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第23話 エルの名前
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孤児院の子供達に読み聞かせる物語で人気があったのは、未知の世界を冒険する話だったり、悪者をやっつける勧善懲悪の話だった。
お爺ちゃんがいなくなってからの私は、絵本の中で主人公が危機に陥った時、颯爽と現れ助けてくれるヒーローのような存在にいつしか憧れを抱くようになっていた。
一人で孤児院と子供達を守らなければいけない重圧から、押し潰されそうな自分を救ってくれる人がいてくれたら……そんな思いがあったのかもしれない。
いくら祈っても頑張っても孤児院の経営は苦しいままで、藁にもすがる思いで神殿本部に救いを求めても、蔑ろにされた私が信仰心を失いかけたのは仕方がない事だと思う。
……なのに、そんな私を救ってくれたのは皮肉にも神ではなく、まさかの悪魔だった……──いや、悪魔だと、思っていた。けれど……今私の目の前にいる人は、忌むべき色を纏っておらず、輝く金の髪を持つ美しい人で……。
呆然とエルを見ていると、飛竜が翼を大きくはためかせながら地面に着地する。
強い風が吹き荒れ、周りの木々が揺らされて葉っぱが巻き上がるけれど、私はエルから視線を逸らす事が出来ないでいた。
「サラ……っ! 大丈夫ですか!?」
黒い飛竜からひらりと飛び降りたエルが私のもとへ走って来る。その綺麗な顔も優しい声も、確かにエルなのに、その髪の色だけが違っている。
「……エル、一体どうして……」
そう言葉に出したものの、こんな状況で一体何から聞けば良いのか混乱する。いつもと違う髪の色や、希少だと言われている飛竜に乗っていた事、どうしてこの場所が分かったのか……聞きたい事は山ほどある。
私がエルに何から質問しようか悩んでいると、馬車の中から司祭が降りて来て、エルに向かって腰を折り深く頭を垂れた。
「……なっ!?」
──そんな司祭の様子を見た私は酷く驚いた。
アルムストレイム教の司祭が頭を垂れるのは自分より上位の聖職者に対してのみだ。高位の貴族に対しても精々会釈する程度なのに、司祭はエルに対しては最上位の礼を以て接している。
だから司祭が悪魔相手に最上位の礼を取るなんて思わなかった私は思わず絶句してしまったのだ。……さっきから驚いてばっかりだけど。
(どうして司祭がエルに礼を……? エルは異形の者じゃないの……?)
司祭は頭を垂れたまま一言も発さない。まるでエルが許可するのを待っているようで、微動だにしない。
そんな司祭をちらりと見たエルは、司祭に向けて言葉を放つ。
「その法衣はアルムストレイム教の司祭だな。発言を許す。この状況の説明をして貰おう」
いつもは穏やかで心地良い声なのに、凛とした中に迫力がある声で司祭に命令するエルの声を聞いて、初めて聞くはずなのにどこかで聞いた事があるような気がした……って、何処だっけ?
それにいつもは敬語なのに司祭に対しては口調が違うので、何だか別人のようだ。
「──発言の許可をいただき有難うございます。恐れ多くも説明させていただきますと、我々はこの巫女であるサラに幾つか確認したい事がある為、ラキトフ神殿の司教のもとへ向かう途中でございました」
エルに発言の許可を貰った司祭は簡潔に説明するけれど、そこに私が拒否した事は含まれていなかった。まるで私が同行に応じたような言い方ではないか。
「……なるほど。それでは聞くがそれは同意の上か? まさか無理矢理ではあるまいな?」
司祭の説明にエルが突っ込んで質問する。どうやらエルは私が無理やり連れて行かれる途中だと分かっているようだ……って、そりゃそうだよね。今日孤児院で会う約束をしていた私がこんなところで揉み合っていたんだから、そんなの一目で分かるよね。
「……恐れながら、そこのサラなる娘はラキトフ神殿管轄の巫女でございます。アルムストレイム教の者であれば、司教の招集に応じるのは当然の事かと」
司祭は私が巫女見習いだから、無理やり連れ出すのに問題はないと言いたいようだ……って、あれ? 司祭は私の事巫女だと思ってる? さっきから巫女と呼ばれているような……。
「確かに、サラがアルムストレイム教の聖職者であればその通りだろう。しかし彼女は巫女見習いと聞いているが? 巫女見習いは正式な聖職者ではあるまい? その事についてお前の見解は?」
……私のそんな疑問はエルが打ち消してくれた。
巫女見習いはあくまで見習いなので、正式に神殿に認められないと巫女──聖職者にはなれない。
だから今の私はただ神殿や孤児院を手伝っているだけの人間ということになる。
「そ……それは……」
エルの質問に司祭が口籠る。巫女になると神殿に登録され、その情報は法国の修道聖省に共有されるため、この司祭が私を聖職者でないと知らない訳がないのだ。
「サラは我がサロライネン王国の大事な国民であり、その身は王国法で守られている。──サラ、改めて聞くがお前が司祭に同行したのは同意の上か?」
突然話を振られて「ふぇ!?」と変な声が出てしまったけれど、私は同意などしていないという意思表示にぶんぶんと首を横に振る。
「……だ、そうだが、どうする? お前はそれでもサラをラキトフ神殿へ連れて行くのか?」
エルの質問に司祭は苦々しい表情を浮かべると、「……いえ、その娘が同行を拒否するならば、私には強制出来る権限はありません」と、言って項垂れた。
司祭のそんな様子にエルは満足そうな表情をすると、私に向かってにっこりと微笑んだ。
「ならばサラ、お前はどうする? 私と共に来るか?」
エルに問われた私は思わず「もちろん!」と笑顔で答える。そんなのエルと一緒に行くに決まってる!
「司祭、サラの身は私が預からせて貰う。バザロフ司教にもそのように伝えるがいい」
エルが司祭にそう告げて踵を返す。そして私の手を取った時、その様子を見ていた司祭がエルに向かって問い掛けた。
「お、お待ち下さい! 貴方様にとってそのサラという少女は一体どのような存在なのですか! まさか大司教からの打診を──……っ!」
だけど司祭の言葉は最後まで発することが出来なかった。振り向いたエルの冷たい視線に射抜かれ、身体が硬直したかのように動かないからだ。……どういう理屈か分からないけれど、威圧かな? まるで氷の彫像のように固まった司祭に向けてエルが吐き捨てるように言った。
「それを私がお前に話すとでも? 必要以上の発言は許していない。アルムストレイム教の威光など私には通用しないものと知れ」
エルの言葉に司祭を始め、修道士達が恐れ慄いている。御者のおじさんなんかは遠くの方でずっとひれ伏したまま震えている。
(……エルって、何者なんだろう……? 今までの会話や司祭達の様子からして高位貴族以上の権力を持っている……となれば、やっぱり──……)
──ようやく辿り着いた答えに呆然とする。
どうやら私はこのやんごとなき人を、ずっと悪魔だと勘違いしていたらしい。本来なら速攻処刑コースだと思うけれど、私が有益な情報を持っているからギリギリ生かされているのかもしれない。
再びエルが踵を返し歩き出す。私の手はずっとエルに握られているから、今の私はエルに引っ張られている状態だ。
私の前を歩いているエルの後ろ姿をぼんやりと見上げる。
いつも見ていた闇に溶けたような艷やかな黒髪が、今は月の光を受けて金糸のようにきらきらと輝いている。その様は今までと正反対で、エルをとても神々しく感じてしまう。
「……あの、エル……」
思わずエルに声を掛けてしまったけれど、よく考えたら私は発言の許可を貰っていないので、きっと司祭のように怒られてしまう──そう思ったけれど、エルは「はい、何でしょう?」と言って立ち止まり、私に向かって優しく微笑んでくれた。
そんな変わらないエルの様子に、私の胸が熱くなる。
今なら聞いても大丈夫だと確信した私は、エルに確認の為の質問をする。
「……エルは、王族なの……?」
「──はい」
「……っ、……エルの本当の名前を、教えて……?」
「……僕の名前は、エデルトルート。エデルトルート・ダールクヴィスト・サロライネンです」
初めて聞いたエルの名前は、辺境に住む私でも知っている王族の名前で──王族は王族でも次期国王となる王太子の名前だった。
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「……エル、一体どうして……」
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私がエルに何から質問しようか悩んでいると、馬車の中から司祭が降りて来て、エルに向かって腰を折り深く頭を垂れた。
「……なっ!?」
──そんな司祭の様子を見た私は酷く驚いた。
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だから司祭が悪魔相手に最上位の礼を取るなんて思わなかった私は思わず絶句してしまったのだ。……さっきから驚いてばっかりだけど。
(どうして司祭がエルに礼を……? エルは異形の者じゃないの……?)
司祭は頭を垂れたまま一言も発さない。まるでエルが許可するのを待っているようで、微動だにしない。
そんな司祭をちらりと見たエルは、司祭に向けて言葉を放つ。
「その法衣はアルムストレイム教の司祭だな。発言を許す。この状況の説明をして貰おう」
いつもは穏やかで心地良い声なのに、凛とした中に迫力がある声で司祭に命令するエルの声を聞いて、初めて聞くはずなのにどこかで聞いた事があるような気がした……って、何処だっけ?
それにいつもは敬語なのに司祭に対しては口調が違うので、何だか別人のようだ。
「──発言の許可をいただき有難うございます。恐れ多くも説明させていただきますと、我々はこの巫女であるサラに幾つか確認したい事がある為、ラキトフ神殿の司教のもとへ向かう途中でございました」
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司祭の説明にエルが突っ込んで質問する。どうやらエルは私が無理やり連れて行かれる途中だと分かっているようだ……って、そりゃそうだよね。今日孤児院で会う約束をしていた私がこんなところで揉み合っていたんだから、そんなの一目で分かるよね。
「……恐れながら、そこのサラなる娘はラキトフ神殿管轄の巫女でございます。アルムストレイム教の者であれば、司教の招集に応じるのは当然の事かと」
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「確かに、サラがアルムストレイム教の聖職者であればその通りだろう。しかし彼女は巫女見習いと聞いているが? 巫女見習いは正式な聖職者ではあるまい? その事についてお前の見解は?」
……私のそんな疑問はエルが打ち消してくれた。
巫女見習いはあくまで見習いなので、正式に神殿に認められないと巫女──聖職者にはなれない。
だから今の私はただ神殿や孤児院を手伝っているだけの人間ということになる。
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司祭のそんな様子にエルは満足そうな表情をすると、私に向かってにっこりと微笑んだ。
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そんな変わらないエルの様子に、私の胸が熱くなる。
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「──はい」
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