異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか

片上尚

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アリスティア、目覚める

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夕食はベジタリアンな感じだったが、あの草粥生活に比べたらはるかにましだ。
比べるのが失礼なくらいだ。

もぎたてのトマト。
新鮮なトウモロコシ。
ちぎられて塩が振られたキャベツ。
あとはトマトで煮られた豆類。

さっきこっそり植物図鑑で確認した、北海道で夏の旬の野菜たちが並んでいる。
塩キャベツ…ビールが飲みたくなるなぁ。
パクパク食べる私を見守る神官のおじいちゃん。
なんか孫を見るような目になってるんだけど気のせいだろうか…
っていうか、この豆、もしかして枝豆になるんじゃないかしら…
というわけで聞いてみた。

「これ、緑のさやに入った豆じゃないかしら?」

「はい、左様でございます。」

とドガさん。明日でいいので、さやのまま塩水で煮てもらうようお願いしたところ、快諾された。

「姫様はいろんなことをご存じなのですね。先ほどの牛の乳ですが、味見してみました。実に濃厚な飲み物ですね!毒見をせねば差し上げられないと思い今日はお持ちしませんでしたが、明日まで私が元気でおりましたら朝食にお持ちしましょう!」

「本当!?嬉しいわ!」

思わず大きな声がでる。
だって小躍りしたくなるほどうれしいからだ!
でも牛乳のままだと保存できないんだよなぁ…
よし、レモンとか柑橘類を見つけたらまたこの村に来よう。
そう心に誓う。

「ちなみに、牛の乳は清潔な容器に入れて振ると塊ができるはずよ。油の替わりに使えるしとっても濃厚でおいしいわ。その時に出た水分も栄養たっぷりなので飲んでみて。あとは牛の乳でいもやニンジンを煮てもおいしいから、ぜひやってみて。」

一応バターのつくり方を教えておく。あとは小麦は確かそれなりに手に入りにくかったはずだから、シチューではなくミルク煮を。明日の朝食に出てこないかな…

私の牛乳関連の知識はこんなところなのでもう打ち止めだ。
お腹もいっぱいになったしそろそろ休ませてもらうことにした。
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