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第215話 黒歴史
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クライスの語る、黒歴史の内容。
それは余りにも凄惨で、波乱万丈に満ちた物だった。
それを、これから順に追って行こうか。
始まりの錬金術師には、2人の息子が居た。
兄は天才肌で非凡な才能を発揮し、小さな賢者の石でも強力な技を繰り出せる。
1才年下の弟は秀才で、兄より劣る才能を技術でカバーし多種多彩な術を生み出した。
両者の性質の違いは、行動原理にも影響を与えた。
向かう所敵無しの兄は、力尽くで周りを従え。
刃向う者は、容赦無く殺して行った。
それも、抵抗する気を削ぐ様なやり方で。
いつの間にか付いた忌み名は【残虐王子】。
孤高を旨とし、単独行動を好んだ彼は。
何時しか、世界から孤立して行った。
対して弟は、非力な自分を受け入れ。
周りと協力する事で、民の心を掴んで行った。
彼の周りには自然と人が集まり、常に賑やかで。
彼もそれを許容し、共に楽しんでいた。
兄に対する反動もあって、支配者達は弟を支持する様になり。
その温かい在り様から、【陽だまりの君】と言う愛称が付いた。
人の輪を大切にし、集団生活を好んだ彼は。
いつの間にか、世界の中心となっていた。
兄弟の乖離は余りにも激しく。
不満を募らせて行く兄。
そして或る日。
始まりの錬金術師は、後継者に弟を指名した。
納得行かない兄。
自分の方が錬金術師として優れているのは明白。
しかも、弟より広大な領地を持っている。
『何もかもこちらが上だ』と親に直談判するも、取り合って貰えず。
痺れを切らした兄は、弟の抹殺を決意。
単独で乗り込むも。
当時の錬金術師、即ち親の弟子達は皆弟側に付いた。
その強引なやり方から、兄を危険視していたのだ。
多勢に無勢、完膚無きまでに叩きのめされた兄は。
追放処分を言い渡され、領地も没収。
新たな領主が弟に集う中から選ばれ、平穏を取り戻した。
逆に、屈辱的な状況となった兄は。
追及の魔の手から逃れる様に、旅に出た。
錬金術師の中でも、追放処分は生温いと言う意見があった。
この際、徹底的に脅威の目を摘んだ方が良い。
そう考える者達の手によって、兄は命を狙われる様になったのだ。
旅する事で、考える時間が出来た兄は。
今までを総括し、これからの行動を定める。
自分が負けたのは、才能で劣ったからでは無く。
数の暴力に屈しただけだ。
ならばこちらも、仲間を増やせば良い。
そう思い立った兄は、遠くへ遠くへ。
弟の目の届かない所まで逃げて行った。
そして辿り着いた集落で、いよいよ行動開始。
そこを拠点に、錬金術の指導を始める。
神の如き技を以て人間を魅了し。
自分の支持者に術を伝授する。
そうする事によって、指導者としての地位を確立して行く。
一定の信者を得た彼は、そこを弟子に託し。
更に普及の旅に出る。
行く先々で、同様の手口によって錬金術師を増やす。
その過程で、人に教える事の快感を覚え。
憎き弟に対する、リベンジの気持ちを忘れかけていた時。
彼は辿り着いた。
魔法使いの元に。
そこで、始まりの錬金術師に付いて聞かされた彼は。
再び復讐の炎を燃やす。
魔法使いと共に、様々な術の研究に明け暮れ。
ある日、凄まじい術の開発に成功する。
しかし。
親身になって付き合ってくれた魔法使い。
不老不死と思われたその身を、術の完成によって死ぬ寸前の状況まで追い遣ってしまった。
消えかけながらも、彼の身を案じる魔法使い。
その健気な姿に、流石の彼も改心した。
そして復讐心を完全に葬り去ると共に、この世界に尽くす事を決意。
その第一歩として魔境の探索に乗り出す。
次元の裂け目を安定化させたとは言え、魔境はまだ不安定。
支配者が居る訳でも無く、混沌が漂う中。
人間の居る地域に出没する魔物が後を絶たない。
そこで現地に赴いた彼は、魔物達と様々な話し合いを持った結果。
強力な結界として、魔界への門テューアを構築。
人間が魔境へ、魔物が人間の暮らす地域へ。
自由に行き交いを出来なくした。
そして門を見張る為、近くに定住。
彼が旅の途中で弟子とした錬金術師も、少しずつ集まって来た。
何故弟側に攻め入らないのか?
