155 / 360
第十四話
14
しおりを挟む
放課後だから、さすがに楓も帰っただろうな。
そう思い、男子校の校門前まで向かう。
さすがに誰もいないかと思っていたんだけど、そこには一人の男子生徒が立っていた。
ここからだと誰だかわからない。もう少し近づいてみないと……。
背丈は普通かな。いや、少しだけ高いか。
表情を見ることができたのは、すぐのことだ。
それは、私が一番よく知る人物だった。
私の大切な幼馴染。楓だ。
なんで楓が、あんなところに立っているんだろう。
まさか誰かを待っているとか。
途端、私は心臓を直に鷲掴みにされるような感覚に襲われる。
また避けられてしまうんじゃないかって思うと、怖くなったのだ。
「か、楓……」
恐る恐る声をかけると、楓は私の方に視線を向ける。
「香奈姉ちゃん。えっと……」
楓は、私のところに真っ直ぐにやってきたが、すぐに視線を逸らす。
私、何かしたかな?
ふと考えてみるが、まるで心当たりがない。
私は、楓を真っ直ぐに見つめていた。
楓の頬は真っ赤になっている。
気恥ずかしくて、私から視線を逸らしているのがすぐにわかる状態だ。
だから私は、楓に訊いてみる。
「どうしたの、楓? 私の顔に何かついてるかな?」
「ううん。何もついてないよ」
「だったら何で、私から視線を逸らすの?」
「それは……」
やはり楓は、その辺について何も答えない。
いや。答えようとするんだけど、周囲の人たちの目があるから、答えにくいというのが正解だろうか。
「それじゃ、質問を変えるね。…ここで誰を待ってたの?」
「それは……。香奈姉ちゃんだけど……」
「うそ。絶対に違う人を待ってたでしょ? 隠したって無駄なんだからね」
違う人って、誰のことを言ってるんだろう。奈緒ちゃんのことかな?
それとも、他の女の子か。
自分でこんなことを言っててナンだが、その辺りのことはまったくわからないので、余計にモヤモヤする。
そんな私に、楓は言う。
「隠し事なんてしてないよ。僕が待っていたのは、まぎれもなく香奈姉ちゃんだよ」
「だったら何で、私のことを避けるような行動を取るのよ?」
「香奈姉ちゃんを避ける? 僕は、香奈姉ちゃんを避けたつもりはないんだけど……」
「避けたじゃない。朝、一緒に学校に登校しようとしたら、楓ったら先に学校に行っちゃったじゃない! それは、どう説明をするつもりなの?」
「それは……。先を急いでたっていうか、その……」
私がそう訊いた途端、楓はしどろもどろになる。
そんな楓を見ていると、どうしても許したくなってしまう。
「ふ~ん……。先を急いでいた…か。まぁ、それでもいいよ。でも、そういうことは前もって言ってほしいな」
「うん……。ごめん……」
「先に学校に行っちゃったから、私のことを捨てたのかと思っちゃったじゃない」
「香奈姉ちゃんを捨てる⁉︎ …そんなこと、考えたこともないよ」
「ホントに?」
私は、不安そうに楓の顔を見る。
男の子の中には、たまにいるらしいのだ。
エッチなことを楽しんだら、あっさり捨てる人が──。
楓に限って、そんなことはしないんだろうけど。それでも一応、言っておかないと私としては納得できなかったのだ。
楓は、私の言葉の意味を察したのか、気恥ずかしそうに笑みを浮かべる。
「僕は、香奈姉ちゃんのことをそんな風に考えたことはないよ。香奈姉ちゃんは僕の大事な人だと思っているよ」
「それならさ。私にキスしてよ」
「え……。ここで?」
「私のこと、大事な人だと思ってるんでしょ? それなら、そのくらいの事できると思うのよね」
私は、楓の顔に手を添えてそう言った。
やっぱり、男子校の校門前でキスするとかは無理なのかな。
とりあえず、楓の反応を見てみよう。
楓は、私の顔に手を触れてきて
「一回だけだよ」
と言った。
次の瞬間には、楓の唇が私の唇にそっと触れてくる。
優しいキスだ。
周囲に人がいなかったから、キスできたんだろう。
たぶん人がいたらいたで、楓のことだから、はぐらかして終わりだったんだろうな。
私はゆっくりと瞼を閉じて、楓の体を抱きしめる。
そうしたのは、楓のことが愛おしいと思ったからだ。
私の意思を汲んでくれたのか、楓も私の体を抱きしめてきた。
「楓……」
「香奈姉ちゃん……」
ここでやめなきゃいけないのは、わかってる。
だけどやり始めたら、想いがあふれてきて止まらない。
楓も同じ気持ちなんだろう。
私のことをギュッと抱きしめてくる。
このくらいの方が、私にはちょうどいい。
しばらくして。
楓は、ゆっくりと私から離れると、微笑を浮かべて言った。
「とりあえず、続きは家に帰ってからでいいかな?」
「うん」
私は、とりあえず頷く。
続きって、何をするつもりなんだろうか。
まさかキスの続きだから、エッチな事とかかな。
楓からしてくれるのは、嬉しいことだけど。
楓は私の手を取って、そのまま歩き出した。
私のことを避けてると思っていたんだけど。それは、どうやら勘違いだったみたいだ。
私は、楓の背中を見て安堵していた。
楓の家に着くと、私はいつもどおりに
「お邪魔します」
と言って、中に入る。
楓の家に入って向かう場所は、楓の部屋だ。
私は、まっすぐに階段を登り始める。
「今日は、ピンク色か」
と、少し下の方から楓の声が聞こえてきた。
何のことを言ってるのかは、すぐにわかる。
ピンク色っていうのは、私が今日、穿いてるショーツの色だ。
女子校の制服のスカートの丈は、少し短い。だから、ちょっと階段を登っただけでも、ローアングルから覗くことができてしまうのだ。
私は、思わず制服のスカートの裾を手で押さえる。
「もう! どこ見てるのよ」
「今日は、何色かなって思って、つい──」
「『つい』じゃないでしょ。いくら見られても平気だからと言っても、恥ずかしいものは恥ずかしいんだからね。…気を遣いなさいよね」
「ごめん……」
楓は、素直に謝ってきた。
実際のところ、楓には見られても平気なんだけどね。
一応、見られて恥ずかしいっていうアピールをしておかないとダメな気がするのだ。
私も、楓の前ではかなり曝け出している方だから、なんとも言えないんだけど……。
「まぁ、どうせ…ね」
私は、そう言って先に階段を登っていった。
その時の楓の顔がとても気になったけど、敢えて見ないでおこう。
楓の部屋に入ると、私はさっそく制服を脱ぎ始めた。
ネクタイからブラウスのボタンと、一つ一つ丁寧に外していき、ゆっくりと脱いでいく。
そのままでもよかったんだけど、私的には早く制服を脱ぎたかったのだ。
「どう? 私の裸は? …綺麗でしょ?」
全部脱いだのだから、当然、今は下着姿である。
──さて。楓はどんな反応をするかな。
さすがに何度も私の裸を見ていることだし、きっと良い答えが返ってくるはず。
「僕の目の前で制服を脱いで、言うことはそれなんだ」
楓は、そう言って力なく笑う。
なんだ、その残念そうな顔は……。
もっと嬉しそうな顔をしてよね。
「何よ、その反応は? 私の裸は、もう見慣れてしまって飽きたってこと?」
「香奈姉ちゃんの体は綺麗だよ。ただ──」
「何よ? 何かあるのなら、はっきり言いなさい」
「裸になるんなら、さっきの階段のところで怒った意味がないような気がするんだけど……」
「あれは、違うんだよ。…何というか、他の男の子にスカートの中を見られてしまったっていう感覚があって、その……」
「なるほど。下着姿なら、本人が意図的にやってることだから、恥ずかしくないってことだね」
「それは……。そうかもしれないけど……」
私は、制服のスカートを手に持ってそう言った。
下着姿を見せるのも、十分に恥ずかしいんだけどな。
楓は、私が穿いてるショーツの方を見てきて、訊いてくる。
「それにしても。今日の下着は、なんだか可愛いね。何かを意識してるの?」
「ん? 特には意識してないよ。いつもどおりかな」
私は、ショーツに手を触れてそう答えた。
「そうなんだ。いつもどおり…か」
楓は、なぜか落ち込んでる様子でそう言う。
私、何か気に障ることでも言ったかな。
「どうしたの?」
「いや……。その……」
楓は答えてくれない。
頬を赤く染めて私から視線を逸らしている。
あ……。
楓のその顔は、私とエッチなことをしたいんだ。
私は、笑みを浮かべて楓の傍に寄り添う。
楓は、ハッとした表情で私を見る。
「あ……」
「私とエッチなことをしたいんでしょ?」
「それは……」
楓の手が私の下着に触れてきた。
ブラジャーの方にだ。
私的には、ショーツの方を触ってほしかったけど。
今日は、おっぱいを触らせてあげたい気分じゃない。
そんな気分じゃない時に限って、楓はおっぱいを触ってくるからなぁ。
その証拠に、楓の手はゆっくりと私のおっぱいを揉みしだきながらブラジャーを外そうとしてるし。
「あ……」
私は、ビクンと体を震わせる。
嫌なはずなのに、抵抗ができない。
それどころか、私の体が楓を求めているなんて……。
もう片方の楓の手は、ショーツに手を伸ばしている。
なんだか今日の楓は、めずらしく積極的だ。
何かあったのかな。
どちらにしろ、このチャンスを逃がしたらダメだ。
「パンツとブラジャー。外してもいいかな?」
「うん。いいよ」
私は、微笑を浮かべてそう答えていた。
その笑みは、ちょっと無理があったかもしれない。
それを知ってか知らずか、楓はまず、私が身につけてるブラジャーを外そうと手を掛けてくる。
本格的にエッチをしようとしてくる楓に対して、私はどこまで応えられるだろうか。
「んっ……」
やっぱり、今日はおっぱいを触られるのは嫌だ。
なんとなく胸が張っている感じなので、昨日みたいに触られたら、その刺激で変な気持ちになりそうだ。
「嫌……」
私は、たまらず身をすくませる。
私の態度に、楓は怒ったりせず、ゆっくりと手を引いた。
「昨日、思いきり触っちゃったからね。嫌なのは仕方ないかもしれないね」
「うん。ごめん……。その代わり、こっちはいいよ」
私は、そう言って穿いているショーツに指を掛ける。
今日は、こっちの方を主に触ってほしい気分なんだよね。
もちろんブラジャーも外すけど、まずはショーツから──。
楓は、その気になってくれるだろうか。
そう思い、男子校の校門前まで向かう。
さすがに誰もいないかと思っていたんだけど、そこには一人の男子生徒が立っていた。
ここからだと誰だかわからない。もう少し近づいてみないと……。
背丈は普通かな。いや、少しだけ高いか。
表情を見ることができたのは、すぐのことだ。
それは、私が一番よく知る人物だった。
私の大切な幼馴染。楓だ。
なんで楓が、あんなところに立っているんだろう。
まさか誰かを待っているとか。
途端、私は心臓を直に鷲掴みにされるような感覚に襲われる。
また避けられてしまうんじゃないかって思うと、怖くなったのだ。
「か、楓……」
恐る恐る声をかけると、楓は私の方に視線を向ける。
「香奈姉ちゃん。えっと……」
楓は、私のところに真っ直ぐにやってきたが、すぐに視線を逸らす。
私、何かしたかな?
ふと考えてみるが、まるで心当たりがない。
私は、楓を真っ直ぐに見つめていた。
楓の頬は真っ赤になっている。
気恥ずかしくて、私から視線を逸らしているのがすぐにわかる状態だ。
だから私は、楓に訊いてみる。
「どうしたの、楓? 私の顔に何かついてるかな?」
「ううん。何もついてないよ」
「だったら何で、私から視線を逸らすの?」
「それは……」
やはり楓は、その辺について何も答えない。
いや。答えようとするんだけど、周囲の人たちの目があるから、答えにくいというのが正解だろうか。
「それじゃ、質問を変えるね。…ここで誰を待ってたの?」
「それは……。香奈姉ちゃんだけど……」
「うそ。絶対に違う人を待ってたでしょ? 隠したって無駄なんだからね」
違う人って、誰のことを言ってるんだろう。奈緒ちゃんのことかな?
それとも、他の女の子か。
自分でこんなことを言っててナンだが、その辺りのことはまったくわからないので、余計にモヤモヤする。
そんな私に、楓は言う。
「隠し事なんてしてないよ。僕が待っていたのは、まぎれもなく香奈姉ちゃんだよ」
「だったら何で、私のことを避けるような行動を取るのよ?」
「香奈姉ちゃんを避ける? 僕は、香奈姉ちゃんを避けたつもりはないんだけど……」
「避けたじゃない。朝、一緒に学校に登校しようとしたら、楓ったら先に学校に行っちゃったじゃない! それは、どう説明をするつもりなの?」
「それは……。先を急いでたっていうか、その……」
私がそう訊いた途端、楓はしどろもどろになる。
そんな楓を見ていると、どうしても許したくなってしまう。
「ふ~ん……。先を急いでいた…か。まぁ、それでもいいよ。でも、そういうことは前もって言ってほしいな」
「うん……。ごめん……」
「先に学校に行っちゃったから、私のことを捨てたのかと思っちゃったじゃない」
「香奈姉ちゃんを捨てる⁉︎ …そんなこと、考えたこともないよ」
「ホントに?」
私は、不安そうに楓の顔を見る。
男の子の中には、たまにいるらしいのだ。
エッチなことを楽しんだら、あっさり捨てる人が──。
楓に限って、そんなことはしないんだろうけど。それでも一応、言っておかないと私としては納得できなかったのだ。
楓は、私の言葉の意味を察したのか、気恥ずかしそうに笑みを浮かべる。
「僕は、香奈姉ちゃんのことをそんな風に考えたことはないよ。香奈姉ちゃんは僕の大事な人だと思っているよ」
「それならさ。私にキスしてよ」
「え……。ここで?」
「私のこと、大事な人だと思ってるんでしょ? それなら、そのくらいの事できると思うのよね」
私は、楓の顔に手を添えてそう言った。
やっぱり、男子校の校門前でキスするとかは無理なのかな。
とりあえず、楓の反応を見てみよう。
楓は、私の顔に手を触れてきて
「一回だけだよ」
と言った。
次の瞬間には、楓の唇が私の唇にそっと触れてくる。
優しいキスだ。
周囲に人がいなかったから、キスできたんだろう。
たぶん人がいたらいたで、楓のことだから、はぐらかして終わりだったんだろうな。
私はゆっくりと瞼を閉じて、楓の体を抱きしめる。
そうしたのは、楓のことが愛おしいと思ったからだ。
私の意思を汲んでくれたのか、楓も私の体を抱きしめてきた。
「楓……」
「香奈姉ちゃん……」
ここでやめなきゃいけないのは、わかってる。
だけどやり始めたら、想いがあふれてきて止まらない。
楓も同じ気持ちなんだろう。
私のことをギュッと抱きしめてくる。
このくらいの方が、私にはちょうどいい。
しばらくして。
楓は、ゆっくりと私から離れると、微笑を浮かべて言った。
「とりあえず、続きは家に帰ってからでいいかな?」
「うん」
私は、とりあえず頷く。
続きって、何をするつもりなんだろうか。
まさかキスの続きだから、エッチな事とかかな。
楓からしてくれるのは、嬉しいことだけど。
楓は私の手を取って、そのまま歩き出した。
私のことを避けてると思っていたんだけど。それは、どうやら勘違いだったみたいだ。
私は、楓の背中を見て安堵していた。
楓の家に着くと、私はいつもどおりに
「お邪魔します」
と言って、中に入る。
楓の家に入って向かう場所は、楓の部屋だ。
私は、まっすぐに階段を登り始める。
「今日は、ピンク色か」
と、少し下の方から楓の声が聞こえてきた。
何のことを言ってるのかは、すぐにわかる。
ピンク色っていうのは、私が今日、穿いてるショーツの色だ。
女子校の制服のスカートの丈は、少し短い。だから、ちょっと階段を登っただけでも、ローアングルから覗くことができてしまうのだ。
私は、思わず制服のスカートの裾を手で押さえる。
「もう! どこ見てるのよ」
「今日は、何色かなって思って、つい──」
「『つい』じゃないでしょ。いくら見られても平気だからと言っても、恥ずかしいものは恥ずかしいんだからね。…気を遣いなさいよね」
「ごめん……」
楓は、素直に謝ってきた。
実際のところ、楓には見られても平気なんだけどね。
一応、見られて恥ずかしいっていうアピールをしておかないとダメな気がするのだ。
私も、楓の前ではかなり曝け出している方だから、なんとも言えないんだけど……。
「まぁ、どうせ…ね」
私は、そう言って先に階段を登っていった。
その時の楓の顔がとても気になったけど、敢えて見ないでおこう。
楓の部屋に入ると、私はさっそく制服を脱ぎ始めた。
ネクタイからブラウスのボタンと、一つ一つ丁寧に外していき、ゆっくりと脱いでいく。
そのままでもよかったんだけど、私的には早く制服を脱ぎたかったのだ。
「どう? 私の裸は? …綺麗でしょ?」
全部脱いだのだから、当然、今は下着姿である。
──さて。楓はどんな反応をするかな。
さすがに何度も私の裸を見ていることだし、きっと良い答えが返ってくるはず。
「僕の目の前で制服を脱いで、言うことはそれなんだ」
楓は、そう言って力なく笑う。
なんだ、その残念そうな顔は……。
もっと嬉しそうな顔をしてよね。
「何よ、その反応は? 私の裸は、もう見慣れてしまって飽きたってこと?」
「香奈姉ちゃんの体は綺麗だよ。ただ──」
「何よ? 何かあるのなら、はっきり言いなさい」
「裸になるんなら、さっきの階段のところで怒った意味がないような気がするんだけど……」
「あれは、違うんだよ。…何というか、他の男の子にスカートの中を見られてしまったっていう感覚があって、その……」
「なるほど。下着姿なら、本人が意図的にやってることだから、恥ずかしくないってことだね」
「それは……。そうかもしれないけど……」
私は、制服のスカートを手に持ってそう言った。
下着姿を見せるのも、十分に恥ずかしいんだけどな。
楓は、私が穿いてるショーツの方を見てきて、訊いてくる。
「それにしても。今日の下着は、なんだか可愛いね。何かを意識してるの?」
「ん? 特には意識してないよ。いつもどおりかな」
私は、ショーツに手を触れてそう答えた。
「そうなんだ。いつもどおり…か」
楓は、なぜか落ち込んでる様子でそう言う。
私、何か気に障ることでも言ったかな。
「どうしたの?」
「いや……。その……」
楓は答えてくれない。
頬を赤く染めて私から視線を逸らしている。
あ……。
楓のその顔は、私とエッチなことをしたいんだ。
私は、笑みを浮かべて楓の傍に寄り添う。
楓は、ハッとした表情で私を見る。
「あ……」
「私とエッチなことをしたいんでしょ?」
「それは……」
楓の手が私の下着に触れてきた。
ブラジャーの方にだ。
私的には、ショーツの方を触ってほしかったけど。
今日は、おっぱいを触らせてあげたい気分じゃない。
そんな気分じゃない時に限って、楓はおっぱいを触ってくるからなぁ。
その証拠に、楓の手はゆっくりと私のおっぱいを揉みしだきながらブラジャーを外そうとしてるし。
「あ……」
私は、ビクンと体を震わせる。
嫌なはずなのに、抵抗ができない。
それどころか、私の体が楓を求めているなんて……。
もう片方の楓の手は、ショーツに手を伸ばしている。
なんだか今日の楓は、めずらしく積極的だ。
何かあったのかな。
どちらにしろ、このチャンスを逃がしたらダメだ。
「パンツとブラジャー。外してもいいかな?」
「うん。いいよ」
私は、微笑を浮かべてそう答えていた。
その笑みは、ちょっと無理があったかもしれない。
それを知ってか知らずか、楓はまず、私が身につけてるブラジャーを外そうと手を掛けてくる。
本格的にエッチをしようとしてくる楓に対して、私はどこまで応えられるだろうか。
「んっ……」
やっぱり、今日はおっぱいを触られるのは嫌だ。
なんとなく胸が張っている感じなので、昨日みたいに触られたら、その刺激で変な気持ちになりそうだ。
「嫌……」
私は、たまらず身をすくませる。
私の態度に、楓は怒ったりせず、ゆっくりと手を引いた。
「昨日、思いきり触っちゃったからね。嫌なのは仕方ないかもしれないね」
「うん。ごめん……。その代わり、こっちはいいよ」
私は、そう言って穿いているショーツに指を掛ける。
今日は、こっちの方を主に触ってほしい気分なんだよね。
もちろんブラジャーも外すけど、まずはショーツから──。
楓は、その気になってくれるだろうか。
0
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。
クラスの双子と家族になりました。~俺のタメにハーレム作るとか言ってるんだがどうすればいい?~
いーじーしっくす
恋愛
ハーレムなんて物語の中の事。自分なんかには関係ないと思っていた──。
橋本悠聖は普通のちょっとポジティブな陰キャ。彼女は欲しいけど自ら動くことはなかった。だがある日、一人の美少女からの告白で今まで自分が想定した人生とは大きくかわっていく事になった。 悠聖に告白してきた美少女である【中村雪花】。彼女がした告白は嘘のもので、父親の再婚を止めるために付き合っているフリをしているだけの約束…の、はずだった。だが、だんだん彼に心惹かれて付き合ってるフリだけじゃ我慢できなくなっていく。
互いに近づく二人の心の距離。更には過去に接点のあった雪花の双子の姉である【中村紗雪】の急接近。冷たかったハズの実の妹の【奈々】の危険な誘惑。幼い頃に結婚の約束をした従姉妹でもある【睦月】も強引に迫り、デパートで助けた銀髪の少女【エレナ】までもが好意を示し始める。
そんな彼女達の歪んだ共通点はただ1つ。
手段を問わず彼を幸せにすること。
その為だけに彼女達は周りの事など気にせずに自分の全てをかけてぶつかっていく!
選べなければ全員受け入れちゃえばいいじゃない!
真のハーレムストーリー開幕!
この作品はカクヨム等でも公開しております。
アニラジロデオ ~夜中に声優ラジオなんて聴いてないでさっさと寝な!
坪庭 芝特訓
恋愛
女子高生の零児(れいじ 黒髪アーモンドアイの方)と響季(ひびき 茶髪眼鏡の方)は、深夜の声優ラジオ界隈で暗躍するネタ職人。
零児は「ネタコーナーさえあればどんなラジオ番組にも現れ、オモシロネタを放り込む」、響季は「ノベルティグッズさえ貰えればどんなラジオ番組にもメールを送る」というスタンスでそれぞれネタを送ってきた。
接点のなかった二人だが、ある日零児が献結 (※10代の子限定の献血)ルームでラジオ番組のノベルティグッズを手にしているところを響季が見つける。
零児が同じネタ職人ではないかと勘付いた響季は、献結ルームの職員さん、看護師さん達の力も借り、なんとかしてその証拠を掴みたい、彼女のラジオネームを知りたいと奔走する。
ここから第四部その2⇒いつしか響季のことを本気で好きになっていた零児は、その熱に浮かされ彼女の核とも言える面白さを失いつつあった。
それに気付き、零児の元から走り去った響季。
そして突如舞い込む百合営業声優の入籍話と、みんな大好きプリント自習。
プリントを5分でやっつけた響季は零児とのことを柿内君に相談するが、いつしか話は今や親友となった二人の出会いと柿内君の過去のこと、更に零児と響季の実験の日々の話へと続く。
一学年上の生徒相手に、お笑い営業をしていた少女。
夜の街で、大人相手に育った少年。
危うい少女達の告白百人組手、からのKissing図書館デート。
その少女達は今や心が離れていた。
ってそんな話どうでもいいから彼女達の仲を修復する解決策を!
そうだVogue対決だ!
勝った方には当選したけど全く行く気のしない献結啓蒙ライブのチケットをプレゼント!
ひゃだ!それってとってもいいアイデア!
そんな感じでギャルパイセンと先生達を巻き込み、ハイスクールがダンスフロアに。
R15指定ですが、高濃度百合分補給のためにたまにそういうのが出るよというレベル、かつ欠番扱いです。
読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
検索用キーワード
百合ん百合ん女子高生/よくわかる献血/ハガキ職人講座/ラジオと献血/百合声優の結婚報告/プリント自習/処世術としてのオネエキャラ/告白タイム/ギャルゲー収録直後の声優コメント/雑誌じゃない方のVOGUE/若者の缶コーヒー離れ
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
W-score
フロイライン
恋愛
男に負けじと人生を仕事に捧げてきた山本 香菜子は、ゆとり世代の代表格のような新入社員である新開 優斗とペアを組まされる。
優斗のあまりのだらしなさと考えの甘さに、閉口する香菜子だったが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる