99 / 105
番外編・青年カインの年上の恋人
※6
しおりを挟む
「カイン、キスしよ……」
「ああ……」
覆い被さったニーナが顔を近づけて来たので、カインも唇を重ねた。チュッと唇を啄んでは顔を離し、目を合わせて嬉しそうにニーナは微笑んだ。
(頑なにキスさせてくれなかったニーナが……こんなに俺の唇を求めてくれる……幸せだ……)
ニーナとの出会いが出会いなだけに、カインは最初、唇へのキスを許しては貰えなかった。カイン自身も若干意地になっていた所はあったので、その時のことを思い出して苦笑した。
「……どうしたの?」
「ああ……すまない。ニーナは最初、キスをさせてくれなかったなと思い出していた」
「……変なこと思い出すなよ。カインだって……好きだって分かるまでダメとか言ってたじゃないか……」
「ははっ、そうだったな」
カインが笑うとニーナは悔しそうな顔をした。
「カインの笑った顔……可愛い」
「ニーナくらいだ。俺を可愛いなんて言うのは……」
「可愛い所も、かっこいい所も……一緒にいると安心する所も……好き、全部好き……」
ニーナは悔しそうな顔のまま頬を染めて、カインにまたキスをした。
「はぁ……好き……カイン」
「俺もだ、ニーナ……」
ニーナが唇に舌を這わして来たので迎え入れる様に舌を絡めた。
「ん……んん……はぁ……」
「は……ニーナ、好きだ……」
舌を絡めたり解いたりを繰り返していると、お互いの熱さで溶けていくようだとカインは吐息を漏らした。ニーナの尻尾がゆらゆらと揺れているので、なだめる様に付け根を撫でた。
「うぅ……ん……んん……」
「……はぁ……は……もっと、ニーナが、欲しい……」
尻尾の付け根を押すとニーナがビクンと震えて動きが止まり、尻尾がピンっと立ち上がった。
「ん……ちょっと、待ってよ」
ニーナが顔を上げると唾液の糸が尾を引いていたのでカインはペロリと舐め取った。
「ここも……もっと触れて良いか?」
尻尾の付け根を刺激する度に震える姿に情欲を掻き立てられ、カインはニーナの尻臀をグイグイと服越しに撫でた。
「う、あの……カイン」
「……すまない、嫌だったか」
カインはニーナの尻臀から慌てて手を離した。
(夜遅くに帰って来て……恋人に欲情して性急にことを進めるのは「余裕がない年下」だ。こんなことでは、ニーナに嫌われてしまう……)
カインがシュンとしているとニーナが頭を撫でて、コツンと額を合わせて来た。
「……ね、カイン君、何で勝手に盛り下がってるの?」
「……性急だったかと、反省している」
「ふっ……可愛い……」
額を合わせたニーナがクスクスと笑った。息遣いを感じる程近くにニーナがいることに、カインは胸がジンと熱くなった。
「カインは反省が早くて偉いよね。でも、待ってって言ったのは……やだってことじゃなくてさ……」
ニーナは起き上がると、カインの腰に跨り、もじもじと両手を合わせて目を伏せた。
「……オレさ、明日休みだから、夜更かししようと思って起きてたって言ったよね?」
「ああ、言っていたな」
「あと一週間くらいでカインも帰って来るし……後ろ使う準備、ちょっとだけ……しとこうかなって思って」
ニーナはふぅっと息を吐き出して一気に喋ったので、カインは一瞬どういう意味か汲み取ることが出来なかった。
「ニーナ、それは、どういう……」
「ああ、もう! だから、今日、一人でしようと思って、後ろを準備してあるんだよ」
ニーナが目をそらして恥ずかしそうに目を伏せた。
「ああ……」
覆い被さったニーナが顔を近づけて来たので、カインも唇を重ねた。チュッと唇を啄んでは顔を離し、目を合わせて嬉しそうにニーナは微笑んだ。
(頑なにキスさせてくれなかったニーナが……こんなに俺の唇を求めてくれる……幸せだ……)
ニーナとの出会いが出会いなだけに、カインは最初、唇へのキスを許しては貰えなかった。カイン自身も若干意地になっていた所はあったので、その時のことを思い出して苦笑した。
「……どうしたの?」
「ああ……すまない。ニーナは最初、キスをさせてくれなかったなと思い出していた」
「……変なこと思い出すなよ。カインだって……好きだって分かるまでダメとか言ってたじゃないか……」
「ははっ、そうだったな」
カインが笑うとニーナは悔しそうな顔をした。
「カインの笑った顔……可愛い」
「ニーナくらいだ。俺を可愛いなんて言うのは……」
「可愛い所も、かっこいい所も……一緒にいると安心する所も……好き、全部好き……」
ニーナは悔しそうな顔のまま頬を染めて、カインにまたキスをした。
「はぁ……好き……カイン」
「俺もだ、ニーナ……」
ニーナが唇に舌を這わして来たので迎え入れる様に舌を絡めた。
「ん……んん……はぁ……」
「は……ニーナ、好きだ……」
舌を絡めたり解いたりを繰り返していると、お互いの熱さで溶けていくようだとカインは吐息を漏らした。ニーナの尻尾がゆらゆらと揺れているので、なだめる様に付け根を撫でた。
「うぅ……ん……んん……」
「……はぁ……は……もっと、ニーナが、欲しい……」
尻尾の付け根を押すとニーナがビクンと震えて動きが止まり、尻尾がピンっと立ち上がった。
「ん……ちょっと、待ってよ」
ニーナが顔を上げると唾液の糸が尾を引いていたのでカインはペロリと舐め取った。
「ここも……もっと触れて良いか?」
尻尾の付け根を刺激する度に震える姿に情欲を掻き立てられ、カインはニーナの尻臀をグイグイと服越しに撫でた。
「う、あの……カイン」
「……すまない、嫌だったか」
カインはニーナの尻臀から慌てて手を離した。
(夜遅くに帰って来て……恋人に欲情して性急にことを進めるのは「余裕がない年下」だ。こんなことでは、ニーナに嫌われてしまう……)
カインがシュンとしているとニーナが頭を撫でて、コツンと額を合わせて来た。
「……ね、カイン君、何で勝手に盛り下がってるの?」
「……性急だったかと、反省している」
「ふっ……可愛い……」
額を合わせたニーナがクスクスと笑った。息遣いを感じる程近くにニーナがいることに、カインは胸がジンと熱くなった。
「カインは反省が早くて偉いよね。でも、待ってって言ったのは……やだってことじゃなくてさ……」
ニーナは起き上がると、カインの腰に跨り、もじもじと両手を合わせて目を伏せた。
「……オレさ、明日休みだから、夜更かししようと思って起きてたって言ったよね?」
「ああ、言っていたな」
「あと一週間くらいでカインも帰って来るし……後ろ使う準備、ちょっとだけ……しとこうかなって思って」
ニーナはふぅっと息を吐き出して一気に喋ったので、カインは一瞬どういう意味か汲み取ることが出来なかった。
「ニーナ、それは、どういう……」
「ああ、もう! だから、今日、一人でしようと思って、後ろを準備してあるんだよ」
ニーナが目をそらして恥ずかしそうに目を伏せた。
0
お気に入りに追加
88
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
泡沫のゆりかご 二部 ~獣王の溺愛~
丹砂 (あかさ)
BL
獣が人型へと進化した時代でも、弱肉強食はこの世界の在り方だった。
その中で最弱種族である跳び族。
その族長の長子として生まれたレフラは、最強種族である黒族長のギガイへ嫁いで、唯一無二の番である御饌(みけ)として日々を過ごしていた。
そんな中で、故郷である跳び族から族長の代替わりと、御饌に関する約定の破棄が告げられる。
エロは濃いめです。
束縛系溺愛のため、調教、お仕置きなどが普通に入ります。でも当人達はラブラブです。
ハッキリとR18のシーンが含まれている話数には※を付けています!
*******************
S彼/ドS/異物挿入/尿道責め/射精管理/言葉責め/連続絶頂/前立腺責め/調教/玩具/アナルビーズ
両性具有(アンドロギュヌス)の表現がありますが、女性の特徴はありません。
ただ妊娠可能といった前提です。
こちらには上のような傾向やプレーがあります。
苦手な方はご注意ください。
純粋すぎるおもちゃを狂愛
ましましろ
BL
孤児院から引き取られた主人公(ラキ)は新しい里親の下で暮らすことになる。実はラキはご主人様であるイヴァンにお̀も̀ち̀ゃ̀として引き取られていたのだった。
優しさにある恐怖や初めての経験に戸惑う日々が始まる。
毎週月曜日9:00に更新予定。
※時々休みます。
オタク眼鏡が救世主として異世界に召喚され、ケダモノな森の番人に拾われてツガイにされる話。
篠崎笙
BL
薬学部に通う理人は植物採集に山に行った際、救世主として異世界に召喚されるが、熊の獣人に拾われてツガイにされてしまい、もう元の世界には帰れない身体になったと言われる。そして、世界の終わりの原因は伝染病だと判明し……。
【R18】満たされぬ俺の番はイケメン獣人だった
佐伯亜美
BL
この世界は獣人と人間が共生している。
それ以外は現実と大きな違いがない世界の片隅で起きたラブストーリー。
その見た目から女性に不自由することのない人生を歩んできた俺は、今日も満たされぬ心を埋めようと行きずりの恋に身を投じていた。
その帰り道、今月から部下となったイケメン狼族のシモンと出会う。
「なんで……嘘つくんですか?」
今まで誰にも話したことの無い俺の秘密を見透かしたように言うシモンと、俺は身体を重ねることになった。
まだ、言えない
怜虎
BL
学生×芸能系、ストーリーメインのソフトBL
XXXXXXXXX
あらすじ
高校3年、クラスでもグループが固まりつつある梅雨の時期。まだクラスに馴染みきれない人見知りの吉澤蛍(よしざわけい)と、クラスメイトの雨野秋良(あまのあきら)。
“TRAP” というアーティストがきっかけで仲良くなった彼の狙いは別にあった。
吉澤蛍を中心に、恋が、才能が動き出す。
「まだ、言えない」気持ちが交差する。
“全てを打ち明けられるのは、いつになるだろうか”
注1:本作品はBLに分類される作品です。苦手な方はご遠慮くださいm(_ _)m
注2:ソフトな表現、ストーリーメインです。苦手な方は⋯ (省略)
僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした
なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。
「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」
高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。
そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに…
その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。
ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。
かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで…
ハッピーエンドです。
R18の場面には※をつけます。
その溺愛は伝わりづらい!気弱なスパダリ御曹司にノンケの僕は落とされました
海野幻創
BL
人好きのする端正な顔立ちを持ち、文武両道でなんでも無難にこなせることのできた生田雅紀(いくたまさき)は、小さい頃から多くの友人に囲まれていた。
しかし他人との付き合いは広く浅くの最小限に留めるタイプで、女性とも身体だけの付き合いしかしてこなかった。
偶然出会った久世透(くぜとおる)は、嫉妬を覚えるほどのスタイルと美貌をもち、引け目を感じるほどの高学歴で、議員の孫であり大企業役員の息子だった。
御曹司であることにふさわしく、スマートに大金を使ってみせるところがありながら、生田の前では捨てられた子犬のようにおどおどして気弱な様子を見せ、そのギャップを生田は面白がっていたのだが……。
これまで他人と深くは関わってこなかったはずなのに、会うたびに違う一面を見せる久世は、いつしか生田にとって離れがたい存在となっていく。
【7/27完結しました。読んでいただいてありがとうございました。】
【続編も8/17完結しました。】
「その溺愛は行き場を彷徨う……気弱なスパダリ御曹司は政略結婚を回避したい」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/962473946/911896785
↑この続編は、R18の過激描写がありますので、苦手な方はご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる