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農場奴隷編
第23話 魔法の訓練とヒロインのピンチ B
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労働奴隷にだって性欲はある。
それを刺激してしまうと、こういった危険もあるのか──
俺は慌てて駆けだした。
すでに奴らはモミジリを囲み、ケツを揉みだしている。
「おい、お前らッ!!」
俺は強い口調で怒鳴りつける。
奴らは一瞬ビクッとなり、こちらを向く。
「な、なんだ……ユージか」
「おい、向こうへ行ってろ。お前にはまだ早い──しっしっ……」
「だ、誰にも、言うなよ。──言ったら、ただじゃ置かないからな」
奴らは相手が俺だと確認すると、デカい態度で俺を追い払おうとする。
俺は農場の管理者に目を付けられない様に、普段は大人しくしているからな。
仕事はよくさぼるけど──
なるべく騒ぎは起こしたくない。
だが、この事態を招いてしまったのは俺だ。
「ゴチャゴチャ言ってないで、そいつから離れろ。そいつは俺の女だ」
「……は? お前、誰に向かって言ってるのか解ってるのか?」
「調子に乗ってんじゃねーぞ。マセガキがッ!!」
「い、痛い目を見なくちゃ、判んないかな? ボクちゃん?」
三人の男が凄んでくる。
労働奴隷が従順なのはあくまで雇用主や仕事に対してだ。
同じ奴隷──
しかも年下に対しては、イキった態度で来る奴もいるのか。
三人の男は指の骨をポキポキ鳴らすジェスチャーをしながら、俺に近づいてくる。
俺は三人をボコボコにしてやった。
身体能力強化や、闘気を使うまでもない。
最初に殴りかかってきた男の腕をいなして、その勢いを利用して地面に転ばすと、すかさず男のみぞおちに蹴りを入れる。
たったそれだけで、そいつは痛みで気絶した。
張り合いがない。
仲間が一瞬で無力化されたのを見た残りの二人は尻込みをするが、俺に喧嘩を売ったこいつらを見逃してやる気はない。
俺は二人に自分から接近すると、片方の腹に右ストレートを打ち込んだ。
男は俺のスピードに対応できずに、棒立ちで立っている。
そいつは気絶せずになんとか耐えたが、痛みで腹を押さえてうずくまっている。
最後の一人は腰を抜かして、へたり込んでいる。
俺はそいつの顔に、手加減した軽い蹴りを入れる。
「ぶごっ……」
男はそれで、簡単に後ろに倒れ込んだ。
俺は男の首を掴んで、力を込めて息が出来ないようにする。
「おい……この女は、俺のなんだ。それといつも一緒にいる、もう一人もな──手を出せば次は殺す。残りの二人にも言っておけ……いいな?」
男は喉が塞がっていて喋れない。
コクコクと首を振って、意思表示する。
俺は三人の男をシメた後で、モミジリの側まで歩いていく。
モミジリは桶を手に持ったままポカンとしていたが、俺が近づくと──
「あ、ありがとう。助かったわ」
いや、いいんだ。
もとはと言えば、俺のせいだからな。
「そ、それにしても、強いんだね」
モミジリは尊敬の眼差しで、俺を見つめる。
よしてくれ。
これじゃあマッチポンプじゃないか。
流石に、なけなしの良心が痛む。
「……カッコ、良かったよ」
モミジリは頬を赤らめて、告白するようなノリで褒めてくれた。
マジでごめん。
自作自演で好感度を上げる気はなかったんだ。
でもまあ、これだけ素直に褒められると悪い気はしないが──
俺はモミジリの肩を抱き、調理場へと送り届けた。
それを刺激してしまうと、こういった危険もあるのか──
俺は慌てて駆けだした。
すでに奴らはモミジリを囲み、ケツを揉みだしている。
「おい、お前らッ!!」
俺は強い口調で怒鳴りつける。
奴らは一瞬ビクッとなり、こちらを向く。
「な、なんだ……ユージか」
「おい、向こうへ行ってろ。お前にはまだ早い──しっしっ……」
「だ、誰にも、言うなよ。──言ったら、ただじゃ置かないからな」
奴らは相手が俺だと確認すると、デカい態度で俺を追い払おうとする。
俺は農場の管理者に目を付けられない様に、普段は大人しくしているからな。
仕事はよくさぼるけど──
なるべく騒ぎは起こしたくない。
だが、この事態を招いてしまったのは俺だ。
「ゴチャゴチャ言ってないで、そいつから離れろ。そいつは俺の女だ」
「……は? お前、誰に向かって言ってるのか解ってるのか?」
「調子に乗ってんじゃねーぞ。マセガキがッ!!」
「い、痛い目を見なくちゃ、判んないかな? ボクちゃん?」
三人の男が凄んでくる。
労働奴隷が従順なのはあくまで雇用主や仕事に対してだ。
同じ奴隷──
しかも年下に対しては、イキった態度で来る奴もいるのか。
三人の男は指の骨をポキポキ鳴らすジェスチャーをしながら、俺に近づいてくる。
俺は三人をボコボコにしてやった。
身体能力強化や、闘気を使うまでもない。
最初に殴りかかってきた男の腕をいなして、その勢いを利用して地面に転ばすと、すかさず男のみぞおちに蹴りを入れる。
たったそれだけで、そいつは痛みで気絶した。
張り合いがない。
仲間が一瞬で無力化されたのを見た残りの二人は尻込みをするが、俺に喧嘩を売ったこいつらを見逃してやる気はない。
俺は二人に自分から接近すると、片方の腹に右ストレートを打ち込んだ。
男は俺のスピードに対応できずに、棒立ちで立っている。
そいつは気絶せずになんとか耐えたが、痛みで腹を押さえてうずくまっている。
最後の一人は腰を抜かして、へたり込んでいる。
俺はそいつの顔に、手加減した軽い蹴りを入れる。
「ぶごっ……」
男はそれで、簡単に後ろに倒れ込んだ。
俺は男の首を掴んで、力を込めて息が出来ないようにする。
「おい……この女は、俺のなんだ。それといつも一緒にいる、もう一人もな──手を出せば次は殺す。残りの二人にも言っておけ……いいな?」
男は喉が塞がっていて喋れない。
コクコクと首を振って、意思表示する。
俺は三人の男をシメた後で、モミジリの側まで歩いていく。
モミジリは桶を手に持ったままポカンとしていたが、俺が近づくと──
「あ、ありがとう。助かったわ」
いや、いいんだ。
もとはと言えば、俺のせいだからな。
「そ、それにしても、強いんだね」
モミジリは尊敬の眼差しで、俺を見つめる。
よしてくれ。
これじゃあマッチポンプじゃないか。
流石に、なけなしの良心が痛む。
「……カッコ、良かったよ」
モミジリは頬を赤らめて、告白するようなノリで褒めてくれた。
マジでごめん。
自作自演で好感度を上げる気はなかったんだ。
でもまあ、これだけ素直に褒められると悪い気はしないが──
俺はモミジリの肩を抱き、調理場へと送り届けた。
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