色づく世界の端っこで

星夜るな

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第一章

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佐倉さくらさん…」

が立っていた。

どうしてここに。

薄桃色の肩下まである髪をする赤い紐でくくっている。その額にはわずかに汗が滲んでいる。

慌てている姿は初めて見る。


「久しぶりだな。」

父が威張ったように佐倉さんに言う。

「佐倉よぅ!もしかて、彩人は、お前の素性を知らないのか?まあ、知ってたら覚えてる女を母とは言わないもんな!」

佐倉さんは、眉を寄せて思い表情をしている。


「黙ってください。あなたに名前を呼ばれなくない。」


そう言うと佐倉さんは、僕の体を引っ張り佐倉さんの方へと傾いた。そして、僕の手を引っ張り父から離れようとする。




「はあ?黙ってだって?よく言えるよな。本当のことを話さないで。滑稽だな。」

そう言いながら笑う父。


僕は、佐倉さんへと目線を向けた。

本当のことを知っているですか?

そう聞きたい。

でも、今の佐倉さんには聞けない。

そんな雰囲気があった。






追い込むような目をしていた。



僕は、知らないふりをするしかなかった。
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