110 / 320
第110話 救出への暗雲と光明
しおりを挟む
渓谷から北上して来る〔第1ルート〕と、ぐるっと遠回りし東進して来る〔第2ルート〕の。
2つの街道が交わる場所。
一行がその交差路に近付いて行くと。
何やら行列が出来ている。
トクシーが異様な気配を感じ、クライスに報告。
念の為、クライスはエミルに様子を見て来る様頼んだ。
丁度退屈していたので、刺激が無いかとすっ飛んで行くエミル。
その間、一行は街道から少しずれた位置で待機。
程無く、エミルが帰って来た。
大声を上げながら。
「ひえーーーっ!」
「どうしたの?滅多に出さない驚きの顔して。」
ラヴィが尋ねる。
あせあせ。
エミルが身振り手振りで伝えようとする。
「あのね、あれが、あれで、それで……。」
「落ち着いて。はいこれ。」
アンが水入りのコップを差し出す。
一気に飲み干し、プハーッと言う声を出した後、エミルが話し出した。
「大変な事になってるよー!道路がボコッてなってて……。」
「ボコッ?」
「そうそう!凹んでるんだ。こーんの位。」
そう言って、ここからここまでと言う風にクルクル飛び回るエミル。
ざっと直径5メートル程。
かなり大きい。
街道の幅に近い。
「深さは?」
アンが聞く。
『うんとね、アンの背の半分位』と返事するエミル。
と言う事は7、80センチ位か。
人はともかく、馬車は通れないな。
クライスは考える。
ラヴィがクライスに聞いた。
「これも妨害かしら?」
「だろうな。向こうはかなり焦ってる。形振り構っていられない状況の様だな。」
交差路はすぐそこ。
そんな箇所に大穴を開ける。
そこまでして進路を阻みたいか。
デュレイ救出は、余程都合が悪いらしい。
そうなると、逆に燃えるのがクライス。
もう少し様子を知りたい。
クライスはエミルに尋ねる。
「それで、並んでる人達の様子は?」
うんとね、うんとね。
エミルが話す。
「何人かは穴を覗いて、向こうへ渡ろうとしたんだ。そしたら……。」
「そしたら?」
セレナも聞いている。
「向こう側から人がやって来て、登ろうとする人を棒で突くんだ。」
「まあ、酷い!」
呆れるセレナ。
「大声で『こっち来んな!』って怒鳴ってたよ。それで言い争いが始まって……。」
「ごたごたが起こったから、慌てて戻って来たと?」
「そう、そうなんだよ。うちにはどうしようも無くてさ。」
少ししょんぼりするエミル。
『やめようよー』と双方に言ったらしいのだが。
妖精なので声が届かず、空しくなったらしい。
それをセレナから伝え聞いて、ロッシェはうんうん頷く。
自分が話し掛けているのに、聞き入ってくれないのは悲しい。
共感する部分がある。
『それは的外れな事を言ってるからでしょ』とラヴィに突っ込まれるが、こればかりは反論する。
「そうやって俺の話を聞かないだろ?同じ事だよ。」
『ちったあ反省して欲しいね』と、ロッシェは文句を付ける。
今回はクライスも同意。
「ラヴィは話を聞かない時がある。特にロッシェのはな。」
「あんただって流す時があるでしょ!人の事言えないじゃない!」
「まあまあ、ここで我等が言い争いを始めても……。」
トクシーが止めに入る。
『確かに』と、クライスはあっさり引っ込む。
ムキーッとなって気持ちが収まらないラヴィ。
セレナが流れを変えようと話し出す。
「とにかく、このままでは目的地の洞窟に近付けません。別ルートを探さないと……。」
デュレイが幽閉されていると目される洞窟は、交差路から渓谷の方へ戻ってすぐの脇道から入って行かなければならない。
どうしても交差路までは進む必要がある。
しかし進路は穴で塞がれている。
どうするか……。
一同が悩んでいる時。
ガサッ!
ガサガサッ!
近くの草から何かが通る音がした。
突然の事に、全員が臨戦体制を取る。
ガサッと言う音は段々近付いて来た。
そして。
「プハーッ。やっと出れたー。」
現れたのは、緑の服に緑のズボン。
緑の靴に、緑の帽子。
全身が緑尽くめの、まだあどけない10才位の少年。
良く見ると、髪の毛まで緑色。
うん?
ラヴィは少年から何かを感じ取る。
何処かで、同じ様な雰囲気の人に会った事が……。
……。
…………。
あっ!
「君、名前は?」
怪しさが拭えない中、ラヴィは思い切って尋ねてみる。
見当が当たりだとすると……。
少年からは、意外な答えが帰って来た。
「お姉さん、僕が見えるの?」
やっぱり。
エミルだ。
妖精に雰囲気が似ているんだ。
他の人の反応は……?
