上 下
18 / 53
第2章[異世界] 念願の異世界にやってきた‼︎…でも

第14話 《エヴァン視点》こんな子が…

しおりを挟む
隊員達の手当てを自分が出来る限りし終わった所でそう言えばと、恩人の様子を見に恩人の眠るテントに向かった。



テントに入るとその恩人は目を覚ましていて、こちらに気づいたのか体を起こしてこちらを向いていた。


どうやら体調はもう大丈夫とのことだった。


だが何か俯いて黙りこんでしまったから、やっぱりまだ体調が優れないのかと心配になった。本人は大丈夫だと言っているが、本当か?

恩人の名前は「ナツ」と言うらしい。単純に珍しくていい名前だと思った。


それから色々聞きたかったことを聞いた。


まず、何故あんな森の奥に一人でいたのか?ときいてみた。

帰ってきた答えは、「気づいたらいた」というものだった。

俺は耳を疑った。どういうことだ?何か言えない訳があって嘘をついているのか?それとも本当に?だとしたら…




…やっぱり「誘拐」か?




だとしたら筋が通る。こんな強い力を持った巫女でしかもあの見たことのない踊りと容姿だ、人身売買の組織には願ってもない大物だ。それで隙をついて拐ったはいいが、ナツの力を暴走させてしまい森の奥で壊滅し、失敗した。そしてナツは一人森の奥に。これで気づいたらいたというのにも説明がつく。



そう解釈した俺はあまりそのことを思い出させるのは良くないと思い、色々聞こうと思っていたことをやめ、話を変え、取りあえず何歳かと聞いてみた。


俺はナツのこの体格でこの背丈、そして顔なら14歳位だと思っていた。

だが、ナツは17だと言った。

17?さすがにそれはないだろうと思った。嘘か?でもそれなら何故嘘をつく必要がある?なら本当か?ありえないな…




その後ナツとテントから出るとアレンがいた。アレンもナツが心配で見に来たんだろう。

それでアレンはナツに自己紹介したあと、俺と同じように何故あの森にいたかと聞いたもんだから、あわてて俺はアレンに小声で、俺も聞いたんだが…

とナツが言ったことと俺の考えを伝えた。

それでアレンはナツに本当かを確かめて、やっぱりお前の言う通り誘拐の線が正しそうだな、信じたくはないが…あの身なりだとな…と言った。


そしてアレンは俺も気になっていた誘拐以前のことを聞いた。


だが、ナツは黙りこんでしまった。

やっぱり何か言えないことがあるのだろうか?

同じように思ったのか、アレンは話を切った。



その後ナツに隊員達はどうしたのかと聞かれた。だが、隊員達の状態はいいものではなかった。


重傷者がほとんどで、命の危険があるものもいる。軽傷なら近くの神殿の巫女に治してもらうことができるが、こんな重傷は巫女の中でも王都の大神殿にしかいない四大神巫女様達か大巫女様くらいの上位の巫女にしか完全に治すことは出来ない。だが、そんな上位の巫女達は予約で一杯でそう簡単に治しては貰えない。


だからもう俺も隊員達も諦めていた。



だがそのことをナツに伝えると何故か隊員の所に連れてって欲しいと言われたので、訳もわからず隊員達がいるテントに連れて行った。




するとナツはテントの中央に立ち、歌を歌った。

ナツが歌いだすと、あの時のように魔法陣が出現し、そこから今度は緑色のオーブが出てきて、隊員達の負傷部に触れて治癒していった。

ナツの歌声はとても澄んでいて、心に響いた。

俺はナツの歌声に聞き入り、またもや気づいたら隊員達の傷は全て治っていた。

そこでやっぱりナツは巫女だと確信した。何故なら治癒魔法を使えるのは巫女だけだからだ。だが、ただの巫女じゃあない。こんな重傷者を一気に何て大巫女様でもできるかどうかってレベルだ。それに攻撃魔法も使える。明らかに上位巫女かそれ以上だ。

だが俺の知る限りナツのような巫女の話は聞いたことがない。

さっきまではただの誘拐かと思っていたが、そう単純ではなさそうだ。

ナツはその後アレンに巫女だよね?と聞かれてたぶんと答えていたのを見ると、何かあるのだろうかと思われた。


それで、これらの事も気になるから、王都に一緒に来てくれないかと言ったら、

突然顔を見てないかと聞かれた。わざわざ顔を隠しているあたり何か事情でもあるのかと思い、俺たちはとりあえず見てないと答えた。

王都に行くとナツが言ったのですぐ準備を済ませ、俺たちは王都に向かった。






そして俺はそんな謎が多く、何か抱えているようなナツを守ってあげたいと思ったのだった。
















どうも、こひつじです!

次回から通常視点に戻ります!今回夜中に寝ぼけながら書いたので文章や内容がおかしいとこあるかもしれないです!すみません!m(__)m

お気に入り200ありがとうございます!巫女俺これからもよろしくお願いします!(≧∀≦)

そして更新遅くなりすみませんでした!

それではおやすみなさ…(( _ _ ))..zzzZZ

































しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

誰よりも愛してるあなたのために

R(アール)
BL
公爵家の3男であるフィルは体にある痣のせいで生まれたときから家族に疎まれていた…。  ある日突然そんなフィルに騎士副団長ギルとの結婚話が舞い込む。 前に一度だけ会ったことがあり、彼だけが自分に優しくしてくれた。そのためフィルは嬉しく思っていた。 だが、彼との結婚生活初日に言われてしまったのだ。 「君と結婚したのは断れなかったからだ。好きにしていろ。俺には構うな」   それでも彼から愛される日を夢見ていたが、最後には殺害されてしまう。しかし、起きたら時間が巻き戻っていた!  すれ違いBLです。 ハッピーエンド保証! 初めて話を書くので、至らない点もあるとは思いますがよろしくお願いします。 (誤字脱字や話にズレがあってもまあ初心者だからなと温かい目で見ていただけると助かります) 11月9日~毎日21時更新。ストックが溜まったら毎日2話更新していきたいと思います。 ※…このマークは少しでもエッチなシーンがあるときにつけます。 自衛お願いします。

愛などもう求めない

白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。 「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」 「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」 目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。 本当に自分を愛してくれる人と生きたい。 ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。  ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。 最後まで読んでいただけると嬉しいです。

記憶喪失の君と…

R(アール)
BL
陽は湊と恋人だった。 ひねくれて誰からも愛されないような陽を湊だけが可愛いと、好きだと言ってくれた。 順風満帆な生活を送っているなか、湊が記憶喪失になり、陽のことだけを忘れてしまって…! ハッピーエンド保証

ゆい
BL
涙が落ちる。 涙は彼に届くことはない。 彼を想うことは、これでやめよう。 何をどうしても、彼の気持ちは僕に向くことはない。 僕は、その場から音を立てずに立ち去った。 僕はアシェル=オルスト。 侯爵家の嫡男として生まれ、10歳の時にエドガー=ハルミトンと婚約した。 彼には、他に愛する人がいた。 世界観は、【夜空と暁と】と同じです。 アルサス達がでます。 【夜空と暁と】を知らなくても、これだけで読めます。 随時更新です。

腐男子ですが、お気に入りのBL小説に転移してしまいました

くるむ
BL
芹沢真紀(せりざわまさき)は、大の読書好き(ただし読むのはBLのみ)。 特にお気に入りなのは、『男なのに彼氏が出来ました』だ。 毎日毎日それを舐めるように読み、そして必ず寝る前には自分もその小説の中に入り込み妄想を繰り広げるのが日課だった。 そんなある日、朝目覚めたら世界は一変していて……。 無自覚な腐男子が、小説内一番のイケてる男子に溺愛されるお話し♡

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

嫌われ者は異世界で王弟殿下に愛される

希咲さき
BL
 「もう、こんなとこ嫌だ…………」  所謂王道学園と呼ばれる学校に通っていた、ごく普通の高校生の仲谷枢(なかたにかなめ)。  巻き込まれ平凡ポジションの彼は、王道やその取り巻きからの嫌がらせに傷つき苦しみ、もうボロボロだった。  いつもと同じく嫌がらせを受けている最中、枢は階段から足を滑らせそのままーーー……。  目が覚めた先は………………異世界だった。 ーーーーーーーーーーーーーーーー  自分の生まれた世界で誰にも愛されなかった少年が、異世界でたった1人に愛されて幸せになるお話。 *第9回BL小説大賞 奨励賞受賞 *3/15 書籍発売しました! 現在レンタルに移行中。3話無料です。

処理中です...