260 / 320
第260話 殴る、躱(かわ)す、吹き飛ばす
しおりを挟む
「くそっ!ちょこまかとっ!」
大幅な身体強化を得たセメリト。
シュンッ!
踏み込む一歩だけで、クライスの懐まで飛び込むが。
フッ。
その度に、クライスの姿が目の前から消える。
クライスは周りの木々に、細かな金の糸を張り巡らせ。
移動したい方向の糸を太くしては、クライスの身体を手繰り寄せさせる。
木々が密集していればいる程。
微細な調整が出来、素早い移動が可能。
セメリトの攻撃を、軽々と避けまくる。
その原理にセメリトが気付いたのは、何回か攻撃を繰り出した後。
相変わらず、周りからの魔力の吸収は続いている。
よって、木々や草などの植物が枯れている範囲も。
セメリトの移動によって拡大して行く。
その枯れた地域へと、クライスは逃げない。
初めは『隠れる場所が無いからだ』と思っていたセメリトだが。
木々の間に、一瞬キラッと光る物を見つけ。
錬金術によって体を移動させていると知る。
糸を張る場所が枯れた地域には無いから、そこを避ける様に動いているのか!
ならば、こうしてくれる!
セメリトはクライスの方へ瞬時に移動。
またしてもクライスは視界から消える。
それと同時にセメリトが、右手のみでの逆立ち状態になると。
ギュオンッ!
地面から一気に魔力を吸い取る。
魔力の枯渇範囲はあっと言う間に周りへと拡大し、半径50メートルの植物が一斉に枯れ果てた。
その中で姿が浮かぶクライス。
取り囲んでいた森がいきなり消滅したので、慣性に任せ後ろに飛んでいる状態。
そこをすかさず距離を詰め、今度こそ顔面を殴ろうとするセメリト。
しかしまたしても、クライスの残像を殴ってしまう。
「どこだ!」
セメリトはきょろきょろ辺りを見回す事をせず、じっと意識を集中させる。
すると。
「上かっ!」
バッと見上げるセメリト。
上空15メートル程の高さに、クライスの姿が。
追撃するセメリト。
クライス目がけ、右手拳を素早く突き出す。
「そこでは躱せまいっ!」
拳の先から、圧縮された空気の塊が。
轟音を置き去りにして飛んで行く。
捉えたっ!
セメリトは確信する。
だが、クライスの姿は既に無く。
目の前から声がする。
「器用な芸当が出来るもんだ。でもまだまだだな。」
クライスの渾身のパンチが、セメリトの腹筋へと入る。
だがこちらも、びくともしない。
『いてててて……』と殴り付けた右手を振りながら、クライスは後ろへ飛ぶ。
10メートル程距離を取った所で、両者はまたしても睨み合う。
その構図が数十秒続いた後。
セメリトがクライスに向かって叫ぶ。
「宗主家の力はそんな物か!」
小馬鹿にする様な、挑発的な態度。
相手を怒らせ、精神状態を揺さぶり。
動揺を誘って、隙を作ろうとしたのだろう。
しかしクライスには、その手の煽りは効かない。
逆に、クライスから言い返される。
残念がると言った感じで。
「お前こそ、大見得を切った割には大した事無いな。がっかりだよ。」
「何をーっ!」
頭がカーッとなるが、すぐに落ち着くセメリト。
吐き捨てる様に怒鳴る。
「その手は食わんぞ!」
「じゃあどの手なら食ってくれるんだ?え?」
「うるさいわ!」
「うるさいか?ただ尋ねただけだが?」
「うるさい!そんな事を言っても無駄だ!」
「じゃあ何で、そんなにカッカしながら怒鳴り散らしてるんだ?」
「うるさいって言ってんだろうが!」
煽りなら、クライスの方が上手。
怒鳴り散らしながら、クライスに殴り掛かるセメリト。
左手拳が、クライスの脇腹を捕らえようとした時。
ゴンッ!
