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指名と攻防

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 ベッドの上でギュウギュウと抱き合い、カインの頬や耳に唇を落とした。カインも最初はただ撫でるだけだったが段々とニーナの耳を食んだり首筋に唇を落として来た。

(カインもやっぱり、こういうことをしたかったのかな……)

 熱い息を吐いて唇で素肌に触れられるとカインと初めて体を重ねた時のことを思い出してしまう。

「カインの体もっと触りたいから、寝転んでよ」
「……ああ」

 ニーナには今のカインがどういう気持ちでいるのかは想像するしか無かったが、様々な葛藤を抱えているのは分かった。

 カインをベッドに押し倒し、大きな体に身を預けて額に唇を落とした。そしてニーナが長い尻尾を動かして体中を撫で擦ると、カインは目に見えて狼狽えた。

「……ニーナ、それは」
「オレの尻尾ふさふさだし、気持ち良くない?」
「……良くないわけでは、ないが……ッ」

 服の裾から尻尾を入れて肌を直接撫でるとカインは身をよじった。

「ニーナ……」
「ん……くすぐったかったら言ってね」

 カインの体にある傷跡の窪みを尻尾でなぞりつつ首筋を食んだ。密着した体からはカインの早くなった鼓動が伝わってくる。

「くっ……」
「ふふ、こうするの、良いでしょ……」

 ニーナが上体を少し起こし、手でカインの体を撫でながら尻尾を下半身に滑らした。

「ニーナ、そこはしなくても……」
「こっちも……撫でたいな……ダメ?」

 カインの頬にチュッとキスしてベルトを寛げ、下着越しに尻尾でカインのものを擦った。

「あ、ちょっと硬くなってる……」
「ッ……」

 尻尾でくすぐる様に擦ると段々とカインの欲望が膨らんで行くのが分かった。ニーナはカインの体を愛撫しつつ、段々と下側に移動した。尻尾をカインの下着から離すとカインはほっとした様だった。

「はぁ……熱い……」

 ニーナはカインの足の間に座り、服を脱いで上半身裸になった。

「ニーナ、これ以上はしなくても良い」

 カインが起き上がって困り顔をこちらに向けたが、ニーナは見ないフリをした。

「でもカイン君のここ……オレのせいで腫れちゃってるからニーナお兄さんは沢山よしよししてあげたいな」

 下着越しにカインのものを撫でるとピクピクと震えている。ニーナは自分も欲望を感じ、カインの下着をずらすと昂ぶったものがブルリと飛び出した。

「わ、やっぱりこんなに腫れて……」

 さわさわと直接撫で、根本を尻尾でくすぐるとカインは甘い息を漏らした。

「く……」
「前は手でしたから、今日は違うことしてあげる」

 ニーナはニコニコと笑ってカインの足の間に顔を埋めた。

「……ニーナ、何を」
「無理だなって思ったら……突き飛ばしてね」
「俺が……ニーナに、そんなこと……出来るわけが……」

 舌でカインのものを根本からツーっとなぞるとビクンと震えて更に欲望を膨らませた。

「ふ……カイン君は優しいなあ。でもニーナお兄さん……こういうことがお仕事だから楽しんで欲しいなぁ」

 先端にチュッとキスをしてからチロチロと舐めた。時折上目遣いでカインを見るとはっとした顔をして目をそらされた。

(戸惑っているな……)

 カインのものに手を添えてクプリと先端を口内に含み、舌先で舐めると先走りが溢れていく。

(……でも良くないわけじゃなさそうだし)

 獣人の犬歯は人間よりも尖っているので慎重に奉仕を続けた。ジュプジュプと音を立て、ニーナはカインの昂りを咥えて口内に出し入れした。カインがビクビクと震えているのが可愛らしかったので、ニーナは薄く微笑んだ。

「んっ、んっ……ねえ、オレの口、気持ち良い……?」

 口を離してニーナがそう言うとカインはそっぽを向きながらも「気持ち良い」と赤い顔で言った。葛藤しているカインの表情にニーナは酷くそそられた。

「もっと出来るから、ちょっとだけ我慢してね……」
「何を……ぅ……」

 カインが焦った声を出したが、構わず喉まで飲み込んだ。グプグプと喉奥を使って扱くと、カインの昂りは体積を増していく。

(おっきくなった……可愛い。もっといっぱいしてあげたい)

 カインの表情を見ているとニーナは体の奥が疼いた。

(はぁ……また、カインに抱かれたいな)

 カインを上目遣いで見つめ、昂ぶったものをジュルジュルと口内で扱き、ニーナも欲望を膨らませていった。

「ニーナ……ちょっと待ってくれ……」
「……んっ、んっ……どうしたの?」

 カインの昂りをズルリと口から離すと、カインはニーナの頭を撫でるように触って息を吐き出した。カインは所在なさげに耳や髪を撫でて来るので、ニーナの胸がキュンと鳴ってしまった。

「ニーナが苦しそうなのは嫌だ」
「んー、苦しくないって言えば嘘だけど……オレも興奮するし」
「……そう、なのか」
「うん、カインの顔見てると興奮するし、気持ち良くさせたいなって思うよ」

 笑って言うとカインはふぅっとため息を漏らした。そしてニーナを引き寄せて頭をポンポンと撫でた。

「……カイン君、どうしたのかな~?」

 切なげな表情のカインにニーナはドキリとしてしまったので茶化す様に尋ねた。

「俺もニーナを気持ち良くさせたい」
「……カインは前もそう言ってくれたけど、お客さんなんだからそういうのは気にせずに……あっ、ちょっと……」

 カインの空いている手がニーナの尻尾を辿って根本の辺りを撫でてくる。

「ん……良いんだって、オレは……」
「気持ち良くなっているニーナが見たい。客の要望を聞いては貰えないだろうか……?」
「……お客さんとしての、要望……ぅ、く……」

 ニーナのベルトを片手で器用に外し、直接尻尾の根本を押す様に撫でた。

「……ぁ、ん、あんまり、そこグイグイしないでぇ」
「ダメか……? ニーナ……」

 カインは甘い息を漏らしてニーナに触れた。カインはこの一ヶ月ニーナを好きなだけ撫で回していたせいか、ニーナが良くなる所を的確に撫でて来る。

(く、この間まで童貞だったのに……本当、飲み込みが早くて優秀だな)

「俺はやっぱりニーナを撫でるのが良いみたいだ」

 ニーナはカインを楽しませたいのに、カインはニーナに積極的に奉仕されると困惑の方が大きくなるらしかった。

(やっぱり最初にした時にちょっと意地悪したせいか? だとしたらオレの自業自得だけど……カインもカインだ……ここはそういうことする場所なんだからな!)

 それからニーナとカインはちょっとした攻防を繰り広げたが、結局はニーナが折れることになった。 

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