周りを見ると。
やはり、見える人と見えない人が。
トクシーとロッシェは見えないらしい。
動いている草の動きを追い駆けるだけ。
他は少年を見据えている。
ラヴィは前屈みになって、改めて少年に話し掛ける。
「見えるよー。私はラヴィ。旅をしてるの。あなたは?」
「僕はねー、【リド】。あれ、これ言って良かったんだっけ……。」
「うちは見える?」
そう言って、スーッとリドに近付くエミル。
あっさり『うん』と返事した。
ラヴィがエミルに聞く。
「この子って、妖精?」
「感じる魔力がうちに似てるけど、違うかなあ。」
「ふうん。」
またリドに尋ねるラヴィ。
「君って、もしかして妖精さん?」
リドは返事をするが、理解が少し難しい答えだった。
「そうでも有り、そうでも無い。そんな存在かな。」
『それより』と、リドが或る提案をする。
「何か分かんないけどここで止まってるんならさ、ちょっと手伝ってくれないかな?旅の仲間が捕まって困ってるんだ。」
「仲間が捕まってる?」
セレナの返事を聞いて、姿声が分からないトクシーが反応する。
「それはひょっとして、デュレイの事では……?」
「うん?このおっちゃん、デュレイの事知ってんの?」
リドの返事に、声を出すセレナ。
「デュレイさんが旅仲間なの?」
「そうだよ。」
「私達、その人を助ける為にここへ来たのよ。」
「え?ほんとに?やったあ。」
ピョンピョン飛び跳ねて喜ぶリド。
そして、草むらの中へ手招きする。
「じゃあ早速付いて来てよ。大丈夫、馬車も通れる様にするから。」
そうりドが言うと、景色がバサアッと開いて道が開けた。
何故か、木も草むらも横にずれている。
何か特殊な力を働かせた様だ。
しかし、デュレイ救出にはまたと無い援軍。
『行きましょう』とトクシーは皆を促し、率先して入って行った。
『先生が行くなら』と、ロッシェも続く。
セレナとラヴィも馬車に乗り込み、馬を走らせた。
アンが入り、辺りを伺いながらクライスとメイが入る。
最後にエミルとリドが入ると、景色は元通りになった。
その光景を、偶々見ていた者が居た。
早くナイジンの町に行って、支配者であるアストレル家へ届け物を渡さねばならぬのに。
こんな所で足止めを食らう訳には行かない。
そうやって辺りを見回していると。
馬車が森の中へ入って行くではないか。
『通り抜けられる道があるのか』と思い、一行に続こうとするも道が見当たらない。
『おかしい』と辺りをうろうろする行商人。
すると。
変な動きをするから目立ったのか、続々と人が集まって来た。
そして通れる通れないの押し問答が続いた後、結局通れないと判明し皆諦めた。
旅人達の様子を、突き用の棒を持ちながら見ていた親父の手下。
そう、親父の差し金が邪魔をしていたのだ。
1人が向こう側へ乗り越え、聞き耳を立てて会話をそっと観察する。
怪しい事が起こった。
その事実を知ると、すぐに仲間の所へ戻り相談。
親父に知らせる事となった。
『どんな些細な事でも見聞き漏らすな』と言明が下っていたのだ。
代表がすぐに、親父の元へ飛んで行った。
と言う訳で、あれこれアクションが起こったが。
どちらが有利か、この時点では確定していない。
そんな波乱要素を含み、事態は進行していった。
2つの街道が交わる場所。
一行がその交差路に近付いて行くと。
何やら行列が出来ている。
トクシーが異様な気配を感じ、クライスに報告。
念の為、クライスはエミルに様子を見て来る様頼んだ。
丁度退屈していたので、刺激が無いかとすっ飛んで行くエミル。
その間、一行は街道から少しずれた位置で待機。
程無く、エミルが帰って来た。
大声を上げながら。
「ひえーーーっ!」
「どうしたの?滅多に出さない驚きの顔して。」
ラヴィが尋ねる。
あせあせ。
エミルが身振り手振りで伝えようとする。
「あのね、あれが、あれで、それで……。」
「落ち着いて。はいこれ。」
アンが水入りのコップを差し出す。
一気に飲み干し、プハーッと言う声を出した後、エミルが話し出した。
「大変な事になってるよー!道路がボコッてなってて……。」
「ボコッ?」
「そうそう!凹んでるんだ。こーんの位。」
そう言って、ここからここまでと言う風にクルクル飛び回るエミル。
ざっと直径5メートル程。
かなり大きい。
街道の幅に近い。
「深さは?」
アンが聞く。
『うんとね、アンの背の半分位』と返事するエミル。
と言う事は7、80センチ位か。
人はともかく、馬車は通れないな。
クライスは考える。
ラヴィがクライスに聞いた。
「これも妨害かしら?」
「だろうな。向こうはかなり焦ってる。形振り構っていられない状況の様だな。」
交差路はすぐそこ。
そんな箇所に大穴を開ける。
そこまでして進路を阻みたいか。
デュレイ救出は、余程都合が悪いらしい。
そうなると、逆に燃えるのがクライス。
もう少し様子を知りたい。
クライスはエミルに尋ねる。
「それで、並んでる人達の様子は?」
うんとね、うんとね。
エミルが話す。
「何人かは穴を覗いて、向こうへ渡ろうとしたんだ。そしたら……。」
「そしたら?」
セレナも聞いている。
「向こう側から人がやって来て、登ろうとする人を棒で突くんだ。」
「まあ、酷い!」
呆れるセレナ。
「大声で『こっち来んな!』って怒鳴ってたよ。それで言い争いが始まって……。」
「ごたごたが起こったから、慌てて戻って来たと?」
「そう、そうなんだよ。うちにはどうしようも無くてさ。」
少ししょんぼりするエミル。
『やめようよー』と双方に言ったらしいのだが。
妖精なので声が届かず、空しくなったらしい。
それをセレナから伝え聞いて、ロッシェはうんうん頷く。
自分が話し掛けているのに、聞き入ってくれないのは悲しい。
