色づく世界の端っこで

星夜るな

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第一章

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「星井くん…いや彩人君…。君の力になりたいんだ。だから、教えてくれない?どうして、作曲をやめたのか。」


「何を…。関係ないです。」



「ねえ。お願いだから…ね。彩人君はさ。いつも無表情で何を考えているのか。正直言ってわからなかった。でも、いつもさりげななく気を遣ってくれたりしてくれるよね。あまり喋らないけど言うときは、言うし。…お人好しだよ。そして、いい人だよ。」



日比野先輩は、泣きそうな声でそう言ってくる。


違う。

別に、気を遣ってるわけではない。

自分に都合がいいから。


お人好しではない。

ただ、相手をむやみに傷つけたくないから。
傷ついた心は、すぐに元に戻らなくて…。

それでも、何も無いふりをしていかないといけないから。

いつ塞がるか。わからない傷ついた心を持って…。


それだけ…。



 
「違います。そんないい人じゃない…。」


いい人だったら、実母と義母を間違えるはずがない。



いい人だったら、あのとき、ロボットみたいなんて言われなかっただろうし。


いい人だったら、血の繋がりがある父親をあんなふうに憎まない。




だから、いい人…。なんて言わないでください。

















僕は、悪い人…だから。









僕は、自分でそう思います。


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