地面から急に、直径50センチ程の金の柱が伸びて。
殴る為に屈み気味の態勢となっていた、セメリトの腹を直撃。
地面から突き出た金の柱は。
『ギュンッ!』と5メートル程の高さまで、1秒も掛からずに伸びた後。
『ジュッ!』と音を立てて即座に消滅。
セメリトの身体も、同じ位の高さまで吹っ飛ばされる。
魔力で防御力を高めているとは言え、金の延べ棒を諸に食らえば。
流石にダメージが入る。
『グッ!』と思わず言葉を漏らし、腹の痛みを堪えながら。
何とか地面へ着地。
身体を叩き付けられずに済んだが。
そこに待ち受けていたのは、金の人形の集団。
外見は大人に近く、50体は居るであろうか。
セメリトへ、群がる様に襲い掛かる。
「このっ!このっ!」
手をブンブン振り回し、近付けさせまいと牽制するが。
お構い無しと言った風に、次々と突っ込んで来る。
殴っては吹き飛ばすセメリト。
その飛沫が身体へと掛かり、膜となって覆い尽くそうとする。
殴っても駄目、距離を取ろうとしても駄目。
止むを得ん、多少消耗するが……。
セメリトは胸の前で腕組みをし、ややしゃがむ体制を取って。
うおおおおおっ!
身体の表面へ魔力を集中させる。
そして。
「ずりゃああああっ!」
手足・体を一気に伸ばして、全方向へ魔力を開放。
ドバーン!
辺りに凄まじい衝撃波を発生させ。
巨大な空気圧で、金の人形を跡形も無く消し飛ばす。
セメリトの生み出した圧縮空気の塊は。
周辺の地形を変える程の破壊力。
地面は深さ3メートル程まで抉られ、まるで隕石が落ちて出来たクレーターの様。
セメリトはその中心に降り立つと、辺りの気配を探る。
よし、あいつの魔力は消えたな!
フハハハハ!
俺を馬鹿にする奴の末路だ!
ざまあみろ!
ハハハハハハハ!
辺り一帯に、不気味なセメリトの笑い声が響き渡っていた。
「うわあっ!」
セメリトがばら撒いた衝撃波は、結構離れたロッシェ達の所まで飛んで来る。
吹き飛ばされそうになりながらも、地面に丸くなってやり過ごそうとするロッシェ達。
波が通り過ぎた事を確認すると。
すぐさまロッシェは、ルーシェの手を握って森から抜けようと走り出す。
リリィを右肩に、フェイレンを左肩にしがみ付かせたルーシェは。
グッと腕を引っ張られる。
逃げながら、ルーシェがロッシェに声を掛ける。
「良いの?あなたのお友達が、まだあそこに……。」
ルーシェはクライスの事を気に掛けるが。
ロッシェは後ろを振り向かず、真っ直ぐ前を見据え。
自信満々に言う。
「本格的に戦いが始まったみたいだ!だったら、ここに俺達が居ると反って邪魔になる!早く離れよう!」
「で、でも……。」
ルーシェはまだ、後ろめたい気持ちが拭えない。
セメリトの様な凶悪な者と一緒に、置き去りにするなんて……。
そんな気持ちを打ち消す様に、ロッシェが言う。
「こんな事態を悉くひっくり返して来たんだ、あいつは!俺は信じてる!何たって、《仲間》だからな!」
大幅な身体強化を得たセメリト。
シュンッ!
踏み込む一歩だけで、クライスの懐まで飛び込むが。
フッ。
その度に、クライスの姿が目の前から消える。
クライスは周りの木々に、細かな金の糸を張り巡らせ。
移動したい方向の糸を太くしては、クライスの身体を手繰り寄せさせる。
木々が密集していればいる程。
微細な調整が出来、素早い移動が可能。
セメリトの攻撃を、軽々と避けまくる。
その原理にセメリトが気付いたのは、何回か攻撃を繰り出した後。
相変わらず、周りからの魔力の吸収は続いている。
よって、木々や草などの植物が枯れている範囲も。
セメリトの移動によって拡大して行く。
その枯れた地域へと、クライスは逃げない。
初めは『隠れる場所が無いからだ』と思っていたセメリトだが。
木々の間に、一瞬キラッと光る物を見つけ。
錬金術によって体を移動させていると知る。
糸を張る場所が枯れた地域には無いから、そこを避ける様に動いているのか!
ならば、こうしてくれる!
セメリトはクライスの方へ瞬時に移動。
またしてもクライスは視界から消える。
それと同時にセメリトが、右手のみでの逆立ち状態になると。
ギュオンッ!
地面から一気に魔力を吸い取る。
魔力の枯渇範囲はあっと言う間に周りへと拡大し、半径50メートルの植物が一斉に枯れ果てた。
その中で姿が浮かぶクライス。
取り囲んでいた森がいきなり消滅したので、慣性に任せ後ろに飛んでいる状態。
そこをすかさず距離を詰め、今度こそ顔面を殴ろうとするセメリト。
しかしまたしても、クライスの残像を殴ってしまう。
「どこだ!」
セメリトはきょろきょろ辺りを見回す事をせず、じっと意識を集中させる。
すると。
「上かっ!」
バッと見上げるセメリト。
上空15メートル程の高さに、クライスの姿が。
追撃するセメリト。
クライス目がけ、右手拳を素早く突き出す。
「そこでは躱せまいっ!」
拳の先から、圧縮された空気の塊が。
轟音を置き去りにして飛んで行く。
捉えたっ!
セメリトは確信する。
だが、クライスの姿は既に無く。
目の前から声がする。
「器用な芸当が出来るもんだ。でもまだまだだな。」
クライスの渾身のパンチが、セメリトの腹筋へと入る。
だがこちらも、びくともしない。
『いてててて……』と殴り付けた右手を振りながら、クライスは後ろへ飛ぶ。
10メートル程距離を取った所で、両者はまたしても睨み合う。
その構図が数十秒続いた後。
セメリトがクライスに向かって叫ぶ。
「宗主家の力はそんな物か!」
小馬鹿にする様な、挑発的な態度。
相手を怒らせ、精神状態を揺さぶり。
動揺を誘って、隙を作ろうとしたのだろう。
しかしクライスには、その手の煽りは効かない。
逆に、クライスから言い返される。
残念がると言った感じで。
「お前こそ、大見得を切った割には大した事無いな。がっかりだよ。」
「何をーっ!」
頭がカーッとなるが、すぐに落ち着くセメリト。
吐き捨てる様に怒鳴る。
「その手は食わんぞ!」
「じゃあどの手なら食ってくれるんだ?え?」
「うるさいわ!」
「うるさいか?ただ尋ねただけだが?」
「うるさい!そんな事を言っても無駄だ!」
「じゃあ何で、そんなにカッカしながら怒鳴り散らしてるんだ?」
「うるさいって言ってんだろうが!」
煽りなら、クライスの方が上手。
怒鳴り散らしながら、クライスに殴り掛かるセメリト。
左手拳が、クライスの脇腹を捕らえようとした時。
ゴンッ!
地面から急に、直径50センチ程の金の柱が伸びて。
殴る為に屈み気味の態勢となっていた、セメリトの腹を直撃。
地面から突き出た金の柱は。
『ギュンッ!』と5メートル程の高さまで、1秒も掛からずに伸びた後。
『ジュッ!』と音を立てて即座に消滅。
セメリトの身体も、同じ位の高さまで吹っ飛ばされる。
魔力で防御力を高めているとは言え、金の延べ棒を諸に食らえば。
流石にダメージが入る。
『グッ!』と思わず言葉を漏らし、腹の痛みを堪えながら。
何とか地面へ着地。
身体を叩き付けられずに済んだが。
そこに待ち受けていたのは、金の人形の集団。
外見は大人に近く、50体は居るであろうか。
セメリトへ、群がる様に襲い掛かる。
「このっ!このっ!」
手をブンブン振り回し、近付けさせまいと牽制するが。
お構い無しと言った風に、次々と突っ込んで来る。
殴っては吹き飛ばすセメリト。
その飛沫が身体へと掛かり、膜となって覆い尽くそうとする。
殴っても駄目、距離を取ろうとしても駄目。
止むを得ん、多少消耗するが……。
セメリトは胸の前で腕組みをし、ややしゃがむ体制を取って。
うおおおおおっ!
身体の表面へ魔力を集中させる。
そして。
「ずりゃああああっ!」
手足・体を一気に伸ばして、全方向へ魔力を開放。
ドバーン!
辺りに凄まじい衝撃波を発生させ。
巨大な空気圧で、金の人形を跡形も無く消し飛ばす。
セメリトの生み出した圧縮空気の塊は。
周辺の地形を変える程の破壊力。
地面は深さ3メートル程まで抉られ、まるで隕石が落ちて出来たクレーターの様。
セメリトはその中心に降り立つと、辺りの気配を探る。
よし、あいつの魔力は消えたな!
フハハハハ!
俺を馬鹿にする奴の末路だ!
ざまあみろ!
ハハハハハハハ!
辺り一帯に、不気味なセメリトの笑い声が響き渡っていた。
「うわあっ!」
セメリトがばら撒いた衝撃波は、結構離れたロッシェ達の所まで飛んで来る。
吹き飛ばされそうになりながらも、地面に丸くなってやり過ごそうとするロッシェ達。
波が通り過ぎた事を確認すると。
すぐさまロッシェは、ルーシェの手を握って森から抜けようと走り出す。
リリィを右肩に、フェイレンを左肩にしがみ付かせたルーシェは。
グッと腕を引っ張られる。
逃げながら、ルーシェがロッシェに声を掛ける。
「良いの?あなたのお友達が、まだあそこに……。」
ルーシェはクライスの事を気に掛けるが。
ロッシェは後ろを振り向かず、真っ直ぐ前を見据え。
自信満々に言う。
「本格的に戦いが始まったみたいだ!だったら、ここに俺達が居ると反って邪魔になる!早く離れよう!」
「で、でも……。」
ルーシェはまだ、後ろめたい気持ちが拭えない。
セメリトの様な凶悪な者と一緒に、置き去りにするなんて……。
そんな気持ちを打ち消す様に、ロッシェが言う。
「こんな事態を悉くひっくり返して来たんだ、あいつは!俺は信じてる!何たって、《仲間》だからな!」
0
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説
大賢者の弟子ステファニー
楠ノ木雫
ファンタジー
この世界に存在する〝錬金術〟を使いこなすことの出来る〝錬金術師〟の少女ステファニー。
その技を極めた者に与えられる[大賢者]の名を持つ者の弟子であり、それに最も近しい存在である[賢者]である。……彼女は気が付いていないが。
そんな彼女が、今まであまり接してこなかった[人]と関わり、成長していく、そんな話である。
※他の投稿サイトにも掲載しています。
正しい聖女さまのつくりかた
みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。
同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。
一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」
そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた!
果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。
聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」
召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します
あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。
異世界パルメディアは、大魔法文明時代。
だが、その時代は崩壊寸前だった。
なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。
マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。
追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。
ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。
世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。
無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。
化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。
そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。
当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。
ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中
四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。
異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】
異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。
『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。
しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。
そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。
本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。
なつめ猫
ファンタジー
田中一馬は、40歳のIT会社の社員として働いていた。
しかし、異世界ガルドランドに魔王を倒す勇者として召喚されてしまい容姿が17歳まで若返ってしまう。
探しにきた兵士に連れられ王城で、同郷の人間とパーティを組むことになる。
だが【勇者】の称号を持っていなかった一馬は、お荷物扱いにされてしまう。
――ただアイテムボックスのスキルを持っていた事もあり勇者パーティの荷物持ちでパーティに参加することになるが……。
Sランク冒険者となった事で、田中一馬は仲間に殺されかける。
Sランク冒険者に与えられるアイテムボックスの袋。
それを手に入れるまで田中一馬は利用されていたのだった。
失意の内に意識を失った一馬の脳裏に
――チュートリアルが完了しました。
と、いうシステムメッセージが流れる。
それは、田中一馬が40歳まで独身のまま人生の半分を注ぎこんで鍛え上げたアルドガルド・オンラインの最強セーブデータを手に入れた瞬間であった!
異世界ニートを生贄に。
ハマハマ
ファンタジー
『勇者ファネルの寿命がそろそろやばい。あいつだけ人族だから当たり前だったんだが』
五英雄の一人、人族の勇者ファネルの寿命は尽きかけていた。
その代わりとして、地球という名の異世界から新たな『生贄』に選ばれた日本出身ニートの京野太郎。
その世界は七十年前、世界の希望・五英雄と、昏き世界から来た神との戦いの際、辛くも昏き世界から来た神を倒したが、世界の核を破壊され、1/4を残して崩壊。
残された1/4の世界を守るため、五英雄は結界を張り、結界を維持する為にそれぞれが結界の礎となった。
そして七十年後の今。
結界の新たな礎とされるべく連れて来られた日本のニート京野太郎。
そんな太郎のニート生活はどうなってしまう? というお話なんですが、主人公は五英雄の一人、真祖の吸血鬼ブラムの子だったりします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる