禁断-兄妹愛- ≪18禁≫

最終章≪それから≫

5.旅立ち

空港には、未来ちゃんと翔平だけが、見送りに来てくれた。

２年間、一緒に学んだ専門学校の友達とは、昨日のうちにお別れ会をしてもらった。

日本を離れる最後の日は、やっぱり親友に見送られたい。

「花音、いつ、帰ってくるの？」
未来ちゃんがわたしに抱きついて、泣きながら、言う。
「もう未来ちゃん、行く前から、帰る話して」
「だって、帰ってくるんでしょう？」

正直言って、それはないかもしれないって、考えてる。

わたしは兄と二人でフランスに移住することにした。
たとえ血は繋がってなくても、日本では、わたしたちはやっぱり兄妹で、妙な噂が立つんじゃないかとか、余計な心配をしてしまう。

わたしたちのことを誰も知らない国で、わたしたちは愛し合って、一緒に生きていくと、決めたのだ。

わたしはパリでまだまだパテェシエの修行をする。
遠い未来に、フランスの田舎で、小さなお店でも開ければいいなって思ってる。

「さあ、花音、もう時間だよ」
「うん、お兄ちゃん」

翔平と未来ちゃんが見えなくなるまで、わたしは何度も振り返って手を振った。

完全に二人の姿が視界から消えて、兄のもとに走り寄って、手を繋いだ。

指と指を絡めた恋人繋ぎで。




□完□