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42 常識改変

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「ヒ、ヒヒッ……こいつがあれば俺も……」

 薄暗い部屋で汚い笑みを浮かべる一人の男がいた。
 埃に塗れた白衣を着ており、もう長いことまともな生活を送っていないことは明白だ。

「よし、さ……早速使ってやる……!」

 男はそう言って気色の悪い笑みを浮かべたまま部屋を飛び出したのだった。




「……はっ!?」

 小愛が目を覚ますと、そこは薄暗い部屋の中だった。
 
「あれ、どうしてこんなところに……」

 自分の足でここまでやって来た訳では無い。彼女の記憶はそう語っていた。

「く、くくく……目が覚めたカナ?」
「貴方は……?」

 小愛の目の前に姿を現したのは薄汚い白衣を来た男だった。
 
「俺のことはどうだって良いんダヨ。それより気分はどうカナ。逃げ出さないようにキツク縛っちゃったけど痛くはナイ?」

 男にそう言われ小愛は自身の手足に目を向ける。
 そこには縄に縛られ身動きが取れないようにさせられた自身の手足があった。

「でも大丈夫ダヨ。すぐにその必要は無くなるからネ」
「それはどういう意味……ぁ……ぅぁ……」

 男の言葉に対して聞き返そうとした小愛だったが、突然うわ言のように声を漏らし始めた。

「効果が出たみたいダネ。それならもう縄は必要は無いカナ」

 男はそう言って小愛を縛っていた縄を外す。
 普通であれば小愛はその瞬間逃げ出すなり攻撃するなりするだろう。
 しかしそうはならなかった。

「……?」

 小愛は何をするでもなく、そのまま男を見つめているのだ。

「ヒ、ヒヒッ……常識改変魔法……上手くいっているようダネ」

 そう、男が縄を外した理由。そして小愛の様子がおかしくなった理由。それらは全てこの男が魔法によって小愛の常識を改変したからだった。

「『俺とは古くからの友人であり、今日は俺が呼んだからやってきた』……そう認識させるのには成功しているようダネ。それなら次は……」

 男が魔法の術式を構築し小愛に向けて発動させると、彼女は服を脱ぎ始めた。

「おぉ……」

 男は服を脱いでいく小愛をまじまじと見つめながら感嘆の声を漏らす。
 そうして小愛は圧倒間に下着姿となったのだった。

「イイ……イイネ……凄くイイヨ」

 息を荒くした男はそう言って小愛の体に触れようとする。
 すると小愛は男の手から逃げた。

「あの、何を……?」
「そうだっタネ。まだ『親しい人の家では服を脱ぐのが常識』ってところまでしか変えて無かっタヨ。いけないいけない、俺としたことが危うく魔法を無駄にしちゃう所だった」

 小愛に拒絶されたことで男はそこで動きを止める。
 というのも、彼が開発したこの魔法は強力な代わりに絶対的な条件があるのだ。
 「発動中は常識外のことをしてはいけない」……それがこの魔法の弱点であり解除条件だった。
 
「このままじゃつまらないから、もっと楽シイことにしちゃおうね」

 男は先程と同様に魔法を小愛にかけていく。

「では……」
「……?」
「ほぉ……これが女の子の……」 

 魔法によって小愛の常識を変えさせた男はこれまた先程と同じように彼女の体に触れる。
 すると今度は小愛は逃げることなくその手を受け入れた。

 小愛の柔らかい肌に男の手が吸いついていく。
 男の手は彼女のお腹から始まり、太もも、尻の方へと動いて行く。
 しばらくして下半身に満足したのか彼の手は上半身へと伸びて行った。

「程よく柔らかく、それでいて引き締まっているところは適度に固い。最高ダヨ小愛チャン」

 男は興奮気味にそう言いながらも手を動かすのを止めない。

「んぅ……♡」

 男は小愛の手の平で包み込めそうな控え目サイズの胸を下着の上から優しく擦る。
 それに反応するように彼女は艶めかしい声を漏らした。
 その後も男の手は動き続ける。脇、腕、首、そして彼女の顔へと移動していく。

「……どうかしたの?」
「可愛い……可愛すぎるヨ小愛チャン……!」
 
 小愛の顎を持ち上げ、所謂顎クイ状態で彼女に見つめられた男は悶える。
 この状況に何の疑問を持たずただただされるがままの小愛に対して男は強く興奮していた。

「ハァハァ……さて、そろそろお楽しみの時間と行こうか」

 男は小愛の体から手を放し、再び魔法をかけ始める。

「それにしてもこの魔法、強力なのは良いが一度に一回までしかかけられないのが不便ダナ……」

 不満そうな顔をしながら男はそう言う。
 彼の言う通り、この魔法は多重で発動出来無いのだ。
 つまり別の改変をする場合は必要な改変を含んだうえでかけ直す必要がある。
 それが果てしなく面倒くさいと男は感じていた。

「よし、出来た……うぉっ!?」

 魔法をかけ終えた男は即座に小愛に抱きつかれてしまった。

「もう、今まで何してたの? ほら、いつものやってあげるから♡」

 小愛はそう言って下着を外し、小さい胸を露わにする。

「……ゴクリ」

 小さいながらもハリがありしっかりとした柔らかさを持つ小愛の胸を前に、男は生唾を飲んだ。

「……行くヨ?」

 男はそう言って小愛の胸にしゃぶりつく。
 そして舌で彼女の乳首をコリコリと責め始めた。

「んぁっ……はぅ……♡」

 男に執拗に責められ、小愛は可愛らしくも色気の混じった声を漏らす。

「もう、そんなに激しくしちゃ駄目だよぅ……んっぁあぁぁっ♡」

 男のザラザラとした舌が小愛の乳首を責め続ける。
 それを軽くたしなめる小愛だったが、その表情は決して嫌そうでは無くむしろ喜んでいた。
 胸の先端から与えられる快楽に彼女自身も喜びを感じていたのだ。

「ふぅ……ふぅ……♡ まるで赤ちゃんみたい……それならサービスしてあげる♡」
「んおっ!?」

 男は突如小愛の胸から母乳が流れ始めたことに驚いたようだった。

「ぷはっ……え、どうして母乳が……小愛チャンってもしかしてママだったりするのカナ?」
「うーん、違うけど……色々あっておっぱい出るようになっちゃったんだ。だから吸って欲しいな。親しい人におっぱいを吸わせるのは当然の事なんだから」

 小愛は何の疑問も持つことなくそう言い放ち、男に自身の胸を吸うように願う。
 異質過ぎる光景だが、これが彼の開発した魔法の持つ力だった。

「それなら遠慮なく小愛チャンのミルク、頂いちゃおうカナ」

 男は小愛の願い通り、彼女の胸に吸いついた。

「んぅぅっ、はぁっ……はぁっ……私のおっぱい、美味しい?」
「うん美味しいヨ! 小愛チャンのおっぱいミルク、絶品過ぎて驚いちゃったヨ。小愛チャンがべっぴんだからカナ? ナンチッテ」

 小愛の胸は度重なる刺激によって大きく膨れ上がっていた。
 そこにまるで哺乳瓶を飲むかのように男がしゃぶりつく。

 既にやりたい放題している男だが、その欲望はそれだけには留まらなかった。
 男の手が小愛の秘部へと伸びる。小愛の快楽によがる姿をもっと見たくなってしまったのだ。
 しかし男は極度の興奮によって忘れてしまっていた。
 ……改変魔法が解除される条件の事を。
 
「んぉ゛っ♡ ふぅっふぅっ……んくっ♡ ……あれ?」 

 このまま与えられ続ける刺激に耐えながら母乳を垂れ流し続けるかと思われた小愛だったが、突然彼女は我に返った。
 男が彼女の秘部に触ったためだ。
 この状態であっても、男が許可なく女性器に触れることは常識外であったのだ。
 
「……えっ、なにこれ……」

 自分の置かれている状況に理解が追いつかない様子の小愛。
 それもそうだろう。知らない家で裸になり、知らない男に胸をしゃぶらせているのだ。
 到底理解できるはずが無かった。

「……小愛チャン?」

 小愛の様子がおかしくなったのに気付いたのか、男は彼女に声をかけた。
 だが時既に時間切れ。
 小愛に先手を取られた男は何の抵抗も出来ず拘束され、街の衛兵に突き出されたのだった。

[改変耐性を習得しました]
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