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第一章
25 番外編
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朝起きると、みんなが、僕が配ったプレゼントを大切そうに抱え、喜んでいる。
ある子は
「わーあー。かわいい。△△ちゃんに自慢しょう!」
まだある子は、
「見てみて、俺が好きな柄だぜ。一番にあっているのは、俺だな。」
とか言っている。
夜遅くまで、起きて、誰も起こさないように、配るのは、体力的にも、精神的にも疲れたが、みんなの笑顔があるから、やめられないんだよな。
そんなことを考えていた。
碧は、隣でプレゼントを開けて、何故かうるっとしながら、喜んでいる。
そのあとは、唯菜先生や院長が作ったケーキや美味しそうなごちそうをたべ、歌を歌って、一日が終わった。
それから、一週間後。
学校から帰ってくると、碧に引っ張られるように、『あの場所』に連れて行かれた。
何も言わずに、突然連れて行くので、びっくりした。
「碧?嫌なことでもあった?」
と聞いた。
「違うよ。」
あれっ。僕は思った。声が弾んでいる。
「あのね。彩人兄はさ。自分の分のプレゼント作らなかったでしょ。みんなのことを優先して、だからね!遅くなったけど。僕からのクリスマスプレゼント。」
と言って、紙袋を渡してきた。
開けてみると、マフラーと手袋が入っていた。
『ありがとう。』そう言おうとしたとき、碧は、駆け足で、階段を下っていってしまった。
伝えたかったのに。
後で言おう。
そう考え、僕が階段を降りてくると、そこには、唯菜先生がいた。
ニコニコしている。
「彩人。碧からプレゼントもらったのね。
良かったわ。」
といった。
「どうして知っているんですか?」
そう尋ねると、笑いをこらえながら
「もちろん。知っているわ。だって、プレゼントをもらった次の日。朝から綿着の部屋を訪ねて、彩人に、プレゼントを渡したい。って言って来たんだもの。びっくりだったわ。」
「そ、そうなんですか。」
「そうなのよ。それでね。何を作りたいの。って聞いたらね。マフラーと手袋。だから、教えてくれる代わりに、早起きして、手伝います。て。働いてくれたの。可愛かったわ。」
そして、最後に、
「碧はね。最後に、彩人兄は、自分のことじゃなくて、みんなのこと優先するから、僕だけでも、彩人兄を優先したいって。良かったわね。」
と言いながら、施設の中入っていった。
それを聞いて、僕は、
嬉しかった。
外は寒いのに、心がポカポカしていた。
碧がそこまで考えてくれてるなんて知らなかった。
まだ、来て間もないのに。
産まれてから、初めてのクリスマスプレゼント。
そしてそのプレゼントは手作り。
こんな幸せでいいのかな。
過去、今、未来の中でも、きっと一番のサプライズプレゼントだったことだろう。
そして、今現在、そのマフラーと手袋は、大切に大事に使っている。
碧からは
「もう古くなってきているから、捨てたら。」
と言われているが、捨てはしない。
もし、使えなくなっても、部屋の棚にしまって宝物としてそこにあり続けるだろう。
そんな予感がする。
それぐらい。幸せで、嬉しい。
何物にも変えられない。
プレゼントをもらった。
今年は、どんなクリスマスプレゼントが碧や施設の子どもたちに配られるのか。
それは、彩人の頭の中を覗かないと知れない。見れない。
ただ、一つ言えるのは、今年も最高のクリスマスだということだ。
クリスマスは、プレゼントも大切だが。
本当は、その気持ちが大切なのかもしれない。
そう、彩人のことを考えてプレゼントを用意した碧のような。
星井児童施設は、笑い声で溢れていた。
❝ぎりぎり間に合って良かったです。❞
ある子は
「わーあー。かわいい。△△ちゃんに自慢しょう!」
まだある子は、
「見てみて、俺が好きな柄だぜ。一番にあっているのは、俺だな。」
とか言っている。
夜遅くまで、起きて、誰も起こさないように、配るのは、体力的にも、精神的にも疲れたが、みんなの笑顔があるから、やめられないんだよな。
そんなことを考えていた。
碧は、隣でプレゼントを開けて、何故かうるっとしながら、喜んでいる。
そのあとは、唯菜先生や院長が作ったケーキや美味しそうなごちそうをたべ、歌を歌って、一日が終わった。
それから、一週間後。
学校から帰ってくると、碧に引っ張られるように、『あの場所』に連れて行かれた。
何も言わずに、突然連れて行くので、びっくりした。
「碧?嫌なことでもあった?」
と聞いた。
「違うよ。」
あれっ。僕は思った。声が弾んでいる。
「あのね。彩人兄はさ。自分の分のプレゼント作らなかったでしょ。みんなのことを優先して、だからね!遅くなったけど。僕からのクリスマスプレゼント。」
と言って、紙袋を渡してきた。
開けてみると、マフラーと手袋が入っていた。
『ありがとう。』そう言おうとしたとき、碧は、駆け足で、階段を下っていってしまった。
伝えたかったのに。
後で言おう。
そう考え、僕が階段を降りてくると、そこには、唯菜先生がいた。
ニコニコしている。
「彩人。碧からプレゼントもらったのね。
良かったわ。」
といった。
「どうして知っているんですか?」
そう尋ねると、笑いをこらえながら
「もちろん。知っているわ。だって、プレゼントをもらった次の日。朝から綿着の部屋を訪ねて、彩人に、プレゼントを渡したい。って言って来たんだもの。びっくりだったわ。」
「そ、そうなんですか。」
「そうなのよ。それでね。何を作りたいの。って聞いたらね。マフラーと手袋。だから、教えてくれる代わりに、早起きして、手伝います。て。働いてくれたの。可愛かったわ。」
そして、最後に、
「碧はね。最後に、彩人兄は、自分のことじゃなくて、みんなのこと優先するから、僕だけでも、彩人兄を優先したいって。良かったわね。」
と言いながら、施設の中入っていった。
それを聞いて、僕は、
嬉しかった。
外は寒いのに、心がポカポカしていた。
碧がそこまで考えてくれてるなんて知らなかった。
まだ、来て間もないのに。
産まれてから、初めてのクリスマスプレゼント。
そしてそのプレゼントは手作り。
こんな幸せでいいのかな。
過去、今、未来の中でも、きっと一番のサプライズプレゼントだったことだろう。
そして、今現在、そのマフラーと手袋は、大切に大事に使っている。
碧からは
「もう古くなってきているから、捨てたら。」
と言われているが、捨てはしない。
もし、使えなくなっても、部屋の棚にしまって宝物としてそこにあり続けるだろう。
そんな予感がする。
それぐらい。幸せで、嬉しい。
何物にも変えられない。
プレゼントをもらった。
今年は、どんなクリスマスプレゼントが碧や施設の子どもたちに配られるのか。
それは、彩人の頭の中を覗かないと知れない。見れない。
ただ、一つ言えるのは、今年も最高のクリスマスだということだ。
クリスマスは、プレゼントも大切だが。
本当は、その気持ちが大切なのかもしれない。
そう、彩人のことを考えてプレゼントを用意した碧のような。
星井児童施設は、笑い声で溢れていた。
❝ぎりぎり間に合って良かったです。❞
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