偽りの聖女の身代わり結婚

花草青依

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11-2 夫婦の義務

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 今度のキスは短くてそれでいて荒々しかった。
「んんっ」
 アンドリュー卿は唇から口を離すと今度は乳首に口づけた。
「あっ!」
 乳首の先を舌で転がされて身体がびくりと反応した。得体のしれない感覚から逃れようと身体を動かすとアンドリュー卿は私の上にのしかかってきた。

 ━━何? これ?

 私の太ももの上に乗るアンドリュー卿の股間が固くなっている。それに気を取られていたら、胸に与えられる刺激が大きくなった。
「あっ、ああん!」
 大きくはしたない声が私の口から漏れる。
「アンドリュー卿っ」
「アンディだと言ってるだろ」
 アンドリュー卿が私の胸から顔を離したのは一瞬で、また私の胸元に吸い付いた。
「んっ、んん! アンディ・・・・・・。あっ、待って!」
 彼に胸を舐められ、揉まれる度に、私の身体の中を快楽が這いずり回る。その感覚があまりにも気持ち良過ぎて気が変になりそうだった。
「あっ、やん、やめっ」
 そう言いながらもどこか期待をしている自分がいる。もっと気持ちよくなりたい。この痺れるような快楽を味わい続けたい。

 彼が手を止めて顔をあげた。私は荒い息の中、彼を見つめる。

 ━━やめちゃうの?

 やめてとお願いしたことをひどく後悔した。

 ━━もっとして欲しい。続きをしてみたい。

 本音を言えたらどれほど楽だろう。でも、恥を捨ててそう言う事を私にはできなかった。
「シア」
 アンドリュー卿が私の名前を呼ぶ。
「ごめん。我慢できそうにもない」
 彼はそう言うなり私の太ももの付け根を触った。くすぐったさと同時にほんの少し気持ちいいと思っていた矢先、彼の指先は私の股に触れた。
「あっ」
 下着越しに伝わる彼の指の感触が胸を弄られた時の何倍も気持ちよくて身を捩って大きな声をあげた。
「あっ、やっ、ああ!」
 やがて彼は私の下着の中に手を入れて、直接私の股に触れた。
「あん!」
 彼が指を動かすとびちゃびちゃという音が聞こえる。彼は何かを確かめるかのように何度も私の股に触れる。そうされると不思議なことに私の股からはどんどん液体が溢れ出る。
「アンディ・・・・・・」
 自分が自分でなくなる。そんな気がして私は彼に声をかけた。
「シア、大丈夫だ」
 アンドリュー卿は荒い息の中でそう言うと私の下着を脱がせた。そして彼も下着を脱いで裸になると、私の太ももを持ち上げた。

 ━━何を、するの?

 アンドリュー卿は私の股に中指を突き刺した。
「んっ」
 感じたことのない圧迫感に戸惑っていると彼はもう片方の手で私の頭を撫でてきた。まるで怖くないと子供に言い聞かせているみたいだ。
 その間にも彼の指が徐々に私の奥へと入ってくる。そして、彼はあろうことか指をもう一本増やした。
「やっ」
 圧迫感と穴を広げられる感覚に不安を覚えて身じろぐとアンドリュー卿にキスで抑え込まれた。
「んぅ、んん」
 荒っぽい彼の舌の動きのせいだろうか。彼の指の太さが気にならなくなってきた。やがて、指が私の奥深いところまで到達した。すると、彼はゆっくりと指を動かして私の中を弄び始めた。彼が手を動かす度にぐちゅりと水音が鳴るのが耳に障る。
「からだ、変に、なってる」
 苦しさと気持ちよさに必死に耐えながら言ったら、アンドリュー卿は指を引き抜いた。
「あんっ」
「変じゃない。大丈夫だ」
 そう言って彼は私の太ももを開かせて股に彼の物を当てた。固くて太いそれをぐりぐりと押される。
「やだっ、無理」
 私は頭を振ってやめてと懇願した。
 指でも苦しかったのに、その倍以上ある物を入れるなんてできっこない。
「大丈夫。大丈夫だから」
 彼はそう言って私の穴の中にゆっくりと挿れていった。
「あっ! 痛い!」
 穴を広げられる痛みと圧迫感による痛みで思わず私は大きな声をあげた。
 アンドリュー卿の動きが一瞬、止まる。やめてくれるのかと思ったのも束の間、彼は少し引いた彼のものをまたほんの少し奥へと挿れる。浅い所でゆっくりと出し入れをされると、苦痛は徐々に快楽に変わっていった。
「んっ、うぅん、あん」
 気がついたら私はまたはしたない声を出していた。私の声に呼応するように、アンドリュー卿は腰の動きを速めて奥へとどんどん侵入していく。
「全部、入った」
 彼は動きを止めて言った。私達の繋がった部分を凝視している。私は恥ずかしさのあまり顔を背けて目を閉じた。
 アンドリュー卿はそんな私の頬を撫でると再び腰を動かしはじめた。
「あっ、ああ!」
 もうアンドリューに遠慮はなかった。私の奥を彼の物で突き刺して刺激を与えるのをやめてくれない。
「んんっ! ひゃぅ、あん!」
 彼は気持ちいい所を何度も何度も突いてくる。その度に私は大きな声を上げる羽目になる。
「やっ、あん、あぅ」
 下品な声を上げ続けることが恥ずかしくて仕方がない。だから手で口を塞いだのに、アンドリュー卿は私の手首を掴んで拘束してきた。
「我慢するな」
「やっ、やだっ」
「声を聞かせてくれ」
 手を握られ、指を絡ませられる。我慢しようと唇を噛んで力を入れたけれど無駄だった。
「あん、あっ、ひぃ」
 彼が腰を振り、いい所を突かれると私は呆気なく声を出した。
「んっ、うぁっ、あぁ」
 何度も奥を突かれて私のお腹の奥は限界だった。このしびれるような甘い痛みにこれ以上曝されたら、気が変になる。
「あっ! も、ゆる・・・・・・して」
 悲鳴にも似た声を上げると、アンドリュー卿は私の手を離して腰を掴んだ。
 そして、さき程よりもさらに激しく腰を打ち付けてきた。
「あぁ! ん! だめっ!!」
 お腹に与えられる刺激が気持ち良過ぎて頭の中がぐちゃぐちゃになる。
「んあっ、やぁ、あぅ」
 いやいやと首を振ってこの快楽から逃れようと必死に抵抗しても何の意味もない。
「んっ、んぅ」
 私は彼にすがるようにその背中に手を回した。
「シアっ・・・・・・」
 アンドリュー卿は私の身体を抱きしめた。密着した肌から彼の鼓動を感じる。どくどくと脈打つそれは私と同じくらい早くてうるさかった。
「っ! 出るっ!」
 突然、アンドリュー卿の腰の動きがぴたりと止まった。彼ははあはあと荒い息をしながら私の奥に腰をぐりぐりと押しつけてくる。
 私はそんな彼をぼんやりと見つめながら息を整えた。
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