12 / 40
第一章 出会いと別れ
12 彼らの特性について。 ※
しおりを挟むまず挙げられたのが、農業、別の国から輸入されてきた納品作業、狩り、掃除などが定番らしい。殆どが城外での仕事をメインとしているみたい。
女性なら、裁縫とか料理も。そして気になるのが、住民と兵士たちのケアも行えるようだけど……。
「ケア?」
「奉仕作業のこと」
「奉仕って」
「これが一番、うまくいけば重宝されるんだよね。そういうの興味ある?」
まさか。
最初はピンとこなかったけれど、なんとなく分かってきた。
「性奴隷のように、同じことをしなければならないのですか?」
「聞こえは悪いけど……そんな感じ」
お金さえ貰えれば、裕福に生活させてもらえるならば、そんな道へ行っても良かったと思う時期も無くはなかった。
けれど今は、こんな状況でお金を貰えるわけではないだろうし。それに何故か、ベルの姿が頭を過ぎった。
「そ、それは、嫌です……」
「そうか。残念……。でも、ねぇ。落ち着いて聞いてね? 君はこれでしか働けないんだよ?」
「っえ……?」
「しかも、特別待遇として。僕にだけ奉仕するのさ」
今、私の視界が二つに分かれて、一瞬、兵士が分裂したように見えた。
兵士が人差し指を弾くように上げる。すると私の体が勝手に立ち上がった。
「へっ!?」
指を右へ向けられると、後に私の体も右へ向いた。その次は指を左へ。すると、私の体は元の位置へ向き直した。
――操られてる?
「座って」
指を下へ。彼の指示通り、私は姿勢正しく背筋を伸ばして座り込んだ。
「なん、ですか。これは?」
「知らない? 大山猫の呪いの眼は絶対なんだよ」
「リンクス?」
「おかしいなぁ。この目を見て分からないかい?」
わざわざ指を目尻に引っ掛けて垂れ下げる。
彼の目は真っ赤で、血の海のような色をしていた。最初に見たときは、この目を見て怖かったのを覚えている。
けれど、その目が何か……?
「この力さえあれば、全てを見透かして、人を操ることだって容易い話なのさ。203番だって、同じなんだよ?」
「に、203ま……で!?」
「何もおかしく思わなかったのかぁ……。彼の全てを受け入れようとしてる自分自身に、気づくことさえ愚かだったとはね」
確かにベルも同じ赤い目を持っている。
つまり、私が今までベルの言う通りにしてきたのは、自分の意思ではなく彼が操ってたと言いたいのか。
でも、それらしき素振りは一度足りとも無かったけど……?
本当に、あれは私の意思でも何でもなかったの? それよりも、彼にそんな能力を持っていたなんて聞いたことすらない。私は騙されていた?
いや……私を騙すなんてそれこそ、容易い話だったのかもしれない。それに自分は下級だもの。私とした事が……いつからだろう? 今まで自分の立場を棚に上げて、浮かれていたのは。
「はは。混乱しちゃってる?」
自分の目尻を引き下げていた手を下ろし、頬杖にかわる。
「いえ……。貴方はどこまで、私の事を知っているんでしょうか」
「殆ど知ってるよ、203との関係だってね。そりゃ気になっちゃうさ。203は僕の兄なんだもの」
兄……??
その言葉が心を突き刺したように感じた。突き刺したその傷口からモヤモヤが溢れていく。どこまでが本気? 嘘?
この人が嘘をついている可能性だって、あるわけで。
「弟なら、どうしてここから、兄を助けてあげようと思わないのでしょう……?」
「捕まったのは僕のせいじゃない。ただそれだけ。罪を犯したのは彼自身でしょ? ――それに、嫌なんだよねえ。折角、僕は盗賊からここまで成り上がったのだから。兄に僕の人生を邪魔されたくないだけの話」
「……そんな。貴方も同じ盗賊だったのに、どうやって? ――あっ!」
鎖を引っ張られる。テーブルの上から彼の口元近くまで距離が縮まった。
「能力が天と地の差だったってのが、聞いてて分からないのかい?」
ああ、こんな圧をかけてくるのは、確かに兄と似ている気がする……。
けれど、弟のほうがもっと質が悪い気がしている。
「ま、強いて言うならリンクスの血が薄いのは兄。色濃く持っているのが僕なのさ。だから君も露骨に僕の言うことが聞けちゃうわけ」
目を逸らそうとしたら、またしても指で私の視界までもを操った。
「君が、人を狂わせる能力を持ってるのは知ってるよ。兄にとっちゃぁ、君は薄い血を補強させる為の材料に過ぎないのさ」
言い終えた直後、私はテーブルに座り込み、股を開いた状態で彼に見せつけるように見開いた。私の意思ではないのに、勝手に動き出す……。
「なっ……!?」
「あーあ、もうこんなにいっぱい種付けされちゃったんだね。これじゃあ僕も試し難いなぁ……」
せめて股だけでも閉じたいのに、硬直しているかのように動かない。
すると、彼は私の下半身に目を向けながら、
「しょうがない。手伝ってあげるから、頑張って流し出そっか」
「えっ、あっ……!? やっ……!!」
私の突起物にパクッと唇で覆い、ちゅるる……と音を立てながら舐めとられた。
「な、に? これっ……あっあっ……!!」
「兄ばっかりズルいじゃない。僕も君の魔力で満たしてよ」
甘噛みをしたり、激しく舌先で弄っては、舌の腹でねっとりと弄ばれる。
私の指は勝手にヒダを広げて、彼が舐めやすいように押さえた。
「ここからでも、すごい甘い蜜が溢れてくるんだ」
「や……あっ……ベル、ベルさん……! 助けて……んっううっ……!」
「すごいヒクヒクしてる。お兄さんより気持ちいいかい?」
「ち、が……」
「ほら、ちゃんと自分でも指でくちゅくちゅして」
その通りに、私の人差し指は膣の中へと滑るように入っていき、精子を追い出すように掻いては外へと流すように弄った。
「嫌っ……ベルさんの……んっ、あっうぅんっ……」
「今はベルじゃなくて、ルーツ」
「ル……?」
もしかして、彼の名前?
「ルーツリア・アイビーは僕の名前。ほら、おいで?」
ズボンのチャックが外されると、先が赤くパンパンに腫れ上がった肉棒を前に、私はルーツにのしかかるよう為にテーブルから降りて、ゆっくりとそれを自分の中へと差し込んでいった。
「あっ……あっ、あっ、やっ……! ベルさ、嫌……! 私は、私、はっ……」
「今は、ルーツ様でしょ?」
「……ルーツ、様……」
0
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説
女性の少ない異世界に生まれ変わったら
Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。
目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!?
なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!!
ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!!
そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!?
これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
【R-18】イケメンな鬼にエッチなことがされたい
抹茶入りココア
恋愛
目を開けるとそこには美しい鬼がいた。
異世界に渡り、鬼に出会い、悩みながらも鬼に会いに行く。
そして、そこからエロエロな一妻多夫?生活が始まった。
ストーリーよりもエロ重視になります。タグなどを見て苦手かもと思われたら読まないことを推奨します。
*があるタイトルはエロ。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
完結 貞操観念と美醜逆転世界で薬師のむちむち爆乳のフィーナは少数気鋭の騎士団員を癒すと称してセックスをしまくる
シェルビビ
恋愛
前世の名前は忘れてしまったが日本生まれの女性でエロ知識だけは覚えていた。子供を助けて異世界に転生したと思ったら17歳で川に溺れた子供を助けてまた死んでしまう。
異世界の女神ディアナ様が最近作った異世界が人手不足なので来て欲しいとスカウトしてきたので、むちむち爆乳の美少女にして欲しいとお願いして転生することになった。
目が覚めると以前と同じ世界に見えたが、なんとこの世界ではもやしっ子がモテモテで筋肉ムキムキの精悍な美丈夫は化け物扱いの男だけ美醜逆転世界。しかも清楚な人間は生きている価値はないドスケベ超優遇の貞操観念逆転世界だったのだ。
至る所で中出しセックスをして聖女扱いさせるフィーナ。この世界の不細工たちは中出しを許されない下等生物らしい。
騎士団は不人気職で給料はいいが全くモテない。誰も不細工な彼らに近づきたくもない。騎士団の薬師の仕事を募集してもすぐにやめてしまうと言われてたまたま行ったフィーナはすぐに合格してしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる