99 / 113
アリスティア、魔法について考える
どこかで
しおりを挟む
「うーん、厄介ね…」
大審判で洗い流したから大丈夫、と油断しすぎていたか。
王都の神殿なんて自分のおひざ元に入り込まれているとは思っていなかった。
そのうち何とかなると使徒候補を放置していたのも良くなかった。
あまり油断しないほうが良いのかもしれない。
とはいえ、アリスティアは無事確保できているし、神殿からの駆除も完了。
この国をもう一度探ったが、不穏な気配は感じられない。
なにより、今回精霊たちに依頼して神託を下したので、しばらくの間は喜びから神殿を訪れる人が増えるはず。
そうすれば信仰も集まり何かがあれば気付きやすい状態となる。
悲観することはないだろう。
「とはいえ、宝珠2個か~。ちょっと介入しすぎちゃったかしら…」
魔素を精霊が扱う魔法に変えやすくなるようフィルターの役目をする魔法の宝珠。
人間たちは魔法の宝珠ならと魔宝珠、と呼んでいるが、私から見たら本質は枷だ。
ただ、アリスティアに与えた白は私の色。
光の精霊が持つ金や銀ではない。
精霊たちからすれば光の要素しか含まれていないが、内包している概念は他の物とは桁違いだ。
使い方次第で今の世界の枠組みを変えるくらいはできるかもしれないが、それを教えるにはまだ早すぎるだろう。
それに、あまり大きな介入は、奴に付け入られる隙になる。
しかし、久々にこの世界に生まれたファーディーの要素。
次に出現するのはいつになるかわからないのだ。
この機会を無駄にしたくはない。
「ま、どうにかなるか。」
精霊も御守でつけたし、私の宝珠はあげたし、本人も元からやる気だし。
あと2週間ほどで全属性の宝珠を授けることになる。
そうなれば気軽にこの世界に出入りすることもできなくなってしまうのだ。
もう少しの間、楽しい時間を過ごしても罰は当たるまい。
とはいえ、罰を当てるのも自分なんだが。
「さて、と。」
すっと手の上に精巧な装幀がされた巨大な書が出現する。
「今日の部分は…」
パラパラとめくると、所々に空欄はあるものの細かい字がびっしり書き込まれている。
「あー、やっぱり。ここを狙ったわけね。それじゃ…」
それから長いこと女神は巨大な書を見つめ、書き足し、次のページへと進んでいくのだった。
大審判で洗い流したから大丈夫、と油断しすぎていたか。
王都の神殿なんて自分のおひざ元に入り込まれているとは思っていなかった。
そのうち何とかなると使徒候補を放置していたのも良くなかった。
あまり油断しないほうが良いのかもしれない。
とはいえ、アリスティアは無事確保できているし、神殿からの駆除も完了。
この国をもう一度探ったが、不穏な気配は感じられない。
なにより、今回精霊たちに依頼して神託を下したので、しばらくの間は喜びから神殿を訪れる人が増えるはず。
そうすれば信仰も集まり何かがあれば気付きやすい状態となる。
悲観することはないだろう。
「とはいえ、宝珠2個か~。ちょっと介入しすぎちゃったかしら…」
魔素を精霊が扱う魔法に変えやすくなるようフィルターの役目をする魔法の宝珠。
人間たちは魔法の宝珠ならと魔宝珠、と呼んでいるが、私から見たら本質は枷だ。
ただ、アリスティアに与えた白は私の色。
光の精霊が持つ金や銀ではない。
精霊たちからすれば光の要素しか含まれていないが、内包している概念は他の物とは桁違いだ。
使い方次第で今の世界の枠組みを変えるくらいはできるかもしれないが、それを教えるにはまだ早すぎるだろう。
それに、あまり大きな介入は、奴に付け入られる隙になる。
しかし、久々にこの世界に生まれたファーディーの要素。
次に出現するのはいつになるかわからないのだ。
この機会を無駄にしたくはない。
「ま、どうにかなるか。」
精霊も御守でつけたし、私の宝珠はあげたし、本人も元からやる気だし。
あと2週間ほどで全属性の宝珠を授けることになる。
そうなれば気軽にこの世界に出入りすることもできなくなってしまうのだ。
もう少しの間、楽しい時間を過ごしても罰は当たるまい。
とはいえ、罰を当てるのも自分なんだが。
「さて、と。」
すっと手の上に精巧な装幀がされた巨大な書が出現する。
「今日の部分は…」
パラパラとめくると、所々に空欄はあるものの細かい字がびっしり書き込まれている。
「あー、やっぱり。ここを狙ったわけね。それじゃ…」
それから長いこと女神は巨大な書を見つめ、書き足し、次のページへと進んでいくのだった。
0
お気に入りに追加
1,179
あなたにおすすめの小説
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
辺境伯令嬢に転生しました。
織田智子
ファンタジー
ある世界の管理者(神)を名乗る人(?)の願いを叶えるために転生しました。
アラフィフ?日本人女性が赤ちゃんからやり直し。
書き直したものですが、中身がどんどん変わっていってる状態です。
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
前世は最悪だったのに神の世界に行ったら神々全員&転生先の家族から溺愛されて幸せ!?しかも最強➕契約した者、創られた者は過保護すぎ!他者も!?
a.m.
ファンタジー
主人公柳沢 尊(やなぎさわ たける)は最悪な人生だった・・耐えられず心が壊れ自殺してしまう。
気が付くと神の世界にいた。
そして目の前には、多数の神々いて「柳沢尊よ、幸せに出来なくてすまなかった転生の前に前の人生で壊れてしまった心を一緒に治そう」
そうして神々たちとの生活が始まるのだった...
もちろん転生もします
神の逆鱗は、尊を傷つけること。
神「我々の子、愛し子を傷つける者は何であろうと容赦しない!」
神々&転生先の家族から溺愛!
成長速度は遅いです。
じっくり成長させようと思います。
一年一年丁寧に書いていきます。
二年後等とはしません。
今のところ。
前世で味わえなかった幸せを!
家族との思い出を大切に。
現在転生後···· 0歳
1章物語の要点······神々との出会い
1章②物語の要点······家族&神々の愛情
現在1章③物語の要点······?
想像力が9/25日から爆発しまして増えたための変えました。
学校編&冒険編はもう少し進んでから
―――編、―――編―――編まだまだ色んなのを書く予定―――は秘密
処女作なのでお手柔らかにお願いします。文章を書くのが下手なので誤字脱字や比例していたらコメントに書いていただけたらすぐに直しますのでお願いします。(背景などの細かいところはまだ全く書けないのですいません。)主人公以外の目線は、お気に入り100になり次第別に書きますのでそちらの方もよろしくお願いします。(詳細は200)
感想お願いいたします。
❕只今話を繋げ中なためしおりの方は注意❕
目線、詳細は本編の間に入れました
2020年9月毎日投稿予定(何もなければ)
頑張ります
(心の中で読んでくださる皆さんに物語の何か案があれば教えてほしい~~🙏)と思ってしまいました。人物、魔物、物語の流れなど何でも、皆さんの理想に追いつくために!
旧 転生したら最強だったし幸せだった
気がついたら異世界に転生していた。
みみっく
ファンタジー
社畜として会社に愛されこき使われ日々のストレスとムリが原因で深夜の休憩中に死んでしまい。
気がついたら異世界に転生していた。
普通に愛情を受けて育てられ、普通に育ち屋敷を抜け出して子供達が集まる広場へ遊びに行くと自分の異常な身体能力に気が付き始めた・・・
冒険がメインでは無く、冒険とほのぼのとした感じの日常と恋愛を書いていけたらと思って書いています。
戦闘もありますが少しだけです。
転生貴族可愛い弟妹連れて開墾します!~弟妹は俺が育てる!~
桜月雪兎
ファンタジー
祖父に勘当された叔父の襲撃を受け、カイト・ランドール伯爵令息は幼い弟妹と幾人かの使用人たちを連れて領地の奥にある魔の森の隠れ家に逃げ込んだ。
両親は殺され、屋敷と人の住まう領地を乗っ取られてしまった。
しかし、カイトには前世の記憶が残っており、それを活用して魔の森の開墾をすることにした。
幼い弟妹をしっかりと育て、ランドール伯爵家を取り戻すために。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる