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まだまだ現役
第79話 アカネ・パーンチ!
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おじいさんたちは抹茶パフェを存分に楽しむと、軽トラに乗ってピンデチに戻ってきた。
するとイリューシュがおじいさんたちに尋ねた。
「ピンデチのデータセンターで、さっきお話していた無職の人限定のイベントクエストが受けられますけど、挑戦してみますか?」
「あ、はい、やってみたいです」
「うっす!」
「おねがいします」
おじいさんとアカネと大熊笹は全員一致でイベントクエストを受けることにした。
データセンターに入ると、イリューシュはズラリと並んでいる端末の一つを操作し始めた。
「ひろしさん、これです」
おじいさんたちが端末を覗き込むと、無職限定イベントクエストの詳細が書いてあった。
ーーーーーーーーーー
「無職」応援企画!
イベントクエストをクリアしてウールのジャージをGETしよう!
参加資格:無職のプレイヤー(複数人で共闘可)
会場:特殊闘技場(データセンター内)
クリア条件:ドラゴンの化身「ドガ」の討伐
クリア報酬:全属性軽減+防御力800の「ウールのジャージ」を進呈します。
ーーーーーーーーーー
これを読んだおじいさんはイリューシュに尋ねた。
「このドラゴンの化身『ドガ』というのは……」
「ホワイトドラゴンのドラガと同じ姿をした敵です」
「ええ!? なんだか強そうですね……」
「あ、安心してください、ドガはドラガに比べたら4分の1くらいの強さですし、剣は1本しか持ってませんよ」
「なるほど、しかし4分の1でも強そうですね……」
するとアカネが言った。
「大丈夫だよ、じいちゃん! あたしと熊じぃで投げ飛ばすから、ガンガン石当てれば勝てるって」
大熊笹も笑顔で言った。
「ひろしさん、とりあえずやってみましょう」
「そうですね。ははは」
こうして3人は端末からイベントクエストを受注した。
3人がクエストの準備を終えると、データセンターの大きな扉が開いて「特殊闘技場はこちら」の文字が浮かんだ。
3人は扉のほうへ歩いていくと、めぐが大きな声で応援した。
「おじいちゃん、アカネ、大熊笹さん、頑張って!」
「はい、がんばります」
「いってくる!」
「はい、ありがとうございます」
3人は明るく返事をすると、特殊闘技場へ進んでいった。
するとデータセンターの奥にある大画面が特殊闘技場の映像に切り替わり、おじいさんたちが闘技場に入ってくるところが映された。
それを見たイリューシュが黒ちゃんとめぐを誘った。
「さぁ、わたしたちも、ひろしさんたちの戦いを見に行きましょう」
「「はい」」
ー 特殊闘技場 ー
特殊闘技場には石ころや岩が転がり、木が生い茂った場所や、水辺、ネットの罠など、無職の人が攻撃に応用できそうなものが沢山あった。
おじいさんたちは闘技場の真ん中辺りまで進むと「開始まで10秒」の文字が浮かんだ。
それを見たおじいさんは大きめな丸い石を集めはじめると、アカネと大熊笹もストレッチを始めた。
「開始まで3秒、2秒、1秒」
ブーー……ン
おじいさんたちの前にドガが現れた。
すると、それを見たアカネが猛然と飛び出していった。
ドガは突っ込んでくるアカネに驚き、低い体勢から突きを放った。
「おっと!」
アカネはヒラリと横へ避けると、ドガは水平斬りに切り替えるために左足を踏み込んだ。
その瞬間。
「ほい」
なんと、いつの間にかドガの後ろにいた大熊笹が踏み込んだ左足を払った。
ズザァアア!
バランスを崩して大きく倒れたドガに、おじいさんが勢いの乗ったストレートを放った。
シャァァアアアァァ……ズガン!
「グォォアア!」
見事に石が命中すると、ドガは焦って立ち上がりバックステップで下がった。が、その瞬間。
「やぁあああ!」
アカネが横から走り込んでドガの剣を持っている腕を両手で掴んだ。
そして、ドガを後ろへ押し込むと、ドガは後ろへ倒れないようにアカネを前に押し出した。
その瞬間、
ブワッ!
アカネは素早くステップして一本背負いに持ち込んだ。
「やぁぁああ!」
ズゥゥウン!
「グォォアア!」
美しい軌道を描いた一本背負いが決まると、アカネはそのまま腕を固めた。
「じいちゃん、今だ!」
「はい!」
おじいさんは、一際大きい石を取り出すと、投球フォームに入った。しかし、
ドガッ!
「いって!!」
なんとドガが腕を固めているアカネにヒザ蹴りを食らわせた。
アカネは一旦手を離して距離をとると、ビックリした顔で言った。
「ドガ、足長すぎ! 蹴られるなんて思わなかったよ」
ドガは急いで立ち上がるとアカネと大熊笹を警戒しながら剣を構えた。
その頃、データセンターではおじいさんたちの戦いを映している大画面に人だかりができていた。
「すげぇ、無職ってあんなに戦えるんだ」
「てか、柔道? だよねあれ」
「あのおじいさん、イベントで見たことある!」
画面の前の人だかりが盛り上がる中、大熊笹はゆっくりとドガに近づいていった。
するとドガは剣を下段に構えて足を払われるのを警戒した。
シャァァアアアァァ……ズガン!
「グォア!」
その時、おじいさんの石が正確にドガの頭に命中すると、ドガはバランスを崩して思わず足を出した。
その一瞬を逃さずに大熊笹が飛び出すと、ドガは慌てて剣でガードした。
しかし大熊笹は笑顔で立ち止まり、ドガのAI(人工知能)が一瞬判断に困って反応できなくなると、
「とうっ! アカネ・キーーック!!」
ドガン!
「グォア!?」
ズザァ!
なんとアカネが後ろからドロップキックを食らわせて、ドガを前に倒した。
「「おおーーー!!」」
画面の前の人たちから予想外の攻撃に歓声が上がった。
シャァァアアァ……ズガン!
そこへ、おじいさんの石が命中すると、ドガは慌てて立ち上がってサイドステップで距離をとった。が、
「待ってました! ほいっ」
なんと、大熊笹はサイドステップしてきたドガの足を一瞬で払うと、そのままドガを後ろへ倒した。
シャァァアアァ……ガンッ!
さらに石が命中すると、ドガの人工知能は経験のない攻撃が目白押しすぎてパニックになり、変な動きで四つん這いになって後ろへ下がっていった。
「とうっ! アカネ・キーーック!!」
その声を聞いたドガは焦って立ち上がったが、ニヤニヤしているだけのアカネが立っていた。
「へへへ、かかったな」
その瞬間、
「ほいっ、やぁ!」
ドガの懐に走り込んだ大熊笹がドガの体ごと巻き込み、物凄い速さの一本背負いを決めた。
ズバン!!
「グォォアア!」
大熊笹は即座にドガから離れると、おじいさんの一撃が風切り音を響かせてドガを狙った。
シャァァアアアァァ……ズガン!
「グォォアアァァァ!」
おじいさんの一球はドガに命中したが、ドガはまだ消滅しなかった。
それを見たアカネが走り込みながら言った。
「しつこいやつだなぁ。これでどうだ!」
「グォォ?」
「おりゃー! アカネ・パーンチ!」
ゴン!
「オォォ……ォ……!」
シュゥゥウウ……
ドガはなんとアカネ・パンチがトドメとなって消滅していった。
『クエストをクリアしました』
「やった!!」
「はぁ、よかった」
「はっはっは、楽しい試合でした!」
こうして、おじいさんたちはイベントクエストをクリアしたのだった。
するとイリューシュがおじいさんたちに尋ねた。
「ピンデチのデータセンターで、さっきお話していた無職の人限定のイベントクエストが受けられますけど、挑戦してみますか?」
「あ、はい、やってみたいです」
「うっす!」
「おねがいします」
おじいさんとアカネと大熊笹は全員一致でイベントクエストを受けることにした。
データセンターに入ると、イリューシュはズラリと並んでいる端末の一つを操作し始めた。
「ひろしさん、これです」
おじいさんたちが端末を覗き込むと、無職限定イベントクエストの詳細が書いてあった。
ーーーーーーーーーー
「無職」応援企画!
イベントクエストをクリアしてウールのジャージをGETしよう!
参加資格:無職のプレイヤー(複数人で共闘可)
会場:特殊闘技場(データセンター内)
クリア条件:ドラゴンの化身「ドガ」の討伐
クリア報酬:全属性軽減+防御力800の「ウールのジャージ」を進呈します。
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これを読んだおじいさんはイリューシュに尋ねた。
「このドラゴンの化身『ドガ』というのは……」
「ホワイトドラゴンのドラガと同じ姿をした敵です」
「ええ!? なんだか強そうですね……」
「あ、安心してください、ドガはドラガに比べたら4分の1くらいの強さですし、剣は1本しか持ってませんよ」
「なるほど、しかし4分の1でも強そうですね……」
するとアカネが言った。
「大丈夫だよ、じいちゃん! あたしと熊じぃで投げ飛ばすから、ガンガン石当てれば勝てるって」
大熊笹も笑顔で言った。
「ひろしさん、とりあえずやってみましょう」
「そうですね。ははは」
こうして3人は端末からイベントクエストを受注した。
3人がクエストの準備を終えると、データセンターの大きな扉が開いて「特殊闘技場はこちら」の文字が浮かんだ。
3人は扉のほうへ歩いていくと、めぐが大きな声で応援した。
「おじいちゃん、アカネ、大熊笹さん、頑張って!」
「はい、がんばります」
「いってくる!」
「はい、ありがとうございます」
3人は明るく返事をすると、特殊闘技場へ進んでいった。
するとデータセンターの奥にある大画面が特殊闘技場の映像に切り替わり、おじいさんたちが闘技場に入ってくるところが映された。
それを見たイリューシュが黒ちゃんとめぐを誘った。
「さぁ、わたしたちも、ひろしさんたちの戦いを見に行きましょう」
「「はい」」
ー 特殊闘技場 ー
特殊闘技場には石ころや岩が転がり、木が生い茂った場所や、水辺、ネットの罠など、無職の人が攻撃に応用できそうなものが沢山あった。
おじいさんたちは闘技場の真ん中辺りまで進むと「開始まで10秒」の文字が浮かんだ。
それを見たおじいさんは大きめな丸い石を集めはじめると、アカネと大熊笹もストレッチを始めた。
「開始まで3秒、2秒、1秒」
ブーー……ン
おじいさんたちの前にドガが現れた。
すると、それを見たアカネが猛然と飛び出していった。
ドガは突っ込んでくるアカネに驚き、低い体勢から突きを放った。
「おっと!」
アカネはヒラリと横へ避けると、ドガは水平斬りに切り替えるために左足を踏み込んだ。
その瞬間。
「ほい」
なんと、いつの間にかドガの後ろにいた大熊笹が踏み込んだ左足を払った。
ズザァアア!
バランスを崩して大きく倒れたドガに、おじいさんが勢いの乗ったストレートを放った。
シャァァアアアァァ……ズガン!
「グォォアア!」
見事に石が命中すると、ドガは焦って立ち上がりバックステップで下がった。が、その瞬間。
「やぁあああ!」
アカネが横から走り込んでドガの剣を持っている腕を両手で掴んだ。
そして、ドガを後ろへ押し込むと、ドガは後ろへ倒れないようにアカネを前に押し出した。
その瞬間、
ブワッ!
アカネは素早くステップして一本背負いに持ち込んだ。
「やぁぁああ!」
ズゥゥウン!
「グォォアア!」
美しい軌道を描いた一本背負いが決まると、アカネはそのまま腕を固めた。
「じいちゃん、今だ!」
「はい!」
おじいさんは、一際大きい石を取り出すと、投球フォームに入った。しかし、
ドガッ!
「いって!!」
なんとドガが腕を固めているアカネにヒザ蹴りを食らわせた。
アカネは一旦手を離して距離をとると、ビックリした顔で言った。
「ドガ、足長すぎ! 蹴られるなんて思わなかったよ」
ドガは急いで立ち上がるとアカネと大熊笹を警戒しながら剣を構えた。
その頃、データセンターではおじいさんたちの戦いを映している大画面に人だかりができていた。
「すげぇ、無職ってあんなに戦えるんだ」
「てか、柔道? だよねあれ」
「あのおじいさん、イベントで見たことある!」
画面の前の人だかりが盛り上がる中、大熊笹はゆっくりとドガに近づいていった。
するとドガは剣を下段に構えて足を払われるのを警戒した。
シャァァアアアァァ……ズガン!
「グォア!」
その時、おじいさんの石が正確にドガの頭に命中すると、ドガはバランスを崩して思わず足を出した。
その一瞬を逃さずに大熊笹が飛び出すと、ドガは慌てて剣でガードした。
しかし大熊笹は笑顔で立ち止まり、ドガのAI(人工知能)が一瞬判断に困って反応できなくなると、
「とうっ! アカネ・キーーック!!」
ドガン!
「グォア!?」
ズザァ!
なんとアカネが後ろからドロップキックを食らわせて、ドガを前に倒した。
「「おおーーー!!」」
画面の前の人たちから予想外の攻撃に歓声が上がった。
シャァァアアァ……ズガン!
そこへ、おじいさんの石が命中すると、ドガは慌てて立ち上がってサイドステップで距離をとった。が、
「待ってました! ほいっ」
なんと、大熊笹はサイドステップしてきたドガの足を一瞬で払うと、そのままドガを後ろへ倒した。
シャァァアアァ……ガンッ!
さらに石が命中すると、ドガの人工知能は経験のない攻撃が目白押しすぎてパニックになり、変な動きで四つん這いになって後ろへ下がっていった。
「とうっ! アカネ・キーーック!!」
その声を聞いたドガは焦って立ち上がったが、ニヤニヤしているだけのアカネが立っていた。
「へへへ、かかったな」
その瞬間、
「ほいっ、やぁ!」
ドガの懐に走り込んだ大熊笹がドガの体ごと巻き込み、物凄い速さの一本背負いを決めた。
ズバン!!
「グォォアア!」
大熊笹は即座にドガから離れると、おじいさんの一撃が風切り音を響かせてドガを狙った。
シャァァアアアァァ……ズガン!
「グォォアアァァァ!」
おじいさんの一球はドガに命中したが、ドガはまだ消滅しなかった。
それを見たアカネが走り込みながら言った。
「しつこいやつだなぁ。これでどうだ!」
「グォォ?」
「おりゃー! アカネ・パーンチ!」
ゴン!
「オォォ……ォ……!」
シュゥゥウウ……
ドガはなんとアカネ・パンチがトドメとなって消滅していった。
『クエストをクリアしました』
「やった!!」
「はぁ、よかった」
「はっはっは、楽しい試合でした!」
こうして、おじいさんたちはイベントクエストをクリアしたのだった。
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====================================
2020.03.21_掲載
2020.05.24_100話達成
2020.09.29_200話達成
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