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第二章 美少女剣士
第8話 彼女を作るならちゃんと選びたい
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久しぶりに会った友人とこういう会話が始まるのは現実世界も異世界も変わらないんだなぁと思う健太郎。
そういえば最後に実家に帰ったのはいつだったか。
「んだよ、久しぶりにダチに会ったんだから少しぐらいしゃべらせろよな!」
「気持ちは分かりますが急ぎましょう。セナさんの村が心配でしょう?」
健太郎は最初、扉の後ろにいたのでマキからは見えなかった。
突然現れてアアアーシャと親し気に話すその男性を見たマキは色めき立つ。
「え? なになに彼氏? 結構イケメンじゃん~! ずいぶん若い男の子捕まえたわねアンタ!」
「……あ、僕はそういうのじゃなくてですね」
言い終わる前に健太郎の後ろからセナが顔を出した。
「す、少しくらいなら出発が遅れても……その、大丈夫です!」
「駄目ですよ、アアアーシャさんを甘やかしては」
「ちっ、ンだよそれ」
「!!」
アアアーシャの友人、マキは驚いた。
初めてアアアーシャと出会ったのは彼女が10歳の頃。
偶然抜いた魔剣から現れた魔人とすぐ仲良くなり、色々な想い出を作ったものだ。
しかしマキが知る限り、アアアーシャに男の影はなかった。
それがいきなり、彼氏連れかと思ったらこんな大きな子まで……!
「あ、あんたも結婚したの!? しかも子供までいるし!?」
「あーーー! ちげぇよ! こいつらはアタシ様の彼氏でも子供でもねぇし!」
「そうですよ、社畜生活が長く恋人どころではありませんでしたが、彼女を作るならちゃんと選びたいですね」
「ほう……アタシ様では不満ってか?」
アアアーシャは下から顔を覗きこむように健太郎を睨みつけるが、健太郎は軽く流していた。
「……えぇ? アンタ達どういう関係……?」
ワケが分からず困惑するマキ。
「ああ、いまはこの嬢ちゃん、セナの願いを叶えてるトコロなんだよ」
「こ、こんにちはっ!」
アアアーシャがセナを紹介する。
「僕は旅の道連れというか、同行者ですね」
「あー、魔人の願いを叶えるアレか~~。なーんだ、つまんないのぉ」
どうやらこの女性、色恋沙汰が大好きなようだ。
先ほども目の下のクマやボサボサの髪に惑わされず健太郎がイケメンである事を見抜いた。なかなかの傑物である。
もし実際、健太郎がアアアーシャの彼氏だったとしたら根掘り葉掘り聞かれて酒の肴にでもされていたかもしれない。
「まぁ彼氏じゃねぇけど、アタシ様ら相性はいいんだよ。な、健太郎?」
アアアーシャが肩を組むように健太郎に寄りかかる。
「……アアアーシャさん、その言い方……」
「え? なに相性って? ちょ、詳しく聞かせなさいよ! 酒持ってくるから!」
うわぁ予想通りだこの人。
早く話を進めてくださいと健太郎が視線で促すと、アアアーシャは頭を掻いた。
「あー、その話はまた今度な! それよりマキ、魔石の換金を頼みてぇんだよ」
「ええ~……まぁいいわ。あんたが魔石を持ってくるのもずいぶん久しぶりねぇ」
マキはちょっと不満そうにしたが、慣れた手つきで魔石の数を数え重さを量りお金に換えてくれた。
そういえば最後に実家に帰ったのはいつだったか。
「んだよ、久しぶりにダチに会ったんだから少しぐらいしゃべらせろよな!」
「気持ちは分かりますが急ぎましょう。セナさんの村が心配でしょう?」
健太郎は最初、扉の後ろにいたのでマキからは見えなかった。
突然現れてアアアーシャと親し気に話すその男性を見たマキは色めき立つ。
「え? なになに彼氏? 結構イケメンじゃん~! ずいぶん若い男の子捕まえたわねアンタ!」
「……あ、僕はそういうのじゃなくてですね」
言い終わる前に健太郎の後ろからセナが顔を出した。
「す、少しくらいなら出発が遅れても……その、大丈夫です!」
「駄目ですよ、アアアーシャさんを甘やかしては」
「ちっ、ンだよそれ」
「!!」
アアアーシャの友人、マキは驚いた。
初めてアアアーシャと出会ったのは彼女が10歳の頃。
偶然抜いた魔剣から現れた魔人とすぐ仲良くなり、色々な想い出を作ったものだ。
しかしマキが知る限り、アアアーシャに男の影はなかった。
それがいきなり、彼氏連れかと思ったらこんな大きな子まで……!
「あ、あんたも結婚したの!? しかも子供までいるし!?」
「あーーー! ちげぇよ! こいつらはアタシ様の彼氏でも子供でもねぇし!」
「そうですよ、社畜生活が長く恋人どころではありませんでしたが、彼女を作るならちゃんと選びたいですね」
「ほう……アタシ様では不満ってか?」
アアアーシャは下から顔を覗きこむように健太郎を睨みつけるが、健太郎は軽く流していた。
「……えぇ? アンタ達どういう関係……?」
ワケが分からず困惑するマキ。
「ああ、いまはこの嬢ちゃん、セナの願いを叶えてるトコロなんだよ」
「こ、こんにちはっ!」
アアアーシャがセナを紹介する。
「僕は旅の道連れというか、同行者ですね」
「あー、魔人の願いを叶えるアレか~~。なーんだ、つまんないのぉ」
どうやらこの女性、色恋沙汰が大好きなようだ。
先ほども目の下のクマやボサボサの髪に惑わされず健太郎がイケメンである事を見抜いた。なかなかの傑物である。
もし実際、健太郎がアアアーシャの彼氏だったとしたら根掘り葉掘り聞かれて酒の肴にでもされていたかもしれない。
「まぁ彼氏じゃねぇけど、アタシ様ら相性はいいんだよ。な、健太郎?」
アアアーシャが肩を組むように健太郎に寄りかかる。
「……アアアーシャさん、その言い方……」
「え? なに相性って? ちょ、詳しく聞かせなさいよ! 酒持ってくるから!」
うわぁ予想通りだこの人。
早く話を進めてくださいと健太郎が視線で促すと、アアアーシャは頭を掻いた。
「あー、その話はまた今度な! それよりマキ、魔石の換金を頼みてぇんだよ」
「ええ~……まぁいいわ。あんたが魔石を持ってくるのもずいぶん久しぶりねぇ」
マキはちょっと不満そうにしたが、慣れた手つきで魔石の数を数え重さを量りお金に換えてくれた。
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