上 下
26 / 41
それを私は愛と呼ぶ

5

しおりを挟む
 赤い髪の男に担がれて私はゲストルームに連れてこられた。
 ベッドに座らされると頭の上で手を縛られて、柵状となっているベッドボードに繋がれた。
 そして太ももをそれぞれ縛られると、脚を広げさせられて、これもベッドボードに繋がれた。

「今の気分はどんな感じ?」
「ワン」
 私が返事をした途端、赤い髪の男は腹を抱えて笑った。
「犬の真似事を少ししただけでもう人間の言葉を忘れたのか。人間の言葉で答えろよ。分かったか?」
「はい」
「ああ、そういえばこれを使えって言われてたな」
 男はそう言うと私の胸の先に楕円形の物を貼り付けた。

 ━━これ、何?

「気になるか?」
「はい」
「なら、教えてやるよ」
 男が手に持ったものを操作した途端、楕円形のものが震え始めた。
「あっ、やっ、止めて! あっ、ああ」
「気持ちいいか?」
 男は私の胸に手を押し当てた。そのせいで楕円形のものからの振動がより強く胸に伝わった。
「やっ、やだ! や、やあっ」
 身を捩ってみても、拘束されているせいでほとんど身動きが取れない。
「お願い、あっ、やっ、やだっ、んんっ」
 胸の先に与えられる快楽に耐えられなくて腰が勝手に動いてしまう。
「やっ、やっ」
「腰動かして気持ちよがっているくせに」
「あっ、あっ、ああ!」
 腰の震えが止まらない。動く度に張型が奥を刺激する。

 ━━やだっ、止めなきゃだめなの。だめなのに。

「んっ、んあっ、やめ、て」
「いいよ」
 男がそう言った途端、胸の先から振動が収まった。
 私は腰を落として荒い息を整えた。

「すごく気持ちよさそうにしてたじゃないか」
 両胸を強く鷲掴みにされた。
「やっ」
 乱暴に揉みしだかれて痛い。でも、そのことを言ったらまた何かをされそうで、私は唇を噛んで耐えた。
「何でお前って、いじめ甲斐があるんだろうなあ」
 男は呟くと私の胸から手を離した。

「ああ・・・・・・、遊んでる場合じゃねえわ。お前には今から俺の質問に答えてもらう。素直に答えてくれるなら、ご褒美をやるよ」
「ご褒美?」
「そう。さっきみたく、気持ちよくさせてやる」
「や、やだっ」
「あんだけよがって気持ちよさそうにしてたのに、嫌はないだろ?」
 男は私の胸につけられた楕円形のものを指でぐりぐりと押した。
「あんっ」
「それが嫌なら首輪から電流を流してやるよ」
「だめ! それだけは許して」
 男は鼻で笑った。
「なら、こっちを受け入れろ」
 男が言った途端、また楕円形のものが震えだした。
「あっ、や、止めてっ、あっ、あんっ」
「本当、乳首が弱いんだな」
 男はすぐに振動を止めた。
「ああ、もし、質問に答えなかったり、嘘を吐いていると思ったら容赦なく首輪でお仕置きするから。分かったか」
 私は頷いた。

「じゃあ、質問するぞ。お前はエルドノアの信徒であり眷属で間違いないな?」
「はい」
「エルドノアのことをお前はどれくらい知っている?」
「エルドノア様のこと?」
 言われても男が欲しいであろう情報は何も浮かばない。
 エルドノア様は神様で、私の恩人で、美しい顔に逞しい身体をしている。いつも退屈そうにしていて、すごく大雑把で、なぜだか服の着脱が大嫌い。

 ━━私、エルドノア様のこと、ほとんど知らない。

「早く答えろ。お仕置きされたいのか?」
 何も言わない私に痺れを切らしたらしい。男は指輪に手をかざした。
「待って、知らないの」
「あ?」
「エルドノア様が私を助けてくれるから私が生きていけるってことしか知らない」
 男は私の顔をじっと見ている。疑われているようだ。

「まあ、いい」
 男は指輪から手を離した。どうやら、信じてくれたらしい。
「次の質問だ。お前はエルドノアのことをどう思っている?」
「好き」
 私は即答した。その質問には答えは一つしかなかったからだ。
 答えた瞬間、首輪から電流が走った。

「やああぁぁぁ」
 痛くて痛くてたまらないのに、のたうちまわることすらできない。
「やっ、やだっ、なん、で」

 ━━正直に答えたのに。

 男を見たら、冷たい目で私を睨みつけていた。
「悪い。間違えたわ」
 素っ気なく言うと、男は手に持ったものを押した。今度は胸の先に振動が走った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~

一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、 快楽漬けの日々を過ごすことになる! そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!? ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

腹黒王子は、食べ頃を待っている

月密
恋愛
侯爵令嬢のアリシア・ヴェルネがまだ五歳の時、自国の王太子であるリーンハルトと出会った。そしてその僅か一秒後ーー彼から跪かれ結婚を申し込まれる。幼いアリシアは思わず頷いてしまい、それから十三年間彼からの溺愛ならぬ執愛が止まらない。「ハンカチを拾って頂いただけなんです!」それなのに浮気だと言われてしまいーー「悪い子にはお仕置きをしないとね」また今日も彼から淫らなお仕置きをされてーー……。

18禁の乙女ゲームの悪役令嬢~恋愛フラグより抱かれるフラグが上ってどう言うことなの?

KUMA
恋愛
※最初王子とのHAPPY ENDの予定でしたが義兄弟達との快楽ENDに変更しました。※ ある日前世の記憶があるローズマリアはここが異世界ではない姉の中毒症とも言える2次元乙女ゲームの世界だと気付く。 しかも18禁のかなり高い確率で、エッチなフラグがたつと姉から嫌って程聞かされていた。 でもローズマリアは安心していた、攻略キャラクターは皆ヒロインのマリアンヌと肉体関係になると。 ローズマリアは婚約解消しようと…だが前世のローズマリアは天然タラシ(本人知らない) 攻略キャラは婚約者の王子 宰相の息子(執事に変装) 義兄(再婚)二人の騎士 実の弟(新ルートキャラ) 姉は乙女ゲーム(18禁)そしてローズマリアはBL(18禁)が好き過ぎる腐女子の処女男の子と恋愛よりBLのエッチを見るのが好きだから。 正直あんまり覚えていない、ローズマリアは婚約者意外の攻略キャラは知らずそこまで警戒しずに接した所新ルートを発掘!(婚約の顔はかろうじて) 悪役令嬢淫乱ルートになるとは知らない…

処理中です...