ひらたい日々

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したい口コミ

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私はこんな口コミが欲しい、したい、という話。ちまたにあふれる口コミの信頼度ってどれくらいあるのかしらん。


不味くて食べられない。こんなことがあるのだ、という体験をした。

表現が大げさすぎるな。不味いジャージャー麺を食べた。

旅先のガイド紙にも名のある店だった。レポをあげているYouTuberさんが美味しいと評していた店だった。宿泊先では海鮮料理がメインになるだろうと、海の街で海鮮を避けての店選択だった。

最初は、私のチョイスがよくなかったのか、と思った。

担々麺を名物とする街で、ジャージャー麺を選ぶ。辛いの苦手だけど、麺類がいいかな、麺の名物があるのだから、麺がよくないなんてないだろう、という気持ちからの選択ではあった。あったのだけれど、その麺がダメだった。伸び伸びのぶにょぶにょ麺。出汁につかっているのであろうが、しいたけの味しかしない味噌ダレ。ううむ。

やっぱり、ジャージャー麺なんて選んではダメだったのね。二口食べてギブアップ寸前となった私は反省した。


そこへ、私たちとおなじく観光客と思われる、4人組の若い男性たちが入ってきた。「やっぱ担々麺だよね」と、4人そろって注文する。

ああ、そうだよね。私も素直に担々麺にすればよかったのだ。辛いの得意ではないけれど、嫌いではないし、少なくとも二口以上は食べられただろう。しょんぼりと、私の反省は加速する。

私の気持ちとは正反対に、若い男性たちはハイテンションだ。B級グルメについて、買いたいものについて、盛り上がっている。担々麺が到着すると、一際大きな歓声が上がった。

ああ、そうだよね。私も素直に担々麺にすればよかったのだ。そうしたら、あんなふうにテンション高く喜んで、写真も撮って、楽しい食事になったにちがいない。さて、この不味いジャージャー麺はどうしよう。ふだんならば、食べ残しは失礼だと、多少口に合わずともがんばって食べるのだけれど、今回のこれは、それすらできないくらいの品だった。麺を数本ひきあげて、やっとのことで口にする。

そんなことをしていて、ふと、あまりにも店内が静かなことに気が付いた。騒がしい若い男性たちはぺろりとたいらげ、もう帰っちゃったのかな。そう思って振り返ると、そこにはまだ若い男性たちが居た。居たのだけれど、先ほどとは様子がちがった。4人そろって黙り込み、のろのろと箸を動かしているではないか。

そこで私は悟った。よくなかったのはジャージャー麺をチョイスしたことではなく、店のチョイスそのものだったことを。


ガイド紙、あれは広告収入で成り立つものだから、名前があるからといって、店のあれこれを担保してくれるものではないのだよね。冷静に考えればそういうものだ。では、YouTuberさんのレポは?有名な人なのかもしれないけれど、私からしたらまったく知らない人だってこと、忘れてはダメだった。どこをもって信頼できるのか、ちゃんと考えるべきだった。好みはみんなちがうし、宣伝を含めた動画だったのかも。


こんなにも不味いなんて、笑える。笑えるからいいんだけどさ、でもちょっと、ヤラレタ感が悔しいわ。おなじようにあそこに食べに行く人がいるかもって思うと、どうにかこの体験をお伝えして、よく考えてねって言いたいわ。


ガイドサイトや口コミサイトに、忖度なしの本音だけの感想を書いたら、「誹謗中傷」「営業妨害」そんなことを言われちゃうのかな。

いえいえ、これはあくまで私個人のあリアルな感想です。避難否定の気持ちはありません。「ただそう思った」ということだけが事実です。感じ方には個人差があります。みたいな口コミがしたいなぁ。いいものを誰かに教えたい、そんな気持ちがいつもある。それにプラスして、がっかりな気持ちはあんまりいいもではないから、残念だったことも共有したい。

今の世は、それが難しくなってしまっていると、思ってしまう。でも私はそういうことがしたい。そういうものがあったらいいのに、と思う。

たぶんきっと、口コミの始まりは、そういうものだったんじゃないのかなぁ。

社会の成熟はいろいろ気難しいね。




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