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冒険者編
第35話 仲間の育成 B
しおりを挟む敵の名前は『殺人兎』。
戦闘能力は890で、大きさは身長百七十前後だろう。
見た目はアスリートタイプの人型の兎で、包丁型の武器を装備している。
名前に兎と付くだけあって、スピードタイプの魔物のようだ。
土魔法を顔面に喰らって、動きの止まった殺人兎へと、走って距離を詰める。
俺が殺人兎を剣の間合いに捉えて、切り裂こうとしたところで──
敵が消えた。
いや……
消えたのではなく、俺の想定外のスピードで移動した。
その鍛え抜かれた太く強靭な脚で、大地を蹴って、一足飛びにイルギットのところへと──
俺は空間移動を発動して、両者の間へと割って入る。
一瞬で視界が切り替わって対応し辛いが、それは殺人兎も同じだろう。
何せ裏をかいて巻いたと思った俺が、いきなり現れたんだからな。
敵の突進は、止まらない。
俺は剣を、前方へ構える。
殺人兎はまっすぐに、剣の切っ先目掛けて突っ込んでくる。
殺人兎の心臓に俺の剣が突き刺さる。
致命傷だが──
魔物は生命力が強く、しぶとい。
最後に殺人兎はその強靭な脚で、俺の顔に回し蹴りを喰らわせて、地面に倒れ伏した。
「──痛ってぇ……」
蹴り一発だが、かなりのダメージを受けた。
革の兜を装備していなければ、危うく死ぬかもしれなかった。
すぐに回復薬を使い、ダメージを回復する。
俺は念のため殺人兎の喉の辺りを槍で突いて、確実に殺してからコイツをどうするか考える。
流石にコイツの肉は食えないだろうが、ギルドに持って行けば高く評価されそうだ。しかし、魔石や素材も魅力的だ。
自分の物にしたい。
スラ太郎がこちらを、物欲しげに見ている。
こいつの肉が欲しいのか?
少し悩んだ末に、魔石だけを抜き出して、残りは冒険者ギルドに売ることにした。
スラ太郎には帰り道で倒した、ゴブリンの肉を与えておく。
今日は大物と戦ったので、この辺りで狩りを切り上げて町へと戻った。
冒険者ギルドの解体場で査定して貰った結果、大兎は金貨十三枚で、殺人兎は金貨五枚だった。
肉を食用として売れる、大兎の方が買取価格は上だった。
魔石付きなら、金貨一枚くらいは買い取り額が上がると言われた。
殺人兎の魔石値は、千くらいだからな。
買取価格は肉が大量に取れる大兎の方が上だったが、ギルド貢献値は殺人兎の方が大きかった。
殺人兎一匹でギルド貢献度が、580ポイント一気に加算された。
それ以外にも初心者用のフィールドに出現した、危険なイレギュラーな進化個体を討伐したことを評価された。
特別報奨金が金貨五十枚、追加で支払われた。
思わぬ臨時収入だ。
進化個体を放っておくと、初心者冒険者が殺されまくるので、ギルドの報奨金も多く設定されているらしい。
ギルドの受付のおばさんによると──
進化個体の出現は、冒険者の出入りの多いエリアでは珍しいことだそうで、運が良いのか悪いのか判りませんね、と言われた。
*************************
名前 ユージ
HP 210/217 MP 218/278 FP 189/209
冒険者パーティ 白銀の竜の翼 ブロンズランク
ギルド貢献度 718
幸運力
058~-011×2
スキル
空間移動 危険感知 ウォータークリエイト
所持品
魔石値 0067749
回復薬 5個
所有奴隷
アカネル モミジリ イルギット サリシア ナーズ
預金 金貨100枚 パーティ資産 金貨112枚 所持金 金貨88枚
才能
大魔導士の卵 戦神の欠片 強欲な器
職業
勇者Lv10 戦士Lv32 剣士Lv32 武闘家Lv28 弓使いLv25 槍使いLv29
教官Lv06
魔法使いLv35 魔術師Lv37 魔物使いLv20
冒険者Lv11 旅人Lv02 探索者Lv28 斥候Lv27
隠密Lv30 暗殺者Lv33
遊び人Lv39 ギャンブラーLv35 ハーレムマスターLv39
薬師Lv25 錬金術師Lv30 鍛冶師Lv31
農夫Lv15 薬草採取者Lv20
*************************
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