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アリスティア、魔法について考える
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「えいっ!」
とりあえず、扉を開ける前から用意しておいたドッジボール大の魔素塊(という名の巨大スライム)をおそらくベラさんであろう2メートルほどの真黒な物体に投げつけてみた。
一発で完了かどうかなんてわからないから、念のためさらに大きなものを創ろうとするが…上手く集まらない!?
やはりこの本体とやらがいるところは魔素が集めにくいらしい。
一発目をバランスボール大まで頑張れば良かったと後悔するももう遅い。
様子をうかがうと、魔素スライムは頑張ってベラさんを浄化しているようで、ぴかぴかと光っている。
透明なジェルの向こうで、黒い稲妻がピカピカして、次第に小さくなってきている…ような気がする。
「あれ、大丈夫かな?」
とりあえず結果が出るまで少しでも大きな魔素スライムをもう一度作ろうと頑張りながら少し姿が薄くなったサンに尋ねる。
「やべぇかもな。もしかしたらなんか妙なもん使ってるのかも…」
「え?」
「お前のアレ、さっきの100倍ぐらいの効果あるはずだぜ?いくら本体だろうが一発で吹き飛ぶと思ったんだが…」
そんな話をしているうちにベラさんを包む浄化スライムジェルの中はどんどん黒い稲妻が増えていく。
このままだと人間サイズになるまでに真っ黒になってしまいそうだ。
「じゃあもう一発!」
すごい大変だったが、同じぐらいのサイズのものができたので追撃に投げつけておく。
時間稼ぎにはなるだろう。
「どうしよう。あれで足りるかな。一回外に出て特大サイズ作って来たほうが良いかな。」
「いや、扉の外のもんも今のでだいぶかき集めてきたから魔素自体薄くなってると思うぞ。それよりもきっとこの部屋に原因があるだろうからやつが動かないうちに探したほうが良い。」
「わ、どうしよう。原因って言ったって見た目がどんなものかもわからないのに…ってあれ?」
ふと上を見上げるとすごくまがまがしい、蛇とライオンとイノシシを混ぜたような魔物の首の剥製が飾ってある。
神殿にはまるでふさわしくない。
その額にはまっているのは…
「黒い…魔石?」
普通の動物では明らかにあり得なさそうな見た目の剥製の額にはまっている、黒にしか見えない魔石。
なんでさっき気付かなかったんだろう。
うん、いかにも怪しい。
「…怪しいな。」
「…さっき外で作った魔素の塊、ぶつけたら壊れるかな?」
「あー…もの次第だがいけるかもしんねぇな」
残り少ない魔素をもう絶対に何もできない!というぐらい無理やり集めで野球玉ぐらいに圧縮し、さらに圧力をかける。
全身汗だくだ。
でも、失敗したらもうここじゃ魔素集められる気がしない…
悪霊退散、悪霊退散…
せっかくだからもうちょっと…
最終的にピンポン玉サイズまでがっちりと固めてみた。
あとはたっぷりと浄化の意志を込めて…
「そーれっ!」
キレイなフォームで全力で黒い魔石めがけて投げつけた。
とりあえず、扉を開ける前から用意しておいたドッジボール大の魔素塊(という名の巨大スライム)をおそらくベラさんであろう2メートルほどの真黒な物体に投げつけてみた。
一発で完了かどうかなんてわからないから、念のためさらに大きなものを創ろうとするが…上手く集まらない!?
やはりこの本体とやらがいるところは魔素が集めにくいらしい。
一発目をバランスボール大まで頑張れば良かったと後悔するももう遅い。
様子をうかがうと、魔素スライムは頑張ってベラさんを浄化しているようで、ぴかぴかと光っている。
透明なジェルの向こうで、黒い稲妻がピカピカして、次第に小さくなってきている…ような気がする。
「あれ、大丈夫かな?」
とりあえず結果が出るまで少しでも大きな魔素スライムをもう一度作ろうと頑張りながら少し姿が薄くなったサンに尋ねる。
「やべぇかもな。もしかしたらなんか妙なもん使ってるのかも…」
「え?」
「お前のアレ、さっきの100倍ぐらいの効果あるはずだぜ?いくら本体だろうが一発で吹き飛ぶと思ったんだが…」
そんな話をしているうちにベラさんを包む浄化スライムジェルの中はどんどん黒い稲妻が増えていく。
このままだと人間サイズになるまでに真っ黒になってしまいそうだ。
「じゃあもう一発!」
すごい大変だったが、同じぐらいのサイズのものができたので追撃に投げつけておく。
時間稼ぎにはなるだろう。
「どうしよう。あれで足りるかな。一回外に出て特大サイズ作って来たほうが良いかな。」
「いや、扉の外のもんも今のでだいぶかき集めてきたから魔素自体薄くなってると思うぞ。それよりもきっとこの部屋に原因があるだろうからやつが動かないうちに探したほうが良い。」
「わ、どうしよう。原因って言ったって見た目がどんなものかもわからないのに…ってあれ?」
ふと上を見上げるとすごくまがまがしい、蛇とライオンとイノシシを混ぜたような魔物の首の剥製が飾ってある。
神殿にはまるでふさわしくない。
その額にはまっているのは…
「黒い…魔石?」
普通の動物では明らかにあり得なさそうな見た目の剥製の額にはまっている、黒にしか見えない魔石。
なんでさっき気付かなかったんだろう。
うん、いかにも怪しい。
「…怪しいな。」
「…さっき外で作った魔素の塊、ぶつけたら壊れるかな?」
「あー…もの次第だがいけるかもしんねぇな」
残り少ない魔素をもう絶対に何もできない!というぐらい無理やり集めで野球玉ぐらいに圧縮し、さらに圧力をかける。
全身汗だくだ。
でも、失敗したらもうここじゃ魔素集められる気がしない…
悪霊退散、悪霊退散…
せっかくだからもうちょっと…
最終的にピンポン玉サイズまでがっちりと固めてみた。
あとはたっぷりと浄化の意志を込めて…
「そーれっ!」
キレイなフォームで全力で黒い魔石めがけて投げつけた。
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