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カトリーナと2回目のお祭り 6
しおりを挟む「か、カトリーナ! そ、そんなことをこんな……人前で……!」
ヒューが真っ赤になって恥じらっている。
女性たちも頬を染め、クラスの男の子たちがうひょおおおうらやましいいーと盛り上がっている。
「ハーラン先生がバカなこと言うから、はっきり言ってやるの! いつも性的な関わりしてるから、聖女は無理です! ね、ヒュー!」
「そ、そうだね、カトリーナ……」
ヒューは恥じらいながらも肯定してくれた。
首までまっか! かわいい!
「初代聖女たるカトリーナを、もう、汚していると!? ヒュー! なんてことを! 神罰が下るぞ!」
「神罰が下ったのはあなたでしょう! 神に投げられたのを忘れましたか?!」
ハーラン先生がヒューに迫るのを、お怒りの神官様が抑える。
「そうだよハーラン先生! いやがってるからやめなさいって神様言ったのに、しつこいよ!」
カトリーナがそういうと、お庭が再びしん、と静まった。
「……ん?」
カトリーナが周囲を見渡すと、みんなが目を見開いて自分を見ているとわかった。
「……な、なに?」
「お嬢さん、あなた……、神の御声を聞いたと言うのですか?」
神官様が低い、真剣な声で言った。
「えっ、いやがってるよ、やめなさいって言って、ハーラン先生をぽいってしたじゃないですか。神官様だってさっきから……」
「……ハーランが輝く御手に投げ出されたのは見えましたが、声は聞こえませんでした」
ぱっと隣のヒューを見上げると、顔を歪めて首を横に振る。
「お嬢さん、本当に……」
「やはり! やはり初代聖女の生まれ変わりだ!」
「だから! ちがう! やめなさいって言われたでしょ?! 先生しつこい!」
ぎゃあぎゃあ言い合う私たちを諌めに現れたもう一人の高齢の神官様の取り成しにより、カトリーナは初代聖女、次代の聖女とされるのは免れたが、神の愛し子と正式に認定された。
居合わせた女性たち、クラスの男の子たち、ふれあい動物園のお客さんまであたたかい拍手で祝ってくれた。
めでたくないです……。
ちなみにハーラン先生は教会の審問を受けるため神官様に連れていかれた。
その日の夜遅く、カトリーナはヒューの部屋を訪れた。
ばたばたしてゆっくり話せなかったし、帰り際、ヒューの表情が冴えなかったのが気になったのだ。
「カトリーナ、来てくれたんだね」
目を開く前に、ぎゅっとヒューに抱きしめられた。
「さっきヒュー、元気なかったから。ごめんね、へんなことになっちゃって……」
カトリーナもぎゅっと抱き返す。
「……僕が、もっとしっかりしていたら。もっとうまくできていたら、よかったんだ。僕こそごめん」
ヒューがしょんぼりしている。
「そんな……いままで、ずっと隠してくれてたんでしょ?」
「そう、なんだけど……隠し通せなかったら、意味がない」
「意味あるから! 聖女にならないからヒューと結婚できるよ! ヒューが隠しててくれたおかげだよ!」
そう、ヒューに注意されなかったらほいほいみんなに『いたいのとんでけ』して、すぐハーラン先生にみつかっていたに違いない。
そしてわけのわからないまま聖女に祭り上げられただろうな、と思う。
「ありがとうヒュー。私を見つけてくれて。私、ヒューと幸せになりたい!」
あの初登校の日、私に声をかけてくれてありがとう!
私のことを、好きになってくれてありがとう!
カトリーナはヒューの首に腕を回して引き寄せ、唇を押しつけた。
たどたどしく舌を動かし、見つけたヒューの舌をくすぐる。
「……んんっ」
背中に回されたヒューの腕に力がこもる。
薄い寝巻き越しに、もはやおなじみの硬いものがおなかに当たるのがわかった。
まかせて! 今日もたくさん、なでなでしてあげる!
あとがき
やっとのんきなお話に戻れる!
次回いちゃいちゃします!
帰宅後、食べ残した伝統菓子をパパにあげたら貪り尽くしました。
パパはあれが大好きな人でした。
原料はやっぱり不明です。
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