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番外編・青年カインの年上の恋人

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「カイン、キスしよ……」
「ああ……」

 覆い被さったニーナが顔を近づけて来たので、カインも唇を重ねた。チュッと唇を啄んでは顔を離し、目を合わせて嬉しそうにニーナは微笑んだ。

(頑なにキスさせてくれなかったニーナが……こんなに俺の唇を求めてくれる……幸せだ……)

 ニーナとの出会いが出会いなだけに、カインは最初、唇へのキスを許しては貰えなかった。カイン自身も若干意地になっていた所はあったので、その時のことを思い出して苦笑した。

「……どうしたの?」
「ああ……すまない。ニーナは最初、キスをさせてくれなかったなと思い出していた」
「……変なこと思い出すなよ。カインだって……好きだって分かるまでダメとか言ってたじゃないか……」
「ははっ、そうだったな」

 カインが笑うとニーナは悔しそうな顔をした。

「カインの笑った顔……可愛い」
「ニーナくらいだ。俺を可愛いなんて言うのは……」
「可愛い所も、かっこいい所も……一緒にいると安心する所も……好き、全部好き……」

 ニーナは悔しそうな顔のまま頬を染めて、カインにまたキスをした。

「はぁ……好き……カイン」
「俺もだ、ニーナ……」

 ニーナが唇に舌を這わして来たので迎え入れる様に舌を絡めた。

「ん……んん……はぁ……」
「は……ニーナ、好きだ……」

 舌を絡めたり解いたりを繰り返していると、お互いの熱さで溶けていくようだとカインは吐息を漏らした。ニーナの尻尾がゆらゆらと揺れているので、なだめる様に付け根を撫でた。

「うぅ……ん……んん……」
「……はぁ……は……もっと、ニーナが、欲しい……」

 尻尾の付け根を押すとニーナがビクンと震えて動きが止まり、尻尾がピンっと立ち上がった。

「ん……ちょっと、待ってよ」

 ニーナが顔を上げると唾液の糸が尾を引いていたのでカインはペロリと舐め取った。

「ここも……もっと触れて良いか?」

 尻尾の付け根を刺激する度に震える姿に情欲を掻き立てられ、カインはニーナの尻臀をグイグイと服越しに撫でた。

「う、あの……カイン」
「……すまない、嫌だったか」

 カインはニーナの尻臀から慌てて手を離した。

(夜遅くに帰って来て……恋人に欲情して性急にことを進めるのは「余裕がない年下」だ。こんなことでは、ニーナに嫌われてしまう……)

 カインがシュンとしているとニーナが頭を撫でて、コツンと額を合わせて来た。

「……ね、カイン君、何で勝手に盛り下がってるの?」
「……性急だったかと、反省している」
「ふっ……可愛い……」

 額を合わせたニーナがクスクスと笑った。息遣いを感じる程近くにニーナがいることに、カインは胸がジンと熱くなった。

「カインは反省が早くて偉いよね。でも、待ってって言ったのは……やだってことじゃなくてさ……」

 ニーナは起き上がると、カインの腰に跨り、もじもじと両手を合わせて目を伏せた。

「……オレさ、明日休みだから、夜更かししようと思って起きてたって言ったよね?」
「ああ、言っていたな」
「あと一週間くらいでカインも帰って来るし……後ろ使う準備、ちょっとだけ……しとこうかなって思って」

 ニーナはふぅっと息を吐き出して一気に喋ったので、カインは一瞬どういう意味か汲み取ることが出来なかった。

「ニーナ、それは、どういう……」
「ああ、もう! だから、今日、一人でしようと思って、後ろを準備してあるんだよ」

 ニーナが目をそらして恥ずかしそうに目を伏せた。

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