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明晰夢とその顛末・後編(柊山視点)

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「……はぁ……遥君……そんなこと……君はしなくても……」

 ベッドの端に座った僕の足の間に遥君が入り込み、床に腰を落として僕のものを一生懸命舐めていた。

「……んむ……ふはぁっ……あんまり、気持ち良くないですか?」
「……いや、あの……気持ち良いけれど……」
「オレ、もっと、頑張りますから……んぅ……」

 あむあむと先端を食むように舐められると快感とくすぐったさで身をよじってしまう。

――この間の仕返しかな……自分が彼にやる分には楽しかったけれど、やられる側になると途端に申し訳なくなってしまうな……

 遥君が僕のものを一生懸命咥えている姿には、正直とても興奮する。けれどだいぶ年下の恋人にこんなに奉仕させていると思うと、妙な背徳感があった。

――昼食の準備をしている時に遥君からあんな風に言われて、夜に彼に触れるのを楽しみにしていたけれど、まさか、こんな風に積極的に仕返しをしてくるとは……

 夜になり、寝室に入って来た遥君に『ベッドの端に座って欲しい』と頼まれた。座っている僕の膝に乗ってくれるのかなと、言われるままにベッドの端に行き床に足をつけて座った。そのまま、ちょっとした攻防はあったけれど、結局彼に奉仕してもらうことになったのだった。

――けして嫌ではないんだけれど、心の中に葛藤があるなあ……

 口の中でチュポチュポと水音を立てて舐められ、遥君の口の端から唾液が溢れた。彼は構わずに口の粘膜で僕のものを包み込み、刺激を与えてくる。彼の口から自分の昂ったものが出し入れされる光景は酷く卑猥だ。

「んっ……ぅ、敬久さんの……また大きくなった……」
「ッ……」

 一生懸命に口で奉仕する遥君の姿に体が反応してしまう。彼の髪をさわさわと撫でると、彼も嬉しそうに上目遣いで見てきてゾクゾクする。

「………はぁ、ふぁ……んんっ……ぁむ……」

 息が僕のものにかかり、口の中でカリ首を舌の先端で舐められるのが心地良くて、体がビクッと震えた。

――これは……気を抜いたらすぐにイッてしまいそうで危ないな。何というか、この絵面がすごくクるっていうか……

「はぁ……はぁ……んむぁ……ぅ……ゲホッ……ゲホッ……」

 遥君は僕のものを喉の奥まで飲み込んで舐めようとしたためか、咳き込んでしまった。慌てて彼の口の中からズルリと自分のものを引き抜いて、彼の頬を撫でる。

「遥君、大丈夫!? 僕のは良いから。次は僕が君に……」
「……オレも、敬久さんにもっと奉仕したいんです」

 遥君が唾液を手で拭い、生理的な涙で濡れた瞳で見上げてくる。その位置からそんな風に見られると、やましいことをしているようでドギマギしてしまう。

「……そんな風に見つめないでよ。僕は、十分気持ち良かったから」
「オレは、敬久さんの顔にかけちゃいましたし……」
「いや、あれは僕が……」

 あの時は君の反応を楽しみながらやっていたとは言えず、言い淀んだ。

「とにかく……君が苦しそうなのは嫌なんだ。僕は遥君が気持ち良さそうな所を見るのが好きなんだから……」
「……オレが気持ち良さそうだったら、奉仕して良いんですね?」
「え? うん、だから、そんな無理に、喉まで飲み込まなくて良いからね……」
「分かりました……」

 遥君は少しだけ残念そうにしながら、僕の足の間から動こうとしない。赤い顔をして、何かを考えているようだった。

「ね、ベッドの上に来てよ……」

 耳をくすぐる様に撫でると遥君は身をよじり、拗ねたような顔をする。

「……まだ、敬久さんに、今までの仕返しが済んでいないですから……」

 そう言うと自分のTシャツを捲り、胸をはだけさせた。

「遥君、何を……」

 そのまま起き上がった僕のものに手を添え、胸の先端にズリズリと擦りつけて刺激を与え始めた。遥君の思いもよらない行動に狼狽えてしまう。

「……はぁ……こ、これだと、オレも気持ち良いですからね……?」
「ぅ……くっ……」

――遥君は、いつも、僕の想像を超えたことをしてくるな……さっきのもだけれど、視覚的にすごくいやらしいことをしているって分かっているのかな

 目が離せなくてジッと凝視してしまう。遥君は恥ずかしそうにしながらも、一生懸命に胸の先端を擦りつけてくる。

「……た、敬久さんので、ここ、グリグリすると……オレも、きもちい……」

 うっとりとしながら荒い息を吐き出す。

「はぁ……んんっ……敬久さんは気持ち良いですか……?」
「……うん……気持ち良いよ……」

 もどかしい快感がジワジワと這い上がって来て、自分の口元を手で押さえてしまう。

「……良かった、オレ、敬久さんにもっと、嬉しくなってもらいたいんです。敬久さんの熱いので、もっとここ、擦って良いですか……?」
  
 擦りつける度に遥君の捲くったTシャツがずり下がって来たので、彼は口で捲り上げた裾を咥えた。
 胸元まで羞恥で赤くなった遥君の肌に、僕の先走りが付着してヌラヌラと光っている。彼の胸の先端は硬くなっており、裏筋にクニクニと擦りつけられる度に心地良い刺激に体が反応してしまう。

「ぅんっ……んん……んんっ」
「……遥君?」

 遥君がもう片方の胸の先端に手をやり、自分で触りはじめたので驚いてしまった。Tシャツを咥えているため、遥君のくぐもった喘ぎ声が寝室に響く。

――胸、自分で触っている所を見せてくれているのかな……それとも、夢中になってつい触っちゃったのかな……

 どちらにせよ、自分で胸を触っている所は今まで見せてくれなかったので、目が離せなくなってしまう。
 Tシャツを咥え、僕のものと自分の指で胸の先端を擦っている遥君がいやらしくて、自分の息もだいぶ荒くなってきた。指で胸の先端を摘んで捏ねくり回したり、スリスリと撫でたりする度に遥君の体はビクビクと跳ねた。

「……はぁ……遥君は、そういう風に触るの、好きなんだね」
「……ッ、んんっ……ふっ……」

 遥君が僕に言われて、トロンとした熱っぽい目で見上げてくる。

「あ……オレ、こうするのが……一番好きです……」

 口を開いたので咥えていたTシャツがずり下がり、手元が隠れてしまった。手元は見えないけれど、僕のもので胸の先端をつぶすようにギュッと押し付けられる。

「……ぁ、んっ……! ギュッて、つぶされて……グリグリするの……好き……」
「遥君……そんなに、したら……ッ」
 
 そんな風に刺激され続けたら、このまま達してしまいそうだなと思い、遥君の手を掴んだ。

「はぁ……ねえ、もうこっち来てよ」
「……ぅ、でも、もっと……」

 彼は名残り惜しそうに、僕のものをTシャツの中でさわさわと撫でる。

「……ッ……君に触りたいんだ。来ないんだったら、僕が床に行くよ」
「ぇ……あ……」
「……床で僕とセックスしたいの?」
「……そ、そんな言い方、しないでくださいよ」

 遥君は目を反らしながら、起き上がった僕のものを離した。そのまま彼の手をグイッと引っ張ると、彼は立ち上がってベッドに腰かける。お互い乱れた服を脱いで裸になりながら、もつれるように抱き合って唇を重ねた。

「……ぅ……はぁ……オレ、あなたのを舐めたのに、キスして良いんですか……?」

 遥君を組み敷くような体勢で唇を合わせていると、彼が僕の顔を押し退けて言った。

「君だって、気にしなかったじゃないか……」

 押し退ける手を掴んで握ると、構わずに唇を貪った。

「ふ……ぅ……んん……あっ!」

 キスしながら、彼の起き上がったものに手を伸ばしてゆるゆると扱くと声が濡れ始めた。

「あっ、あっ、んんっ……ん……はぁ……」

 握った手に力が入り、彼も熱い舌を絡めてうっとりとした表情になる。

「……ぅむ、あ……んっ……」
「はぁ……」

 顔を離して唾液の糸を舐め取ると、彼の首筋に唇を這わせる。遥君は小さく「あ」と声を上げて、空いている手で僕の頭を撫でた。

「んんっ……気持ち良い……あっ、ぅ……」

 撫でられるのが心地良くて、下を触る手の動きが緩みそうになってしまう。首筋に舌先を這わせてツーッと舐めたり甘噛みしながら、彼のものを触る手の動きを早くした。

「あっ! あっ、あっ……ぅんっ……」
「はぁ……君の体、触るの気持ち良いな……」

 顔を段々と下の方に移動させ、胸の先端に舌を這わすと、僕の頭を撫でながら遥君がビクッと震える。先程僕のものを擦りつけていた方の先端をチロチロと舐めた。焦らすように舌でなぞったり、舌先で触るか触らないかくらいに触れると、遥君が身をよじった。

「……ぁ、も、そんな同時には……あっ、ああっ!」

 舌先で弄んでいた胸の先端を口に含み、下を強めに扱いた。口に含んだそこをグリグリと舌で押しつぶすと遥君の声が高くなり、僕の頭を撫でる手が止まり始めた。

「……んっ……一緒にされるとっ……」

 身をよじって逃げようとするので、胸の先端を甘噛みすると彼の腰が浮き上がる。

「ひぁっ……た、敬久さん、も、オレ、そんないっぱいされたら、すぐにイッちゃいます……」
「……君の、気持ち良さそうな所、沢山見たくて……」
「も……敬久さんのが、欲しいです……」

 遥君が下を触る僕の手から逃れるように体をよじった。

「……オレの中、敬久さんので、好きにして欲しいです」

 喘ぎながらとんでもないことを言われ、彼の胸元から顔を上げると熱っぽい目で見つめ返される。

「……遥君さぁ、そんな風に言ったら、ダメだよ……」
「良いんです……オレ、あなたに好き勝手されたいって……ずっと、思っていて……」
「…………はぁ……遥君、君、何でそんなに僕のこと……」

 握った手を名残り惜しいなと思いながら離した。上体を起こし、サイドボードの上にある潤滑剤とコンドームに手を伸ばす。
 遥君は口元に手をやり、息を整えながら僕を見つめ続けてくる。これも仕返しの一部なのかなと思いながら、扇情的な光景に喉が鳴ってしまった。

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