疑問を問い質しに来たのだ。
その度に彼は答える。
それは錬金術師の本分では無い。
命を奪うのでは無く、寧ろ増やす者。
幸福を分け与え、不幸を取り去る者。
それこそが理想の錬金術師の姿だと。
心を入れ替えた彼の受け答えに、再び感銘し。
何処までも供をすると誓う弟子達。
こうして、現在のヘルメシア側で錬金術が普及して行った。
「これが、黒歴史の本当の姿さ。」
ここまで話し終えて、一息付くクライス。
聞き入っていた一同は、皆唖然とした顔をしている。
話が具体的過ぎる。
詳し過ぎる。
まるで当事者だったかの様に。
その辺りは、『ボクが教えたのさ』とメグが答えた。
何時、何処で?
それは、夢の中。
クライスが度々見た辛く苦しい夢は、メグの手による物だった。
『彼には知る義務が有るからね』とも付け足した。
そこで疑問に思うのは、アン。
宗主家の人間に知る義務が有るならば、自分にも知らされなくてはおかしい。
仮にも、兄様は私を次の宗主と見ている。
不本意ながら。
どうして私は何も知らされないの?
それには、クライスが答える。
「苦しむのは俺だけで十分さ。アンには折を見て、話そうとは思ってたんだ。」
『結果、この様な形になってしまって済まない』とクライスは謝る。
多分本心なのだろう。
暗い顔をしているから。
私を大事に思っているからこそ、話し辛かったんだ。
その気持ちは察するアンだが。
それでも、打ち明けて欲しかった。
苦しみを分けてくれれば、共に悩んで解決出来たろうに。
そんな考えだったが、敢えて言わない。
十分じゃないの。
無理やり納得させようとする、アンだった。
そこで、クライスに質問する者が。
「ねえねえ?今の話だと、妖精って関係無くない?」
エミルだった。
話の前、関係者だと聞かされていたので。
拍子抜けしたのだ。
後、確認したい者も。
テノだった。
「今の話から察するに、メグ殿が語った《或る者》は……。」
「そう。俺の話の主人公である、兄の事さ。」
「そうか。ならば、晩年暮らしたと言う場所も……。」
「今は〔エッジス〕と呼ばれてるね。」
「これで、少しは見えて来たか。」
テノはうんうん頷く。
錬金術師が造ったのなら、その補強も破壊も錬金術師でなくてはならない。
しかも、より強大な力を保有している者が。
ケミーヤ教が門を開けようとしているのは。
この世界を混沌に晒し、追い出した弟側を潰す事にある訳か。
納得しかかっていた時。
異議を唱える者が。
「それって、ケミーヤ教が躍起になって暗躍する動機としては弱いんじゃないの?」
「そうか?俺は十分だと思うけどな。」
ロッシェはそう答えるが。
ラヴィは続ける。
「何か。曖昧って言うか、弱いって言うか……。」
「私もそう思います。話では、弟子達は改心して行ったのでしょう?それはそれで、解決している様に感じるのですが……。」
セレナも疑問を呈する。
確かに、クライスの話では。
長年に亘って複雑な仕込みをしてまで、世界を掻き回そうとするには。
理由としては弱い。
説得力が無い。
ケミーヤ教からは、執念めいた物を感じる。
それだけとは思えない。
至極当然な疑問。
クライスは話す。
「済まないね。みんなの言う事はもっともだ。」
そしてチラッとメイの方を見る。
『しょうが無いわねえ』とメイがアンに言う。
「前に言ったでしょ?《黒歴史は2つ有る》って。」
「え、ええ。」
「あいつが話したのは、その1つに過ぎないのよ。」
「まだ続きが有るって事?それならそうと言ってくれなきゃ。」
メイの言葉に、ラヴィが反応する。
しかし。
「間抜け妖精が話を遮った上に、矢継ぎ早に質問攻めをして話すタイミングを奪ったのは誰よ?」
メイの返しで、押し黙る一同。
それもそうだ。
これだけで済む筈が無い。
これすらも、まだ前座に過ぎない。
核心はこれからなのだ。
『賢くなったね、メイ』とメグに褒められ、照れるトラ猫。
それが皮肉だとも気付かずに。
余計なおせっかい。
そう言いたかったらしい。
紅茶を一口飲んで。
クライスは、話す体制を取る。
身構える一同。
