落ちこぼれ子女の奮闘記

木島廉

文字の大きさ
上 下
129 / 312

獣人の国へ その後

しおりを挟む
アブリル王国から帰還した日の夕方。

学舎の地下で解散し、学生寮に戻ったリリスは自室のソファに深々と座り込んだ。リリスの身体に疲れがどっと押し寄せてくる。
張りつめていた心が弛緩した途端に眠気まで押し寄せて来た。
サラは実家に帰省しているのでまだ帰ってこない。おそらく明日の早朝に戻ってくるつもりなのだろう。

今日は本当に色々な事があったわね。

そう思って振り返る間もなく、リリスはレザーアーマーのまま眠りに陥ってしまった。

浅い眠りの中で、リリスの目の前には広大な草原と抜けるような青空が広がっていた。

これはキングドレイクが封じられていた宝玉の中の景色だ。

その青空の中を二体の竜が飛び交っている。
そのうちの一体はキングドレイクだと分かった。もう一体は若い竜だ。

時折軽く接触しながらも飛び回る姿を見ながら、リリスはその若い竜が鱗の化石の持ち主なのだろうと悟った。リンの話ではキングドレイクの一族の竜だと言う。リリスの身体の中で、魔力のレベルでの再会の喜びを満喫しているのかも知れない。そう考えると感慨無量なのだが・・・。

だがリリスが和んでいる渦中に、解析スキルが突如発動してしまった。

『起きてください。覇竜の髭の先端部分が同化を求めています。許可されますか?』

同化ってどう言う事なの?

うたた寝から覚醒したリリスだが、まだ若干頭がボーっとしている。

『吸収されることで機能を植え付けたいのでしょう。』

まあ、良いわよ。どうせリンちゃんの身体の一部だから、気持ちの上では抵抗は無いから・・・。

あまり考えずにリリスはそう答えた。

その直後、レザーアーマーの裏のポケットから何かが、芋虫のように体をくねらせながら這い上がってきた。

何なの?

そう思いながら視線を向けると、それは覇竜の髭の先端部分だった。それは身体を折り曲げる様に屈曲し、ばねのように飛び上がってリリスの額にペタッとくっ付いてしまった。

えっと驚くリリスだが、更に驚く事に、気味が悪いので拭い取ろうとしたリリスの手を避ける様に、覇竜の髭はリリスの額に素早く埋没してしまった。それと同時に何かのデータらしきものが脳内に蓄積されていく。

これってもしかして何かのスキルなの?

『そのようですね。早速最適化スキルが発動していますが、魔装の機能強化に適応されるそうです。』

適応されるそうですって・・・誰が言ってるの?

『覇竜の加護がそう言っています。』

う~ん。
良く分からないわねえ。
覇竜の加護ってまるで別人格みたいじゃないの。

『まあそんなところです。あまり深く考えない方が良いと思いますよ。』

解析スキルにしては適当な言い草ね。

『明日の早朝には作業が完了する予定です。』

そう。
それなら結果報告は午後にしてね。
またあんたに早朝から起こされるのは嫌だからね。

『早起きは三文の得ですよ。』

どこでその諺を覚えたのよ?
多分私の記憶領域から探ったんでしょうけど。
でも私には私のスケジュールがあるんだからね。

『了解しました。でもこのまま寝落ちしないでくださいね。歯も磨かないと・・・』

はいはい。
分かったわよ。
でもスキルに説教されるなんて思ってもみなかったわ。
まるで母親みたいな言い草じゃないの。

リリスは気持ちを切り替えるとソファから起き上がり、手早く明日の授業の準備をした後、改めて寝支度を始めたのだった。








翌日の放課後。

リリスが生徒会の部屋を訪れると、ドア越しに賑やかな話し声が聞こえて来た。
誰だろうと思ってドアを開くと、エリスとリンディが椅子に座り、腹を抱えて笑っていたのだが、リンディの様子が少しおかしい。
良く見るとリンディの額に二本の触手が生えている。

「リンディ、それ・・・どうしたの?」

リリスはその場で立ったままリンディに問いかけた。
リンディは笑いすぎて呼吸が乱れていたようで、少し間をおいて自分を落ち着かせ、改めて口を開いた。

「リリス先輩。これってアレですよ。良く見てください。」

リンディが髪をかき分けてリリスに額を突き出した。

「これって・・・竜の髭なのね。」

リンディの額から生えているように見えたのは、アブリル王国でハドルから受け取った覇竜の髭の先端部分だった。
だが単にくっ付けているのではなさそうだ。どう見ても額から生えている。
リリスの困惑にエリスもハハハと笑いながら、

「リンディったらふざけて竜の髭を額にくっ付けたんですよ。そうしたら根を張るように竜の髭が食い込んじゃって・・・」

ええっ!
笑っていて良いの?

リリスは二人の様子に違和感を覚えた。

「先輩、心配しなくても大丈夫ですよ。この竜の髭は私の体組織と親和性が高くて直ぐにくっついちゃうんです。でも、取ろうと思えば取れますから心配ありません。」

「それにこの竜の髭を二本生やしていると、探知能力が格段に上がるんです。リリス先輩の動きも、階段を上がって来られる時点から分かりましたからね。」

そう言いながらリンディは額の竜の髭を本当の触手のようにくねくねと動かした。その様子にエリスがまたアハハハハと笑い出した。どうやらエリスのツボにはまってしまったらしい。
だが竜の髭の効果はそれなりにありそうだ。

リンディが竜の髭に魔力を集中させるとその波動がリリスにも伝わってきた。

「リリス先輩って至近距離で探知すると、巨大な魔力の塊ですね。竜や幾つもの魔物の魔力すら感じてしまうのは何故かしら?」

「リンディ。それって竜の髭に惑わされているのよ。」

そう言ってリリスはリンディの言葉をあしらった。だが内心ではドキッとしていた。元々探知能力の高いリンディが竜の髭の効果で更にスキルアップした結果、リリスの魔力の解析までされてしまうとは思わなかったからだ。

リンディはリリスの言葉に首を傾げたが、納得した様子で、

「そうですよね。先輩を魔物扱いして申し訳ありませんでした。」

リンディはそう言いながら軽く頭を下げた。

「そう言えばリリス先輩の受け取った竜の髭の効果はどうですか?」

「それがねえ。私の体組織との親和性も高かったのよ。」

リリスは自分の額を指さしながら、

「ここにくっ付いてそのまま埋没しちゃったわ。」

リリスの言葉にエリスとリンディはええっと驚きの声をあげ、リリスの額をじっと見つめた。

「竜の髭を・・・・・取り込んじゃったんですか。」

エリスの呟く声にリリスは首を縦に振り、

「結果的にはそう言う事なのよね。私の場合は魔力操作と探知や精神攻撃からの防御がレベルアップしたようだわ。」

そう言いながらリリスは魔装を非表示で発動させた。
瞬時に身体全体が魔力のシールドで覆われたような感覚が湧き溢れてくる。

うっと唸り声をあげてリンディが目を見開いた。

「魔力を完全に跳ね返されちゃった。先輩って魔力でシールドを張れるんですか? 全く探知出来ませんよ。」

「未知の存在って感じですね。」

リンディは急に額の竜の髭をくねくねと大きく動かし始めた。

「リンディ。ムキになって探知しようとしないでね。」

リリスは笑いながらリンディの額の竜の髭をツンツンと突いた。だがその瞬間に竜の髭がスッとリンディの額から離れて、リリスの人差し指に絡まってしまった。

「ええっ! 竜の髭がリリス先輩の手に乗り移っちゃった!」

驚くリンディの目の前で、その竜の髭はそのまま根を張るようにリリスの指に固着し始めた。

ちょっと待ってよ!
何をするつもりなの?

慌ててリリスはその竜の髭を剥ぎ取り、リンディに手渡した。

「リリス先輩って竜の髭と異常に親和性が高いんですね。竜の髭が所有者を鞍替えするなんて・・・」 

呆れ顔のリンディの言葉にエリスもうんうんと頷き、

「先輩って竜の加護を持っているから、竜の髭も居心地が良いのかも知れませんね。」

「竜の髭にそんなに好かれてもねえ。」

少しうんざりした口調でリリスは苦笑いをした。その表情を見ながらリンディは竜の髭をエリスに返し、自分の竜の髭を制服の内ポケットに仕舞い込んだ。二人の気持ちが少し落ち着いてきたのを見計らって、リリスはリンディに話し掛けた。

「ジーク先生に色々と手の内を知られてしまったけど、あなたは構わないの?」

それはリリスとしても気になる事である。そうでなくても以前から、ステータス上で秘匿しているスキルを勘繰られるような状況に幾度も遭遇していた。メリンダ王女はすでに見て見ぬ振りをしているようにも思われる。軍にも所属するジークはどうなのだろうか?

