上 下
11 / 23
ぶらり旅編

ゴブリン退治と冒険者

しおりを挟む
 ゴブリンの背後に周り木の陰から攻撃のタイミングを計る。
 森ということでファイアショットは使えない。
 ここは水系・風系・土系から選ぶのがいいだろう。

 ストーンバレットは威力がイマイチ。ウインドカッターかアクアショットが順当だろう。

「人数的ココは――ウインドカッター!」

 横薙ぎに風の刃がゴブリンを襲う。
 3体のゴブリンの首を切り裂き頭が飛ぶ。

「くっ……今のレベルじゃ3体が限度か」
「ギャギャギャ……」
「グギギギィィ……」

 怒りをあらわにして迫ってくる2体のゴブリン。
 すかさず俺は……。

「アクアショット!」
「ギャウゥゥ……」
「イヤァ―――ッ!」
「ギャイッ」

 迫るゴブリン1体はアクアショットで吹き飛び気に激突する。
 最後の1体は刀剣で首を刎ねた。

 ゴブリンに攻撃させず見事に討伐を達成する。
 討伐証明の耳をそぎ落とし倒したゴブリンをアイテムボックスに仕舞い立ち去ろうとする聞き覚えのある声が聞こえてくる。

「お仲間か?」

 すぐさま木の陰に隠れる。
 すると、奥からゴブリンが姿を現した。

「…全部で4体か……」

 俺は恐れることなくゴブリンたちを退治していった。

 最終的にはゴブリンを退治した数は21体だった。
 それにしてもゴブリンって多い。
 エンカウント率がハンパない。
 たった1時間で21体。
 我ながらよく倒したものだ。

「さあ、帰るか……」

 道に出て帰路へと歩き出す。
 道なりに歩けば1時間ほどで森を抜けられるだろう。

 歩くこと20分。
 俺は脇道から飛び出してきた人影に目を奪われる。

「なっ、何だぁ!?」

 目の前に現れたのは身なりから見て3人の冒険者だった。
 1人は戦士風の鎧に身を包んだ男。
 1人は肩と胸当てがセットになった軽装の男。
 1人はローブを着込んだ如何にも魔法使いといった感じの女だった。

「く、来るぞ」
「おい、アンタ!すぐに逃げるんだ」
「なんでこんな場所にランクEのグレーターウルフがいるのよ」

 草むらから強い殺気を感じる。
 俺は刀剣を鞘から抜き構えていた。

「一緒に戦う気か?」
「だけどその装備じゃ……」
「私が支援魔法を使うわ!」

 その瞬間、人道に出てくるグレーターウルフ。

「で、デカイ!?」

 動物園で見たライオンくらいの大きさ。
 顎先まで伸びた牙と灰色の毛並み。

 明らかにこちらを襲う気満々だが、慌てて襲ってくる様子はない。
 逆にそれが怖いと印象付ける。

「闇の力を持て、彼の物の動きを制限せよ!『速度落しスピードダウン』」

 え?詠唱?
 俺、無詠唱なんだけど……。
 もしかして、詠唱がこの世界のデフォルトなのか?

 グレーターウルフにかけられた魔法を見て、2人の男が突っ込んでいく。

「オリャッ!」
「セイヤ――ッ!」

 グレーターウルフの顔面目掛けて戦士風の男の剣が放たれ、軽装男はグレーターウルフの横っ腹に蹴りを入れる。

「う、嘘だろう?」
「攻撃が効かない?」

 剣は額に阻まれ、蹴りは弾かれる。
 半端ない防御力だ。

 どうやら、並の攻撃では効き目がなさそうだ。
 俺は1つの考えを決断した。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

食うために軍人になりました。

KBT
ファンタジー
 ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。  しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。  このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。  そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。  父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。    それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。  両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。  軍と言っても、のどかな田舎の軍。  リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。  おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。  その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。  生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。    剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

幸子ばあさんの異世界ご飯

雨夜りょう
ファンタジー
「幸子さん、異世界に行ってはくれませんか」 伏見幸子、享年88歳。家族に見守られ天寿を全うしたはずだったのに、目の前の男は突然異世界に行けというではないか。 食文化を発展させてほしいと懇願され、幸子は異世界に行くことを決意する。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

処理中です...