共感する部分がある。
『それは的外れな事を言ってるからでしょ』とラヴィに突っ込まれるが、こればかりは反論する。
「そうやって俺の話を聞かないだろ?同じ事だよ。」
『ちったあ反省して欲しいね』と、ロッシェは文句を付ける。
今回はクライスも同意。
「ラヴィは話を聞かない時がある。特にロッシェのはな。」
「あんただって流す時があるでしょ!人の事言えないじゃない!」
「まあまあ、ここで我等が言い争いを始めても……。」
トクシーが止めに入る。
『確かに』と、クライスはあっさり引っ込む。
ムキーッとなって気持ちが収まらないラヴィ。
セレナが流れを変えようと話し出す。
「とにかく、このままでは目的地の洞窟に近付けません。別ルートを探さないと……。」
デュレイが幽閉されていると目される洞窟は、交差路から渓谷の方へ戻ってすぐの脇道から入って行かなければならない。
どうしても交差路までは進む必要がある。
しかし進路は穴で塞がれている。
どうするか……。
一同が悩んでいる時。
ガサッ!
ガサガサッ!
近くの草から何かが通る音がした。
突然の事に、全員が臨戦体制を取る。
ガサッと言う音は段々近付いて来た。
そして。
「プハーッ。やっと出れたー。」
現れたのは、緑の服に緑のズボン。
緑の靴に、緑の帽子。
全身が緑尽くめの、まだあどけない10才位の少年。
良く見ると、髪の毛まで緑色。
うん?
ラヴィは少年から何かを感じ取る。
何処かで、同じ様な雰囲気の人に会った事が……。
……。
…………。
あっ!
「君、名前は?」
怪しさが拭えない中、ラヴィは思い切って尋ねてみる。
見当が当たりだとすると……。
少年からは、意外な答えが帰って来た。
「お姉さん、僕が見えるの?」
やっぱり。
エミルだ。
妖精に雰囲気が似ているんだ。
他の人の反応は……?
周りを見ると。
やはり、見える人と見えない人が。
トクシーとロッシェは見えないらしい。
動いている草の動きを追い駆けるだけ。
他は少年を見据えている。
ラヴィは前屈みになって、改めて少年に話し掛ける。
「見えるよー。私はラヴィ。旅をしてるの。あなたは?」
「僕はねー、【リド】。あれ、これ言って良かったんだっけ……。」
「うちは見える?」
そう言って、スーッとリドに近付くエミル。
あっさり『うん』と返事した。
ラヴィがエミルに聞く。
「この子って、妖精?」
「感じる魔力がうちに似てるけど、違うかなあ。」
「ふうん。」
またリドに尋ねるラヴィ。
「君って、もしかして妖精さん?」
リドは返事をするが、理解が少し難しい答えだった。
「そうでも有り、そうでも無い。そんな存在かな。」
『それより』と、リドが或る提案をする。
「何か分かんないけどここで止まってるんならさ、ちょっと手伝ってくれないかな?旅の仲間が捕まって困ってるんだ。」
「仲間が捕まってる?」
セレナの返事を聞いて、姿声が分からないトクシーが反応する。
「それはひょっとして、デュレイの事では……?」
「うん?このおっちゃん、デュレイの事知ってんの?」
リドの返事に、声を出すセレナ。
「デュレイさんが旅仲間なの?」
「そうだよ。」
「私達、その人を助ける為にここへ来たのよ。」
「え?ほんとに?やったあ。」
ピョンピョン飛び跳ねて喜ぶリド。
そして、草むらの中へ手招きする。
「じゃあ早速付いて来てよ。大丈夫、馬車も通れる様にするから。」
そうりドが言うと、景色がバサアッと開いて道が開けた。
何故か、木も草むらも横にずれている。
何か特殊な力を働かせた様だ。
しかし、デュレイ救出にはまたと無い援軍。
『行きましょう』とトクシーは皆を促し、率先して入って行った。
『先生が行くなら』と、ロッシェも続く。
セレナとラヴィも馬車に乗り込み、馬を走らせた。
アンが入り、辺りを伺いながらクライスとメイが入る。
最後にエミルとリドが入ると、景色は元通りになった。
その光景を、偶々見ていた者が居た。
早くナイジンの町に行って、支配者であるアストレル家へ届け物を渡さねばならぬのに。
こんな所で足止めを食らう訳には行かない。
そうやって辺りを見回していると。
馬車が森の中へ入って行くではないか。
『通り抜けられる道があるのか』と思い、一行に続こうとするも道が見当たらない。
『おかしい』と辺りをうろうろする行商人。
すると。
変な動きをするから目立ったのか、続々と人が集まって来た。
そして通れる通れないの押し問答が続いた後、結局通れないと判明し皆諦めた。
旅人達の様子を、突き用の棒を持ちながら見ていた親父の手下。
そう、親父の差し金が邪魔をしていたのだ。
1人が向こう側へ乗り越え、聞き耳を立てて会話をそっと観察する。
怪しい事が起こった。
その事実を知ると、すぐに仲間の所へ戻り相談。
親父に知らせる事となった。
『どんな些細な事でも見聞き漏らすな』と言明が下っていたのだ。
代表がすぐに、親父の元へ飛んで行った。
と言う訳で、あれこれアクションが起こったが。
どちらが有利か、この時点では確定していない。
そんな波乱要素を含み、事態は進行していった。
0
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説
召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します
あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。
異世界パルメディアは、大魔法文明時代。
だが、その時代は崩壊寸前だった。
なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。
マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。
追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。
ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。
世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。
無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。
化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。
そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。
当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。
ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。
追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中
四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。
銀眼の左遷王ケントの素人領地開拓&未踏遺跡攻略~だけど、領民はゼロで土地は死んでるし、遺跡は結界で入れない~
雪野湯
ファンタジー
王立錬金研究所の研究員であった元貴族ケントは政治家に転向するも、政争に敗れ左遷された。
左遷先は領民のいない呪われた大地を抱く廃城。
この瓦礫に埋もれた城に、世界で唯一無二の不思議な銀眼を持つ男は夢も希望も埋めて、その謎と共に朽ち果てるつもりでいた。
しかし、運命のいたずらか、彼のもとに素晴らしき仲間が集う。
彼らの力を借り、様々な種族と交流し、呪われた大地の原因である未踏遺跡の攻略を目指す。
その過程で遺跡に眠っていた世界の秘密を知った。
遺跡の力は世界を滅亡へと導くが、彼は銀眼と仲間たちの力を借りて立ち向かう。
様々な苦難を乗り越え、左遷王と揶揄された若き青年は世界に新たな道を示し、本物の王となる。
元平凡高校生の異世界英雄譚 ~転生してチートを手に入れましたが絶対に使いたくありません~
一☆一
ファンタジー
ごく一般的なゲーム好きの少年、相良 彰人は、神様の抽選の結果、突如心臓発作で死んでしまう。
死者が少ないときに行われるその抽選によって死んでしまったものは神様によってチートを付与され、記憶を残したまま異世界で生きていくことになるのだが、彰人はチートを忌み嫌う、真面目系ゲーマーだった。
貴族、エイリアス・シーダン・ナインハイトとして生まれた彼は、一つの誓いを立てた。
【絶対にチートを使わない。】
努力を重ねるエイリアスだったが、そう簡単に理想は現実に追いつかない。
葛藤し、彼が出す結論とは。
「……生まれ直したこの世界で。後悔だけは、したくないんだ。絶対に」
※俺TUEEEです。お察しください。
大賢者の弟子ステファニー
楠ノ木雫
ファンタジー
この世界に存在する〝錬金術〟を使いこなすことの出来る〝錬金術師〟の少女ステファニー。
その技を極めた者に与えられる[大賢者]の名を持つ者の弟子であり、それに最も近しい存在である[賢者]である。……彼女は気が付いていないが。
そんな彼女が、今まであまり接してこなかった[人]と関わり、成長していく、そんな話である。
※他の投稿サイトにも掲載しています。
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強
こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」
騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。
この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。
ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。
これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。
だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。
僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。
「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」
「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」
そうして追放された僕であったが――
自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。
その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。
一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。
「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」
これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる