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目指せ!人間生活③
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あれからルイは'のし'を次々と殴って倒し、気づいたら100本近く集まったけど、例の無限収納に無事楽々とおさまった
次も多分橙色の点滅のところに行けば目的の物があるんじゃないかという自分の直感を信じて、ルイと2人で転移した
読みは当たった!良いぞ!私!
で、そこにあったのは"サンス"という花で、どうやら雄しべの部分が歯ブラシと歯磨き粉になるらしかった
異世界、超便利じゃん!エコだしさ。お店で買わなくていいとか、マジ助かる
でも、受粉前に雄しべを取ってしまったら、お花が可哀想だから、採る前にしっかり人工受粉させてから、ありがたく頂戴しましたよ
時間の止まる無限収納があるから、とりあえず100本程度採らせていただきました
神様、ありがとう
で、近くにあった川をちょっとだけ堰き止めて、先程採った"のし"を10枚ばかり浸けてから、もう一仕事
近くに岩塩やハーブがないかお願いしてみたら、あったよありました!
岩塩はちょっと赤くて優しい感じのが、少し離れた所に花畑のように広がってありました
ハーブは、バジル、イタリアンパセリ、セージ、レモングラス、ローズマリーなんかが、もう取り放題でハーブパラダイスでしたよ
異世界だから、これホントの無農薬有機栽培だよ
ついでに、この辺りにあった枯れ草や小枝も集めて、しっかり無限収納に入れました
この分だと、衣食住の食と住は大丈夫そうな気がする
後は、衣だな
ルイのパンツを早急になんとかしなきゃ
"のし"の出来がどうかだけど、まぁ、何とかなる気がする
「ルイ、今日はもう帰ろう?」
「うん」
そう言ってルイを見ると、げげげ!何か背中に背負ってるよ!
「ルイ、それ、何?」
「フォレストボア」
「……え?いつの間に、獲ってきたの?」
「ヒロ、葉っぱ、採ってたとき。オレ、ヒロと会って、すごく、強くなった。これ、一回、殴ったら、死んだ」
「え?殴っただけ?」
「うん、殴った、だけ」
マジですか!神様のチート半端ない
神様、ルイを強くしてくれてありがとう
「ルイ、また、私と手を繋いで?私が寝かされてたあの洞窟が、ルイのお家なんだよね?」
「うん」
「じゃあ、そこまで一気に戻るよ。私とルイを洞窟まで連れて行って」
次の瞬間、私達は洞窟の中にいた
ーー うっ………洞窟の中に入ると中の空気が変わらないから、フォレストボアとルイの強烈な臭いで一瞬クラっときた
……吐きそう ーー
ーー そうだ!ラノベに出てきた"クリーン"てのを使えたらこれは回避できるかも ーー
ーー お願いだから、フォレストボアとルイの臭いがしないようにして!それから、ルイの全身の汚れも綺麗に落として欲しい ーー
一瞬、フォレストボアとルイの体が眩しく光った
ルイが……ルイの全身にこびり付いていた、あの消し炭の黒い色が綺麗にとれて、褐色の色をした本当のルイの肌の色が表れた
「ルイ!体の汚れがとれたよ……」
ルイはまず自分の手を見て、それからお腹や足を見てから、ポロポロと涙を流して蹲ってしまった
「ヒロ…ヒロ……ありがとう……グスッグスッ、う、う、う」
ルイは暫く泣いていたが
"ぐ~~"
空腹には勝てず泣き止むと
「オレ、フォレストボア、バラして、くる」
「うん。私は竃の用意をしたり岩塩を砕いたりして、いつでも調理できるようにしとくね」
ルイは洞窟の入り口の広場で今日の獲物を解体し始めた
私は少し離れた所で、竃になりそうな石を集めて積み上げ、小枝と枯れ草を山にしてスタンバイ終了
後は無限収納からハーブを出して、細かくしてから岩塩と混ぜておく
