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第十八章
第七話 言い訳に聞こえるかもしれないが、俺はロリコンではないからな
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~シロウ視点~
俺はミーリアの前から去ろうとすると、彼女がいきなり腕に抱きついてくる。
その瞬間、成長途中の胸が当たり、一瞬ドキッとしてしまった。
びっくりした。まだ俺を女王メイのところに連れて行くことを諦めていないのかよ。
「ミーリア、俺のことは諦めてくれ。女王メイのところに行く気はない」
「ち、違うの。これは身体が勝手に動いたと言うか、気付いたらこうなっていて」
ミーリアのやつ、もしかして洗脳的なことをされているのか? いや、よく考えたらその可能性はないな。もし、身体的、精神的に操られているのなら、先ほど透視魔法を使った際に気づくはずだ。
つまり、これは彼女の心の奥底に眠る感情から起きた行動だ。
ミーリアは責任感の強い子だな。きっと使者として交渉に失敗したら、女王メイが悲しむと思っているのだろう。子供は純粋だからな。
「わたし、シロウお兄ちゃんから離れたくない」
うーん、困ったな。俺を拘束しておきたいみたいだ。どうにかして俺の考えを改めさせるチャンスを、必死に作ろうとしている。
まったく、女王メイは何を考えているんだよ。こんなに小さい子どもを、使者として遣わせるなんて。
「一緒にいちゃダメ?」
ミーリアは上目遣いで俺を見る。目尻には涙が溜まり、今にも溢れ落ちそうだ。
少女の上目遣いでの涙とか、威力が高すぎるだろう! 俺、女性の涙には弱いのに、少女というだけで威力が倍増される!
くそう。俺には拒否できない。ミーリアのお願いを断れば、彼女は悲しむ。
ここは鉄の意志を貫くしかない。絶対にミーリアのおねだりには屈しないからな。
「分かった。一緒に居たいのなら、しばらく着いて来てもいい。だけど暗くなる前には帰るんだぞ」
「はーい!」
うん、元気のいい返事だ。きっとあの変態に絡まれていたことなんて忘れているだろうな。
それにしても、背後から感じる威圧が気になって仕方がない。
後方をチラリと見ると、二体のバーサーカーが俺に視線を向けていた。
まぁ、あのバーサーカーたちは、ミーリアの護衛のようなものだろうから、付いてくるのは仕方がない。だけど殺気が強すぎて、背後から狙われてもおかしくない状況だ。
だけどまぁ、背後から攻撃されても簡単に避けられるのだけどね。
そんなことよりも、今は戦争を回避する方法を考えるのが先だ。もちろん、俺が女王メイのところに行かないことを前提にしてだ。
「お、シロウさんじゃないか。どうだい? ソフトンアイスを買っていかないかい? これから午後になって気温はどんどん高くなる。今の内に身体を冷やしておいたほうがいいんじゃないか?」
道を歩いていると、ソフトンアイスを販売しているオッサンが声をかけてきた。俺は知らないが、彼は俺を知っているらしい。まぁ、この町では俺は英雄扱いされているからな。知らない人のほうが少ないか。
「ア、アイス!」
ミーリアがソフトンアイスの看板を凝視していた。
ソフトンアイスを食べたそうにしているな。オッサンの言うとおり、このあとも気温が上がりそうだし、買っておくか。
「オッサン、二つくれ」
「ありがとう! スペシャルバージョンでいいよな?」
「ああ、それで頼む」
「ありがとう。さすが英雄シロウ様は太っ腹だな」
いや、選択肢を与えなかったのはお前の方じゃないか。こいつ、俺が金を持っているから、一番高いものを買わせやがって。まぁ、それでもソフトンアイスだから安いのだけどな。
ソフトンアイスの代金を払い、片方をミーリアに渡す。
「はい。どうぞ」
「え! いいの! アイスって超高級な食べ物でしょう! 一生に一度食べられたら奇跡って言われるほどの」
いや、いや、いや。アイスは普通に庶民だって食べられるぞ。この子、何か間違った情報を教わっていないか?
「ほら、早く食べないと溶けてしまうぞ。あそこのベンチに座ろう」
「うん!」
ベンチに座ってソフトンアイスを食べるように促す。するとミーリアは、目を輝かせながらベンチに座り、アイスを嘗め始める。
普段から食べ慣れていないからか、ミーリアの口周りにクリームが付いている。
「あ、溶けたアイスが服に着いちゃった」
服や顔に白いクリームがついたミーリアを見ると、なぜか背徳感を覚えてしまった。
今日の俺はどうかしている。これじゃあまるでロリコンじゃないか。俺はロリコンなんかじゃないからな!
頭の中から煩悩を追い出すと、ポケットからハンカチを取り出す。そして彼女の服や顔に付いたクリームを拭く。
これでよし。早く食べないと、俺のソフトンアイスまで溶けてしまうな。
なるべく早く食べるが、がっつかないように気を付ける。
アイスなどの冷たいものを急いで食べると、舌が冷やされているのに頭が痛いと錯覚する、アイスクリーム頭痛と呼ばれる現象が起きる。
頭痛を引き起こさないように気をつけつつ、ソフトンアイスを食べ切った。
「シロウお兄ちゃん、ほっぺたにクリームが付いているよ」
マジか。この年になってそんなところにクリームをつけてしまうとは。
ポケットからハンカチを取ろうとすると、ミーリアが手を伸ばして俺の頬に付いたクリームを指で拭う。
「もったいない」
ミーリアは俺の頬から取ったクリームを嘗め、チュパチュパと音を立てる。
「美味しい」
無自覚だけに、なんとも言えないエロさを感じる。
まったく、なんて破壊力なんだよ。こんな姿をロリコンどもが見たら、大変なことになりそうだ。
そんなことを思っていると、建物の影から放たれている殺気が一段と強さを増した。
もしかしてバーサーカーたちも、ソフトンアイスを食べたかったのか? お前たちばっかり冷たいものを食べてずるいと思ったのかもしれないな。
一応訊いてみるとするか。
俺はバーサーカーに近づくと、二体に声をかける。
「なぁ、もしかしてお前たちもソフトンアイスが食べたいのか?」
『ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!』
『がああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
訊ねてみると、二体は声を荒げながら、全力で首を左右に振る。
どうやら違ったようだ。だったらなんで、殺気を強めたのだろう。
近づいても攻撃しようとしないところを見ると、俺を倒そうとする意思はないみたいだ。
だけどなんで、こいつらは俺に殺気を放ってくるんだ?
俺はミーリアの前から去ろうとすると、彼女がいきなり腕に抱きついてくる。
その瞬間、成長途中の胸が当たり、一瞬ドキッとしてしまった。
びっくりした。まだ俺を女王メイのところに連れて行くことを諦めていないのかよ。
「ミーリア、俺のことは諦めてくれ。女王メイのところに行く気はない」
「ち、違うの。これは身体が勝手に動いたと言うか、気付いたらこうなっていて」
ミーリアのやつ、もしかして洗脳的なことをされているのか? いや、よく考えたらその可能性はないな。もし、身体的、精神的に操られているのなら、先ほど透視魔法を使った際に気づくはずだ。
つまり、これは彼女の心の奥底に眠る感情から起きた行動だ。
ミーリアは責任感の強い子だな。きっと使者として交渉に失敗したら、女王メイが悲しむと思っているのだろう。子供は純粋だからな。
「わたし、シロウお兄ちゃんから離れたくない」
うーん、困ったな。俺を拘束しておきたいみたいだ。どうにかして俺の考えを改めさせるチャンスを、必死に作ろうとしている。
まったく、女王メイは何を考えているんだよ。こんなに小さい子どもを、使者として遣わせるなんて。
「一緒にいちゃダメ?」
ミーリアは上目遣いで俺を見る。目尻には涙が溜まり、今にも溢れ落ちそうだ。
少女の上目遣いでの涙とか、威力が高すぎるだろう! 俺、女性の涙には弱いのに、少女というだけで威力が倍増される!
くそう。俺には拒否できない。ミーリアのお願いを断れば、彼女は悲しむ。
ここは鉄の意志を貫くしかない。絶対にミーリアのおねだりには屈しないからな。
「分かった。一緒に居たいのなら、しばらく着いて来てもいい。だけど暗くなる前には帰るんだぞ」
「はーい!」
うん、元気のいい返事だ。きっとあの変態に絡まれていたことなんて忘れているだろうな。
それにしても、背後から感じる威圧が気になって仕方がない。
後方をチラリと見ると、二体のバーサーカーが俺に視線を向けていた。
まぁ、あのバーサーカーたちは、ミーリアの護衛のようなものだろうから、付いてくるのは仕方がない。だけど殺気が強すぎて、背後から狙われてもおかしくない状況だ。
だけどまぁ、背後から攻撃されても簡単に避けられるのだけどね。
そんなことよりも、今は戦争を回避する方法を考えるのが先だ。もちろん、俺が女王メイのところに行かないことを前提にしてだ。
「お、シロウさんじゃないか。どうだい? ソフトンアイスを買っていかないかい? これから午後になって気温はどんどん高くなる。今の内に身体を冷やしておいたほうがいいんじゃないか?」
道を歩いていると、ソフトンアイスを販売しているオッサンが声をかけてきた。俺は知らないが、彼は俺を知っているらしい。まぁ、この町では俺は英雄扱いされているからな。知らない人のほうが少ないか。
「ア、アイス!」
ミーリアがソフトンアイスの看板を凝視していた。
ソフトンアイスを食べたそうにしているな。オッサンの言うとおり、このあとも気温が上がりそうだし、買っておくか。
「オッサン、二つくれ」
「ありがとう! スペシャルバージョンでいいよな?」
「ああ、それで頼む」
「ありがとう。さすが英雄シロウ様は太っ腹だな」
いや、選択肢を与えなかったのはお前の方じゃないか。こいつ、俺が金を持っているから、一番高いものを買わせやがって。まぁ、それでもソフトンアイスだから安いのだけどな。
ソフトンアイスの代金を払い、片方をミーリアに渡す。
「はい。どうぞ」
「え! いいの! アイスって超高級な食べ物でしょう! 一生に一度食べられたら奇跡って言われるほどの」
いや、いや、いや。アイスは普通に庶民だって食べられるぞ。この子、何か間違った情報を教わっていないか?
「ほら、早く食べないと溶けてしまうぞ。あそこのベンチに座ろう」
「うん!」
ベンチに座ってソフトンアイスを食べるように促す。するとミーリアは、目を輝かせながらベンチに座り、アイスを嘗め始める。
普段から食べ慣れていないからか、ミーリアの口周りにクリームが付いている。
「あ、溶けたアイスが服に着いちゃった」
服や顔に白いクリームがついたミーリアを見ると、なぜか背徳感を覚えてしまった。
今日の俺はどうかしている。これじゃあまるでロリコンじゃないか。俺はロリコンなんかじゃないからな!
頭の中から煩悩を追い出すと、ポケットからハンカチを取り出す。そして彼女の服や顔に付いたクリームを拭く。
これでよし。早く食べないと、俺のソフトンアイスまで溶けてしまうな。
なるべく早く食べるが、がっつかないように気を付ける。
アイスなどの冷たいものを急いで食べると、舌が冷やされているのに頭が痛いと錯覚する、アイスクリーム頭痛と呼ばれる現象が起きる。
頭痛を引き起こさないように気をつけつつ、ソフトンアイスを食べ切った。
「シロウお兄ちゃん、ほっぺたにクリームが付いているよ」
マジか。この年になってそんなところにクリームをつけてしまうとは。
ポケットからハンカチを取ろうとすると、ミーリアが手を伸ばして俺の頬に付いたクリームを指で拭う。
「もったいない」
ミーリアは俺の頬から取ったクリームを嘗め、チュパチュパと音を立てる。
「美味しい」
無自覚だけに、なんとも言えないエロさを感じる。
まったく、なんて破壊力なんだよ。こんな姿をロリコンどもが見たら、大変なことになりそうだ。
そんなことを思っていると、建物の影から放たれている殺気が一段と強さを増した。
もしかしてバーサーカーたちも、ソフトンアイスを食べたかったのか? お前たちばっかり冷たいものを食べてずるいと思ったのかもしれないな。
一応訊いてみるとするか。
俺はバーサーカーに近づくと、二体に声をかける。
「なぁ、もしかしてお前たちもソフトンアイスが食べたいのか?」
『ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!』
『がああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
訊ねてみると、二体は声を荒げながら、全力で首を左右に振る。
どうやら違ったようだ。だったらなんで、殺気を強めたのだろう。
近づいても攻撃しようとしないところを見ると、俺を倒そうとする意思はないみたいだ。
だけどなんで、こいつらは俺に殺気を放ってくるんだ?
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