色づく世界の端っこで

星夜るな

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第一章

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入学式から約一週間がたった。あれから周りは友達ができ、固定のグループができたりと、楽しそうだ。そしてその中で目立っているといえば、僕の右隣の席の夏海 鈴兎(なつかい りんと)くんだ。人懐こい性格で、もう先輩とも話せる人だ。僕はというと、自慢できるほど、一人もいない。まあ、僕が、人と関わらないようにしてきた今。静かに読書できている。今は、昼休みで、教室も少し騒がしい。静かなところで、弁当を食べようと、ここ一週間学園内を歩きに歩いた結果。木がたくさん植えてある場所を発見した。そこで食べている。ふと食べながらあることを考えていた。(最近、仲野先生とよく目が合うような。もしかして…)と自分で昔のトラウマを思い出して食べる気がなくなったので、弁当箱を閉じ、音楽室に向かうことにした。あのトラウマからなにかあると音楽室に足が向かってしまう。音楽室があるのは、4階で隣の隣が生徒会室となっているが、まず、昼休みに生徒会が通ることもなく生徒もここまで来る人がいないので、使い放題だった。(人と関わるのは、怖いけど、歌は、好きなんだよな。)音楽室のドアを開け、周りに人がいないことを確認して、歌いだした。
《♪ いつの日か笑うことができなくなって色づいた世界は モノクロに変わり…♪》と歌っていると、ガラッとドアが開いた。突然のことで固まってしまい、動けなかった。
「ねぇ、君。その歌声って…。ちょっとさ放課後来てもらいたいところがあるんだけど。いいよね。」
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