7 / 22
7
しおりを挟む
美月とリュカが林家に遊びにきた。リュカが手作りのケーキを持ってきたので、さやかと怜太は大喜びだった。怜太が紅茶を入れ4人でお茶会をした。美月とリュカは相変わらず仲良く微笑ましいカップルだった。
怜太が「運命の番と出会えて羨ましい」とぽそっと言った。
「怜太君は運命の番に出会いたいの?」と美月は質問する。
こくんと頷き「お母さんもリュカも出会えて羨ましい」としょんぼりと言う。
美月はうーんと考えて「今のこの生活だと、運命の番というよりアルファとの出会いはないわよね」と言う。
「私とアルファがたくさんいるパーティに参加してみる?」と美月が提案した。美月はアルファのパーティの招待をたくさん受けている。怜太を同伴者として連れていくこと提案した。
「リュカも行くの?」
怜太が恐る恐る聞く。
「リュカも行ったら安心でしょ。私達あまりパーティ好きじゃないからサボリがちだったけど、怜太君の相手探しになるなら協力したいわ。リュカと仲良くしてくれて、リュカが日本に早く馴染めたのは怜太君のおかげと感謝してるの」
怜太が真っ赤になって照れる。
「僕の方こそ、リュカにフレンチ教えてもらってすごく勉強になってます」
リュカはにこにこしている。
「怜太は綺麗で優しい人だから、運命の番もきっと素敵な人だよ。出会えるといいね」
相談して、いくつかパーティに出ることになった。
美月とさやかが怜太のスーツを買いに行く日を楽しく打ち合わせた。
美月とリュカを乗せたタクシーがレストランはやしに迎えに来た。スーツ姿の怜太を乗せ、パーティ会場に向かった。そして疲労困憊して帰ってきた。さやかが出迎える。
「怜兄、運命の番、いた?」
怜太が疲れ切って言う。
「運命はいなかった。あんなにアルファのいる所に行ったの初めてで匂いに酔っちゃった」
匂いを取りたいと風呂場に直行してしまった。
さやかが「美月さん、リュカ、お茶を飲んでいきませんか?」と誘う。雅司もいて4人でお茶を飲んだ。
雅司が「どうだった?」と聞く。
美月がふうと溜め息をつき、「怜太君は美人だから、みんな色目を使い挨拶に来たわ。たぶん、それで疲れちゃったのね。20人くらいと挨拶したから、運命がいたら分かると思うけど、いなかったのね」
さやかが「運命でなくても良さそうな人は?」と質問する。
「気を悪くしないで欲しいんだけど……」と美月がためらいながら言う。
「今日は所謂アルファの名門出身者が多かったんだけど、おうちの都合で正妻はアルファ女性を望む人が多い感じ。運命の番であれば、そういう差別を乗り越えて正妻になれると思ったんだけど」
美月が申し訳なさそうに言う。
「怜太君が良ければ、名門出身ではないけど、才能がある人達が集まる、もう少しカジュアルなパーティに連れて行ってみるね」と提案した。
その後、2つのパーティに出たが、運命の番には出会えなかった。怜太は「もうパーティは止めとく」と元気なくパーティに行くことを希望しなくなった。美月は無理強いしなかった。
怜太が「運命の番と出会えて羨ましい」とぽそっと言った。
「怜太君は運命の番に出会いたいの?」と美月は質問する。
こくんと頷き「お母さんもリュカも出会えて羨ましい」としょんぼりと言う。
美月はうーんと考えて「今のこの生活だと、運命の番というよりアルファとの出会いはないわよね」と言う。
「私とアルファがたくさんいるパーティに参加してみる?」と美月が提案した。美月はアルファのパーティの招待をたくさん受けている。怜太を同伴者として連れていくこと提案した。
「リュカも行くの?」
怜太が恐る恐る聞く。
「リュカも行ったら安心でしょ。私達あまりパーティ好きじゃないからサボリがちだったけど、怜太君の相手探しになるなら協力したいわ。リュカと仲良くしてくれて、リュカが日本に早く馴染めたのは怜太君のおかげと感謝してるの」
怜太が真っ赤になって照れる。
「僕の方こそ、リュカにフレンチ教えてもらってすごく勉強になってます」
リュカはにこにこしている。
「怜太は綺麗で優しい人だから、運命の番もきっと素敵な人だよ。出会えるといいね」
相談して、いくつかパーティに出ることになった。
美月とさやかが怜太のスーツを買いに行く日を楽しく打ち合わせた。
美月とリュカを乗せたタクシーがレストランはやしに迎えに来た。スーツ姿の怜太を乗せ、パーティ会場に向かった。そして疲労困憊して帰ってきた。さやかが出迎える。
「怜兄、運命の番、いた?」
怜太が疲れ切って言う。
「運命はいなかった。あんなにアルファのいる所に行ったの初めてで匂いに酔っちゃった」
匂いを取りたいと風呂場に直行してしまった。
さやかが「美月さん、リュカ、お茶を飲んでいきませんか?」と誘う。雅司もいて4人でお茶を飲んだ。
雅司が「どうだった?」と聞く。
美月がふうと溜め息をつき、「怜太君は美人だから、みんな色目を使い挨拶に来たわ。たぶん、それで疲れちゃったのね。20人くらいと挨拶したから、運命がいたら分かると思うけど、いなかったのね」
さやかが「運命でなくても良さそうな人は?」と質問する。
「気を悪くしないで欲しいんだけど……」と美月がためらいながら言う。
「今日は所謂アルファの名門出身者が多かったんだけど、おうちの都合で正妻はアルファ女性を望む人が多い感じ。運命の番であれば、そういう差別を乗り越えて正妻になれると思ったんだけど」
美月が申し訳なさそうに言う。
「怜太君が良ければ、名門出身ではないけど、才能がある人達が集まる、もう少しカジュアルなパーティに連れて行ってみるね」と提案した。
その後、2つのパーティに出たが、運命の番には出会えなかった。怜太は「もうパーティは止めとく」と元気なくパーティに行くことを希望しなくなった。美月は無理強いしなかった。
0
お気に入りに追加
109
あなたにおすすめの小説
人気俳優と恋に落ちたら
山吹レイ
BL
男性アイドルグループ『ムーンシュガー』のメンバーである冬木行理(ふゆき あんり)は、夜のクラブで人気俳優の柏原為純(かしわばら ためずみ)と出会う。
そこで為純からキスをされ、写真を撮られてしまった。
翌日、写真はネットニュースに取り上げられ、為純もなぜか交際を認める発言をしたことから、二人は付き合うふりをすることになり……。
完結しました。
※誤字脱字の加筆修正が入る場合があります。
恋してみよう愛してみよう
大波小波
BL
北條 真(ほうじょう まこと)は、半グレのアルファ男性だ。
極道から、雇われ店長として、ボーイズ・バー『キャンドル』を任されている。
ある日、求人面接に来たオメガの少年・津川 杏(つがわ きょう)と出会う。
愛くるしい杏を、真は自分の家政夫として囲うことにしたが、この少年は想像以上にピュアでウブだった……。
後発オメガの幸せな初恋 You're gonna be fine.
大島Q太
BL
永田透は高校の入学時検診でオメガと判定された。オメガの学校に初めてのヒート。同じ男性オメガと育む友情。そして、初恋。戸惑う透が自分のオメガ性と向き合いながら受け入れ。運命に出会う話。穏やかに淡々と溺愛。
本当にあなたが運命なんですか?
尾高志咲/しさ
BL
運命の番なんて、本当にいるんだろうか?
母から渡された一枚の写真には、ぼくの運命だという男が写っていた。ぼくは、相手の高校に転校して、どんな男なのか実際にこの目で確かめてみることにした。転校初日、彼は中庭で出会ったぼくを見ても、何の反応も示さない。成績優秀で性格もいい彼は人気者で、ふとしたことから一緒にお昼を食べるようになる。会うたびに感じるこの不思議な動悸は何だろう……。
【幼い頃から溺愛一途なアルファ×運命に不信感を持つオメガ】
◆初のオメガバースです。本編+番外編。
◆R18回には※がついています。
🌸エールでの応援ならびにHOTランキング掲載、ありがとうございました!
真柴さんちの野菜は美味い
晦リリ
BL
運命のつがいを探しながら、相手を渡り歩くような夜を繰り返している実業家、阿賀野(α)は野菜を食べない主義。
そんななか、彼が見つけた運命のつがいは人里離れた山奥でひっそりと野菜農家を営む真柴(Ω)だった。
オメガなのだからすぐにアルファに屈すると思うも、人嫌いで会話にすら応じてくれない真柴を落とすべく山奥に通い詰めるが、やがて阿賀野は彼が人嫌いになった理由を知るようになる。
※一話目のみ、攻めと女性の関係をにおわせる描写があります。
※2019年に前後編が完結した創作同人誌からの再録です。
たしかなこと
大波小波
BL
白洲 沙穂(しらす さほ)は、カフェでアルバイトをする平凡なオメガだ。
ある日カフェに現れたアルファ男性・源 真輝(みなもと まさき)が体調不良を訴えた。
彼を介抱し見送った沙穂だったが、再び現れた真輝が大富豪だと知る。
そんな彼が言うことには。
「すでに私たちは、恋人同士なのだから」
僕なんかすぐに飽きるよね、と考えていた沙穂だったが、やがて二人は深い愛情で結ばれてゆく……。
落第騎士の拾い物
深山恐竜
BL
「オメガでございます」
ひと月前、セレガは医者から第三の性別を告知された。将来は勇猛な騎士になることを夢見ていたセレガは、この診断に絶望した。
セレガは絶望の末に”ドラゴンの巣”へ向かう。そこで彼は騎士見習いとして最期の戦いをするつもりであった。しかし、巣にはドラゴンに育てられたという男がいた。男は純粋で、無垢で、彼と交流するうちに、セレガは未来への希望を取り戻す。
ところがある日、発情したセレガは男と関係を持ってしまって……?
オメガバースの設定をお借りしています。
ムーンライトノベルズにも掲載中
ナッツに恋するナツの虫
珈琲きの子
BL
究極の一般人ベータである辻井那月は、美術品のような一流のアルファである栗栖東弥に夢中だった。
那月は彼を眺める毎日をそれなりに楽しく過ごしていたが、ある日の飲み会で家に来るように誘われ……。
オメガ嫌いなアルファとそんなアルファに流されるちょっとおバカなベータのお話。
*オメガバースの設定をお借りしていますが、独自の設定も盛り込んでいます。
*予告なく性描写が入ります。
*モブとの絡みあり(保険)
*他サイトでも投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる