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第ニ章 もう一人のヒーロー。
37 貴女もね? ※自慰3P
しおりを挟む『おい。どっちなのか言わないと挿れてやんねぇからな?』
『言わないと今日は、指でおしまいだから』
二人に迫られると、頭がグルグルしてくる。目も回ってきそう。
「無理ぃ……決められない……」
ねぇ、どうすんの? 僕なの? 兄さんなの?
そうやって追い打ちをかけるのが得意なルーツ。それに反応しちゃう私も、私なんだけれど……。自然と、ルーツの苛立ちを表すように指の動きが加速する。このままじゃイッちゃう。
「や、だ……イキたくなっあっ……!!」
自分がしてるのに、ルーツにされてるようで止めるに止められない。そう責め立てられちゃうとルーツのが欲しくなっちゃう。でも、ベルの逞しい肉棒に乱暴にされたい。
優しくて、激しいピストンでめちゃくちゃにされたい……。
「べ、りゅ……ひゃっ、ほし……ほしい……」
ベルを選ぶと、勝ち誇ったかのように満足気な悪の笑みを浮かべる本人と、頭に血が上ったように悔しそうな顔をするルーツ。ずるりと指を引き抜き、溜まった蜜が溢れ出すところ、ずずず……と、膣内をこじ開けるように押し詰めてくるベルの肉棒。そしてベルは私の首筋にまでマーキングしてくる。ルーツも負けじと首筋に吸い付いてきて……。
二人で、とか……ズルい……!!
ルーツは私の唇を奪い、少しでも独占しようと迫ってくる。
「ふあっ! あんっ……いっちゃうぅ……イッちゃうよぉ……」
私は妄想だけで、これまでに無いくらいの絶頂に達した。
***
…………。
「はっ!!」
「き、キラお姉様!!」
「リリア……??」
起きた途端に、ベッドの上にひょっこりと顔を出すリリアの姿。
「戻ってこれたのですね。リリア」
私はくしゅくしゅ、と目を擦る。寝てたんだ……頭がぽやぽやしてたから、そのまま眠りについてしまったんだ。
けれど、リリアがそばにいてホッと一息つく。
「ルーツ様も仕事で忙しくなってしまい、こうして再びここへ来れたのです!」
「そうだったんですか。例の侵入者のせいでしょうか」
「そうなのです! ところで、キラお姉様……? リリアの兄様が何か余計なことをしなかったでしょうか? 心配なリリアです」
「っいえ……! ジンさんとは特に何も」
けれど、まじまじと見つめてくるリリア。私、さっきまでエッチな事をしていたから、もしかして。
「っ!? ひ、ひやぁぁぁぁ!!」
思った通り。服はたくし上げられた状態のまま、下着はびしょびしょに湿っていて、ベッドのシーツもなんだかお漏らししたような状態になってる。
何だろう、このデジャヴ。前にもあったような気がしている。胸まで捲られていて、何もかも露出している。
「恥ずかしい……」
急いで服を整えても、ベッドまでは隠しようがない。
「あの、リリアは気にしないです。むしろ、じゅるる、いえ! あの……とても、エッチな体をされていて。じゅるる」
リリアは目を光らせて、唾を垂れ流している。
「そんな目で見ないで。もう、えっちなんだから……」
「はう! そんないじらしく睨まれちゃうとドキドキしてしまうリリアなのです。そ、それより! お兄様とは本当に何も……?」
「……うん。実は」
私はこれまでの事をリリアにすべて話した。ジンが、ルーツを想って私の事を知り尽くそうとした事。そして手を出されてしまった事。私が特殊な能力を持っている事――リリアになら大丈夫だろうと自分を晒す。
「そんな事が……も、申し訳ございませんーー!!!!」
リリアは大声で私の目の前に跪き、土下座する。ぺこぺこと頭を下げる姿に、こんな私なんかに謝る事はないと一生懸命に止める。
「リリアさんが謝ることではないですから!」
「でもでも、リリアのお兄様の事なので。これ以上にエッチな事、されませんでしたか?」
「ないです、ないです!!」
「でもでも! 大洪水になってるからぁ……」
頭を下げたまま、リリアは床に額をグリグリと擦りながら段々と声のボリュームが小さくなっていく。
「これは! 別件です」
「別件」
復唱するのと同時に真顔で頭を上げるリリア。
「ひいいい聞かないでくださいぃっ……!」
目を合わせられそうにない私は自分の手で顔を覆う。
言えるわけない。こんな時に、呑気に一人でエッチしてたなんて。
「ご、ごめんなさい! 聞きません! 何となく察しがつきますけどリリアは聞きません! 内緒話のひとつやみっつ! 誰にでもありますもの!」
「ふ、ふたつとんで、みっつ……」
「リリアだって秘密は沢山ありますし!」
「ルーツとの事?」
「っぴぃ!」
全身、まるまる飛び上がるリリア。そしてベッドに飛び込み、顔を真っ赤にして落ち着かない子供のように左右にゴロンと転がり込む。
「ルーツと、したの……?」
「……してないです!!」
「えっ、そうなんですか?」
「ゔ……ルーツ様の前で、一人でエッチしてました……。ルーツ様は忙しいから……ずっと、兵士とやり取りされてて、リリアの事なんてほったらかし」
どういう状況……?
どうやら、同じ部屋で二人きりだったけれど、ルーツは片手に小型の無線通話機を持っていたらしい。それを口元に近づけて、ひたすら話し続けながらリリアを見て楽しんでたんだとか。
異常です……。
でも、やってる事は私と一緒…………。
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