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虫圭

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二章 chocolate brothers

2月1日『Brother complex』

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「ただいまー」
「おかえり」
「あれー、お兄ちゃん、まだ起きてたのぉー」
「おー」
「またゲーム? それともアニメ?」
「動画」
「動画かぁー、そっかぁー。ゆかも一緒に見るー」
「おー」
「お風呂先に入ってくるねー」
「おー」
「一緒に入るぅー?」
「もう入った」
「なんだぁー。じゃーゆかだけ入ってくんねー」
「おー」

 俺の妹はブラコンだ。

 親父とお袋は俺が大学三年の時に交通事故で死んだ。
 トラックと正面衝突だった。
 俺と妹だけが後部座席に座っていて助かった。
 普通、トラックと乗用車が正面衝突したら後部座席の人間も死ぬ。
 俺と妹が助かったのは、停車していた俺達家族が乗っていた車にトラックが正面から突っ込んで来たからだ。
 だから前に乗っていた親父とお袋は死んで、後ろにいた俺達二人だけが生き残った。
 それ以来俺と妹は二人で生活している。

「お兄ちゃんあがったよぉー」
「おー」
「動画何見てるのー」
「ゲーム実況」
「それ面白いのぉー?」
「まあまあ」
「まーまーかぁ」
「おー」
「とりあえずお兄ちゃん、私のスペース開けて」
「ん」
「ありがと、お兄ちゃんっ」

 そう言うと妹は当然のように俺の股ぐらに座った。

 俺の妹は普通じゃないタイプのブラコンだ。
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