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第四十七話 新しい生活の始まり

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翌日の朝。

目が覚めると、わたしは身支度をする。

今日も晴れているようだ。

服については、昨日の内にリデーヌさんが用意をしてくれていて、収納されている。

普段着からパーティー用のドレスまで、一通りの服がそろっていた。

ありがたいことだ。

わたしは、その中から仕事に行くのにふさわしそうな服を取り出し、着替えを終わると、ベッドの上に座る。

すると、ドアがノックされ、

「お嬢様、おはようございます。お目覚めでしょうか? お食事をお持ちいたしましたが、入ってよろしいでしょうか?」

という声が聞こえてくる。

リデーヌさんだ。

「おはようございます。どうぞお入りください」

わたしがそう言うと、

「失礼します」

と言ってリデーヌさんは部屋に入り、朝食をテーブルの上に置いた。

「朝食を食べ終わられたら、殿下のところへ伺うご準備をお願いします。またわたしがご案内しますので、それまでお待ちください」

「ありがとうございます」

「それではまた後ほどまいります」

そう言うと、リデーヌさんは部屋を去っていった。

リデーヌさんは、仕事をテキパキとこなすタイプで頼もしいと思う。

わたしのことを嫌っているところもなさそうだ。

少し話しづらそうなところはあるが、これから少しずつ打ち解けていけばいいと思う。

わたしはテーブルの前の席に座り、朝食を食べ、紅茶を飲んだ。

そして、出かける準備をする。

身だしなみも、もう一度整えた。自分なりに、きれいに整えたつもりだ。

殿下はどう思うだろう。

ルアンソワ様のようにゴージャスさが足りないというのだろうか?

それが理由で、嫌になったりしないだろうか?

昨日までは、旅先だったし、王宮に来たところだったので、そこまでわたしの細かいところは気にしなかったと思う。

今日からは違う。

毎日のように接していくので、ゴージャスなところが好きな女性のタイプであれば、わたしのようにゴージャスさがない女性は嫌われてしまうに違いない。

いや、殿下はそういうところで嫌いになる人では思っているけど……。

殿下に少なくとも嫌われなければいいなあ、と思う。

ただ、もっと好きになってもらえる可能性もないとはいえない。

そうだったとしたらうれしい。

そして、もしかすると殿下に、

「あなたのことが好きです。あなたのことをもっと教えてください」

と言われて、仕事をしているところで求められたりするかもしれない。

殿下に求められたら、それに応えなければいけない。

心の準備をしっかりしておかなくては。

そういうことを思ってしまう。

いや、わたしったら、どうしてこういう恥ずかしいことを想ってしまうのだろう。

しっかりと殿下の為に、助言をしていかなくてはいけないのに。

心を仕事モードに切り替えよう。

そうしないと、殿下の心は離れていってしまうと思う。

殿下の為、王国の為、働くという気持ちをもう一度きちんと持つ必要がある。

わたしはそう思い、紅茶をまた飲む。

やがて、ドアをノックする音が聞こえてきた。

「お嬢様、そろそろお出かけの時間です。よろしくお願いします」

リデーヌさんが呼びにきた。

「ありがとう。すぐに向かいます」

わたしはそう言った。
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