暫くすると、ルイが肉のブロックを持ってきたので、それに岩塩とハーブをまぶして小枝にさすと、先程山にしておいた小枝と枯れ草に火をつける
ルイが火をつけたがったが、また消し炭にされてはかなわないので、私も火をつける練習をしたいからと、何とかルイをなだめて、見ているように約束させた
「お願いだから、枯れ草に火をつけて」
私の指から小さな火が出て枯れ草に移ると、小枝に燃え移り、火をおこすことが出来た
肉は小枝に刺したが、残念ながらここは岩山なので、足下は全て岩である
なので、小枝を地面にさすことは諦めて、火の周りに石を積み上げて作った竃の淵に小枝を渡して焼くことにした
肉は、美味しかった
ルイは一口食べると、目を見開き涙を流しながらガツガツ食べていた
「ヒロ…美味しい」
多分、ルイはキロ単位で食べてたと思う
とにかく、焼けるはしから直ぐに食べてしまうから、調理担当の私は焼くのが忙しくて、自分はあまり食べた気がしなかった
食費はゼロだから気にしないけどね
いやぁ、多分ルイはフードファイターになれるよ、マジで
今日は、野菜がないので、ついでに採っておいた"のし"の実を食べた
これがジューシーで甘くてさっぱりしてて、中々の美味でした
食後、私はルイに"サンス"の雄しべのえを持たせ、歯磨き講習をした
私も"サンス"の雄しべを持って、実際にやって見せながらの実地講習である
まずは持ち方から始めたけど、ルイは人間よりも指が長く、あまり手先が器用ではない
なので、雄しべを持って歯に当てる、歯に当てたまま雄しべを動かす、この動作が中々上手くできなくて、たかが歯磨きのはずが、小一時間かかってお互い疲れ果ててしまった
ルイと過ごすはじめての夜は、私が異世界にきて初めて目を覚ました時に寝かされていた藁の上で、ルイに強く抱きしめられて眠った
一人で寝たいと、何度も主張したのだけれど、ルイが泣いて許してくれなかった
多分、ここに来て直ぐ私が神様の所に行ってしまって、ルイの前から急に消えて、10日間も帰って来なかったからだと思うんだけどね
ーー ルイは本当に一人なんだ。きっと、淋しかったんだね。これからは私が一緒にいるから、寂しくないよ ーー
私は今日一日頑張って疲れ果て、直ぐに眠ってしまった
それにしても、ルイに抱きしめられて眠るとか
ルイにクリーンをかけておいて良かったよ
私、グッジョブ!
次も多分橙色の点滅のところに行けば目的の物があるんじゃないかという自分の直感を信じて、ルイと2人で転移した
読みは当たった!良いぞ!私!
で、そこにあったのは"サンス"という花で、どうやら雄しべの部分が歯ブラシと歯磨き粉になるらしかった
異世界、超便利じゃん!エコだしさ。お店で買わなくていいとか、マジ助かる
でも、受粉前に雄しべを取ってしまったら、お花が可哀想だから、採る前にしっかり人工受粉させてから、ありがたく頂戴しましたよ
時間の止まる無限収納があるから、とりあえず100本程度採らせていただきました
神様、ありがとう
で、近くにあった川をちょっとだけ堰き止めて、先程採った"のし"を10枚ばかり浸けてから、もう一仕事
近くに岩塩やハーブがないかお願いしてみたら、あったよありました!
岩塩はちょっと赤くて優しい感じのが、少し離れた所に花畑のように広がってありました
ハーブは、バジル、イタリアンパセリ、セージ、レモングラス、ローズマリーなんかが、もう取り放題でハーブパラダイスでしたよ
異世界だから、これホントの無農薬有機栽培だよ
ついでに、この辺りにあった枯れ草や小枝も集めて、しっかり無限収納に入れました
この分だと、衣食住の食と住は大丈夫そうな気がする
後は、衣だな
ルイのパンツを早急になんとかしなきゃ
"のし"の出来がどうかだけど、まぁ、何とかなる気がする
「ルイ、今日はもう帰ろう?」
「うん」
そう言ってルイを見ると、げげげ!何か背中に背負ってるよ!
「ルイ、それ、何?」
「フォレストボア」
「……え?いつの間に、獲ってきたの?」
「ヒロ、葉っぱ、採ってたとき。オレ、ヒロと会って、すごく、強くなった。これ、一回、殴ったら、死んだ」
「え?殴っただけ?」
「うん、殴った、だけ」
マジですか!神様のチート半端ない
神様、ルイを強くしてくれてありがとう
「ルイ、また、私と手を繋いで?私が寝かされてたあの洞窟が、ルイのお家なんだよね?」
「うん」
「じゃあ、そこまで一気に戻るよ。私とルイを洞窟まで連れて行って」
次の瞬間、私達は洞窟の中にいた
ーー うっ………洞窟の中に入ると中の空気が変わらないから、フォレストボアとルイの強烈な臭いで一瞬クラっときた
……吐きそう ーー
ーー そうだ!ラノベに出てきた"クリーン"てのを使えたらこれは回避できるかも ーー
ーー お願いだから、フォレストボアとルイの臭いがしないようにして!それから、ルイの全身の汚れも綺麗に落として欲しい ーー
一瞬、フォレストボアとルイの体が眩しく光った
ルイが……ルイの全身にこびり付いていた、あの消し炭の黒い色が綺麗にとれて、褐色の色をした本当のルイの肌の色が表れた
「ルイ!体の汚れがとれたよ……」
ルイはまず自分の手を見て、それからお腹や足を見てから、ポロポロと涙を流して蹲ってしまった
「ヒロ…ヒロ……ありがとう……グスッグスッ、う、う、う」
ルイは暫く泣いていたが
"ぐ~~"
空腹には勝てず泣き止むと
「オレ、フォレストボア、バラして、くる」
「うん。私は竃の用意をしたり岩塩を砕いたりして、いつでも調理できるようにしとくね」
ルイは洞窟の入り口の広場で今日の獲物を解体し始めた
私は少し離れた所で、竃になりそうな石を集めて積み上げ、小枝と枯れ草を山にしてスタンバイ終了
後は無限収納からハーブを出して、細かくしてから岩塩と混ぜておく
暫くすると、ルイが肉のブロックを持ってきたので、それに岩塩とハーブをまぶして小枝にさすと、先程山にしておいた小枝と枯れ草に火をつける
ルイが火をつけたがったが、また消し炭にされてはかなわないので、私も火をつける練習をしたいからと、何とかルイをなだめて、見ているように約束させた
「お願いだから、枯れ草に火をつけて」
私の指から小さな火が出て枯れ草に移ると、小枝に燃え移り、火をおこすことが出来た
肉は小枝に刺したが、残念ながらここは岩山なので、足下は全て岩である
なので、小枝を地面にさすことは諦めて、火の周りに石を積み上げて作った竃の淵に小枝を渡して焼くことにした
肉は、美味しかった
ルイは一口食べると、目を見開き涙を流しながらガツガツ食べていた
「ヒロ…美味しい」
多分、ルイはキロ単位で食べてたと思う
とにかく、焼けるはしから直ぐに食べてしまうから、調理担当の私は焼くのが忙しくて、自分はあまり食べた気がしなかった
食費はゼロだから気にしないけどね
いやぁ、多分ルイはフードファイターになれるよ、マジで
今日は、野菜がないので、ついでに採っておいた"のし"の実を食べた
これがジューシーで甘くてさっぱりしてて、中々の美味でした
食後、私はルイに"サンス"の雄しべのえを持たせ、歯磨き講習をした
私も"サンス"の雄しべを持って、実際にやって見せながらの実地講習である
まずは持ち方から始めたけど、ルイは人間よりも指が長く、あまり手先が器用ではない
なので、雄しべを持って歯に当てる、歯に当てたまま雄しべを動かす、この動作が中々上手くできなくて、たかが歯磨きのはずが、小一時間かかってお互い疲れ果ててしまった
ルイと過ごすはじめての夜は、私が異世界にきて初めて目を覚ました時に寝かされていた藁の上で、ルイに強く抱きしめられて眠った
一人で寝たいと、何度も主張したのだけれど、ルイが泣いて許してくれなかった
多分、ここに来て直ぐ私が神様の所に行ってしまって、ルイの前から急に消えて、10日間も帰って来なかったからだと思うんだけどね
ーー ルイは本当に一人なんだ。きっと、淋しかったんだね。これからは私が一緒にいるから、寂しくないよ ーー
私は今日一日頑張って疲れ果て、直ぐに眠ってしまった
それにしても、ルイに抱きしめられて眠るとか
ルイにクリーンをかけておいて良かったよ
私、グッジョブ!
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