんだ声――
「ああ、レイミー……、なんとかな――」
手筈通りに、レイミーが現れた。
外にいた見張りは、二人ともよく眠っている。
今日、この村に付いてすぐ――
村人に見つかる前に、眠り薬を井戸に入れておいた。
即効性はないが、眠りを深くする薬らしい。
この程度の物音では、起きないだろう。
俺の身体を縛る縄は、レイミーにナイフで切って貰う。
自由になった俺とレイミーは、再び村を出た。
ランタンから漏れる、ろうそくの灯りを頼りに、林の中に入った。
林の中の、少し開けた場所――
そこにはくたびれた感じの、青年が一人いた。
男の名前はジェイド。
恐らくは、偽名だろう。
悪辣眼鏡の使いだ。
「よう、元気か――?」
「元気なわけ、ないでしょ……」
体中、殴られて痛いんだ。
軽い感じで話しかけてくる男に、俺は少し苛立って答える。
「まあ、村の連中に殺されなかったら、この仕事は――九割成功したようなもんだ」
「簡単に言わないで下さいよ。これからが大変なのに……」
他人事だと思って――
「そうでもないさ、お前さんが上手くやってくれないと、――俺も困る」
「そうは、見えませんけど……」
俺なんかが、重要な任務を任されるわけがない。
成功しても失敗しても良いような、そんな手を複数打っておき、どれかが役に立てばいい――
俺はそんな任務の捨て駒の、一つでしかないのだろう。
「弓はこれを使え……ん、おいおい――そんな深刻な顔すんなって、気楽にやれ気楽に――練習通りにやればいい。お前ならうまくやれるさ」
ジェイドはそう言って、俺の肩をポンポン叩く。
何でもないことのように、言いやがって……。
気楽にやれるわけないだろう。
何せ俺と、レイミーの命が掛かっているんだから。
――――翌日。
またしても俺が逃げ出したせいで、村は大騒ぎになっていた。
捜索隊を出して探しているが、見つからない。
そうこうしているうちに――
俺の処刑を見届けるために、貴族とそのお付きがやってきた。
村人たちは神妙な顔で、貴族一行を出迎える。
皆は顔面蒼白で、絶望に打ちひしがれている。
申し訳ない――。
今日の朝に、村に入った。
どんな顔で皆に会えばいいのか解らない俺は、広場でぼうっとして突っ立ていた。
暫くそうしていると、村人に発見される。
俺の姿を見つけた奴が、村中に知らせて回り――
俺は村人たちによる、熱烈な歓迎を受けることになった。
そして村の共用倉庫に、閉じ込められている。
俺の身体は、リンチされてボロボロで――
逃げられない様に、縛られている。
「ロブドッ!! テメーとレイミーが逃げたせいで、村長が責任を取らされて……殺されたんだぞ!!」
そう言って、殴られた。
…………そうか、村長が――
胸が痛んだ。
その資格が俺にあるのかは、解らないが……
俺が村に帰ってきたことは、すでにこの村を管轄する貴族に報告されている。
明日にでもそいつが、直々にやって来るそうだ。
俺の処刑を、見届けるために――
俺はそのために、ここに帰ってきた。
深夜になった。
今日は、月も出ていない。
真っ暗な夜――
扉が開けられる。
それまで真っ暗だった倉庫の中に、ロウソクの灯りが漏れ入る。
「ロブド……生きてる?」
緊張と、心配をはらんだ声――
「ああ、レイミー……、なんとかな――」
手筈通りに、レイミーが現れた。
外にいた見張りは、二人ともよく眠っている。
今日、この村に付いてすぐ――
村人に見つかる前に、眠り薬を井戸に入れておいた。
即効性はないが、眠りを深くする薬らしい。
この程度の物音では、起きないだろう。
俺の身体を縛る縄は、レイミーにナイフで切って貰う。
自由になった俺とレイミーは、再び村を出た。
ランタンから漏れる、ろうそくの灯りを頼りに、林の中に入った。
林の中の、少し開けた場所――
そこにはくたびれた感じの、青年が一人いた。
男の名前はジェイド。
恐らくは、偽名だろう。
悪辣眼鏡の使いだ。
「よう、元気か――?」
「元気なわけ、ないでしょ……」
体中、殴られて痛いんだ。
軽い感じで話しかけてくる男に、俺は少し苛立って答える。
「まあ、村の連中に殺されなかったら、この仕事は――九割成功したようなもんだ」
「簡単に言わないで下さいよ。これからが大変なのに……」
他人事だと思って――
「そうでもないさ、お前さんが上手くやってくれないと、――俺も困る」
「そうは、見えませんけど……」
俺なんかが、重要な任務を任されるわけがない。
成功しても失敗しても良いような、そんな手を複数打っておき、どれかが役に立てばいい――
俺はそんな任務の捨て駒の、一つでしかないのだろう。
「弓はこれを使え……ん、おいおい――そんな深刻な顔すんなって、気楽にやれ気楽に――練習通りにやればいい。お前ならうまくやれるさ」
ジェイドはそう言って、俺の肩をポンポン叩く。
何でもないことのように、言いやがって……。
気楽にやれるわけないだろう。
何せ俺と、レイミーの命が掛かっているんだから。
――――翌日。
またしても俺が逃げ出したせいで、村は大騒ぎになっていた。
捜索隊を出して探しているが、見つからない。
そうこうしているうちに――
俺の処刑を見届けるために、貴族とそのお付きがやってきた。
村人たちは神妙な顔で、貴族一行を出迎える。
皆は顔面蒼白で、絶望に打ちひしがれている。
申し訳ない――。
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