135 / 350
第十三話
9
しおりを挟む
もう夕方か。
そろそろ夕飯の支度をしないといけないな。
考える事は一緒だったのか、僕と香奈姉ちゃんは台所に向かう。
台所に着くなり、香奈姉ちゃんは僕に声をかけてくる。
「ねぇ、楓」
「何? 香奈姉ちゃん」
「今日の夕飯…何にしようか?」
「それって、僕に訊くことなの?」
香奈姉ちゃんの家の夕飯のことを僕に訊いてくるとは思わなかっただけに、ついそう返してしまった。
なんかもう、香奈姉ちゃんの家の夕飯を作るのは、僕みたいな流れになってる気がするんだけど。
香奈姉ちゃんは、笑顔で言ってくる。
「だって、お料理なら私よりも楓の方が得意でしょ?」
「そんなことは……。香奈姉ちゃんだって、料理は得意だよね?」
「そんなことはないわよ。楓が料理してる姿を見様見真似でしてみたら、そうなっただけだよ」
「そうなの?」
「そうだよ。…だから、楓が私の家の台所に立つってことは、何か作ってくれるってことだよね?」
「そんな……」
なんでそういうことになってしまうんだ。
僕は、がっくりとうなだれてしまう。
台所に立ったのは、いつもの癖で……。
香奈姉ちゃんは、『大丈夫だよ』と言わんばかりに僕の肩に触れる。
「心配しなくても大丈夫だよ。私も手伝ってあげるから」
「それってさ。普通は、逆じゃない?」
「どうして?」
「ここが僕の家ならわかるんだけどさ。ここは、香奈姉ちゃんの家でしょ。だから、普通は僕が香奈姉ちゃんのお手伝いをするっていうのが自然だと思うんだよね」
「そんな細かいことは気にしないの。私が、楓のお手伝いをするって言ってるんだから、楓が何か作ってよ」
「でも……」
「冷蔵庫の中にある材料なら、何使ってもいいからさ。お願い」
香奈姉ちゃんは、そう言うけどさ。
他所様の家の冷蔵庫を開けるっていうのは、すごく気を遣うんだよ。
香奈姉ちゃんだって、それはわかっているはずなのに……。
「仕方ないなぁ。…今回だけだよ」
僕は、ため息混じりにそう言うと、さっそく冷蔵庫の中をチェックする。
「ありがとう」
香奈姉ちゃんは、嬉しそうにお礼を言った。
幼馴染の家とはいえ、やはり他所様の家だ。
冷蔵庫の中を見るのは、しのびない。
香奈姉ちゃんは、どんな気持ちで僕の家の冷蔵庫の中を見ているんだろうか。
少し疑問だが、今は訊かないでおこう。
「今日は、回鍋肉にしようか」
「いいね。それじゃ、私は野菜の下処理をするね」
僕がそう言うと、香奈姉ちゃんはすぐに行動を起こした。
香奈姉ちゃんは、冷蔵庫の中からいくつか野菜を取り出すと、手に持っていた包丁で、ちょうどいい大きさにカットしていく。
その手際の良さは、さすがだ。
僕も、必要な調味料を揃えていく。
香奈姉ちゃんの家にある調味料からだから、あり合わせのもので十分だ。
後はフライパンを用意して、順番に具材を炒めていくだけだろう。
「ねぇ、香奈。今日の、献立は何かな?」
香奈姉ちゃんの方の作業が終わったタイミングで、香奈姉ちゃんの母親が台所に入ってきて、そう訊いてきた。
料理している人間のことをよく確認していなかったんだろう。
香奈姉ちゃんの母親は、僕を見るなり
「…あら? 楓君じゃない」
と言って、呆然と立っていた。
香奈姉ちゃんの母親の質問には、香奈姉ちゃんが答える。
「今日は、楓の特製の回鍋肉だよ」
「そう。楓君が作るのなら安心ね」
香奈姉ちゃんの母親は、安心したかのようにそう言ってグッドサインをだす。
香奈姉ちゃんの母親も、僕が料理が得意なのは知っている。
何度か振る舞ったことがあるから、わかっているはずだ。
僕は、思わず苦笑いをした。
料理をするのは、別に嫌じゃないからいいとして。
