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第一章
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その日の夜。
夢を見た。
いつだっただろうか。
元々表情が乏しかった僕が、表情なんて要らない。必要ない。……。
なんて思っていた頃だったかな。
その頃僕は、中学生だった。
中学二年の夏。
それは突然だった。
実は、死んでた親が生きていたこと。
両親が、離婚していて、どちらとも新しい家庭を持っていること。
僕に会いたがっていること。
母親の方に、血は繋がらないが、双子の弟、妹がいること。
出来れば、引き取りたい。そう思っていること。
父が、施設に来たこともあった。
仕方なく会うと「お金をやるなら一緒に住んでやってもいいぞ。」と言われたこと。
それを碧にも話せていないこと。
周りからも僕の作詞作曲についての仕事が来ていてそれを断るために唯菜先生の仕事を邪魔していること。
学校で、「人形みたい。」「キモい。」て言われていること。
悩みはたくさんあった。
でも、誰にも話せず、ただ、心のなかに影を落としていくだけ。
碧といるときは、頼もしいいい年上を振る舞っている僕。
学校では、言葉に耐えながらビクビクと過ごす僕。
正反対だ。
どんどん自分がわからなくなっていく。
助けてほしい。
相談したい。
「感情は持っているんだよ。」そう叫んでしまいたい。
ねえ。
僕は、どうすればいいのかな。
自分を守るための仮面が、自分を苦しめていく。
取れなくなっていく。
自分がわからなくなっていく。
ピピーッピピーッ。
この前替えたアラームの音が部屋に鳴り響く。
また、同じような考えに支配された朝が来る。
今日も小さな幸せと平穏を送るために。
夢を見た。
いつだっただろうか。
元々表情が乏しかった僕が、表情なんて要らない。必要ない。……。
なんて思っていた頃だったかな。
その頃僕は、中学生だった。
中学二年の夏。
それは突然だった。
実は、死んでた親が生きていたこと。
両親が、離婚していて、どちらとも新しい家庭を持っていること。
僕に会いたがっていること。
母親の方に、血は繋がらないが、双子の弟、妹がいること。
出来れば、引き取りたい。そう思っていること。
父が、施設に来たこともあった。
仕方なく会うと「お金をやるなら一緒に住んでやってもいいぞ。」と言われたこと。
それを碧にも話せていないこと。
周りからも僕の作詞作曲についての仕事が来ていてそれを断るために唯菜先生の仕事を邪魔していること。
学校で、「人形みたい。」「キモい。」て言われていること。
悩みはたくさんあった。
でも、誰にも話せず、ただ、心のなかに影を落としていくだけ。
碧といるときは、頼もしいいい年上を振る舞っている僕。
学校では、言葉に耐えながらビクビクと過ごす僕。
正反対だ。
どんどん自分がわからなくなっていく。
助けてほしい。
相談したい。
「感情は持っているんだよ。」そう叫んでしまいたい。
ねえ。
僕は、どうすればいいのかな。
自分を守るための仮面が、自分を苦しめていく。
取れなくなっていく。
自分がわからなくなっていく。
ピピーッピピーッ。
この前替えたアラームの音が部屋に鳴り響く。
また、同じような考えに支配された朝が来る。
今日も小さな幸せと平穏を送るために。
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