そして続きを語り出す。
その内容は。
それは余りにも凄惨で、波乱万丈に満ちた物だった。
それを、これから順に追って行こうか。
始まりの錬金術師には、2人の息子が居た。
兄は天才肌で非凡な才能を発揮し、小さな賢者の石でも強力な技を繰り出せる。
1才年下の弟は秀才で、兄より劣る才能を技術でカバーし多種多彩な術を生み出した。
両者の性質の違いは、行動原理にも影響を与えた。
向かう所敵無しの兄は、力尽くで周りを従え。
刃向う者は、容赦無く殺して行った。
それも、抵抗する気を削ぐ様なやり方で。
いつの間にか付いた忌み名は【残虐王子】。
孤高を旨とし、単独行動を好んだ彼は。
何時しか、世界から孤立して行った。
対して弟は、非力な自分を受け入れ。
周りと協力する事で、民の心を掴んで行った。
彼の周りには自然と人が集まり、常に賑やかで。
彼もそれを許容し、共に楽しんでいた。
兄に対する反動もあって、支配者達は弟を支持する様になり。
その温かい在り様から、【陽だまりの君】と言う愛称が付いた。
人の輪を大切にし、集団生活を好んだ彼は。
いつの間にか、世界の中心となっていた。
兄弟の乖離は余りにも激しく。
不満を募らせて行く兄。
そして或る日。
始まりの錬金術師は、後継者に弟を指名した。
納得行かない兄。
自分の方が錬金術師として優れているのは明白。
しかも、弟より広大な領地を持っている。
『何もかもこちらが上だ』と親に直談判するも、取り合って貰えず。
痺れを切らした兄は、弟の抹殺を決意。
単独で乗り込むも。
当時の錬金術師、即ち親の弟子達は皆弟側に付いた。
その強引なやり方から、兄を危険視していたのだ。
多勢に無勢、完膚無きまでに叩きのめされた兄は。
追放処分を言い渡され、領地も没収。
新たな領主が弟に集う中から選ばれ、平穏を取り戻した。
逆に、屈辱的な状況となった兄は。
追及の魔の手から逃れる様に、旅に出た。
錬金術師の中でも、追放処分は生温いと言う意見があった。
この際、徹底的に脅威の目を摘んだ方が良い。
そう考える者達の手によって、兄は命を狙われる様になったのだ。
旅する事で、考える時間が出来た兄は。
今までを総括し、これからの行動を定める。
自分が負けたのは、才能で劣ったからでは無く。
数の暴力に屈しただけだ。
ならばこちらも、仲間を増やせば良い。
そう思い立った兄は、遠くへ遠くへ。
弟の目の届かない所まで逃げて行った。
そして辿り着いた集落で、いよいよ行動開始。
そこを拠点に、錬金術の指導を始める。
神の如き技を以て人間を魅了し。
自分の支持者に術を伝授する。
そうする事によって、指導者としての地位を確立して行く。
一定の信者を得た彼は、そこを弟子に託し。
更に普及の旅に出る。
行く先々で、同様の手口によって錬金術師を増やす。
その過程で、人に教える事の快感を覚え。
憎き弟に対する、リベンジの気持ちを忘れかけていた時。
彼は辿り着いた。
魔法使いの元に。
そこで、始まりの錬金術師に付いて聞かされた彼は。
再び復讐の炎を燃やす。
魔法使いと共に、様々な術の研究に明け暮れ。
ある日、凄まじい術の開発に成功する。
しかし。
親身になって付き合ってくれた魔法使い。
不老不死と思われたその身を、術の完成によって死ぬ寸前の状況まで追い遣ってしまった。
消えかけながらも、彼の身を案じる魔法使い。
その健気な姿に、流石の彼も改心した。
そして復讐心を完全に葬り去ると共に、この世界に尽くす事を決意。
その第一歩として魔境の探索に乗り出す。
次元の裂け目を安定化させたとは言え、魔境はまだ不安定。
支配者が居る訳でも無く、混沌が漂う中。
人間の居る地域に出没する魔物が後を絶たない。
そこで現地に赴いた彼は、魔物達と様々な話し合いを持った結果。
強力な結界として、魔界への門テューアを構築。
人間が魔境へ、魔物が人間の暮らす地域へ。
自由に行き交いを出来なくした。
そして門を見張る為、近くに定住。
彼が旅の途中で弟子とした錬金術師も、少しずつ集まって来た。
何故弟側に攻め入らないのか?
疑問を問い質しに来たのだ。
その度に彼は答える。
それは錬金術師の本分では無い。
命を奪うのでは無く、寧ろ増やす者。
幸福を分け与え、不幸を取り去る者。
それこそが理想の錬金術師の姿だと。
心を入れ替えた彼の受け答えに、再び感銘し。
何処までも供をすると誓う弟子達。
こうして、現在のヘルメシア側で錬金術が普及して行った。
「これが、黒歴史の本当の姿さ。」
ここまで話し終えて、一息付くクライス。
聞き入っていた一同は、皆唖然とした顔をしている。
話が具体的過ぎる。
詳し過ぎる。
まるで当事者だったかの様に。
その辺りは、『ボクが教えたのさ』とメグが答えた。
何時、何処で?
それは、夢の中。
クライスが度々見た辛く苦しい夢は、メグの手による物だった。
『彼には知る義務が有るからね』とも付け足した。
そこで疑問に思うのは、アン。
宗主家の人間に知る義務が有るならば、自分にも知らされなくてはおかしい。
仮にも、兄様は私を次の宗主と見ている。
不本意ながら。
どうして私は何も知らされないの?
それには、クライスが答える。
「苦しむのは俺だけで十分さ。アンには折を見て、話そうとは思ってたんだ。」
『結果、この様な形になってしまって済まない』とクライスは謝る。
多分本心なのだろう。
暗い顔をしているから。
私を大事に思っているからこそ、話し辛かったんだ。
その気持ちは察するアンだが。
それでも、打ち明けて欲しかった。
苦しみを分けてくれれば、共に悩んで解決出来たろうに。
そんな考えだったが、敢えて言わない。
十分じゃないの。
無理やり納得させようとする、アンだった。
そこで、クライスに質問する者が。
「ねえねえ?今の話だと、妖精って関係無くない?」
エミルだった。
話の前、関係者だと聞かされていたので。
拍子抜けしたのだ。
後、確認したい者も。
テノだった。
「今の話から察するに、メグ殿が語った《或る者》は……。」
「そう。俺の話の主人公である、兄の事さ。」
「そうか。ならば、晩年暮らしたと言う場所も……。」
「今は〔エッジス〕と呼ばれてるね。」
「これで、少しは見えて来たか。」
テノはうんうん頷く。
錬金術師が造ったのなら、その補強も破壊も錬金術師でなくてはならない。
しかも、より強大な力を保有している者が。
ケミーヤ教が門を開けようとしているのは。
この世界を混沌に晒し、追い出した弟側を潰す事にある訳か。
納得しかかっていた時。
異議を唱える者が。
「それって、ケミーヤ教が躍起になって暗躍する動機としては弱いんじゃないの?」
「そうか?俺は十分だと思うけどな。」
ロッシェはそう答えるが。
ラヴィは続ける。
「何か。曖昧って言うか、弱いって言うか……。」
「私もそう思います。話では、弟子達は改心して行ったのでしょう?それはそれで、解決している様に感じるのですが……。」
セレナも疑問を呈する。
確かに、クライスの話では。
長年に亘って複雑な仕込みをしてまで、世界を掻き回そうとするには。
理由としては弱い。
説得力が無い。
ケミーヤ教からは、執念めいた物を感じる。
それだけとは思えない。
至極当然な疑問。
クライスは話す。
「済まないね。みんなの言う事はもっともだ。」
そしてチラッとメイの方を見る。
『しょうが無いわねえ』とメイがアンに言う。
「前に言ったでしょ?《黒歴史は2つ有る》って。」
「え、ええ。」
「あいつが話したのは、その1つに過ぎないのよ。」
「まだ続きが有るって事?それならそうと言ってくれなきゃ。」
メイの言葉に、ラヴィが反応する。
しかし。
「間抜け妖精が話を遮った上に、矢継ぎ早に質問攻めをして話すタイミングを奪ったのは誰よ?」
メイの返しで、押し黙る一同。
それもそうだ。
これだけで済む筈が無い。
これすらも、まだ前座に過ぎない。
核心はこれからなのだ。
『賢くなったね、メイ』とメグに褒められ、照れるトラ猫。
それが皮肉だとも気付かずに。
余計なおせっかい。
そう言いたかったらしい。
紅茶を一口飲んで。
クライスは、話す体制を取る。
身構える一同。
そして続きを語り出す。
その内容は。
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