本来なら、香奈姉ちゃんがやらなきゃいけないことのはずなんだけどな。
「ところで、楓君」
香奈姉ちゃんの母親は、まじまじと僕のことを見て言ってきた。
「なんですか?」
僕は、調理中の手を一瞬だけ止めて、香奈姉ちゃんの母親の方を見やる。
香奈姉ちゃんの母親から、改めて声をかけられるのはめずらしいことだ。
なにか重要なことなのかな。
そう思い、黙って香奈姉ちゃんの母親を見ていると、母親の口からとんでもない一言が発せられた。
「いつ香奈のことを貰うつもりなの?」
「え……」
香奈姉ちゃんの母親の言葉に、僕は思わず唖然となってしまう。
「ちょっと、お母さん! 恥ずかしいから、やめてよ」
香奈姉ちゃんの方はというと、羞恥に顔が真っ赤になり香奈姉ちゃんの母親にそう言っていた。
しかし、香奈姉ちゃんの母親は、思案げな表情で香奈姉ちゃんを見る。
「だってあなたたち、もうセックスはしちゃったんでしょ?」
「そ、それは……。たしかにしちゃったけど……」
香奈姉ちゃんは、言いづらそうに母親から視線を逸らす。
これは、僕の母親からの情報だな。
たしかに香奈姉ちゃんとはセックスをしたけど、僕の方からじゃない。
「だったら何も問題ないじゃない。後は、香奈のことをいつ貰うつもりなのか、ちゃんと聞いておかないと…ね」
香奈姉ちゃんの母親は、恥ずかしげも無くそう言った。
さすがは、香奈姉ちゃんの母親といったところか。
香奈姉ちゃんは、すっかり何も言えなくなってしまう。
僕は微笑を浮かべて、香奈姉ちゃんの母親の質問に答える。
「えっと……。今のところは、恋人同士としてお付き合いしている段階なので、貰うとかっていうのはさすがに……。いつかは考えてはいるけど……」
「そっか。今はまだ、高校一年生だもんね。そんなことを考えるにはまだ早いか……」
香奈姉ちゃんの母親は、納得した様子でそう言っていた。
たしかに香奈姉ちゃんとはエッチなことをしたけど、そういうことになると話が別だ。
母親の言葉に、香奈姉ちゃんが反応する。
「そうだよ。さすがに同棲とかはまだ……」
「そんなこと言うけど、香奈ったら、ほとんど周防さんの家にいることが多いじゃないの。どうせ楓君がいるから、それが目当てなんでしょうけど」
「うん……。楓にはね。その……。他の女の子を近づけたくないっていうか……」
まぁ、香奈姉ちゃんの本音はそれだろうな……。
それは、僕にとっては嬉しいことなんだけど。
やきもちを妬かれても、他に好きな人はいないし。
「そうなんだ。とりあえず、そうならないように気をつけるよ」
僕は、苦笑いをしてそう言っていた。
香奈姉ちゃんがいる限り、対人関係に困る事はなさそうだ。
そう思ったところで、僕は調理の続きを行う。
僕は、香奈姉ちゃんがカットした具材をフライパンの中に入れて、手際よく炒めていく。
「楓君は、放っておいたら他の女の子にもっていかれそうだからね。気をつけないとね」
香奈姉ちゃんの母親は、そう言って悪戯っぽく笑う。
「そんなこと……。絶対にさせないんだから」
香奈姉ちゃんは、意気込む様子を見せる。
僕は誰のものにもならないから、安心していいのにな。
そろそろ夕飯の支度をしないといけないな。
考える事は一緒だったのか、僕と香奈姉ちゃんは台所に向かう。
台所に着くなり、香奈姉ちゃんは僕に声をかけてくる。
「ねぇ、楓」
「何? 香奈姉ちゃん」
「今日の夕飯…何にしようか?」
「それって、僕に訊くことなの?」
香奈姉ちゃんの家の夕飯のことを僕に訊いてくるとは思わなかっただけに、ついそう返してしまった。
なんかもう、香奈姉ちゃんの家の夕飯を作るのは、僕みたいな流れになってる気がするんだけど。
香奈姉ちゃんは、笑顔で言ってくる。
「だって、お料理なら私よりも楓の方が得意でしょ?」
「そんなことは……。香奈姉ちゃんだって、料理は得意だよね?」
「そんなことはないわよ。楓が料理してる姿を見様見真似でしてみたら、そうなっただけだよ」
「そうなの?」
「そうだよ。…だから、楓が私の家の台所に立つってことは、何か作ってくれるってことだよね?」
「そんな……」
なんでそういうことになってしまうんだ。
僕は、がっくりとうなだれてしまう。
台所に立ったのは、いつもの癖で……。
香奈姉ちゃんは、『大丈夫だよ』と言わんばかりに僕の肩に触れる。
「心配しなくても大丈夫だよ。私も手伝ってあげるから」
「それってさ。普通は、逆じゃない?」
「どうして?」
「ここが僕の家ならわかるんだけどさ。ここは、香奈姉ちゃんの家でしょ。だから、普通は僕が香奈姉ちゃんのお手伝いをするっていうのが自然だと思うんだよね」
「そんな細かいことは気にしないの。私が、楓のお手伝いをするって言ってるんだから、楓が何か作ってよ」
「でも……」
「冷蔵庫の中にある材料なら、何使ってもいいからさ。お願い」
香奈姉ちゃんは、そう言うけどさ。
他所様の家の冷蔵庫を開けるっていうのは、すごく気を遣うんだよ。
香奈姉ちゃんだって、それはわかっているはずなのに……。
「仕方ないなぁ。…今回だけだよ」
僕は、ため息混じりにそう言うと、さっそく冷蔵庫の中をチェックする。
「ありがとう」
香奈姉ちゃんは、嬉しそうにお礼を言った。
幼馴染の家とはいえ、やはり他所様の家だ。
冷蔵庫の中を見るのは、しのびない。
香奈姉ちゃんは、どんな気持ちで僕の家の冷蔵庫の中を見ているんだろうか。
少し疑問だが、今は訊かないでおこう。
「今日は、回鍋肉にしようか」
「いいね。それじゃ、私は野菜の下処理をするね」
僕がそう言うと、香奈姉ちゃんはすぐに行動を起こした。
香奈姉ちゃんは、冷蔵庫の中からいくつか野菜を取り出すと、手に持っていた包丁で、ちょうどいい大きさにカットしていく。
その手際の良さは、さすがだ。
僕も、必要な調味料を揃えていく。
香奈姉ちゃんの家にある調味料からだから、あり合わせのもので十分だ。
後はフライパンを用意して、順番に具材を炒めていくだけだろう。
「ねぇ、香奈。今日の、献立は何かな?」
香奈姉ちゃんの方の作業が終わったタイミングで、香奈姉ちゃんの母親が台所に入ってきて、そう訊いてきた。
料理している人間のことをよく確認していなかったんだろう。
香奈姉ちゃんの母親は、僕を見るなり
「…あら? 楓君じゃない」
と言って、呆然と立っていた。
香奈姉ちゃんの母親の質問には、香奈姉ちゃんが答える。
「今日は、楓の特製の回鍋肉だよ」
「そう。楓君が作るのなら安心ね」
香奈姉ちゃんの母親は、安心したかのようにそう言ってグッドサインをだす。
香奈姉ちゃんの母親も、僕が料理が得意なのは知っている。
何度か振る舞ったことがあるから、わかっているはずだ。
僕は、思わず苦笑いをした。
料理をするのは、別に嫌じゃないからいいとして。
本来なら、香奈姉ちゃんがやらなきゃいけないことのはずなんだけどな。
「ところで、楓君」
香奈姉ちゃんの母親は、まじまじと僕のことを見て言ってきた。
「なんですか?」
僕は、調理中の手を一瞬だけ止めて、香奈姉ちゃんの母親の方を見やる。
香奈姉ちゃんの母親から、改めて声をかけられるのはめずらしいことだ。
なにか重要なことなのかな。
そう思い、黙って香奈姉ちゃんの母親を見ていると、母親の口からとんでもない一言が発せられた。
「いつ香奈のことを貰うつもりなの?」
「え……」
香奈姉ちゃんの母親の言葉に、僕は思わず唖然となってしまう。
