色づく世界の端っこで

星夜るな

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第一章

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信じられなかった。未だに…。
でも、佐倉さんの悲しそうな瞳を見て、それが真実だと。
言うことを知った。
いや、わかってしまった。
僕は、今の話を聞いても思い出せない。

遠い記憶……。


碧は、隣で泣いていた。


僕も、悲しい…。


けれど、こういうときにも、僕の無表情さは、変わらない。







「彩人君…。もしよかったら、君に宛てた手紙を読んでみない…。この手紙は、姉の遺品を整理しているときに見つけたんだ。」


そう言うと、佐倉さんは、透明なファイルから少し、よれたノートを出した。



僕は、受け取る資格名はない。
と、思った。


記憶にない母。


今まで知らずに、生きてきた。



だから…。



「彩人君。読んでくれない?今、君がいっぱいいっぱいということは知っているんだけど、これは、姉からの最初で最後の君へので紙なんだ。今までは、知らなかったかもしれない。でも、今、僕を通して、君は、母という存在を知ったんだ。だから…。」

佐倉さんの方へと顔をあげると
佐倉さんの瞳には涙が…。


「彩人兄…。僕もいるよ。だから一緒に読もう。」

碧も涙を流しながらそういう。



僕は、よれたノートを受け取った。
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