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第255話 逆手(さかて)
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ハア、ハア……。
ハア、ハア……。
森の中を、必死で駆ける。
球状となったリリィを抱える、ルーシェ。
それを後ろから、『待でえええ!』とドモりながら追い駆けるセメリト。
事を少し、過去へ戻そう。
千切れたブヨブヨの先が、膜となって広がりながら。
ミースェとヘンドリの間を、南方へすっ飛んで行く。
それはやはり、クライスの仕業。
ジェード達に語った、その方法は。
人の技を軽々しくパクったので、頭に来て。
ブヨブヨの途中を、錬金でぶった切ってやった。
以上。
要約すると、『ブヨブヨ本体の一部を金に変換して、先の方だけ分離させた』である。
クライスに射程など関係無い。
相手がどれだけ高く飛ぼうが。
把握出来る範囲内なら、金の糸を限り無く伸ばせるのだ。
届いてしまえば、そこから術を行使するだけ。
セメリト達が居る先の方だけ切り取り、放置すれば。
勝手に何処かへ落ちて行く。
その後は着地点へ向かい、転がっているであろうセメリトの相手をする。
単純な理論。
しかし、クライスの話した内容をそのまま実現するには。
かなり高度なスキルが必要。
遠方の標的へ、寸分の狂い無く命中させる精密さ。
そこまで金の糸を伸ばすだけの膨大な魔力を、難無く扱う技量。
それ等を持ち合わせているクライスだからこそ、出来る芸当なのだ。
他の錬金術師では、容易く成し遂げられないであろう事象。
その後、『こちらが本家本元』と言わんばかりに。
同じ技で街道に飛んで来たのだが。
その行為については、『むきになってしまった』とクライス自身も反省する。
ジェードはそんなクライスに驚くと共に、『やはり彼も人間なのだな』と認識を新たにした。
とにかく敵の本拠地で、クライスは。
破壊しようと迫って来た魔力の渦を強引に、自身の周りの空間へ閉じ込めた。
ロッシェ達に賢者の石の破片を撒いたのも、〔闇の戯れ〕と良く似た空間を作り上げる為。
空中の欠片は共鳴し、一定の範囲で魔力の流れを淀ませる。
そこへ、半径を縮めて来た魔力の渦が一斉に流れ込み。
パンパンに満たされる。
初めは外界に影響を及ぼさない様、ゆっくりと放出するつもりだったが。
セメリトがやらかしたのであろう、ブヨブヨが。
デンドへ飛んで行くのを察知し。
奴の厚顔無恥な所業に、クライスはカチンと来て。
デンドへ伸び、再びデンドから縮んで行く物体を。
途中で撃ち落とすかの様に、金の糸をシュッと伸ばす。
そして一気に、『ズパン!』と金へと変え。
そこが裂ける時、粘性の違いから『ブチッ!』と言う音を立てた。
後は、ジェード達が見た通り。
クライスの怒りを完全に買ってしまったセメリト。
そうとは知らず、今は……。
「待だないがー!ハア、ハア……。」
苦しそうな声を上げるセメリト。
ただでさえ、年が40才代と身体が衰え始める時期。
更に、錬金術に頼りきりだった生活が。
セメリトの体力を、一般の大人より衰えさせている。
楽をして来たツケが、ここで回って来るとは。
少しは運動をしておくんだった……。
走りながら反省しても、もう遅い。
対してルーシェは、20代とまだ若く。
おまけにずっと小間使いをしていたので、体力は有り余っている。
両者の差は歴然。
それを埋める物が有るとしたら、それは《知識》だろう。
落下した場所は、ルーシェが来た事の無い場所。
何処へ行けば町へ出られるか、見当も付かない。
だから闇雲に走るだけ。
対してセメリトは、ケミーヤ教の本拠地をコロコロ変えていたお陰で。
この辺の地理には明るい。
上手くあいつ等を誘導してやれば、こんな疲弊した状態でも捕らえられる。
セメリトには自信が有った。
ここから南方は、幻の湖が漂う地域〔シキロ〕。
確か奥深く進むにつれて、魔法使いからの警告が聞こえる筈。
そこまで進めば、あいつ等なら。
声の主を回避しようと、東西方向へ向きを変える。
球状になっているとは言え、あれは魔物。
魔法使いも受け入れる訳が無い。
それはリリィが一番良く知っている。
ルーシェに指示を出すだろう。
移動方向を変えた瞬間に、先回りが出来る最短距離を目指す。
そこで奴等の身柄を押さえる。
そして再び、力を取り戻す。
何と完璧な策ではないか!
