124 / 191
第十四章
第一話 ケモノ族の町
しおりを挟む
トーマンとの決着が付いた俺たちは、ようやくケモノ族の町に向かうことができた。
「ようやくこの町から離れることができるな」
「あの男のせいで、かなりの時間を費やされましたわ」
「でも、これでケモノ族の町に向かうことができるね!」
「何も起きない内に先に進もう。ガーベラが倒されたことは、既に知らされているかもしれない」
「ミラーカさんの言うとおりですわ。その可能性は十分にあります」
『ワン、ワン』
トーマンと出会った町を離れ、森の中を歩く。
森を出るまで数日かかってしまったが、俺たちはようやく目的地に辿り着くことができた。
「あそこがケモノ族の町か」
「何だか変わっていますわね。外壁の代わりに柵で囲っているなんて」
「建物も違うね。家の屋根に使われているのって藁かな?」
マリーとクロエが感想を口にする中、俺たちは入り口に向かう。
「そこのお前たち止まれ!」
「まさかあの男の仲間たちか!」
入り口に近づくと、耳と尻尾が生えた門番が槍の先端を向けてくる。
まさか、近づいただけで警戒されるとはな。この感じからすると、俺たちが来る前に何かがあったのだろう。
町に着いた途端に、トラブルに巻き込まれるのは嫌だなぁ。ここはちゃんと説明をして、俺たちはケモノ族に危害を与えるような人物ではないことを理解してもらうか。
「待ってくれ。俺たちはここの街に伝わる水晶について――」
「水晶だと!」
「やっぱりあの男の手先か! ピー!」
ケモノ族の男が口笛を吹いた瞬間、町の中から武装したケモノ族たちが走ってくる。
おい、おい、どうしてこうなってしまうんだよ。俺は話しを聞こうとしただけじゃないか。
彼らは殺気立っている。確実に俺たちを倒そうとしているから、まともに話しを聞いてくれないだろうな。
仕方がない。ここは彼らを無力化するか。変に攻撃をして関係を悪化させるわけにはいかないからな。
「マリーたちは何もするな。ここは俺に任せてくれ。スリープ」
武装しているケモノ族たちに睡眠魔法を唱える。脳に睡眠物質を溜められた彼らは、自分の意思とは関係なく眠りに陥る。
「一瞬で仲間たちがやられた!」
一応半分ほどの人数を眠らせるだけに留める。
さすがに全員を眠らせてしまったら、冷静に話し合うことができないからな。
「これでわかっただろう。俺たちを捕らえることはできない」
「くそう。ここまでか」
「巫女様、申し訳ありません」
巫女様?
「この騒ぎはいったい何なのですか?」
「急に警戒の口笛が聞こえて、心配になって駆けつけてきましたが」
町の奥から、着物姿のケモノ族の女性が入り口前までやってきた。
双子か? 容姿も長い髪も二人とも見た目が全く同じだ。違いがあるとすれば髪の色くらいだな。一人は赤色で、もう一人は白銀だ。
「巫女様!」
兵士の一人が、現れた双子に巫女と言う。
彼女のどちらかが巫女なのだろう。
「申し訳ありません。我々の力不足で、あの男の仲間を捕らえることができませんでした」
「あの男の仲間?」
双子の女性が俺に視線を向ける。
「あなたたちの目は節穴ですか? ちゃんと見なさい。男性が抱き抱えているのは神獣様ではないですか。神獣様が心を許しているお方が、ワタクシたちの守っている宝玉を奪おうとする悪党の仲間のはずがないではないですか」
「スカーヤの言うとおりですよ。警戒して気が立っているのはわかりますが、ちゃんと広い視野を持って観察しなければなりません」
兵士たちを叱ると、双子は俺たちの前に来た。
「町の者が失礼を致しました。ワタクシ、この町で巫女をしておりますスカーヤと申します」
「同じく巫女のコヤンです。ご迷惑をお掛けしたお詫びをさせてください」
お詫びをしたいと言われ、俺はマリーたちと顔を見合わせる。
厄介ごとに巻き込まれるのは確実だろう。だけど、町民の雰囲気からしてここであっているはずだ。ならば、乗らない手はないよな。
「わかりました。では、お言葉に甘えさせてもらいます」
「よかったです。では、案内しますので、ワタクシたちに着いて来てください」
双子の巫女が踵を返して歩き出し、俺たちも彼女の後ろを歩く。
「見て! あっちこっちにキャッツの銅像が置かれている!」
町中に置かれてあるキャッツの銅像を見て、クロエが驚く。
「あのう、スカーヤさんがキャッツを見て神獣と言っていましたが」
「ええ、その方はこの町の守り神と言われている神獣なのです。『世界に大厄災が起きるとき、天から救いの獣が現れる』と言い伝えられております。なので神獣様の銅像を各家庭に置くことで、魔除けの効果を発揮しているのです」
「お前、そんなに凄い存在だったのか!」
『ワーウン?』
俺の問いに、キャッツは首を傾げる。
無自覚なのか。
ケモノ族の町を歩いていると、他の家とは作りが違う建物に辿り着く。
「ここは社です。神様を祀っているところです」
「わたくしたちの家はここの裏にあります」
社を通り過ぎ、その裏にある建物に俺たちは向かう。
中に入ると広めの部屋に案内された。
「こちらでお寛ぎください」
「すぐに戻って来ますので」
俺たちを部屋に案内した双子の巫女は、部屋から離れるとどこかに向かう。
「とりあえず、言われたとおりに寛ぐとするか」
「でも、どこにも椅子がありませんわ」
マリーが辺りを見渡すも、椅子のようなものはどこにもなかった。
「あれって何かな?」
今度はクロエが部屋の隅に置かれてある正方形の物体を指差す。
「どれどれ、中には綿のようなものが入っているみたいだね。おそらくこれに座れってことなのではないのか?」
ミラーカが正方形の物体を触り、座るものではないのかと言ってくる。
「ミラーカ、俺にも一つ取ってくれ」
「なら、今私が持っているものを渡そう」
ミラーカから正方形の物体を受け取り触ってみる。
確かに柔らかいな。これなら尻に敷いても大丈夫そうだ。
適当な場所に正方形の物体を置き、その上に座ってみる。
うん。座っていても全然痛くない。これなら床の上に座っても大丈夫だな。
「多分、これが椅子代わりなのだろうな。みんなも自分の分を取って座ってくれ」
彼女たちにも正方形の上に座るように言い、双子の巫女たちが戻ってくるのを待つ。
「シロウさん、シロウさん」
「うん? どうかしたか」
「聞きたいのですが、巫女ってなんですか?」
クロエが巫女とはなんなのかと訊ねてきた。
「俺たちの住む大陸とは文化が違うから、分からないよな。そうだなぁ、シスターが一番近いかもな」
「なるほど、それなら、社と言うのは教会のようなものですか?」
「教会とはまた少し違うけど、イメージ的にはそんな感じでいいんじゃないかな?」
「お待たせしました」
クロエに巫女と社のことについて説明していると、スカーヤさんとコヤンさんが戻ってきた。
彼女達は着替えており、着物から巫女服になっていた。
「それでは、どのようなご用件でケモノ族の町に来たのかを話してもらいましょうか」
「はい。実は――」
「ようやくこの町から離れることができるな」
「あの男のせいで、かなりの時間を費やされましたわ」
「でも、これでケモノ族の町に向かうことができるね!」
「何も起きない内に先に進もう。ガーベラが倒されたことは、既に知らされているかもしれない」
「ミラーカさんの言うとおりですわ。その可能性は十分にあります」
『ワン、ワン』
トーマンと出会った町を離れ、森の中を歩く。
森を出るまで数日かかってしまったが、俺たちはようやく目的地に辿り着くことができた。
「あそこがケモノ族の町か」
「何だか変わっていますわね。外壁の代わりに柵で囲っているなんて」
「建物も違うね。家の屋根に使われているのって藁かな?」
マリーとクロエが感想を口にする中、俺たちは入り口に向かう。
「そこのお前たち止まれ!」
「まさかあの男の仲間たちか!」
入り口に近づくと、耳と尻尾が生えた門番が槍の先端を向けてくる。
まさか、近づいただけで警戒されるとはな。この感じからすると、俺たちが来る前に何かがあったのだろう。
町に着いた途端に、トラブルに巻き込まれるのは嫌だなぁ。ここはちゃんと説明をして、俺たちはケモノ族に危害を与えるような人物ではないことを理解してもらうか。
「待ってくれ。俺たちはここの街に伝わる水晶について――」
「水晶だと!」
「やっぱりあの男の手先か! ピー!」
ケモノ族の男が口笛を吹いた瞬間、町の中から武装したケモノ族たちが走ってくる。
おい、おい、どうしてこうなってしまうんだよ。俺は話しを聞こうとしただけじゃないか。
彼らは殺気立っている。確実に俺たちを倒そうとしているから、まともに話しを聞いてくれないだろうな。
仕方がない。ここは彼らを無力化するか。変に攻撃をして関係を悪化させるわけにはいかないからな。
「マリーたちは何もするな。ここは俺に任せてくれ。スリープ」
武装しているケモノ族たちに睡眠魔法を唱える。脳に睡眠物質を溜められた彼らは、自分の意思とは関係なく眠りに陥る。
「一瞬で仲間たちがやられた!」
一応半分ほどの人数を眠らせるだけに留める。
さすがに全員を眠らせてしまったら、冷静に話し合うことができないからな。
「これでわかっただろう。俺たちを捕らえることはできない」
「くそう。ここまでか」
「巫女様、申し訳ありません」
巫女様?
「この騒ぎはいったい何なのですか?」
「急に警戒の口笛が聞こえて、心配になって駆けつけてきましたが」
町の奥から、着物姿のケモノ族の女性が入り口前までやってきた。
双子か? 容姿も長い髪も二人とも見た目が全く同じだ。違いがあるとすれば髪の色くらいだな。一人は赤色で、もう一人は白銀だ。
「巫女様!」
兵士の一人が、現れた双子に巫女と言う。
彼女のどちらかが巫女なのだろう。
「申し訳ありません。我々の力不足で、あの男の仲間を捕らえることができませんでした」
「あの男の仲間?」
双子の女性が俺に視線を向ける。
「あなたたちの目は節穴ですか? ちゃんと見なさい。男性が抱き抱えているのは神獣様ではないですか。神獣様が心を許しているお方が、ワタクシたちの守っている宝玉を奪おうとする悪党の仲間のはずがないではないですか」
「スカーヤの言うとおりですよ。警戒して気が立っているのはわかりますが、ちゃんと広い視野を持って観察しなければなりません」
兵士たちを叱ると、双子は俺たちの前に来た。
「町の者が失礼を致しました。ワタクシ、この町で巫女をしておりますスカーヤと申します」
「同じく巫女のコヤンです。ご迷惑をお掛けしたお詫びをさせてください」
お詫びをしたいと言われ、俺はマリーたちと顔を見合わせる。
厄介ごとに巻き込まれるのは確実だろう。だけど、町民の雰囲気からしてここであっているはずだ。ならば、乗らない手はないよな。
「わかりました。では、お言葉に甘えさせてもらいます」
「よかったです。では、案内しますので、ワタクシたちに着いて来てください」
双子の巫女が踵を返して歩き出し、俺たちも彼女の後ろを歩く。
「見て! あっちこっちにキャッツの銅像が置かれている!」
町中に置かれてあるキャッツの銅像を見て、クロエが驚く。
「あのう、スカーヤさんがキャッツを見て神獣と言っていましたが」
「ええ、その方はこの町の守り神と言われている神獣なのです。『世界に大厄災が起きるとき、天から救いの獣が現れる』と言い伝えられております。なので神獣様の銅像を各家庭に置くことで、魔除けの効果を発揮しているのです」
「お前、そんなに凄い存在だったのか!」
『ワーウン?』
俺の問いに、キャッツは首を傾げる。
無自覚なのか。
ケモノ族の町を歩いていると、他の家とは作りが違う建物に辿り着く。
「ここは社です。神様を祀っているところです」
「わたくしたちの家はここの裏にあります」
社を通り過ぎ、その裏にある建物に俺たちは向かう。
中に入ると広めの部屋に案内された。
「こちらでお寛ぎください」
「すぐに戻って来ますので」
俺たちを部屋に案内した双子の巫女は、部屋から離れるとどこかに向かう。
「とりあえず、言われたとおりに寛ぐとするか」
「でも、どこにも椅子がありませんわ」
マリーが辺りを見渡すも、椅子のようなものはどこにもなかった。
「あれって何かな?」
今度はクロエが部屋の隅に置かれてある正方形の物体を指差す。
「どれどれ、中には綿のようなものが入っているみたいだね。おそらくこれに座れってことなのではないのか?」
ミラーカが正方形の物体を触り、座るものではないのかと言ってくる。
「ミラーカ、俺にも一つ取ってくれ」
「なら、今私が持っているものを渡そう」
ミラーカから正方形の物体を受け取り触ってみる。
確かに柔らかいな。これなら尻に敷いても大丈夫そうだ。
適当な場所に正方形の物体を置き、その上に座ってみる。
うん。座っていても全然痛くない。これなら床の上に座っても大丈夫だな。
「多分、これが椅子代わりなのだろうな。みんなも自分の分を取って座ってくれ」
彼女たちにも正方形の上に座るように言い、双子の巫女たちが戻ってくるのを待つ。
「シロウさん、シロウさん」
「うん? どうかしたか」
「聞きたいのですが、巫女ってなんですか?」
クロエが巫女とはなんなのかと訊ねてきた。
「俺たちの住む大陸とは文化が違うから、分からないよな。そうだなぁ、シスターが一番近いかもな」
「なるほど、それなら、社と言うのは教会のようなものですか?」
「教会とはまた少し違うけど、イメージ的にはそんな感じでいいんじゃないかな?」
「お待たせしました」
クロエに巫女と社のことについて説明していると、スカーヤさんとコヤンさんが戻ってきた。
彼女達は着替えており、着物から巫女服になっていた。
「それでは、どのようなご用件でケモノ族の町に来たのかを話してもらいましょうか」
「はい。実は――」
10
お気に入りに追加
1,768
あなたにおすすめの小説
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり
柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日――
東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。
中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。
彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。
無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。
政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。
「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」
ただ、一人を除いて――
これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、
たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
元剣聖のスケルトンが追放された最弱美少女テイマーのテイムモンスターになって成り上がる
ゆる弥
ファンタジー
転生した体はなんと骨だった。
モンスターに転生してしまった俺は、たまたま助けたテイマーにテイムされる。
実は前世が剣聖の俺。
剣を持てば最強だ。
最弱テイマーにテイムされた最強のスケルトンとの成り上がり物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる