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第一章 Revival of Communism編
第14戦 事態はより深刻かつ複雑に
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筋肉質の男に連れてこられた喫茶店「ザクースカ」は時間が時間なので客は一人しかおらず、さらにその唯一の客も私達が入店するのに合わせて退店したため、店内は閑散としてしまった。
その際、客と右肩がぶつかってしまい、筋肉質の男が訝しげな表情をしたが、特に気にしなかった。私達は店内の右奥の四人席に向かい、席についた。
筋肉質の男が私に話しかけてくることはなく、店員にホットコーヒーを3杯頼み、もう一人男が来店することを伝えると、腕組みをしながら口を閉じた。
一方で私の方はというと、さっきのような混乱や驚きといった感情は和らいでおり、今は相手のことを分析しようと思考を張り巡らしている。彼らが何者なのか、なぜプラウダを帰らせたのか、なぜ私に近づいてきたのか等々。
恐らく、私が推測するにこれらの疑問を解消するためにまずすべき事は彼らが発した「あの言葉」の真意を知ることだろう。
「すまないがいろいろ質問したいことがある」
「はい、なんでしょう? スターリン閣下」
スターリン、閣下? 私は君の上官ではないのだが……まあ、今はそんなことはどうでもいいか。
私は少しばかり吃驚するも、話を続けた。
「まず、先程もう一人の男性が言った……あの言葉は一体どういう意味だ?」
「あぁー、さっきローベルトが言った言葉ですね。あれは……」
「そのままの意味ですよ、スターリン閣下」
私の質問に平然と答える彼の言葉を遮るかのように、痩せ型の男……いや、ローベルトが筋肉質の男の横に座りながら、笑顔で会話に割り込んできた。
「えぇ、つまり、私達はあなたが本物のヨシフ・スターリンだということを把握しているんです」
グルジア語で言われた事をもう一度ロシア語言われただけだがやはり衝撃的だ。大体、なぜ知っているんだ?
プラウダが私のことを周りに言いふらすとは思えないからこそ、彼らが私のことを知っている理由が思い浮かばないのだが……理由を知りたければ彼らに直接聞くしか手はないな。もしかしたら、手の込んだ冗談かもしれないのだし。
「ふむ、なるほど…しかし、なぜそのことを知っているんだ?」
「それはですね…」
ローベルトが口を開いた。
「簡単な話ですよ、私達がスターリン閣下をこの世界に招いたからです」
「ほう、なるほど……ん? なるほど? ま、待て⁈」
ン? チョ、チョ、ナニヲイキヨウヨウトイッテルンダ? コノオトコハ?
私にはローベルトの軽いトーンで発せられた言葉の意味が理解できなかった。そして、私のあからさまに衝撃を受けた態度に、筋肉質の男がしどろもどろにローベルトの言葉を補足し始めた。
「あ、いや、そんな驚かないでください。別にオカルト的な方法とかじゃなくて、しっかりと現代の科学的な技術でこの世界にスターリン閣下を転生せたんです」
「あ、あぁ、は、はぁ、そう……か」
私は納得したようなしていないような曖昧で覇気のない返事を返した。だが、筋肉質の男の「現代の科学的な技術」という言葉に、またもや放心状態になろうとした私の意識を現実に引き戻されたのは事実だ。
危ない危ない。要するに、彼らは過去に死んだ人間を科学の力で現代に復活させたということか。とてもにわかには信じられない。だが、ある意味、以前プラウダとの会話で生まれた疑問への現実的な解答だと言えるのではないだろうか。
しかし、彼らが本当の事を喋っていると断定するには早すぎる。何か判断材料があれば話は別なんだが……。
「お客様、ホットコーヒーをお持ちしました」
喫茶店の女性店員がトレイの上にマグカップを三つ乗せて持ってきた。私達はそれを各々が受け取り、店員に礼を言った。
そして、私はそれを良いタイミングだと思い、ホットコーヒーを少し口にして話を切り出した。
「ふむ、君達の言い分は理解できた。だが、なにぶんこの性格なので、君達の話を易々と鵜呑みにはできないのだ。だから、今度は君達が誰なのかを教えてくれないかな?」
私は彼らの出方をうかがいながら、2つ目の質問を慎重に繰り出した。
「あっ、すいません。申し遅れました、私はローベルトと言う者でありまして、こっちはアレクセイ……」
「違うんだ、そうじゃない」
私はローベルトが筋肉質の男……アレクセイに向けた手を制止しながら言った。
「私が知りたいのは君達が属していると思われる組織、のことだ」
「あ、あぁ、えっと……それはですね……」
ローベルトは言葉を詰まらせ、気まずそうな感情を顔に出した。私はローベルトのもじもじとした態度を、不思議に思った。
なぜ躊躇する必要があるんだ? それがわからなければ、私が君達を信用しきれないと言うのに……。
だが、アレクセイがあたりをはばかる声で答えてくれた。
「連邦クラブです」
その言葉は雰囲気を瞬く間に変えた。
当然私はそれを容易に感じ取り、次に起こる出来事も予測できた。だからアレクセイからローベルトに視点をずらすと、私の考えどおりローベルトは眉間にシワを寄せながら人が変わったようにアレクセイに迫った。
「……っ、馬鹿っ、それは言ったら駄目だ」
「でも、スターリン閣下の信用を得るためには仕方のないことです。しかも、スターリン閣下はこの事を知るべきです」
「だとしても、奴らが盗聴でもしていたらどうする?」
「それは……まぁ、可能性の一つとしてありますが……」
「そうだろう、理解しているじゃないか」
「ですがその危……」
長くなりそうだな。私は心の中でそう呟いた。
しかもローベルトとアレクセイの言い合いを私は眺めているだけだが、話半分でしか彼らの言葉を聞いていない。なぜなら、アレクセイの言葉が頭に引っかかったままだからだ。それにしても、連邦クラブか。これはまた懐かしい名だな。
たしか1944年だったか、私の部下のジューコフから書類上ではシベリア送りにされたとされる人間を使って、秘密裏にコンピューターやマインドコントロール装置を研究している機関があるという話を聞いた。
それが連邦クラブなのだが、その後も私の側近から連邦クラブについての抽象的な話は稀に聞くものの、実際に確認したことはないしそもそも確認することができなかった。つまり、私ですらろくに実態を知らない組織ということなのだが、私が死んで60年経ったとはいえ、そんな組織を民間人が知っている訳がない。
とどのつまり、彼らの話は真実だ。少なくとも私にはそう思える。しかも、彼らの話を真実と仮定した方が、私が転生したという非現実的な話を信じるよりは幾らかましだ。
しかしながら、プラウダとグーグル先生によるとソビエト連邦は崩壊したはずなのだが、現政府が連邦クラブを引き継いだりしたのだろうか? そうだとしても、一体何のために私を転生させるなどと? まったく、謎が謎を呼ぶばかりだ。
私は思い切って、未だに言い合いを続けている二人に私を転生させた理由を尋ねてみた。
「二人とも落ち着いてくれ。それで三つ目の質問なんだが、なぜ私を転生させたんだ?」
私の質問を聞いた二人は、はたと言い合いをやめ、顔を見合わせた。
そして、お互い何も喋らずとも意見が固まったのか二人ともこちらに顔を向け、ローベルトが口火を切った。
「流石にこればかりは教えることはできませんよ」
ローベルトは言い切った。
そうは言われたものの、諦めれきれない私は比較的口が軽そうなアレクセイに顔を向け、目力で圧をかけた。
「うっ、い、いくらスターリン閣下にそんな目で見られてもこれは言えませんよ……」