「ちょっと、お母さん! 恥ずかしいから、やめてよ」
香奈姉ちゃんの方はというと、羞恥に顔が真っ赤になり香奈姉ちゃんの母親にそう言っていた。
しかし、香奈姉ちゃんの母親は、思案げな表情で香奈姉ちゃんを見る。
「だってあなたたち、もうセックスはしちゃったんでしょ?」
「そ、それは……。たしかにしちゃったけど……」
香奈姉ちゃんは、言いづらそうに母親から視線を逸らす。
これは、僕の母親からの情報だな。
たしかに香奈姉ちゃんとはセックスをしたけど、僕の方からじゃない。
「だったら何も問題ないじゃない。後は、香奈のことをいつ貰うつもりなのか、ちゃんと聞いておかないと…ね」
香奈姉ちゃんの母親は、恥ずかしげも無くそう言った。
さすがは、香奈姉ちゃんの母親といったところか。
香奈姉ちゃんは、すっかり何も言えなくなってしまう。
僕は微笑を浮かべて、香奈姉ちゃんの母親の質問に答える。
「えっと……。今のところは、恋人同士としてお付き合いしている段階なので、貰うとかっていうのはさすがに……。いつかは考えてはいるけど……」
「そっか。今はまだ、高校一年生だもんね。そんなことを考えるにはまだ早いか……」
香奈姉ちゃんの母親は、納得した様子でそう言っていた。
たしかに香奈姉ちゃんとはエッチなことをしたけど、そういうことになると話が別だ。
母親の言葉に、香奈姉ちゃんが反応する。
「そうだよ。さすがに同棲とかはまだ……」
「そんなこと言うけど、香奈ったら、ほとんど周防さんの家にいることが多いじゃないの。どうせ楓君がいるから、それが目当てなんでしょうけど」
「うん……。楓にはね。その……。他の女の子を近づけたくないっていうか……」
まぁ、香奈姉ちゃんの本音はそれだろうな……。
それは、僕にとっては嬉しいことなんだけど。
やきもちを妬かれても、他に好きな人はいないし。
「そうなんだ。とりあえず、そうならないように気をつけるよ」
僕は、苦笑いをしてそう言っていた。
香奈姉ちゃんがいる限り、対人関係に困る事はなさそうだ。
そう思ったところで、僕は調理の続きを行う。
僕は、香奈姉ちゃんがカットした具材をフライパンの中に入れて、手際よく炒めていく。
「楓君は、放っておいたら他の女の子にもっていかれそうだからね。気をつけないとね」
香奈姉ちゃんの母親は、そう言って悪戯っぽく笑う。
「そんなこと……。絶対にさせないんだから」
香奈姉ちゃんは、意気込む様子を見せる。
僕は誰のものにもならないから、安心していいのにな。
0
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説
【完結】嫌われ令嬢、部屋着姿を見せてから、王子に溺愛されてます。
airria
恋愛
グロース王国王太子妃、リリアナ。勝ち気そうなライラックの瞳、濡羽色の豪奢な巻き髪、スレンダーな姿形、知性溢れる社交術。見た目も中身も次期王妃として完璧な令嬢であるが、夫である王太子のセイラムからは忌み嫌われていた。
どうやら、セイラムの美しい乳兄妹、フリージアへのリリアナの態度が気に食わないらしい。
2ヶ月前に婚姻を結びはしたが、初夜もなく冷え切った夫婦関係。結婚も仕事の一環としか思えないリリアナは、セイラムと心が通じ合わなくても仕方ないし、必要ないと思い、王妃の仕事に邁進していた。
ある日、リリアナからのいじめを訴えるフリージアに泣きつかれたセイラムは、リリアナの自室を電撃訪問。
あまりの剣幕に仕方なく、部屋着のままで対応すると、なんだかセイラムの様子がおかしくて…
あの、私、自分の時間は大好きな部屋着姿でだらけて過ごしたいのですが、なぜそんな時に限って頻繁に私の部屋にいらっしゃるの?
