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カトリーナとマリアンの秘密のお茶会 2

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 マリアンがもじもじ話してくれた話をまとめると、フレッドくんはマリアンのおっぱいが大好物らしい。

 2人きりになると抱きしめ揉んでくるそうだ。

「すごく嬉しそうだし、とってもきもちいいんだけれど……は、はずかしいのよね! か、カトリーナもするのかなって……」

 カトリーナはマリアンの胸をじっとみつめた。
 フレッドくんの好みに寄せているのか、最近は体に沿う、胸の大きさがよくわかっちゃう服をよく着ている。

 大きい。むっちり。やわらかそう。
 カトリーナだって触りたい。フレッドくんの気持ちがよくわかった。


「ヒューは触らない。キスはするけど……。フレッドおにいさんは年上だし、マリアンに触りたくなっちゃうのわかる。あっでもヒューは…わ、わたしがつるぺただから興味ないだけかも……」


「つるぺた?」

「おっぱい、ないの……」

 マリアンの瞳に動揺が見えた。
 そんなことないわ、と言おうとしたけどほんとになかったのだ。目線でわかる。


 ふとカトリーナの頭に、

『カトリナちゃん』

 と呼ぶ、加藤里菜の幼馴染、マイマイの声が浮かんだ。

『カトリナちゃん、これ、一緒に読もうよ!』

 あれは中一のころ。
 マイマイが持ってきたファッション雑誌を加藤里菜の部屋で読んだ。
 ファッショングラビアの合間に、


 JKの恋のリアル

 という特集ページがあり、なかなかに生々しい声が載っており戸惑いながら興味を持って読んだ。

『きゃーほんとに?』
『が、がっこうで!?』


 そのページに、彼氏に揉まれたらおっぱいが大きくなった! という証言があった。

『……カトリナちゃん……自分でもんでもいいのかな』
『マイマイ! 私たちまだ中一だし! JK になるころはさ』
『だよねだよね! まだ中一だもんね!』


 だよね……だよね……

 マイマイの声が遠ざかっていった。




「マリアン……もしかして、フレッドおにいさんがさわるようになって、大きくなった?」

 カトリーナの視線を遮るようにマリアンが胸を隠した。

「そうなの! わかる? じつは下着がキツイの……」



 あれは本当だったのだ……。



 そのあともヒューがいるとしづらいちょっとピンクな話題で解散の時間まで盛り上がった。
 またお茶会しましょうね! とマリアンと約束して、迎えにきたヒューと帰った。


 フレッドくんと顔を合わせなくてすんでよかった……おっぱい大好きなのねって目で見ちゃうところだった。




 ソファに腰掛けて、パパが来るまでの合間に、ヒューのママも交えてマリアンとフレッドくんの話をした。

 おばさまの腕の中には生まれてたった3ヶ月のルカくん。
 おじさまによく似た赤茶の髪で、とってもかわいいの。


「お婿さんが来てくれるのね。よかったわ、パン屋のおかみさん、うちの代で閉めるかもって言ってたから気になってたのよ」

「マリアンはパン屋さんやりたいみたいだしほんとよかったです! 
ねえヒューは市民学校出たらどうするの?」


「僕は、カトリーナと結婚するよ。カトリーナがいっしょなら上級学校に行くのもいいかなぁ」

「今の成績ならそれもありね」

「えっ結婚するの? 仕事になれてからじゃなかったの?」

 カトリーナはびっくりして横を見た。
 ヒューは笑顔で小首をかしげた。

「するよ? 婚約申し込みしたとき言ったよ、学校を出たら結婚してくださいって」

 忘れてた…。…
 というか美しいヒューに見とれて聞いてなかったかも……。


「そ、そうだっけ……。でも仕事は? あっ式の準備はどうするの?」


 任せておいて、僕たちは早い方がいいんだよ、幸せにするよカトリーナ。
 と肩を抱き寄せられ頬にキスされた。















 その日の夜、遅く。


 ランプを消そうと手を伸ばしかけたヒューの前に、光輝くカトリーナが現れた。

 見慣れた魔法になったが、薄暗い部屋で見るとなんとも神々しい。
 白い寝巻きしか身につけていない彼女をつつむ光が霧散すると、ふっと目を開いた。


 ヒューは彼女のいつもと違う様子に気づいた。
 ずいぶん緊張している。

 夕方話した結婚のこと……カトリーナには隠しているが、教会に目をつけられる前に最短で結婚してしまおうとしていることに、なにか思うところがあるのかもしれない。


 ヒューはなにを言われても動揺しないよう、つとめて優しい笑顔を作って、声をかけた。


「こんなに遅くにどうしたの?カトリーナ」

「ヒュー。わたし……」


 カトリーナは意を決したように、ぎゅっと手を握ってヒューを見つめた。


「ヒュー。わたしのおっぱいをもんでほしいの」

 ヒューは予想外すぎて作り笑顔のまま固まった。



 そして、ごめんねやっぱりいいよ、帰るね、と言うカトリーナを全力で引き留め、たっぷりもませていただいた。






あとがき


その後寝ているパパの前に帰りました。

パパは目の前が光ったくらいでは起きません。
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