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ぶらり旅編
仲間
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「いただきます」
俺がそう言うと3人が顔を合わせて不思議そうな顔をする。
「何だそれは?」
「それって…『いただきます』ってこと?」
「ああ…」
「これは食事の前の挨拶かな?」
「なるほど」
「では改めて、いただきます」
「「いただきます」」
食事が始まる。
まず3人が食べたのはホーンラビットのステーキだ。
「う、うめぇ……」
「このソースが抜群だぜ」
「うん。思わずソースをタップリ付けて食べちゃうわ」
「まあ、ステーキ用のソースだからな」
調味料ガチャの『ステーキ醤油』様様である。
次に食べたのが唐揚げだ。
「こいつはまた最高だな」
「一口サイズで食べやすいせいかどんどん食えちまう」
「噛むとジュワッと肉汁が出て美味しいわ」
「唐揚げって言って味付けした肉に小麦粉をまぶして油で揚げたものだよ」
「油で揚げる?聞いたことない調理法だわ」
「まあ、美味いんだからいいじゃねえか」
「だな。いくらでも食べれるぜ」
「肉ばっかりじゃなくサラダも食べろよ」
「この白くてドロドロしているのは何?」
「マヨネーズと言ってサラダにかけると美味しいんだ」
「どれどれ……うん。美味い」
「俺、野菜苦手だけどコレなら食べられるな」
「確かに見た目に反して美味しいわ」
食事は好評のうちに終わる。
「ごちそうさまでした」
「「ごちそうさまでした」」
食後の挨拶をして俺はかたずけの後風呂に、グレンたちはワインを嗜んでいた。
風呂から上がり、果実水を飲みながらデザートを取り出す。
作ったのはアルプのゼリーだ。
「プルプルして食べるとつるんとした喉越し、甘酸っぱい味がサッパリしていて美味しいわ」
「これはアルプの実だな」
「甘いの苦手だが、これは美味いな」
「だろう」
デザートを食べ終え、お酒を嗜む。
枝豆の塩ゆでをツマミに麦酒を飲む。
エールも冷やしておいたのでそれなりに飲める。
グランたちの冒険譚に生活事情などを肴に飲む酒はそれなり美味かった。
「今日はもう泊まって行けよ」
「良いのか?」
「部屋は余っているからな。3階の好きな部屋使ってくれ」
「んじゃ、遠慮なく使わせてもらうぜ」
「一人部屋なんて贅沢していいのかしら?」
「酔っぱらったまま帰すよりは良いだろう」
「じゃあ、お言葉に余させてもらうわね」
「うん。オヤスミ」
「「オヤスミ~」」
それぞれ部屋に赴き就寝となる。
久しぶりの程良い状態のまま寝るのは気分が良かった。
朝になると、思った以上にスッキリとした気分だった。
4人で朝食を取り、今日の行動について話す。
「それなんだが……昨日あれから3人で話し合ってな」
「タクマさえよければ俺たちで『ギルド』を立ち上げないか?」
「ギルド?」
「つまり、同じ志の下で一緒に行動する仲間ってことね」
「なるほど……」
「まあ、ギルド登録を冒険者協会に申請しなきゃいけないんだけどな」
「それに『ギルド名』も必要になるわ」
「ギルド名ねぇ……」
パーティを組むのは良いとして、ギルド名…つまり、チーム名がいるのか。
「ギルド名はリーダーであるタクマが決めてくれよ」
「そうだな。それでいいぞ」
「私も賛成~」
「いや、俺はこの中では最低ランクなんだけど……」
「ランクは低いかもしれないが実力的には俺たちより上なのは間違いないからな」
「だな。1日かからずに一人でゴブリン21体はランクFでも無理だぜ」
「最低でもランクEはないとね。それでもソロで倒すのは難しいわ」
「まあ、俺の場合魔法も使えるし……」
「それでもよ」
「んじゃ、タクマがギルドリーダーで決まりだな」
「「異議なし」」
こうして、弱小ながらも俺たちは仲間となったのである。
俺がそう言うと3人が顔を合わせて不思議そうな顔をする。
「何だそれは?」
「それって…『いただきます』ってこと?」
「ああ…」
「これは食事の前の挨拶かな?」
「なるほど」
「では改めて、いただきます」
「「いただきます」」
食事が始まる。
まず3人が食べたのはホーンラビットのステーキだ。
「う、うめぇ……」
「このソースが抜群だぜ」
「うん。思わずソースをタップリ付けて食べちゃうわ」
「まあ、ステーキ用のソースだからな」
調味料ガチャの『ステーキ醤油』様様である。
次に食べたのが唐揚げだ。
「こいつはまた最高だな」
「一口サイズで食べやすいせいかどんどん食えちまう」
「噛むとジュワッと肉汁が出て美味しいわ」
「唐揚げって言って味付けした肉に小麦粉をまぶして油で揚げたものだよ」
「油で揚げる?聞いたことない調理法だわ」
「まあ、美味いんだからいいじゃねえか」
「だな。いくらでも食べれるぜ」
「肉ばっかりじゃなくサラダも食べろよ」
「この白くてドロドロしているのは何?」
「マヨネーズと言ってサラダにかけると美味しいんだ」
「どれどれ……うん。美味い」
「俺、野菜苦手だけどコレなら食べられるな」
「確かに見た目に反して美味しいわ」
食事は好評のうちに終わる。
「ごちそうさまでした」
「「ごちそうさまでした」」
食後の挨拶をして俺はかたずけの後風呂に、グレンたちはワインを嗜んでいた。
風呂から上がり、果実水を飲みながらデザートを取り出す。
作ったのはアルプのゼリーだ。
「プルプルして食べるとつるんとした喉越し、甘酸っぱい味がサッパリしていて美味しいわ」
「これはアルプの実だな」
「甘いの苦手だが、これは美味いな」
「だろう」
デザートを食べ終え、お酒を嗜む。
枝豆の塩ゆでをツマミに麦酒を飲む。
エールも冷やしておいたのでそれなりに飲める。
グランたちの冒険譚に生活事情などを肴に飲む酒はそれなり美味かった。
「今日はもう泊まって行けよ」
「良いのか?」
「部屋は余っているからな。3階の好きな部屋使ってくれ」
「んじゃ、遠慮なく使わせてもらうぜ」
「一人部屋なんて贅沢していいのかしら?」
「酔っぱらったまま帰すよりは良いだろう」
「じゃあ、お言葉に余させてもらうわね」
「うん。オヤスミ」
「「オヤスミ~」」
それぞれ部屋に赴き就寝となる。
久しぶりの程良い状態のまま寝るのは気分が良かった。
朝になると、思った以上にスッキリとした気分だった。
4人で朝食を取り、今日の行動について話す。
「それなんだが……昨日あれから3人で話し合ってな」
「タクマさえよければ俺たちで『ギルド』を立ち上げないか?」
「ギルド?」
「つまり、同じ志の下で一緒に行動する仲間ってことね」
「なるほど……」
「まあ、ギルド登録を冒険者協会に申請しなきゃいけないんだけどな」
「それに『ギルド名』も必要になるわ」
「ギルド名ねぇ……」
パーティを組むのは良いとして、ギルド名…つまり、チーム名がいるのか。
「ギルド名はリーダーであるタクマが決めてくれよ」
「そうだな。それでいいぞ」
「私も賛成~」
「いや、俺はこの中では最低ランクなんだけど……」
「ランクは低いかもしれないが実力的には俺たちより上なのは間違いないからな」
「だな。1日かからずに一人でゴブリン21体はランクFでも無理だぜ」
「最低でもランクEはないとね。それでもソロで倒すのは難しいわ」
「まあ、俺の場合魔法も使えるし……」
「それでもよ」
「んじゃ、タクマがギルドリーダーで決まりだな」
「「異議なし」」
こうして、弱小ながらも俺たちは仲間となったのである。
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