心の中で勝手に自画自賛しながら、セメリトはルーシェを追い駆け続ける。
そう思い通りに行くのだろうか……?
「来るな!」
「帰れ!」
魔法使いに仕込まれた警告の声が、ルーシェの耳を襲う。
怯えながらも、夢中で南方へ進み続けるルーシェ。
そこへ、ブルンと球体が震える。
思わず落としそうになり、漸くルーシェの足が止まる。
球体のまま、リリィがルーシェに言う。
「このまま進めば、魔法使いの住まう領域に入ってしまう。方向を変えよう。」
「え?魔法使い?本当に居るの?」
昔話でしか聞いた事の無かったルーシェ。
実在しているとは思わなかった。
でも、魔物のリリィが言うのなら。
ルーシェは尋ねる。
「どっちに進めば良いの?」
それに対して、『俺に考えがある』とリリィ。
魔物が示唆した、その内容とは。
「くっ!お、おかしい!」
ゼエゼエ息を切らせて、南東方向へ移動するセメリト。
確かに感じた。
あいつ等が方向転換したのを。
東へ舵を切ったのを。
自信が有る!
自信は有るが……。
再び確認するか?
いや、それは俺の間違いを自ら認める事になる。
……くそう!
今はプライドに拘っている場合じゃ無い!
ここでしくじれば、俺の明日が無いんだぞ!
屈辱的ではあるが、もう一度索敵を……。
泣く泣く折れて、辺りの気配を探ると。
しまった!
やられた!
おのれ……俺を欺きやがったな!
セメリトは慌てて、進んで来た道のりを戻り始めた。
「あいつ、見事に引っ掛かった様だな。」
ルーシェの右手の中で、リリィが呟く。
未だに半信半疑のルーシェ。
この子の言う通りになった。
どうして?
考えながらも、《真北》へ向かって進む。
そう。
真南にドンドン進んでいた所を、真北に向き直って戻っていたのだ。
セメリトの奴は、捻くれた考えの持ち主。
何処かで俺達が東か西へ向きを変えると、勝手に考えている筈。
真北から追い駆けて来るのだ、普通はそちらへ向きを変える事は無い。
自ら捕まりに行く様な物だからだ。
しかしセメリトは今、体力が無い。
年齢による衰えに加え、あんな術を発動させた後だ。
体内の魔力も少なく、身体能力を補うだけの量も持ち合わせていまい。
捕らえる為、斜めに森を突っ切って来るだろう。
だからここで仕掛けた。
立ち止まったルーシェに、そこらの石を拾わせ。
リリィの身体にあてがう様指示する。
言われるままに、手のひらに収まるサイズの石を拾うと。
ピトッとリリィへくっ付けるルーシェ。
ポウッと石が光り、魔力がちょっと充填される。
沢山魔力を注ぐと破裂してしまう為、程々に。
セメリトの感知能力を逆手に取り、石を東へ放り投げるルーシェ。
と同時に、真北へ向き直り。
一呼吸置いた後、進んで来た場所を戻って行く。
これで暫く、時間が稼げる筈だ。
空中をブヨブヨに包まれながら飛んで行く時、リリィは感じていた。
巨大な魔力の塊を。
それはグオンと乱れている訳では無く。
留まっているのがさも当たり前の様に、整然と空中を漂っている。
こんな芸当が出来る者。
そして、セメリトが仕掛けた罠が発動したと言う事は。
ケミーヤ教の側では無い何者か。
その条件で推定すると、消去法で或る人物に行き当たる。
ヘルメシアの中でも噂が立っていた《彼》なら、ルーシェを救ってくれる。
今押さえ付けている【闇の魔物】も、何とかしてくれる。
ここで開放する訳には行かない。
ルーシェを巻き込んでしまう。
俺はどうなっても良い。
ただ、この娘は助けたい。
その為には、害の無い場所へ出て。
彼に処置を託すしか。
そこまで考えると、魔力移譲で少し疲れたのか。
リリィの思考が止まる。
そうとも気付かず、懸命に進むルーシェだった。
真北へ向かう、ルーシェとリリィ。
策に溺れ、慌てて方向転換するセメリト。
そして。
街道から落下地点へ向かう、クライスとロッシェ。
果たして、その交わる先は……。
ハア、ハア……。
森の中を、必死で駆ける。
球状となったリリィを抱える、ルーシェ。
それを後ろから、『待でえええ!』とドモりながら追い駆けるセメリト。
事を少し、過去へ戻そう。
千切れたブヨブヨの先が、膜となって広がりながら。
ミースェとヘンドリの間を、南方へすっ飛んで行く。
それはやはり、クライスの仕業。
ジェード達に語った、その方法は。
人の技を軽々しくパクったので、頭に来て。
ブヨブヨの途中を、錬金でぶった切ってやった。
以上。
要約すると、『ブヨブヨ本体の一部を金に変換して、先の方だけ分離させた』である。
クライスに射程など関係無い。
相手がどれだけ高く飛ぼうが。
把握出来る範囲内なら、金の糸を限り無く伸ばせるのだ。
届いてしまえば、そこから術を行使するだけ。
セメリト達が居る先の方だけ切り取り、放置すれば。
勝手に何処かへ落ちて行く。
その後は着地点へ向かい、転がっているであろうセメリトの相手をする。
単純な理論。
しかし、クライスの話した内容をそのまま実現するには。
かなり高度なスキルが必要。
遠方の標的へ、寸分の狂い無く命中させる精密さ。
そこまで金の糸を伸ばすだけの膨大な魔力を、難無く扱う技量。
それ等を持ち合わせているクライスだからこそ、出来る芸当なのだ。
他の錬金術師では、容易く成し遂げられないであろう事象。
その後、『こちらが本家本元』と言わんばかりに。
同じ技で街道に飛んで来たのだが。
その行為については、『むきになってしまった』とクライス自身も反省する。
ジェードはそんなクライスに驚くと共に、『やはり彼も人間なのだな』と認識を新たにした。
とにかく敵の本拠地で、クライスは。
破壊しようと迫って来た魔力の渦を強引に、自身の周りの空間へ閉じ込めた。
ロッシェ達に賢者の石の破片を撒いたのも、〔闇の戯れ〕と良く似た空間を作り上げる為。
空中の欠片は共鳴し、一定の範囲で魔力の流れを淀ませる。
そこへ、半径を縮めて来た魔力の渦が一斉に流れ込み。
パンパンに満たされる。
初めは外界に影響を及ぼさない様、ゆっくりと放出するつもりだったが。
セメリトがやらかしたのであろう、ブヨブヨが。
デンドへ飛んで行くのを察知し。
奴の厚顔無恥な所業に、クライスはカチンと来て。
デンドへ伸び、再びデンドから縮んで行く物体を。
途中で撃ち落とすかの様に、金の糸をシュッと伸ばす。
そして一気に、『ズパン!』と金へと変え。
そこが裂ける時、粘性の違いから『ブチッ!』と言う音を立てた。
後は、ジェード達が見た通り。
クライスの怒りを完全に買ってしまったセメリト。
そうとは知らず、今は……。
「待だないがー!ハア、ハア……。」
苦しそうな声を上げるセメリト。
ただでさえ、年が40才代と身体が衰え始める時期。
更に、錬金術に頼りきりだった生活が。
セメリトの体力を、一般の大人より衰えさせている。
楽をして来たツケが、ここで回って来るとは。
少しは運動をしておくんだった……。
走りながら反省しても、もう遅い。
対してルーシェは、20代とまだ若く。
おまけにずっと小間使いをしていたので、体力は有り余っている。
両者の差は歴然。
それを埋める物が有るとしたら、それは《知識》だろう。
落下した場所は、ルーシェが来た事の無い場所。
何処へ行けば町へ出られるか、見当も付かない。
だから闇雲に走るだけ。
対してセメリトは、ケミーヤ教の本拠地をコロコロ変えていたお陰で。
この辺の地理には明るい。
上手くあいつ等を誘導してやれば、こんな疲弊した状態でも捕らえられる。
セメリトには自信が有った。
ここから南方は、幻の湖が漂う地域〔シキロ〕。
確か奥深く進むにつれて、魔法使いからの警告が聞こえる筈。
そこまで進めば、あいつ等なら。
声の主を回避しようと、東西方向へ向きを変える。
球状になっているとは言え、あれは魔物。
魔法使いも受け入れる訳が無い。
それはリリィが一番良く知っている。
ルーシェに指示を出すだろう。
移動方向を変えた瞬間に、先回りが出来る最短距離を目指す。
そこで奴等の身柄を押さえる。
そして再び、力を取り戻す。
何と完璧な策ではないか!
心の中で勝手に自画自賛しながら、セメリトはルーシェを追い駆け続ける。
そう思い通りに行くのだろうか……?
「来るな!」
「帰れ!」
魔法使いに仕込まれた警告の声が、ルーシェの耳を襲う。
怯えながらも、夢中で南方へ進み続けるルーシェ。
そこへ、ブルンと球体が震える。
思わず落としそうになり、漸くルーシェの足が止まる。
球体のまま、リリィがルーシェに言う。
「このまま進めば、魔法使いの住まう領域に入ってしまう。方向を変えよう。」
「え?魔法使い?本当に居るの?」
昔話でしか聞いた事の無かったルーシェ。
実在しているとは思わなかった。
でも、魔物のリリィが言うのなら。
ルーシェは尋ねる。
「どっちに進めば良いの?」
それに対して、『俺に考えがある』とリリィ。
魔物が示唆した、その内容とは。
「くっ!お、おかしい!」
ゼエゼエ息を切らせて、南東方向へ移動するセメリト。
確かに感じた。
あいつ等が方向転換したのを。
東へ舵を切ったのを。
自信が有る!
自信は有るが……。
再び確認するか?
いや、それは俺の間違いを自ら認める事になる。
……くそう!
今はプライドに拘っている場合じゃ無い!
ここでしくじれば、俺の明日が無いんだぞ!
屈辱的ではあるが、もう一度索敵を……。
泣く泣く折れて、辺りの気配を探ると。
しまった!
やられた!
おのれ……俺を欺きやがったな!
セメリトは慌てて、進んで来た道のりを戻り始めた。
「あいつ、見事に引っ掛かった様だな。」
ルーシェの右手の中で、リリィが呟く。
未だに半信半疑のルーシェ。
この子の言う通りになった。
どうして?
考えながらも、《真北》へ向かって進む。
そう。
真南にドンドン進んでいた所を、真北に向き直って戻っていたのだ。
セメリトの奴は、捻くれた考えの持ち主。
何処かで俺達が東か西へ向きを変えると、勝手に考えている筈。
真北から追い駆けて来るのだ、普通はそちらへ向きを変える事は無い。
自ら捕まりに行く様な物だからだ。
しかしセメリトは今、体力が無い。
年齢による衰えに加え、あんな術を発動させた後だ。
体内の魔力も少なく、身体能力を補うだけの量も持ち合わせていまい。
捕らえる為、斜めに森を突っ切って来るだろう。
だからここで仕掛けた。
立ち止まったルーシェに、そこらの石を拾わせ。
リリィの身体にあてがう様指示する。
言われるままに、手のひらに収まるサイズの石を拾うと。
ピトッとリリィへくっ付けるルーシェ。
ポウッと石が光り、魔力がちょっと充填される。
沢山魔力を注ぐと破裂してしまう為、程々に。
セメリトの感知能力を逆手に取り、石を東へ放り投げるルーシェ。
と同時に、真北へ向き直り。
一呼吸置いた後、進んで来た場所を戻って行く。
これで暫く、時間が稼げる筈だ。
空中をブヨブヨに包まれながら飛んで行く時、リリィは感じていた。
巨大な魔力の塊を。
それはグオンと乱れている訳では無く。
留まっているのがさも当たり前の様に、整然と空中を漂っている。
こんな芸当が出来る者。
そして、セメリトが仕掛けた罠が発動したと言う事は。
ケミーヤ教の側では無い何者か。
その条件で推定すると、消去法で或る人物に行き当たる。
ヘルメシアの中でも噂が立っていた《彼》なら、ルーシェを救ってくれる。
今押さえ付けている【闇の魔物】も、何とかしてくれる。
ここで開放する訳には行かない。
ルーシェを巻き込んでしまう。
俺はどうなっても良い。
ただ、この娘は助けたい。
その為には、害の無い場所へ出て。
彼に処置を託すしか。
そこまで考えると、魔力移譲で少し疲れたのか。
リリィの思考が止まる。
そうとも気付かず、懸命に進むルーシェだった。
真北へ向かう、ルーシェとリリィ。
策に溺れ、慌てて方向転換するセメリト。
そして。
街道から落下地点へ向かう、クライスとロッシェ。
果たして、その交わる先は……。
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