[R18G]デッドエンド・獣宿し

遠野紫

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IF7 ナイトウルフ

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[あらすじ]
儀式によって召喚されたナイトウルフにショータは打つ手が無かった!

※内容※
四肢欠損
内臓露出
生きたまま食べられる

――――――

「ぐっ……万事休すか……?」

 ショータは限界だった。獣宿しの力をフルに使ってもナイトウルフには勝てないと察してしまっていた。
 それでも彼は戦い続けるしか無かった。獣宿しの一族として、リーシャのために、街のために、戦い続けるしか出来なかった。

「ガゥァァァッ!!」
「ぐっ……ぁあぁっぁ!?」

 しかし、精神だけで勝てる程現実は甘くはなかった。
 ナイトウルフの一撃、たった一撃だけでショータの腕は吹き飛んだ。鮮やかな血と彼の細い腕が宙を舞い、べちゃっと地に落ちる。

「うぐっ……まだだ!」

 片腕を失ったショータだが、それで諦める程彼は弱くはない。もっとも諦めなかったところで結果は悪くなるばかりだが。

「ガゥッ!!」

 また一本ショータの腕が吹き飛ばされる。ナイトウルフの鋭利な爪と太い腕から繰り出される攻撃は容易くショータの体を吹き飛ばす。もはやどうしたって彼に勝ち目は無かった。

「まだ、まだ足が……」

 わずかな希望にすがろうとするショータ。しかしそれをナイトウルフは奇麗に打ち砕いて行く。
 むちむちな太ももからその先が奇麗に斬り落とされ、それをナイトウルフは食べ始めた。肉付きの良いショータの足はさぞ美味しそうに見えたのだろう。
 自分の体が食べられている様子を見て正常でいられるのは流石は獣宿しの一族と言ったところだが、それがむしろ最悪の結果をもたらすことになる。

「くっ……やはりそうなる、よな……」

 ショータの手足を食べ終えたナイトウルフはまだまだ食い足らないと言った様子で動くことも出来ないショータ本体に近づいて行く。
 そしてその鋭利な爪でショータの腹を切り開いた。

「ぐぁああっぁ!?」

 あまりの痛みにショータは叫ぶ。ナイトウルフはそんな声など全く気にせずショータの腹から内臓を引きずり出し、美味しそうに食べ始めた。
 腸が、胃が、膵臓が、肝臓が、腎臓が、子宮が、次々にナイトウルフに喰われていく。
 既に発狂してしまっていれば、精神が壊れてしまっていれば、正気でいるよりもまだマシだっただろう。

「許して……くれ……。助け……」

 生きたまま食べられる恐怖や痛み、苦しみ。それらがショータの頭の中を支配していく。日本で怪物と戦っていた時すら泣いたことの無かった彼が、ひたすらに涙を流しながら命乞いをするサマはまさに尊厳破壊という他無いだろう。
 だが世界は残酷であり、言葉の通じないナイトウルフに何を言ったところで何の意味も無かった。
 
「グルルゥ……」
「ぁっ……ぁ……」

 内臓を食べ終えたナイトウルフはショータの首を掴み、足の方から食べ始めた。
 と言っても既に内臓と言う内臓は食べられてしまっているため、尻を食べ終えたらもうほとんど丸呑みのような状態である。
 しかしこのナイトウルフ、最悪な性格をしているのかショータの頭は噛み砕かずにそのまま丸のみにしたようだ。

 そういう訳で、頭が無事なままなショータは中途半端に意識があるままナイトウルフに飲み込まれてしまった。
 自ら死ぬことも出来ず、真っ暗な中でただ一人ナイトウルフの胃液で溶かされる恐怖に耐え続けることしか出来ない。
 いっそ死んだ方が楽だと思いつつ、ひたすらその時まで待つのだ。中途半端に体が丈夫であり、中途半端に精神が強かったせいで最悪の結末を迎えてしまうのだ。

 こうしてショータの冒険は終わってしまった!
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