だがリンディの言葉は意外なものだった。

「担任のロイド先生から聞いたんですが、ジーク先生は私達のみならず、魔法学院の生徒の個々の能力やスキルについては言及しないようにしているそうですよ。学院の生徒である限りはのびのびと活動させてあげる様にとの、学院側の意向もあると聞きました。」

「でもリリス先輩が入学してからは、特にそのように心掛けているそうですよ。」

リンディの意外な言葉にリリスは疑問を抱いた。

「それってどう言う事なの?」

「それはですね・・・」

リンディは思わせ振りに少し間を置いた。

「軍の上層部に報告を上げても、信じて貰えなかったそうです。子供にそんな事が出来るはずがないって。」

「それである時期から王家に報告を上げるようにしたそうです。そうすると今度は別な意味で聞き流されたそうです。リリス先輩ならそんな事が出来ても特に不思議じゃないって。」

う~ん。
微妙な反応ね。
それってメルの反応じゃないの?

「それじゃあ、リンディに関してはどうなの? あれだけの空間魔法を駆使出来る人なんて、学院でも他に居ないと思うんだけど・・・」

「私も魔法学院の生徒である間はどこからも干渉されません。」

「もしも卒業後に軍に誘われてうるさくなったら・・・その時は亜空間に逃げ込んじゃいます。」

そう言いながらリンディはニヤッと笑った。

自分で自由に隠れ家を造れるんだから良いわよね。

そう思ってエリスの顔を見ると、エリスは少し羨ましそうな表情をしていた。

「二人共、どれだけのスキルを隠し持っているのよ。」

その言葉にリンディは手を横に振り、

「別に隠し持っているんじゃないのよ。ステータスに出てこないだけだから。」

リンディはそう言ってリリスに同意を求めるような視線を送ってきた。

「ああ・・・そう、そうなのよね。」

無理矢理意見を一致させたリリスだが、リンディの言葉が真実なのか否かは分からない。
おそらく彼女は・・・そう言う事にしておきたいだけなのだろう。
この件にはあまり深入りしない方が良いので、リリスは話題を変え、雑談に花を咲かせるようにしたのだった。



その日の夕方。

学生寮の自室に戻ると、ドア越しに聞き慣れた賑やかな話し声が聞こえて来た。
どうやらあの連中が来ているようだ。

リリスがドアを開けると、

「「「お帰り!」」」

一斉にお帰りの合唱が聞こえて来た。

ソファの上に座っていたのはブルーと赤の衣装を着たピクシーとノームだ。水と火と土の亜神の本体の一部。最近見かけなかったと思いながらもリリスは、ベッドでいびきを立てながら深々と眠っているサラに気が付いた。

「またサラを無理矢理眠らせちゃったの?」

少し語気を荒げて話すリリスに反応して、ピクシー達はお互いに顔を見合わせた。

「そんな事はしていないわよ。本人から頼まれたんだから・・・」

「頼まれたってどう言う意味よ!」

リリスはそう言い放ちながら、カバンを床に置き対面のソファにドカッと座った。

「そんなに興奮しないでよ。頼まれたって言うのは本当なんだから。私達がここに来た時にはこの子はもう眠ろうとしていたのよ。魔力操作の授業で神経を使いすぎて疲れたって言ってたわ。仮眠を取りたいって言うから、それなら眠らせてあげようかと提案して・・・」

「それで本人の同意はあったの?」

「勿論よ。」

リリスの追及にブルーの衣装を着たピクシーがおずおずと口を開いた。

「私達の話声でこの子が仮眠するのを邪魔しちゃいけないからね。簡易型の亜空間シールドで包んで、催眠導入しただけよ。」

ピクシーの言葉を聞いて、リリスは心配げな視線を眠っているサラに送った。

「それなら良いけど起こすのを忘れないでよね。」

「それは大丈夫よ。時限式の亜空間シールドだから、2時間ほどで消滅するわよ。」

「ふうん。」

リリスは訝しげにサラの様子を見た。

「亜空間シールドと共に、中にいるサラまで消滅するんじゃないでしょうね。」

「それは・・・大丈夫よ。・・・多分ね。」

「その自信なさげな返答は止めてよね!」

その場で立ち上がろうとするリリスをノームがまあまあと宥めながら、

「こいつらは冗談がキツイからなあ。心配せんでええよ。サラ君なら大丈夫やからね。」

ノームに宥められてリリスは少し落ち着いた。じろっと軽く睨むと、ピクシー達はケラケラと笑い出した。
タチの悪い連中だ。事実だけを教えてくれれば良いのにと思いながら、リリスは改めて口を開いた。

「それで今日は何の用なの?」

「まあ、大した用事や無いんやけどね。」

話を切り出したのはノームだ。

「リリスの持つ覇竜の加護がアップデートされているのが気になってね。」

ノームに続いてピクシー達が次々に口を開く。

「そうなのよ。リリスが竜になっちゃうんじゃないかって心配して・・・」

「私はブレスが強化されたのなら見てみたいと思ってね。」

ピクシー達の喧騒にリリスは若干呆れてしまった。

「私は何も変わりません。それにタミア、私が吐き出したのはブレスじゃないって言ってるでしょ。」

「ええ! そうなの?」

リリスの言葉に赤い衣装のピクシーが首を傾げた。

「だって、ドラゴニュートの王家の公式記録に、リリスが人族で初めてブレスを吐いたって記述されているわよ。」

どうしてあんたがそんなものを知っているのよ。

「あれは単なる誤解です。捏造と言っても良いわね。」

そう言って否定したリリスだが、そのリリスに鼻を近づけるノームが気になる。何をしているんだろう?

「チャーリー。何してるのよ?」

問いかけられたノームが更に鼻をクンクンと動かし、

「匂うんや。これは間違いなく奴の気配やな。」

「リリス。君はあの風来坊と接触したな?」

ノームの言葉にピクシー達も鼻を近づけ、

「やっぱりそうなのね。この気配ってアイツじゃないかってふと思ったのよ。」

「嫌だわ。リリスったらあんな奴と接触しちゃったの? ゾッとしちゃうわ。」

「そうよね、タミア。あんたはアイツが苦手だものね。」

「そうなのよ。アイツって私をやたらに煽るし、何かとたきつけるんだから・・・」

ピクシー達が騒ぎ始めた。

「何を盛り上がっているのよ! ちゃんと説明して!」

リリスの叫びにもピクシー達はケラケラと笑うだけだった。呆れてリリスはノームに視線を向けた。
リリスの視線に反応してノームが口を開く。

「リリス。君は最近、風の亜神の本体のかけらに出会ったはずや。」

「風の亜神?」

そう言われてリリスは記憶を辿った。思いつくのはアブリル王国で出会ったあのゴスロリの少女しかいない。
少女の容姿と気配を話すと、ノームはうんうんと頷いた。

「それや。間違いない。アイツのコードネームはウィンディ。風の亜神の本体の一部なんやけど、これがまたくせ者でなあ。」

くせ者なのは分かるわよ。

「居所がさっぱり探知出来んのや。どこに現れるのかも分からん。いつの間にか現れて、いつの間にか消えてしまう。まさに風来坊やね。風の吹くまま気の向くままに居場所を変える。そやけど・・・君に興味を持ってマーキングしたみたいやね。」

そう言いながらノームがリリスの髪の毛を引っ張った。

「痛い!」

髪の毛を一本抜かれたようだ。ノームの手にリリスの髪の毛が挟まれている。

何をするのよ!

そう叫ぼうとした矢先、その髪の毛が急に白い光を放ち始めた。

「えっ! 何なの?」

そう叫んだリリスの背後に人影が立ち、ぞくっとして振り返ると・・・あの少女が立っていた。

「「「出たな!」」」

一斉に叫んだピクシーとノームを見つめながら、ゴスロリの衣装を着た少女はリリスの背後でニヤッと笑っていた。










しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

うちの娘が悪役令嬢って、どういうことですか?

プラネットプラント
ファンタジー
全寮制の高等教育機関で行われている卒業式で、ある令嬢が糾弾されていた。そこに令嬢の父親が割り込んできて・・・。乙女ゲームの強制力に抗う令嬢の父親(前世、彼女いない歴=年齢のフリーター)と従者(身内には優しい鬼畜)と異母兄(当て馬/噛ませ犬な攻略対象)。2016.09.08 07:00に完結します。 小説家になろうでも公開している短編集です。

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

【完結】国外追放の王女様と辺境開拓。王女様は落ちぶれた国王様から国を買うそうです。異世界転移したらキモデブ!?激ヤセからハーレム生活!

花咲一樹
ファンタジー
【錬聖スキルで美少女達と辺境開拓国造り。地面を掘ったら凄い物が出てきたよ!国外追放された王女様は、落ちぶれた国王様゛から国を買うそうです】 《異世界転移.キモデブ.激ヤセ.モテモテハーレムからの辺境建国物語》  天野川冬馬は、階段から落ちて異世界の若者と魂の交換転移をしてしまった。冬馬が目覚めると、そこは異世界の学院。そしてキモデブの体になっていた。  キモデブことリオン(冬馬)は婚活の神様の天啓で三人の美少女が婚約者になった。  一方、キモデブの婚約者となった王女ルミアーナ。国王である兄から婚約破棄を言い渡されるが、それを断り国外追放となってしまう。  キモデブのリオン、国外追放王女のルミアーナ、義妹のシルフィ、無双少女のクスノハの四人に、神様から降ったクエストは辺境の森の開拓だった。  辺境の森でのんびりとスローライフと思いきや、ルミアーナには大きな野望があった。  辺境の森の小さな家から始まる秘密国家。  国王の悪政により借金まみれで、沈みかけている母国。  リオンとルミアーナは母国を救う事が出来るのか。 ※激しいバトルは有りませんので、ご注意下さい カクヨムにてフォローワー2500人越えの人気作    

お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。 勇者としての役割、与えられた力。 クラスメイトに協力的なお姫様。 しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。 突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。 そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。 なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ! ──王城ごと。 王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された! そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。 何故元の世界に帰ってきてしまったのか? そして何故か使えない魔法。 どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。 それを他所に内心あわてている生徒が一人。 それこそが磯貝章だった。 「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」 目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。 幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。 もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。 そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。 当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。 日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。 「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」 ──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。 序章まで一挙公開。 翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。 序章 異世界転移【9/2〜】 一章 異世界クラセリア【9/3〜】 二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】 三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】 四章 新生活は異世界で【9/10〜】 五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】 六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】 七章 探索! 並行世界【9/19〜】 95部で第一部完とさせて貰ってます。 ※9/24日まで毎日投稿されます。 ※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。 おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。 勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。 ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。

あ、出ていって差し上げましょうか?許可してくださるなら喜んで出ていきますわ!

リーゼロッタ
ファンタジー
生まれてすぐ、国からの命令で神殿へ取られ十二年間。 聖女として真面目に働いてきたけれど、ある日婚約者でありこの国の王子は爆弾発言をする。 「お前は本当の聖女ではなかった!笑わないお前など、聖女足り得ない!本来の聖女は、このマルセリナだ。」 裏方の聖女としてそこから三年間働いたけれど、また王子はこう言う。 「この度の大火、それから天変地異は、お前がマルセリナの祈りを邪魔したせいだ!出ていけ!二度と帰ってくるな!」 あ、そうですか?許可が降りましたわ!やった! 、、、ただし責任は取っていただきますわよ? ◆◇◆◇◆◇ 誤字・脱字等のご指摘・感想・お気に入り・しおり等をくださると、作者が喜びます。 100話以内で終わらせる予定ですが、分かりません。あくまで予定です。 更新は、夕方から夜、もしくは朝七時ごろが多いと思います。割と忙しいので。 また、更新は亀ではなくカタツムリレベルのトロさですので、ご承知おきください。 更新停止なども長期の期間に渡ってあることもありますが、お許しください。

家族内ランクE~とある乙女ゲー悪役令嬢、市民堕ちで逃亡します~

りう
ファンタジー
「国王から、正式に婚約を破棄する旨の連絡を受けた。 ユーフェミア、お前には二つの選択肢がある。 我が領地の中で、人の通わぬ屋敷にて静かに余生を送るか、我が一族と縁を切り、平民の身に堕ちるか。 ――どちらにしろ、恥を晒して生き続けることには変わりないが」 乙女ゲーの悪役令嬢に転生したユーフェミア。 「はい、では平民になります」 虐待に気づかない最低ランクに格付けの家族から、逃げ出します。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

処理中です...