上 下
6 / 7

6

しおりを挟む
「っ……何……欲しいものなんて」
「ほらぁ、完璧なルーツ様なら言えるだろ?」
「……いっ……!!」
「んー……手を縛っちゃうとこういう時、損だよな。指で広げて、強請ってくれると最高なんだけどなぁ」

 僕のズボンをずり下げて、満足するまでキスをし始める。
 ……狂ってる。狂ってる!!
 でも、……キス気持ちいい。イキそうな時にキスされるの凄い好き。気持ちいい。いつも愛人にはちゃんとやらせてた、僕がイク時はずっとキスする事。
 あーー駄目だ。悔しいとかおかしいとか、考えるのやめたくなる。なんでこういう時、理性が機能しなくなるんだろ。
 何も考えたくない。気持ちいい。イキたい、相手が兄でキモいとか、もうどうでもいい。
 舌気持ちいい……。僕の口内を弄るように強引なキス、気持ちいい。あー、エッロ……。こんなに欲に真っ直ぐな奴、他に居ないよなぁ。
 兄だから僕の好きなとこ、何でも知ってんのかなぁ。血の繋がりのおかげ? もしかしたら兄もキスすんのが好きなの?

「んっ、んっ……」

 舌が離れる。やだ……イキそうなのに。

「だめ……もっと、して」

 初めて自分からお強請りをした。
 
「ねえ……!」

 お望み通り、ぷちゅ、と柔らかい感触が当たり、望んだ舌が絡んでくる。互いの唾液を舐めとるように、しゃぶるように味わう。

「イキそう……兄さん……。っ兄さんで、イッちゃう……」
「ん」

 指を中に挿れられて、キスしてるだけなのに。こんなに気持ちいいなんて。

「ふあっ……イく。あーーイく、イひゅ……」

 下半身が震え上がると、兄が先端を掴んで精子ごと包み込んでくれる。ちゅ、ちゅ、と終わらないキスと共に、果てた。

 暫くの間射精が続いたけれど、治まったあともキスは続いた。



***


「んー……んっ……じゅる、じゅるる…」
「はぁ、はぁ……いいよ。ルーツ。上手……」 
「んっ……ヘンら……あひ……」

 変な味。僕と同じように先端から溢れ出る蜜。僕の舌で全てを受け止める。ちゅる、ちゅる、と吸い上げても次から次へと溢れていく。
 何やってんだろ……何で兄の為にこんな事してんだろ……。
 デカいし、色黒で血管が浮き出てるようで気持ち悪い……。

 手錠は未だ縛られたまま、兄は僕の上に乗って自分の棒を突っ込む。少し苦しい。喉元まで来たりするから。

「もうっ、んっ……やめっ、よ……?」

 僕がそう言うと、肉棒を引きずり下ろした。

「なんで?」

 何も分かっていないような、純粋な表情で問われる。

「……兄弟で、こんな事、おかしいでしょ? しかも僕には女が居るし」
「居ねえよ?」
「えっ? いや、居るよ。お願いだから聞き入れてよ。悪かったよ今まで……何も言わずに勝手に離れたりしてさ? これからはちゃんと帰るし、極力傍にいるよ。でも僕のやりたい事はやらせて? 将来がかかってるんだから」
「…………」

 こんな監禁ごっこはもうやめよ。と、無駄に冷静を保ててしまった自分が居た。一回イッたからかな?
 
「そうやって、また俺から逃げようとする」

 兄は寂しげに答えた。まるで昔のように、泣きじゃくっていた兄の面影が現れたような、そんな感じだった。
 
「逃げないって。もう、兄さんはほんとに心配性なんだから」

 はは……と僕が小さく笑うと、兄は横を向いて俯いた。
 
「決めた」
「うん?」
「お前の将来は俺が決める」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

周りが幼馴染をヤンデレという(どこが?)

ヨミ
BL
幼馴染 隙杉 天利 (すきすぎ あまり)はヤンデレだが主人公 花畑 水華(はなばた すいか)は全く気づかない所か溺愛されていることにも気付かずに ただ友達だとしか思われていないと思い込んで悩んでいる超天然鈍感男子 天利に恋愛として好きになって欲しいと頑張るが全然効いていないと思っている。 可愛い(綺麗?)系男子でモテるが天利が男女問わず牽制してるためモテない所か自分が普通以下の顔だと思っている 天利は時折アピールする水華に対して好きすぎて理性の糸が切れそうになるが、なんとか保ち普段から好きすぎで悶え苦しんでいる。 水華はアピールしてるつもりでも普段の天然の部分でそれ以上のことをしているので何しても天然故の行動だと思われてる。 イケメンで物凄くモテるが水華に初めては全て捧げると内心勝手に誓っているが水華としかやりたいと思わないので、どんなに迫られようと見向きもしない、少し女嫌いで女子や興味、どうでもいい人物に対してはすごく冷たい、水華命の水華LOVEで水華のお願いなら何でも叶えようとする 好きになって貰えるよう努力すると同時に好き好きアピールしているが気づかれず何年も続けている内に気づくとヤンデレとかしていた 自分でもヤンデレだと気づいているが治すつもりは微塵も無い そんな2人の両片思い、もう付き合ってんじゃないのと思うような、じれ焦れイチャラブな恋物語

隠れヤンデレは自制しながら、鈍感幼なじみを溺愛する

知世
BL
大輝は悩んでいた。 完璧な幼なじみ―聖にとって、自分の存在は負担なんじゃないか。 自分に優しい…むしろ甘い聖は、俺のせいで、色んなことを我慢しているのでは? 自分は聖の邪魔なのでは? ネガティブな思考に陥った大輝は、ある日、決断する。 幼なじみ離れをしよう、と。 一方で、聖もまた、悩んでいた。 彼は狂おしいまでの愛情を抑え込み、大輝の隣にいる。 自制しがたい恋情を、暴走してしまいそうな心身を、理性でひたすら耐えていた。 心から愛する人を、大切にしたい、慈しみたい、その一心で。 大輝が望むなら、ずっと親友でいるよ。頼りになって、甘えられる、そんな幼なじみのままでいい。 だから、せめて、隣にいたい。一生。死ぬまで共にいよう、大輝。 それが叶わないなら、俺は…。俺は、大輝の望む、幼なじみで親友の聖、ではいられなくなるかもしれない。 小説未満、小ネタ以上、な短編です(スランプの時、思い付いたので書きました) 受けと攻め、交互に視点が変わります。 受けは現在、攻めは過去から現在の話です。 拙い文章ですが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。 宜しくお願い致します。

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話

みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。 数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

買われた悪役令息は攻略対象に異常なくらい愛でられてます

瑳来
BL
元は純日本人の俺は不慮な事故にあい死んでしまった。そんな俺の第2の人生は死ぬ前に姉がやっていた乙女ゲームの悪役令息だった。悪役令息の役割を全うしていた俺はついに天罰がくらい捕らえられて人身売買のオークションに出品されていた。 そこで俺を落札したのは俺を破滅へと追い込んだ王家の第1王子でありゲームの攻略対象だった。 そんな落ちぶれた俺と俺を買った何考えてるかわかんない王子との生活がはじまった。

嫌われ者の僕

みるきぃ
BL
学園イチの嫌われ者で、イジメにあっている佐藤あおい。気が弱くてネガティブな性格な上、容姿は瓶底眼鏡で地味。しかし本当の素顔は、幼なじみで人気者の新條ゆうが知っていて誰にも見せつけないようにしていた。学園生活で、あおいの健気な優しさに皆、惹かれていき…⁈学園イチの嫌われ者が総愛される話。嫌われからの愛されです。ヤンデレ注意。 ※他サイトで書いていたものを修正してこちらで書いてます。改行多めで読みにくいかもです。

今度こそ幼なじみから逃げられると思ったのに!

枝豆
BL
どこまでもついてくる攻めと逃げたい受け 攻め 坂木 唯人 177cm 面が良いナチュラルサイコパス 受け 黒田 海 168cm どこにでもいる黒髪平凡。 途中、主人公が女の子と付き合う表現がありますが、BLなので最終的には攻めとカップリングされます。 主人公は女の子好きなのに。可哀想 攻めは別にゲイでは無いが、主人公は抱ける ワンコと見せかけた拗らせナチュラルサイコパス攻めとそれに逃げようとするけどダメそうな不憫受けの話 アルファポリス以外にも、pixivで掲載しています

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました

ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。 「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」 ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m ・洸sideも投稿させて頂く予定です

処理中です...