「そうか、分かった」
私は少し気落ちした。
「すいませんねえ、誰にどこで何を聞かれているのかわからないので」
誰にどこで何を聞かれているのかわからない? 連邦クラブにはなんらかしらの敵対勢力でもあるのだろうか? 例えそうでも、私は何も恐れないがプラウダが巻き込まれないかが唯一の心配だな。
「なら、次の質問だ。どうして私を呼び止めたんだ?」
「あぁ、それはですね。私達の方で準備が整ったので、スターリン閣下をお迎えにあがった……おっと、すいません。スマホにメールが来たので失礼」
ローベルトはそう言って、ポケットから小型の機械をとりだした。
お迎えにあがったと今ローベルトが言ったが、こっちはこっちでユーチューブ活動などといろいろ画策しているため少し困るな。迎えにあがるならあがると事前に伝えてくれたらいいものを……まずはプラウダに事情を話さねばならんな。なにせ、彼には恩義があるのだから。
「なっ、嘘だろ。アレクセイ、これを読め!」
ローベルトがいきなり声を荒げて、アレクセイに小型の機械を乱暴に押し付けた。
「え? え? いきなり何、って! そんな馬鹿な!」
ローベルトは口に手を当て目を右左に動かしており、アレクセイはあたふたとしていた。
私も突然の事に体がびくっとしたが、とりあえず彼らの話を聞くことにした。
「どうしたんだね、二人とも」
「どうしたもこうしたもない、奴らに位置がバレてるんだ!」
「なぜか私達から発せられている信号を、受信している電波をキャッチしたというメールがありまして」
二人とも額に汗をかかせながら、怒涛の勢いで言葉を浴びせてきた。二人の顔から緊張がひしひしと伝わってくるので、よほどの緊急事態なのだと予測できるが私には共感することができない。
「くそっ、グズグズしていられない!私が支払いを済ませるので、アレクセイはスターリン閣下をTV局の前で待機しているバンへ!」
「了解です。ですが、スターリン閣下に奴らの事を伝えるべきでは?」
「一口では言えん。後にする」
そして、私達は一斉に(私は半ば強制的に)立ち上がり、「奴ら」から逃げることになったが、ふぅ、まぁ、そのなんだ。いろいろと焦っているようだが、
何が起きているのかさっぱり分からんな。
その際、客と右肩がぶつかってしまい、筋肉質の男が訝しげな表情をしたが、特に気にしなかった。私達は店内の右奥の四人席に向かい、席についた。
筋肉質の男が私に話しかけてくることはなく、店員にホットコーヒーを3杯頼み、もう一人男が来店することを伝えると、腕組みをしながら口を閉じた。
一方で私の方はというと、さっきのような混乱や驚きといった感情は和らいでおり、今は相手のことを分析しようと思考を張り巡らしている。彼らが何者なのか、なぜプラウダを帰らせたのか、なぜ私に近づいてきたのか等々。
恐らく、私が推測するにこれらの疑問を解消するためにまずすべき事は彼らが発した「あの言葉」の真意を知ることだろう。
「すまないがいろいろ質問したいことがある」
「はい、なんでしょう? スターリン閣下」
スターリン、閣下? 私は君の上官ではないのだが……まあ、今はそんなことはどうでもいいか。
私は少しばかり吃驚するも、話を続けた。
「まず、先程もう一人の男性が言った……あの言葉は一体どういう意味だ?」
「あぁー、さっきローベルトが言った言葉ですね。あれは……」
「そのままの意味ですよ、スターリン閣下」
私の質問に平然と答える彼の言葉を遮るかのように、痩せ型の男……いや、ローベルトが筋肉質の男の横に座りながら、笑顔で会話に割り込んできた。
「えぇ、つまり、私達はあなたが本物のヨシフ・スターリンだということを把握しているんです」
グルジア語で言われた事をもう一度ロシア語言われただけだがやはり衝撃的だ。大体、なぜ知っているんだ?
プラウダが私のことを周りに言いふらすとは思えないからこそ、彼らが私のことを知っている理由が思い浮かばないのだが……理由を知りたければ彼らに直接聞くしか手はないな。もしかしたら、手の込んだ冗談かもしれないのだし。
「ふむ、なるほど…しかし、なぜそのことを知っているんだ?」
「それはですね…」
ローベルトが口を開いた。
「簡単な話ですよ、私達がスターリン閣下をこの世界に招いたからです」
「ほう、なるほど……ん? なるほど? ま、待て⁈」
ン? チョ、チョ、ナニヲイキヨウヨウトイッテルンダ? コノオトコハ?
私にはローベルトの軽いトーンで発せられた言葉の意味が理解できなかった。そして、私のあからさまに衝撃を受けた態度に、筋肉質の男がしどろもどろにローベルトの言葉を補足し始めた。
「あ、いや、そんな驚かないでください。別にオカルト的な方法とかじゃなくて、しっかりと現代の科学的な技術でこの世界にスターリン閣下を転生せたんです」
「あ、あぁ、は、はぁ、そう……か」
私は納得したようなしていないような曖昧で覇気のない返事を返した。だが、筋肉質の男の「現代の科学的な技術」という言葉に、またもや放心状態になろうとした私の意識を現実に引き戻されたのは事実だ。
危ない危ない。要するに、彼らは過去に死んだ人間を科学の力で現代に復活させたということか。とてもにわかには信じられない。だが、ある意味、以前プラウダとの会話で生まれた疑問への現実的な解答だと言えるのではないだろうか。
しかし、彼らが本当の事を喋っていると断定するには早すぎる。何か判断材料があれば話は別なんだが……。
「お客様、ホットコーヒーをお持ちしました」
喫茶店の女性店員がトレイの上にマグカップを三つ乗せて持ってきた。私達はそれを各々が受け取り、店員に礼を言った。
そして、私はそれを良いタイミングだと思い、ホットコーヒーを少し口にして話を切り出した。
「ふむ、君達の言い分は理解できた。だが、なにぶんこの性格なので、君達の話を易々と鵜呑みにはできないのだ。だから、今度は君達が誰なのかを教えてくれないかな?」
私は彼らの出方をうかがいながら、2つ目の質問を慎重に繰り出した。
「あっ、すいません。申し遅れました、私はローベルトと言う者でありまして、こっちはアレクセイ……」
「違うんだ、そうじゃない」
私はローベルトが筋肉質の男……アレクセイに向けた手を制止しながら言った。
「私が知りたいのは君達が属していると思われる組織、のことだ」
「あ、あぁ、えっと……それはですね……」
ローベルトは言葉を詰まらせ、気まずそうな感情を顔に出した。私はローベルトのもじもじとした態度を、不思議に思った。
なぜ躊躇する必要があるんだ? それがわからなければ、私が君達を信用しきれないと言うのに……。
だが、アレクセイがあたりをはばかる声で答えてくれた。
「連邦クラブです」
その言葉は雰囲気を瞬く間に変えた。
当然私はそれを容易に感じ取り、次に起こる出来事も予測できた。だからアレクセイからローベルトに視点をずらすと、私の考えどおりローベルトは眉間にシワを寄せながら人が変わったようにアレクセイに迫った。
「……っ、馬鹿っ、それは言ったら駄目だ」
「でも、スターリン閣下の信用を得るためには仕方のないことです。しかも、スターリン閣下はこの事を知るべきです」
「だとしても、奴らが盗聴でもしていたらどうする?」
「それは……まぁ、可能性の一つとしてありますが……」
「そうだろう、理解しているじゃないか」
「ですがその危……」
長くなりそうだな。私は心の中でそう呟いた。
しかもローベルトとアレクセイの言い合いを私は眺めているだけだが、話半分でしか彼らの言葉を聞いていない。なぜなら、アレクセイの言葉が頭に引っかかったままだからだ。それにしても、連邦クラブか。これはまた懐かしい名だな。
たしか1944年だったか、私の部下のジューコフから書類上ではシベリア送りにされたとされる人間を使って、秘密裏にコンピューターやマインドコントロール装置を研究している機関があるという話を聞いた。
それが連邦クラブなのだが、その後も私の側近から連邦クラブについての抽象的な話は稀に聞くものの、実際に確認したことはないしそもそも確認することができなかった。つまり、私ですらろくに実態を知らない組織ということなのだが、私が死んで60年経ったとはいえ、そんな組織を民間人が知っている訳がない。
とどのつまり、彼らの話は真実だ。少なくとも私にはそう思える。しかも、彼らの話を真実と仮定した方が、私が転生したという非現実的な話を信じるよりは幾らかましだ。
しかしながら、プラウダとグーグル先生によるとソビエト連邦は崩壊したはずなのだが、現政府が連邦クラブを引き継いだりしたのだろうか? そうだとしても、一体何のために私を転生させるなどと? まったく、謎が謎を呼ぶばかりだ。
私は思い切って、未だに言い合いを続けている二人に私を転生させた理由を尋ねてみた。
「二人とも落ち着いてくれ。それで三つ目の質問なんだが、なぜ私を転生させたんだ?」
私の質問を聞いた二人は、はたと言い合いをやめ、顔を見合わせた。
そして、お互い何も喋らずとも意見が固まったのか二人ともこちらに顔を向け、ローベルトが口火を切った。
「流石にこればかりは教えることはできませんよ」
ローベルトは言い切った。
そうは言われたものの、諦めれきれない私は比較的口が軽そうなアレクセイに顔を向け、目力で圧をかけた。
「うっ、い、いくらスターリン閣下にそんな目で見られてもこれは言えませんよ……」
「そうか、分かった」
私は少し気落ちした。
「すいませんねえ、誰にどこで何を聞かれているのかわからないので」
誰にどこで何を聞かれているのかわからない? 連邦クラブにはなんらかしらの敵対勢力でもあるのだろうか? 例えそうでも、私は何も恐れないがプラウダが巻き込まれないかが唯一の心配だな。
「なら、次の質問だ。どうして私を呼び止めたんだ?」
「あぁ、それはですね。私達の方で準備が整ったので、スターリン閣下をお迎えにあがった……おっと、すいません。スマホにメールが来たので失礼」
ローベルトはそう言って、ポケットから小型の機械をとりだした。
お迎えにあがったと今ローベルトが言ったが、こっちはこっちでユーチューブ活動などといろいろ画策しているため少し困るな。迎えにあがるならあがると事前に伝えてくれたらいいものを……まずはプラウダに事情を話さねばならんな。なにせ、彼には恩義があるのだから。
「なっ、嘘だろ。アレクセイ、これを読め!」
ローベルトがいきなり声を荒げて、アレクセイに小型の機械を乱暴に押し付けた。
「え? え? いきなり何、って! そんな馬鹿な!」
ローベルトは口に手を当て目を右左に動かしており、アレクセイはあたふたとしていた。
私も突然の事に体がびくっとしたが、とりあえず彼らの話を聞くことにした。
「どうしたんだね、二人とも」
「どうしたもこうしたもない、奴らに位置がバレてるんだ!」
「なぜか私達から発せられている信号を、受信している電波をキャッチしたというメールがありまして」
二人とも額に汗をかかせながら、怒涛の勢いで言葉を浴びせてきた。二人の顔から緊張がひしひしと伝わってくるので、よほどの緊急事態なのだと予測できるが私には共感することができない。
「くそっ、グズグズしていられない!私が支払いを済ませるので、アレクセイはスターリン閣下をTV局の前で待機しているバンへ!」
「了解です。ですが、スターリン閣下に奴らの事を伝えるべきでは?」
「一口では言えん。後にする」
そして、私達は一斉に(私は半ば強制的に)立ち上がり、「奴ら」から逃げることになったが、ふぅ、まぁ、そのなんだ。いろいろと焦っているようだが、
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