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想い※
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次の日の朝。目が覚めると身体は清められており、ベッドのシーツは綺麗になっていた。ユリウスが拭いてくれたのだろうか? そう思って隣を見ると、ユリウスはまだ眠っていた。
ユリウスが足を絡ませるように抱きついているので身動きを取れずにいた。そのままの態勢で眠っているユリウスの顔を見つめていたが、愛しさみたいな感情が自分の中で芽生え始めていることに気がついた。どうにかして起きようと身体を捩ると、ユリウスが起きてしまう。
「団長、おはようございます」
「おはよう‥‥‥。起きないと遅刻するぞ」
「団長、今日は午前休ですよ」
「えっ、ほんとか? あー、そう言えばハリス様、そんな事言ってたな」
昨日の帰り際に「明日の午前中は用があるから休んでください」と言っていたことを、私は思い出した。
「じゃあ、寝るか。二度寝するなんて‥‥‥。贅沢だな」
「俺、目が覚めちゃったんで‥‥‥。団長、いいですか?」
「何がいいですかだ。あっ、おい止めろ‥‥‥」
ユリウスは私の上に馬乗りになると、衣服を剥いでいった。
「まっ、待ってくれ‥‥‥。朝からなんて、破廉恥すぎるだろう?」
「はれんち‥‥‥」
「最後までするなら‥‥‥。夜にしたい」
「‥‥‥うん」
「なぁ、ユリウス‥‥‥」
「ユリウスは、私のことをどう思っているんだ? 昨日のアレは‥‥‥。ええと、私はユリウスの‥‥‥」
「団長、ストップ。俺から言わせてください」
ユリウスは私の口を押さえると、ベッドから立ち上がり、咳払いをしてから話し始めた。
「団長、俺と結婚を前提にお付き合いしてください。お願いします!!」
急に頭を下げて手を差し出してきたユリウスに、私は戸惑ってしまう。
「えっ‥‥‥。結婚?!」
「だっ、ダメですか?」
私が驚いていると、ユリウスは涙目になりながら顔を上げた。
「いや、ダメじゃない。嬉しい‥‥‥。すごく嬉しいよ。ただ結婚とか言われると思ってなかったから‥‥‥。ちょっとビックリしただけ」
「だって俺たち、もういい年だし‥‥‥。気づいてくれないし。そろそろアピールしておかないと、誰かに取られるんじゃないかって‥‥‥。最近は気が気じゃなくって、おかしくなりそうだったんです」
「私からも言わせて欲しい。ユリウス、好きだ‥‥‥。私と付き合って欲しい」
「だ、団長?! ストレート過ぎます。破壊力半端なっ‥‥‥」
ユリウスは赤面すると顔を隠すように、そっぽを向いていた。
「そうか?」
「団長‥‥‥」
「ユリウス‥‥‥」
「その、団長っての止めないか?」
「じゃあ、ふたりきりの時は、アレクって呼びますね。」
ユリウスは私を抱きしめると言った。
「愛しています、アレク」
「私もだ、ユリウス。愛している」
お互い顔を見合わせ、笑い合うと目を閉じて想いを乗せるように唇を重ね合わせたのだった。
ユリウスが足を絡ませるように抱きついているので身動きを取れずにいた。そのままの態勢で眠っているユリウスの顔を見つめていたが、愛しさみたいな感情が自分の中で芽生え始めていることに気がついた。どうにかして起きようと身体を捩ると、ユリウスが起きてしまう。
「団長、おはようございます」
「おはよう‥‥‥。起きないと遅刻するぞ」
「団長、今日は午前休ですよ」
「えっ、ほんとか? あー、そう言えばハリス様、そんな事言ってたな」
昨日の帰り際に「明日の午前中は用があるから休んでください」と言っていたことを、私は思い出した。
「じゃあ、寝るか。二度寝するなんて‥‥‥。贅沢だな」
「俺、目が覚めちゃったんで‥‥‥。団長、いいですか?」
「何がいいですかだ。あっ、おい止めろ‥‥‥」
ユリウスは私の上に馬乗りになると、衣服を剥いでいった。
「まっ、待ってくれ‥‥‥。朝からなんて、破廉恥すぎるだろう?」
「はれんち‥‥‥」
「最後までするなら‥‥‥。夜にしたい」
「‥‥‥うん」
「なぁ、ユリウス‥‥‥」
「ユリウスは、私のことをどう思っているんだ? 昨日のアレは‥‥‥。ええと、私はユリウスの‥‥‥」
「団長、ストップ。俺から言わせてください」
ユリウスは私の口を押さえると、ベッドから立ち上がり、咳払いをしてから話し始めた。
「団長、俺と結婚を前提にお付き合いしてください。お願いします!!」
急に頭を下げて手を差し出してきたユリウスに、私は戸惑ってしまう。
「えっ‥‥‥。結婚?!」
「だっ、ダメですか?」
私が驚いていると、ユリウスは涙目になりながら顔を上げた。
「いや、ダメじゃない。嬉しい‥‥‥。すごく嬉しいよ。ただ結婚とか言われると思ってなかったから‥‥‥。ちょっとビックリしただけ」
「だって俺たち、もういい年だし‥‥‥。気づいてくれないし。そろそろアピールしておかないと、誰かに取られるんじゃないかって‥‥‥。最近は気が気じゃなくって、おかしくなりそうだったんです」
「私からも言わせて欲しい。ユリウス、好きだ‥‥‥。私と付き合って欲しい」
「だ、団長?! ストレート過ぎます。破壊力半端なっ‥‥‥」
ユリウスは赤面すると顔を隠すように、そっぽを向いていた。
「そうか?」
「団長‥‥‥」
「ユリウス‥‥‥」
「その、団長っての止めないか?」
「じゃあ、ふたりきりの時は、アレクって呼びますね。」
ユリウスは私を抱きしめると言った。
「愛しています、アレク」
「私もだ、ユリウス。愛している」
お互い顔を見合わせ、笑い合うと目を閉じて想いを乗せるように唇を重ね合わせたのだった。
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