あなたが「消えてくれたらいいのに」と言ったから
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
「消えてくれたらいいのに」
結婚式を終えたばかりの新郎の呟きに妻となった王女は……
短いお話です。
新郎→のち王女に視点を変えての数話予定。
4/16 一話目訂正しました。『一人娘』→『第一王女』
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
ルカ(聖夜月ルカ)
恋愛
シュバルツ・シュメルツの華麗なるヴォーカリスト・瑠威には誰にも言えない秘密があって…
※表紙画はリカオ様に描いていただきました。m(__)m
姿を偽った黒髪令嬢は、女嫌いな公爵様のお世話係をしているうちに溺愛されていたみたいです
鳴宮野々花@初書籍発売中【二度婚約破棄】
恋愛
王国の片田舎にある小さな町から、八歳の時に母方の縁戚であるエヴェリー伯爵家に引き取られたミシェル。彼女は伯爵一家に疎まれ、美しい髪を黒く染めて使用人として生活するよう強いられた。以来エヴェリー一家に虐げられて育つ。
十年後。ミシェルは同い年でエヴェリー伯爵家の一人娘であるパドマの婚約者に嵌められ、伯爵家を身一つで追い出されることに。ボロボロの格好で人気のない場所を彷徨っていたミシェルは、空腹のあまりふらつき倒れそうになる。
そこへ馬で通りがかった男性と、危うくぶつかりそうになり──────
※いつもの独自の世界のゆる設定なお話です。何もかもファンタジーです。よろしくお願いします。
※この作品はカクヨム、小説家になろう、ベリーズカフェにも投稿しています。
転生してギルドの社畜になったけど、S級冒険者の女辺境伯にスカウトされたので退職して領地開拓します。今更戻って来いって言われてももう婿です
途上の土
ファンタジー
『ブラック企業の社畜」ならぬ『ブラックギルドのギル畜』 ハルトはふとしたきっかけで前世の記憶を取り戻す。
ギルドにこき使われ、碌に評価もされず、虐げられる毎日に必死に耐えていたが、憧れのS 級冒険者マリアに逆プロポーズされ、ハルトは寿退社(?)することに。
前世の記憶と鑑定チートを頼りにハルトは領地開拓に動き出す。
ハルトはただの官僚としてスカウトされただけと思っていたのに、いきなり両親に紹介されて——
一方、ハルトが抜けて彼の仕事をカバーできる者がおらず冒険者ギルドは大慌て。ハルトを脅して戻って来させようとするが——
ハルトの笑顔が人々を動かし、それが発展に繋がっていく。
色々問題はあるけれど、きっと大丈夫! だって、うちの妻、人類最強ですから!
※中世ヨーロッパの村落、都市、制度等を参考にしておりますが、当然そのまんまではないので、史実とは差異があります。ご了承ください
※カクヨムにも掲載しています。現在【異世界ファンタジー週間18位】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる